The Call – Modern Romans (1983)

The Call『Modern Romans』について

The Callの『Modern Romans』は、1983年にアメリカでリリースされたロック作品。サンタクルーズで1980年に結成されたバンドが、80年代前半の空気の中で形にしたアルバムで、オルタナティヴ・ロックとニュー・ウェイヴの要素が交差する一枚です。

中心にいるのは、ヴォーカルとギターを担うMichael Been。そこにScott Musickのドラム、Greg Freemanのベース、Tom Ferrierのギターが重なり、The Callらしい骨太さと整った構成感を作っている印象です。後年の作品に比べても、バンドの輪郭がはっきり見えやすい時期のアルバムという位置づけでしょう。

サウンドの印象

サウンドは、ロックの直線的な押し出しに、当時らしいニュー・ウェイヴの整理された質感が加わるタイプ。ギターとリズム隊が前に出つつ、音の置き方には余白があり、派手さよりも曲の流れで聴かせる作りです。80年代初頭のUSロックの中でも、硬質さとポップな整理感の両方を持つ作品として受け取れそうです。

作品の位置づけ

The Callは、のちにより広く知られる時期へつながる前段階で、このアルバムではバンドの基本形が見えます。Michael Beenの歌と曲作りを軸に、演奏のまとまりで引っ張るタイプの作品で、デビュー期のバンドが自分たちの音を固めていく流れの中にある一枚です。

同時代の文脈

1983年という時期を考えると、USロックではニュー・ウェイヴやポストパンクの影響が広がりつつ、バンドごとの個性がより前面に出ていた頃です。The Callもその流れの中で、単なるギターロックではなく、リズムや音の配置に時代性を感じさせるバンドとして位置づけられます。

ジャケットの話題

この1983年盤のジャケットには、Cecil B. DeMille監督のサイレント映画『Manslaughter』(1922年)のスチルが使われている点も特徴です。音だけでなく、ビジュアル面でも映画的な参照が置かれているのが面白いところです。

まとめ

『Modern Romans』は、The Callの初期の輪郭を知るうえで重要な作品。80年代初頭のUSロックとニュー・ウェイヴの交差点に置けるアルバムで、Michael Beenを中心としたバンドの出発点としても見えてきます。演奏のまとまり、曲の構成、そして時代の質感が、きちんと一枚に収まっている作品です。

トラックリスト

  • A1 The Walls Came Down (3:35)
  • A2 Turn A Blind Eye (3:48)
  • A3 Time Of Your Life (3:27)
  • A4 Modern Romans (3:24)
  • A5 Back From The Front (4:02)
  • B1 Destination (4:32)
  • B2 Violent Times (4:28)
  • B3 Face To Face (4:05)
  • B4 All About You (4:20)

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2026.06.01