The Smiths – Meat Is Murder (1985)
The Smiths『Meat Is Murder』について
The Smithsの『Meat Is Murder』は、1985年に発表された2作目のスタジオ・アルバムだ。英マンチェスター出身の4人組による作品で、Morrisseyの歌詞とJohnny Marrのギターを軸に、1980年代の英国インディー・ロックを代表する一枚として知られている。
この盤は2009年のUS盤リイシュー。オリジナルの1985年盤をもとにした再発で、180グラム盤、両面に歌詞とクレジットを載せた特製ダストカバー付きという仕様になっている。録音はLiverpoolのAmazon StudiosとSurreyのRidge Farm、ミックスは1984年冬のロンドン、Island Studiosで行われた。
作品の位置づけ
The Smithsにとって『Meat Is Murder』は、デビュー作に続いてバンドの方向性をはっきり示したアルバムだ。デビュー盤で見えたバンドの輪郭を、そのまま次の段階へ進めた印象が強い。Morrisseyの言葉選びはこの時点でかなり明確で、日常の感情、社会への視線、身体性のあるテーマが並ぶ。
タイトル曲「Meat Is Murder」は、バンド名義の作品の中でも特にメッセージ性が前面に出た曲としてよく知られている。アルバム全体の中で、The Smithsが単なるギターポップの枠に収まりきらない存在として受け止められる理由のひとつでもある。
サウンドと聴きどころ
Johnny Marrのギターは、この時期のThe Smithsらしく、コード感と細かなフレーズの組み合わせが目立つ。Mike JoyceとAndy Rourkeのリズム隊は、派手に前へ出るというより、曲の流れを崩さずに支える役回りだ。そこにMorrisseyの歌が乗ることで、軽い音数でも曲の輪郭がはっきりする作りになっている。
実際に聴くと、音の密度は高いのに、演奏の見通しは悪くない。ギターの刻み、ベースの動き、歌の間の取り方が分離して聞こえやすく、各曲の構造が追いやすい盤だ。
代表曲
- 「The Headmaster Ritual」: アルバム冒頭を飾る曲で、緊張感のあるギターと歌の組み合わせが印象に残る。
- 「How Soon Is Now?」: The Smithsを代表する楽曲のひとつ。後年も繰り返し参照されることの多い曲で、アルバムの存在感を大きくしている。
- 「Well I Wonder」: 歌と演奏の距離感が近く、内省的な流れが出やすい曲。
- 「That Joke Isn’t Funny Anymore」: 作品後半の中でもよく知られる曲で、感情の置き方がはっきりしている。
ジャケットについて
ジャケットに使われた人物は、1967年9月21日に南ベトナムのダナンで撮影されたMarine Corporal Michael Wynnだとされている。元のヘルメットには「Make War Not Love」と書かれていたが、アルバム用の画像では文字が差し替えられている。戦争写真を引用したこのジャケットは、タイトルとあわせて作品の主題を強く印象づけるものになっている。
同時代との関係
1980年代前半の英国インディー・シーンでは、The SmithsはThe CureやNew Orderと並んで語られることが多い。もっとも、The Smithsはシンセ主体の方向よりも、ギターの組み立てと歌詞の語り口で独自の立ち位置を作ったバンドだ。後のオルタナティブ・ロックやインディー・ロックにも影響が広がっていくタイプの作品でもある。
2009年US再発盤として
この2009年US再発盤は、オリジナルの1985年盤を現在のフォーマットで手に取りやすくしたものだ。180グラム盤という点に加え、歌詞とクレジットをまとめたダストカバーが付くことで、当時の作品情報に触れやすい構成になっている。レーベル表記には1985年の著作権・原盤情報が残っており、作品自体はあくまで1985年作として扱うのが自然だ。
まとめ
『Meat Is Murder』は、The Smithsの初期像をはっきり示すアルバムだ。Morrisseyの主題の置き方、Marrのギターの組み方、バンド全体の空気感がまとまっていて、1980年代英国ロックの中でも特徴のある一枚として位置づけられている。
トラックリスト
- A1 – The Headmaster Ritual (4:52)
- A2 – Rusholme Ruffians (4:20)
- A3 – I Want The One I Can’t Have (3:14)
- A4 – What She Said (2:42)
- A5 – That Joke Isn’t Funny Anymore (4:58)
- B1 – Nowhere Fast (2:37)
- B2 – Well I Wonder (4:00)
- B3 – Barbarism Begins At Home (6:57)
- B4 – Meat Is Murder (6:07)
関連動画
- Barbarism Begins at Home (2011 Remaster)
- Meat Is Murder (2011 Remaster)
- What She Said (2011 Remaster)
- Rusholme Ruffians (2011 Remaster)
- The Smiths – The Headmaster Ritual (Official Audio)
- The Smiths – I Want The One I Can’t Have (Official Audio)
- The Smiths – That Joke Isn’t Funny Anymore (Official Audio)
- The Smiths – How Soon Is Now? (Official Music Video)
- The Smiths – Nowhere Fast (Official Audio)
- The Smiths – Well I Wonder (Official Audio)
Birdsongs Of The Mesozoic – Faultline (1989)
Birdsongs Of The Mesozoic『Faultline』(1989)
Birdsongs Of The Mesozoicは、1980年に結成されたUSのバンドで、もともとはMission of BurmaのRoger MillerとMartin Swopeによるサイドプロジェクトとして始まったグループだ。Mission of Burma解散後は本格的な活動体になり、1980年代後半には編成を入れ替えながら活動を続けていく。『Faultline』は1989年にリリースされた作品で、バンドのその時点での到達点を示す一枚として位置づけられる。
作品の輪郭
この作品は、ElectronicとRockを軸にしながら、Alternative Rock、Future Jazz、Prog Rockの要素を含む。Birdsongs Of The Mesozoicらしい、ロックの編成感とアンサンブル主体の組み立てが前面に出るタイプの作品として捉えやすい。
メンバーにはMartin Swope、Ken Field、Steve Adams、Erik Lindgren、Michael Bierylo、Roger Miller、Rick Scottの名前が挙がっている。プロフィール上では、Roger Millerは1987年に脱退し、Ken Fieldが加わり、Martin SwopeもMichael Bieryloに交代しているため、『Faultline』はそうした編成変化の流れの中にある作品でもある。
バンドの文脈
出自をたどると、Birdsongs Of The MesozoicはMission of Burma周辺の流れから生まれたバンドで、パンクやオルタナティヴの系譜に接点を持ちながら、より器楽的で構成の細かい方向へ進んでいったグループとして知られている。こうした背景は、同時代のUSオルタナティヴ・ロックの中でも少し異なる位置づけにつながっている。
同時代の文脈で見ると、単純なバンド・サウンドというより、室内楽的な組み立てや変拍子、音色の切り替えを重視するタイプのロックに近い。比較対象として名前が挙がりやすいのは、実験性の強いロック・バンドや、ジャズ寄りの発想を持つインストゥルメンタル・グループあたりだろう。
聴きどころの見方
実際に聴くと、演奏の重心は歌よりもアンサンブルにある印象になりやすい。リズムの細かな動き、キーボードや管楽器的な音の置き方、曲ごとの構成の組み替えが耳に入りやすいタイプの作品だ。ロックの推進力と、ジャズや現代音楽に接するような整理されたフレーズ感が同居しているところが、このバンドらしい特徴として受け取られやすい。
代表曲や大きなヒット曲については、この作品に関して一般的に広く知られた一曲を前提に語られることはあまり多くない。アルバム全体の流れや曲間の構成を含めて聴かれることが多いタイプの一枚といえる。
まとめ
『Faultline』は、Birdsongs Of The MesozoicがMission of Burmaの延長線上から独立した表現へ進んでいく過程にある1989年作だ。USオルタナティヴの文脈にありながら、電子的な質感、ロックの編成感、ジャズやプログレッシヴ・ロックの構成意識を一枚に収めた作品として見えてくる。
トラックリスト
- A1 – The True Wheelbase (2:59)
- A2 – They Walk Among Us (3:35)
- A3 – Coco Boudakian (5:47)
- A4 – I Don’t Need No Crystal Ball (3:20)
- A5 – Chariots Of Fire (2:46)
- B1 – Faultline (4:41)
- B2 – On The Street Where You Live (4:05)
- B3 – Maybe I Will (6:08)
- B4 – There Is No One (3:44)
- B5 – Slo-Boy (4:26)
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Terry Hall – Laugh (1997)
Terry Hall『Laugh』について
Terry Hallのソロ作『Laugh』は、1997年に発表された作品。スキンヘッド・レゲエや2トーンの文脈で知られるThe Specialsのフロントマンとして名を上げた彼が、ソロでは別の角度から自分の歌を聴かせる流れにある1枚だ。2019年盤として出回っているこのレコードは、オリジナルの1997年作をあらためて手に取れる形にしたものとして見てよさそうだ。
作品の位置づけ
Terry Hallは、The Specials、Fun Boy Three、The Colourfield、Vegasといった活動を経て、1990年代にソロ名義のアルバムを発表している。その中で『Laugh』は、彼のソロ期を代表するタイトルのひとつ。バンドでの役割が強かった時代と比べると、より個人の視点が前に出る作品として位置づけられる。
音の印象
ジャンル表記はRock、スタイルはPop Rock、Alternative Rock。実際のサウンドも、その枠の中で整理しやすい内容になっている。派手に押し出すタイプというより、メロディと歌の輪郭をきちんと見せる作りで、Terry Hallの歌い方の癖や言葉の置き方がよく伝わる。
彼の声は、軽く流すというより、少し間を置いて言葉を置く感じがある。そのため、曲の中ではユーモアと皮肉、そして静かな温度差が同居して聞こえる場面がある。The SpecialsやFun Boy Threeでの経験が下地にありつつ、90年代のオルタナティヴ寄りの空気にも接続している印象だ。
1990年代英ロックとのつながり
『Laugh』が出た1997年は、UKロックやポップの中で、ソロ・シンガーがバンド的な質感を持ち込む作品も多かった時期。Terry Hallの場合は、ダンスホールやスカのイメージだけに収まらず、歌ものとしての強さを前に出している点が特徴的だ。派手なヒット曲で押すというより、アルバム全体の流れで聴かせるタイプの作品。
再発盤としての見どころ
2019年盤として流通しているこのレコードは、1997年のオリジナル盤をあらためて楽しめる形。盤としての新しさよりも、当時の音像や曲順をそのまま追える点に意味がある。Terry Hallのソロ期をまとめて辿るうえでも、ひとつの節目になるタイトルだ。
まとめ
『Laugh』は、Terry Hallの歌と曲作りが、The Specials以降の文脈の中でどうソロ作品へつながっていくかを見せる1枚。ポップ・ロック、オルタナティヴ・ロックの枠に置きながらも、彼ならではの言葉の運びと、少し距離を取った歌声が印象に残る作品だ。
トラックリスト
- A1 – Love To See You
- A2 – Sonny And His Sister
- A3 – Ballad Of A Landlord
- A4 – Take It Forever
- A5 – Misty Water
- B1 – Room Full Of Nothing
- B2 – Happy Go Lucky
- B3 – For The Girl
- B4 – Summer Follows Spring
- B5 – I Saw The Light
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The Golden Palominos – Visions Of Excess (1985)
The Golden Palominos『Visions Of Excess』について
The Golden Palominosは、Anton Fierを中心に1981年に始動したアメリカの音楽プロジェクトで、この『Visions Of Excess』は1985年の作品です。ロックを土台にしながら、オルタナティヴ・ロックやポストパンクの要素を重ねた一枚として位置づけられます。
クレジットを見ると、Bill Laswell、Arto Lindsay、Bootsy Collins、Nicky Skopelitis、John Zorn、Syd Straw、Lori Carson、David Moss、Peter Blegvad、Jody Harris、Amanda Kramer、Lydia Kavanaghなど、かなり多彩な顔ぶれが並びます。固定バンドというより、参加者の個性を集めて組み立てるタイプの作品という印象です。
サウンドの印象
音の輪郭は、ロックの骨格を保ちながらも、ポストパンクらしい硬さや緊張感が見える方向です。アンサンブルは一筋縄ではいかず、リズムや音色の置き方にも実験的な気配があります。派手に押し切るというより、細部の配置で引っかかりを作るタイプの質感です。
当時のオルタナティヴ・ロックや、ニューヨーク周辺の実験色の強いロック作品と並べて語られることはありそうです。Bill LaswellやJohn Zornの名前が入っている点からも、ロックと前衛寄りの感覚が交差する時代の空気が見えます。
作品の位置づけ
The Golden Palominosにとっては、プロジェクトの性格がよく出た時期の作品といえそうです。Anton Fierを軸にしながら、参加メンバーごとの色が前に出る作りで、バンドの輪郭そのものより、そこで何が起きるかに重心がある構成です。
1985年という年を踏まえると、ロックの形式が広がっていく流れの中に置ける一枚です。ポストパンク以後の感覚、実験的な演奏、そしてオルタナティヴな組み立て方が重なるあたりに、この作品の特徴が見えます。
まとめ
- アーティスト: The Golden Palominos
- 作品名: Visions Of Excess
- オリジナルリリース年: 1985年
- ジャンル: Rock
- スタイル: Alternative Rock, Post-Punk
- 中心人物: Anton Fier
ロックの枠組みの中で、参加メンバーの個性を前面に出した1985年の一枚。オルタナティヴ・ロックとポストパンクの交差点にある作品として見ると、当時の空気がつかみやすいです。
トラックリスト
- A1 Boy (Go) (5:27)
- A2 Clustering Train (6:05)
- A3 Omaha (3:10)
- A4 The Animal Speaks (4:05)
- B1 Silver Bullet (5:07)
- B2 (Kind Of) True (4:45)
- B3 Buenos Aires (3:45)
- B4 Only One Party (4:30)
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The The – Heartland (1986)
The The「Heartland」について
「Heartland」は、UKのグループ、The Theが1986年に発表した作品。Matt Johnsonを中心に活動するこのユニットは、固定メンバーを持たず、作品ごとに参加者を変えながら音を組み立ててきた。この曲も、その流れの中で生まれた1曲として位置づけられる。
同じ1986年にはアルバム「Infected」があり、「Heartland」はその中で最も成功したシングルとしてUKチャート29位を記録している。The Theの中でも、作品名をそのままタイトルにした代表曲として知られる存在だ。
サウンドの印象
ジャンル表記はElectronic、Rock、スタイルはAlternative Rock、Synth-pop。実際の音像も、そのあたりの要素が重なる作りになっている。打ち込みやシンセの質感を土台にしつつ、ロック寄りの推進力を持った展開で、淡々とした空気の中に緊張感があるタイプの楽曲だ。
The Theは、同時代の英国オルタナティブやシンセポップの文脈で語られることが多いが、単純なバンドサウンドにも電子音中心のポップにも寄り切らないところが特徴的。Matt Johnsonのソングライティングを軸に、曲ごとに参加ミュージシャンが変わるため、同じアーティスト名でも作品ごとの輪郭が少しずつ違って見える。
作品の位置づけ
「Heartland」は、「Infected」期の流れを象徴する楽曲のひとつ。The Theが1980年代半ばに到達した、政治や社会の空気を内包しながらも、ポップソングとして成立する書き方がよく出ている。アルバム全体の中でも、この曲が最も広く届いたという事実は、当時のバンドの存在感を示している。
関連する背景
1980年に活動を始め、1983年の「Soul Mining」で高い評価を得たThe Theは、1986年の「Infected」でさらにスケールを広げた。その後もメンバー編成を変えながら、Mind Bomb、Duskへと進んでいく。そうした流れの中で見ると、「Heartland」はThe Theの1980年代を代表するシングルのひとつとして捉えやすい。
- アーティスト: The The
- タイトル: Heartland
- リリース年: 1986年
- 国: UK
- ジャンル: Electronic / Rock
- スタイル: Alternative Rock / Synth-pop
トラックリスト
- A Heartland (5:02)
- B1 Flesh & Bones (4:00)
- B2 Born In The New S.A. (1:58)
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Steven Wilson – The Future Bites (2021)
Steven Wilson『The Future Bites』について
『The Future Bites』は、Steven Wilsonが2021年に発表した6作目のソロ・アルバム。リリース国はヨーロッパで、オリジナルの発売も2021年1月29日となっている。ジャンル表記はロック、スタイルはオルタナティヴ・ロックとプログレッシヴ・ロック。Steven Wilsonのソロ作の中でも、時代性のあるテーマと、整理された音像が前に出る作品として位置づけられるアルバムだ。
Steven Wilsonというアーティスト
Steven Wilsonは、イギリス出身のミュージシャン、ソングライター、プロデューサー。Porcupine Treeの中心人物として知られ、ソロ活動では作曲、歌唱、ギター、プロデュースまでを広く手がけてきた。録音音源のリストアやリマスターでも知られていて、作品づくりに対する細かな視点を持つアーティストでもある。
ソロ名義の作品では、プログレッシヴ・ロックを土台にしながら、エレクトロニックな要素やポップの感触を取り込むことが多い。この『The Future Bites』でも、その傾向ははっきりしている。
作品の特徴
本作は、ギター主体のバンド・サウンドだけで押し切るタイプではなく、打ち込みやシンセの質感、整えられたリズム、硬質な音の配置が目立つ一枚。音の輪郭はくっきりしていて、楽曲ごとの構成も比較的コンパクトにまとまっている。プログレッシヴ・ロックの文脈にありながら、長尺で展開を重ねるというより、現代的なポップ・ロックのフォーマットに寄せた印象がある。
タイトルが示す通り、消費社会や現代的なライフスタイルへの視線を感じさせる作りで、音だけでなくコンセプト面でも輪郭が出ている。2020年の発売予定から延期され、2021年1月29日にリリースされたという経緯も、この時期の空気を背負った作品として見えてくる。
曲と聴きどころ
アルバムの中では、先行的に知られた「Personal Shopper」が代表的な楽曲として挙げやすい。長尺の中で反復と展開を組み合わせ、Steven Wilsonらしい構成感を保ちながら、より直接的なビート感も持ち込んでいる。ほかにも、メロディを前に出しつつ、音の密度や編集感で聴かせる曲が並ぶ。
全体としては、従来のプログレッシヴ・ロックの枠に収まりきらない方向へ進んだソロ作品という印象。Porcupine Tree的な流れを知っていると、その延長線上にありながらも、より現代的なプロダクションへ振れた一枚として受け取れそうだ。
まとめ
『The Future Bites』は、Steven Wilsonのソロ活動の中で、コンセプト性と現代的な音作りが前に出た2021年作。オルタナティヴ・ロックとプログレッシヴ・ロックの間を行き来するような内容で、ギター主体のロックに加えて、整えられた電子音や硬質な質感が印象に残るアルバムだ。
トラックリスト
- A1 Unself (1:06)
- A2 Self (2:55)
- A3 King Ghost (4:06)
- A4 12 Things I Forgot (4:42)
- A5 Eminent Sleaze (3:52)
- A6 Man Of The People (4:41)
- B1 Personal Shopper (9:49)
- B2 Follower (4:39)
- B3 Count Of Unease (6:08)
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Siouxsie & The Banshees – Tinderbox (1986)
Siouxsie & The Banshees『Tinderbox』
Siouxsie & The Bansheesの『Tinderbox』は、1986年にオリジナル・リリースされた7作目のスタジオ・アルバムです。ポストパンクを土台にしながら、オルタナティヴ・ロック、ニューウェイヴ、ゴシック・ロックの要素を組み合わせた一枚で、バンドの中期を代表する作品として語られることの多いタイトルです。ここで紹介するのは2018年盤です。
バンドの立ち位置
Siouxsie & The Bansheesは、1976年にロンドンで結成されたイギリスのバンドです。Siouxsie Siouxのヴォーカル、Steven Severinのベースを軸に、時期ごとにギタリストやドラマーを変えながら活動してきました。『Tinderbox』の時点では、Siouxsie Sioux、Steven Severin、John Valentine Carruthers、Budgieという編成。バンドのなかでも、音像が整理されつつ、演奏の輪郭がはっきりした時期の作品といえる。
サウンドの特徴
本作は、リズム隊の推進力と、ギターの鋭いフレーズが前に出る作り。録音はベルリンのHansa TonstudiosとロンドンのMatrix Studiosで行われ、ミックスはAir Studiosで仕上げられている。音の質感は比較的タイトで、曲ごとの緊張感が保たれている印象。ゴシック・ロックの要素は残しつつも、暗さだけに寄らず、構成の明快さが目立つアルバムでもある。
収録曲とシングル
全曲はバンド自身による作曲、プロデュース、アレンジ。アルバムからは事前にシングルも出ており、1985年10月の「Cities in Dust」と、1986年2月の「Candyman」が関連曲として挙げられる。どちらもバンドの代表曲として知られることの多いナンバーで、『Tinderbox』の輪郭をつかむうえでも重要な曲になっている。
- 「Cities in Dust」:アルバム期を代表するシングル
- 「Candyman」:続くシングルとして発表された楽曲
同時代とのつながり
1980年代半ばのイギリスでは、ポストパンク以降の流れを引き継ぎながら、ニューウェイヴやゴシック・ロックがそれぞれの形で広がっていた時期です。Siouxsie & The Bansheesは、そのなかでも独自の存在感を保ち続けたバンドで、同時代のThe Cureなどと並べて語られることも多い。『Tinderbox』は、そうした文脈のなかで、バンドの作曲面と演奏面のまとまりが見えやすいアルバムとして位置づけられる一枚です。
まとめ
『Tinderbox』は、Siouxsie & The Bansheesのキャリアのなかで、音の整理と緊張感が同時に前に出た1986年作です。ポストパンクの流れを引き継ぎながら、ニューウェイヴやゴシック・ロックの手触りを持った作品として、バンドの中期を押さえるうえで外せないタイトルといえるでしょう。
トラックリスト
- A1 Candyman
- A2 The Sweetest Chill
- A3 This Unrest
- A4 Cities In Dust
- B1 Cannons
- B2 Party’s Fall
- B3 92°
- B4 Lands End
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Flesh For Lulu – Big Fun City (1985)
Flesh For Lulu「Big Fun City」について
Flesh For Luluは、ロンドンのブリクストンで結成されたロック・バンドで、1982年から1992年にかけて活動したグループだ。
「Big Fun City」は1985年の作品で、1986年に盤としてリリースされている。
イギリスのオルタナティブ・ロック、ニュー・ウェイヴ、インディー・ロックの流れに位置する一枚として見ていくと、バンドの輪郭がつかみやすい。
サウンドの印象
この時期のFlesh For Luluは、ギター中心のロックを軸にしながら、ニュー・ウェイヴ由来の乾いた質感や、オルタナティブ寄りの直線的な推進力を持つバンドとして語られることが多い。
「Big Fun City」も、そうした流れの中で、硬質なギターと前に出るリズム、都市的な空気感を感じさせる作品として捉えられる。
作品の位置づけ
Flesh For Luluは、Nick Marsh、Derek Greening、Kev Mills、Rocco Barker、James Mitchell、Mark Bishop、Glen Bishop、Hasse Perssonといったメンバー名が挙がるバンドで、80年代の英国ロックの文脈に置くと見えやすい。
「Big Fun City」は、アーティストの活動初期から中期にかけての時代感を伝える作品で、後の展開につながるバンドの基本的なスタイルを確認できる一枚という位置づけになっている。
同時代の文脈
80年代中盤の英国では、ポスト・パンク以後の感覚を引き継いだバンドが、ニュー・ウェイヴやインディー・ロックの中で独自の音を作っていた。
Flesh For Luluもその流れにあり、同時代のバンドと比べると、ストレートなロック感と都会的な冷たさの両方を持つタイプとして受け取られることがある。
代表曲について
Flesh For Luluには後年に知られる曲もあるが、「Big Fun City」については作品全体の流れで聴かれることが多い。
バンドの初期の輪郭を知るうえで、曲単位だけでなくアルバム全体のまとまりが重要な一枚だ。
まとめ
「Big Fun City」は、1985年のFlesh For Luluを映すロック作品で、1986年に盤として流通した。
英国のオルタナティブ・ロック、ニュー・ウェイヴ、インディー・ロックの交差点にあるような内容で、バンドの活動初期の空気をそのまま感じやすいタイトルだ。
トラックリスト
- A1 Baby Hurricane (3:13)
- A2 Cat Burglar (2:59)
- A3 Let Go (3:00)
- A4 Vaguely Human (3:22)
- A5 Rent Boy (4:39)
- B1 Golden Handshake Girl (4:04)
- B2 In Your Smile (3:06)
- B3 Blue (3:29)
- B4 Landromat Kat (2:16)
- B5 Just One Second (3:07)
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The Call – Modern Romans (1983)
The Call『Modern Romans』について
The Callの『Modern Romans』は、1983年にアメリカでリリースされたロック作品。サンタクルーズで1980年に結成されたバンドが、80年代前半の空気の中で形にしたアルバムで、オルタナティヴ・ロックとニュー・ウェイヴの要素が交差する一枚です。
中心にいるのは、ヴォーカルとギターを担うMichael Been。そこにScott Musickのドラム、Greg Freemanのベース、Tom Ferrierのギターが重なり、The Callらしい骨太さと整った構成感を作っている印象です。後年の作品に比べても、バンドの輪郭がはっきり見えやすい時期のアルバムという位置づけでしょう。
サウンドの印象
サウンドは、ロックの直線的な押し出しに、当時らしいニュー・ウェイヴの整理された質感が加わるタイプ。ギターとリズム隊が前に出つつ、音の置き方には余白があり、派手さよりも曲の流れで聴かせる作りです。80年代初頭のUSロックの中でも、硬質さとポップな整理感の両方を持つ作品として受け取れそうです。
作品の位置づけ
The Callは、のちにより広く知られる時期へつながる前段階で、このアルバムではバンドの基本形が見えます。Michael Beenの歌と曲作りを軸に、演奏のまとまりで引っ張るタイプの作品で、デビュー期のバンドが自分たちの音を固めていく流れの中にある一枚です。
同時代の文脈
1983年という時期を考えると、USロックではニュー・ウェイヴやポストパンクの影響が広がりつつ、バンドごとの個性がより前面に出ていた頃です。The Callもその流れの中で、単なるギターロックではなく、リズムや音の配置に時代性を感じさせるバンドとして位置づけられます。
ジャケットの話題
この1983年盤のジャケットには、Cecil B. DeMille監督のサイレント映画『Manslaughter』(1922年)のスチルが使われている点も特徴です。音だけでなく、ビジュアル面でも映画的な参照が置かれているのが面白いところです。
まとめ
『Modern Romans』は、The Callの初期の輪郭を知るうえで重要な作品。80年代初頭のUSロックとニュー・ウェイヴの交差点に置けるアルバムで、Michael Beenを中心としたバンドの出発点としても見えてきます。演奏のまとまり、曲の構成、そして時代の質感が、きちんと一枚に収まっている作品です。
トラックリスト
- A1 The Walls Came Down (3:35)
- A2 Turn A Blind Eye (3:48)
- A3 Time Of Your Life (3:27)
- A4 Modern Romans (3:24)
- A5 Back From The Front (4:02)
- B1 Destination (4:32)
- B2 Violent Times (4:28)
- B3 Face To Face (4:05)
- B4 All About You (4:20)
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The Psychedelic Furs – Mirror Moves (1984)
The Psychedelic Furs『Mirror Moves』
1984年にリリースされた、The Psychedelic Fursの4作目のスタジオ・アルバム。UK発のポスト・パンク・バンドとして1977年にロンドンで結成された彼ららしく、ニュー・ウェイヴの輪郭を保ちながら、ギターの硬さと鍵盤の色づけを組み合わせたサウンドが印象に残る作品です。
作品の位置づけ
『Mirror Moves』は、バンドの初期から続くダークな感触と、より広い聴かれ方を意識した流れの間にあるアルバムという印象です。ポスト・パンクの緊張感を土台にしつつ、80年代前半のニュー・ウェイヴらしい整った音像へ寄せているところがポイントになっています。
この時期のThe Psychedelic Fursは、同時代のUKバンドの中でも、Joy DivisionやThe Cureのような陰影のある流れ、あるいはニュー・ウェイヴ寄りの洗練を持つバンド群と並べて語られることが多いです。とはいえ、Richard Butlerの声と、曲ごとのメロディの運びには独特の個性がある作品でもあります。
サウンドの特徴
音の輪郭は比較的はっきりしていて、ギターは鋭く、リズムは一定の推進力を保っています。その上に、シンセやキーボードが薄く重なることで、冷たさと都会的な感触が出ている作品です。派手に押し出すというより、音を積み重ねて曲の流れを作るタイプのアルバムといえます。
代表曲と知られている曲
収録曲の中では「Heaven」「The Ghost in You」あたりがよく知られています。特に「The Ghost in You」は、この時期のバンドのメロディ志向をよく示す曲として挙げられることが多いです。The Psychedelic Furs全体の代表曲としては、「Pretty in Pink」「Love My Way」などが有名ですが、『Mirror Moves』はその流れの中で聴かれることの多い1枚です。
同時代とのつながり
1984年という時期は、UKのニュー・ウェイヴやポスト・パンク勢が、よりポップな輪郭やラジオ向けの明快さを持ち始めていた頃でもあります。その中でThe Psychedelic Fursは、初期の荒さを残しながら、音の整理を進めていったバンドの一つとして見やすいです。プロダクションの面でも、80年代前半らしい乾いた質感と、少し距離を置いた響きが感じられます。
ひとこと
『Mirror Moves』は、The Psychedelic Fursの中でも、ポスト・パンクからニュー・ウェイヴへとつながる流れが分かりやすいアルバムです。バンドの持つ陰影と、80年代的な音作りが同居している作品として、当時の空気をそのまま切り取ったような存在といえます。
トラックリスト
- A1 The Ghost In You (4:17)
- A2 Here Come Cowboys (3:57)
- A3 Heaven (3:27)
- A4 Heartbeat (5:17)
- B1 My Time (4:27)
- B2 Like A Stranger (4:00)
- B3 Alice’s House (3:53)
- B4 Only A Game (4:13)
- B5 Highwire Days (3:58)
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- The Psychedelic Furs – Here Come Cowboys (Official Video)
- The Psychedelic Furs – Heaven (Official Video)
- The Psychedelic Furs – The Ghost in You (Official Video)
- THE PSYCHEDELIC FURS.”MIRROR MOVES.”.(THE GHOST IN YOU.)(12” LP.)(1984.)
- THE PSYCHEDELIC FURS.”MIRROR MOVES.”.(HERE COME COWBOYS.)(12” LP.)(1984.)
Abecedarians – Eureka (1986)
Abecedarians「Eureka」について
Abecedariansは、1980年代半ばから後半にかけて活動したロサンゼルスの3人組。
Chris Manecke、Kevin Dolan、John Blakeによる編成で、ギター、ドラム、ベースに加えてシンセサイザーを取り入れた、リヴァーブの深いポストパンクを鳴らしていたバンドだ。
「Eureka」は1986年の作品として知られる1枚。
Rockを軸に、Alternative Rock、Indie Rock、Post-Punkの要素が重なる内容で、当時のUSオルタナティブ周辺の空気も感じさせる盤になっている。
サウンドの特徴
この作品の印象をひとことで言うなら、ギターの残響とシンセの質感が前に出たポストパンク寄りのサウンド。
リズムは硬質で、ベースとドラムが土台を作り、その上にエコーのかかったギターと鍵盤が重なる構成だ。
音の隙間を残しながら進むタイプで、勢いだけで押し切るというより、空間の広がりを持たせた作りになっている。
ボーカルも楽器の一部として溶け込む場面が多く、全体としては派手さよりも輪郭のはっきりした質感が印象に残る。
同時代のポストパンクや、80年代USインディーの流れの中で捉えやすいタイプの作品だ。
アーティストの位置づけ
Abecedariansは、ロサンゼルス発のバンドとして、80年代のオルタナティブ/ポストパンクの文脈に位置づけられる存在。
Factory Records系の流れを思わせる乾いた感触や、UKポストパンクとの接点を感じさせる面もあるが、根っこはUSのインディー/オルタナティブ側にある。
「Eureka」は、そうしたバンドの持ち味がまとまった作品として見られる1枚。
活動期の中盤から後半にかけての空気を映す記録としても、位置づけやすい。
関連する文脈
比較の手がかりとしては、同時代のポストパンク、シンセを取り込んだオルタナティブ、そしてUSインディーの初期的な動きが挙げやすい。
音の作り方としては、リヴァーブを効かせたギターや、冷たさを含んだシンセの使い方に特徴がある。
派手なヒット曲を前面に押し出すタイプの作品というより、バンドの音像そのものを追う楽しみがある一枚。
Abecedariansのサウンドを知るうえで、輪郭をつかみやすいタイトルだ。
クレジット
- Artist: Abecedarians
- Title: Eureka
- Original Release Year: 1986
- Format Release Year: 2012
- Country: US
- Members: Chris Manecke, Kevin Dolan, John Blake
トラックリスト
- A1 Ghosts
- A2 Soil
- A3 Beneath The City Of The Hedonistic Bohemians
- B1 I Glide
- B2 Mice & Coconut Tree
- B3 Misery Of Cities
- C1 Smiling Monarchs
- C2 Benway’s Carnival
- C3 Switch
- C4 Other Side Of The Fence
- D1 They Said Tomorrow
- D2 Wildflower
- D3 John’s Pop
- D4 Spaghetti Western
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The The – Gravitate To Me (1989)
The The「Gravitate To Me」について
「Gravitate To Me」は、UKのグループ、The Theによる1989年の作品。Matt Johnsonを中心に、作品ごとに編成を変えながら活動してきたThe Theらしい、電子音とロックの要素を行き来する一枚として捉えやすい内容だ。
アーティストの位置づけ
The Theは、Matt Johnsonが唯一の常任メンバーとして知られる英ロンドンのグループ。1980年の初期シングル「Controversial Subject」から活動を続け、1983年の『Soul Mining』、1986年の『Infected』で注目を集めた流れの中にある。1988年にはJohnny Marr、James Eller、David Palmerを加えた編成で『Mind Bomb』を発表し、1989年にはD.C. Collardも加わっている。そうした時期の作品として見ると、バンド編成が固まりつつあった時期の空気が反映されたタイトルといえる。
サウンドの印象
ジャンル表記はElectronic、Rock、スタイルはAlternative Rock、Synth-pop。打ち込みやキーボードの輪郭と、バンド演奏の硬さが同居するタイプの音像が想像しやすい。リズムは前に出過ぎず、機械的な推進力とロックの直進性が並ぶ構成。音の質感は、80年代後半のUKらしい整理された鳴り方に寄っている。
同時代とのつながり
同じ時代のUKオルタナティブやシンセポップの文脈に置くと、The Theは、ポップな抜けよりも言葉の重さや構成の緊張感を前に出すグループとして見えてくる。The Smiths周辺のギターワーク、あるいは4AD系に通じる陰影のある感触と比べられることもありそうだが、中心にあるのはやはりMatt Johnsonの作家性だ。
この時期のエピソード
1989年のThe Theは、ワールドツアー「The The Versus The World」を行っていた時期でもある。『Mind Bomb』の成功を受けて活動規模が大きくなっていた流れの中で、「Gravitate To Me」もその年代のバンドの勢いを伝える一曲として位置づけられる。
まとめ
「Gravitate To Me」は、The Theの1989年の活動期を切り取ったタイトル。電子的な要素とロックの編成が交差するサウンド、Matt Johnsonの主導する制作体制、そして『Mind Bomb』期へつながるバンドの充実ぶり。そうした点を押さえておくと、作品の輪郭がつかみやすい。
トラックリスト
- A Gravitate To Me (Dance Mix) (8:00)
- B1 Gravitate To Me (Little Version) (4:32)
- B2 The Violence Of Truth (5:34)
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The Doors – Classics (1985)
The Doors『Classics』
The Doorsの『Classics』は、1985年にUSで登場したコンピレーション盤。Jim Morrisonのヴォーカル、Ray Manzarekのオルガン、Robby Kriegerのギター、John Densmoreのドラムという基本編成の魅力を、短い尺の中でまとめて確認できる一枚だ。
バンドの輪郭が見えやすい編集盤
The Doorsは、1965年にロサンゼルスで結成されたアメリカのロック・バンド。サイケデリック・ロックとブルース・ロックを土台にしつつ、鍵盤が前に出る編成とMorrisonの語り口の強い歌唱で、同時代のロックの中でも独特の存在感を持っていた。
この『Classics』も、そのバンド像がつかみやすい内容になっている。ギターとオルガンがぶつかり合うように進む曲、一定のビートの上で声が前面に出る曲など、The Doorsらしい構成が並ぶ印象だ。
サウンドの特徴
音の中心にあるのは、重すぎないのに粘りのあるリズムと、オルガンの持続音。そこへKriegerのギターがフレーズを差し込み、Morrisonのヴォーカルが曲の輪郭を強くしていく。ブルース由来の進行を持ちながら、単純に土臭いだけでは終わらないところが、このバンドの持ち味といえる。
全体としては、直線的なロックの推進力と、少しひねった展開が同居する内容。USロックの中でも、The ByrdsやJefferson Airplaneとは違う方向に振れた、鍵盤主導のバンド・サウンドとして整理しやすい。
代表曲をめぐるポイント
The Doorsには「Light My Fire」「Break On Through (To the Other Side)」「Riders on the Storm」など、広く知られた代表曲がある。『Classics』は、そうしたバンドの印象を短く追える編集盤として位置づけやすい。
Jim Morrisonの死後、バンドは1973年に解散しているため、この作品はオリジナル活動期のまとまりを後から見直す形の1枚でもある。バンドの中心にあった声と鍵盤の関係、そのままの印象が残りやすい構成だ。
同時代との関係
1960年代後半のUSロックには、ブルースの要素を強めたバンドや、実験性を押し出すバンドが多かった。その中でThe Doorsは、ハードな演奏とポエトリー的な歌を結びつけた点で、かなり個性的な立ち位置にいた。クラシック・ロックの文脈で語られることが多いのも、その輪郭のはっきりした音作りによるところが大きい。
ひとこと
『Classics』は、The Doorsというバンドの基本形を手早く見渡せる編集盤。オルガン、ギター、低めのビート、そしてMorrisonの声、その組み合わせがそのままこのバンドの個性になっている。
トラックリスト
- A1 Strange Days (3:05)
- A2 Love Her Madly (3:18)
- A3 Waiting For The Sun (3:58)
- A4 My Eyes Have Seen You (2:22)
- A5 Wild Child (2:36)
- A6 The Crystal Ship (2:30)
- A7 Five To One (4:22)
- B1 Roadhouse Blues (Live) (3:49)
- B2 Land Ho! (4:08)
- B3 I Can’t See Your Face In My Mind (3:18)
- B4 Peace Frog (2:52)
- B5 The Wasp (4:12)
- B6 The Unknown Soldier (3:10)
Peter Murphy – Cascade (1995)
Peter Murphy『Cascade』について
Peter Murphyは、UK出身のヴォーカリスト/ミュージシャン/ソングライターで、ニューウェイヴの重要バンド、Bauhausの共同創設者として知られる人物だ。本作『Cascade』は1995年に発表された作品で、ソロ活動の流れの中でも、ロックを軸にしたオルタナティヴ寄りの一枚として位置づけられる。
作品の輪郭
『Cascade』は、Peter Murphyの声を中心に組み立てられたアルバムで、曲の推進力と音像のまとまりが印象に残る内容だ。ジャンル表記はRock、スタイルはAlternative Rock。リズムは前に出すぎず、曲ごとの輪郭を保ちながら進むタイプで、録音の空気感も比較的すっきりした印象につながっている。
ソロのPeter Murphyは、Bauhaus時代のダークな感触を引き継ぎつつも、より歌そのものを前面に置いた表現で語られることが多い。本作でも、その流れの延長にある作品として捉えやすい。90年代中盤のオルタナティヴ・ロックの文脈に置くと、同時代のUKロックやUSのギターロックと並べて見たくなる一枚だ。
サウンドの印象
- ヴォーカルを軸にした構成
- リズムの輪郭が見えやすい演奏
- 音の密度は過剰になりすぎない方向
- ロックの骨格を保ちながら、オルタナティヴな質感を持つ仕上がり
アーティストとしての位置づけ
Peter Murphyは、Bauhausの中心人物としての存在感がまず大きいが、ソロでは別の角度から自身の声と楽曲性を見せてきた。『Cascade』は、そのソロ活動の中で、バンド時代のイメージだけでは収まりきらない面を確認できる作品のひとつとして見られるだろう。
リリース情報について
オリジナルの発表は1995年。ここで扱われている盤は2021年リリースのものだ。作品そのものは90年代半ばの空気を持ちながら、あらためて触れることでPeter Murphyのソロ作品群の流れが見えやすくなる。
トラックリスト
- A1 Mirror To My Woman’s Mind
- A2 Subway
- A3 Gliding Like A Whale
- A4 Disappearing
- B1 Mercy Rain
- B2 I’ll Fall With Your Knife
- B3 The Scarlet Thing In You
- B4 Sails Wave Goodbye
- C1 Wild Birds Flock To Me
- C2 Huuvola
- C3 Cascade
- Bonus Tracks
- D1 Mercy Rain (Production Rough Mix)
- D2 Gliding Like A Whale (Backing Track)
- D3 Sail On White (Backing Track)
- D4 Wish (Backing Track)
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Robert Fripp – Network (1985)
Robert Fripp『Network』について
Robert Frippの『Network』は、1985年にUKで登場した作品。King Crimsonの中心人物として知られるFrippが、ギターやキーボード、制作面まで含めて自分の音楽性を前に出してきた時期の一枚で、電子音楽とロックのあいだを行き来する内容になっている。
作品の位置づけ
FrippはKing Crimsonの創設メンバーであり、継続的に活動を支えてきた人物でもある。そうしたバンド活動と並行して、FrippertronicsやSoundscapesにつながるような、ギターを使った音響的なアプローチを長く追求してきた。本作も、その流れの中で捉えやすい作品といえる。
ジャンル表記としてはElectronic、Rockが並び、スタイルにはAlternative Rock、Synth-pop、Ambientが入る。ロックの骨格を残しながら、シンセや処理された音色を重ねていく方向性が見えてくる構成。
サウンドの印象
リズムは前面に出すぎず、一定の拍を保ちながら進む場面が目立つ。音の輪郭ははっきりしていて、演奏の密度よりもレイヤーの重なりで曲を組み立てるタイプの印象。録音の空間も、楽器の一つひとつを近くに置くというより、電子的な質感を含めて全体をまとめる方向に寄っている。
ギター主体の作品というより、キーボードやシンセの色が強く出る場面があり、当時のシンセポップやアンビエントの文脈ともつながって聴こえる。とはいえ、Frippらしい構成感は保たれていて、単なる流行追従ではないまとまりがある。
同時代とのつながり
1980年代半ばという時期は、ロックが電子楽器やスタジオ処理を取り込んでいった時代でもある。『Network』もその流れの中にあり、プログレッシブ・ロックの系譜と、当時のシンセ主体の音作りが交差する位置に置けそうだ。Frippの周辺で語られることの多い実験性が、よりコンパクトな形で表れている作品として見られる。
ひとこと
Robert Frippのキャリアの中でも、ギタリストとしての顔だけでなく、音響を組み立てる作り手としての側面がよく出る一枚。1985年という年代らしい電子的な質感と、Frippの持つ構築的な感覚が重なる作品になっている。
トラックリスト
- A1 North Star (3:08)
- A2(i) Water Music I (1:16)
- A2(ii) Here Comes The Flood (3:54)
- B1 God Save The King (6:40)
- B2 Under Heavy Manners (4:53)
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David J – Etiquette Of Violence (1983)

David J『Etiquette Of Violence』について
『Etiquette Of Violence』は、UKのミュージシャン、David Jによる1983年の作品。ロックを軸にしながら、オルタナティヴ・ロック、ニュー・ウェイヴ、実験的な要素を含む一枚として位置づけられる。David Jはイングランド・ノーサンプトン出身のベーシスト、David John Haskinsとして知られ、UKのポストパンク以降の文脈ともつながる存在。
サウンドの印象
この作品は、リズムの輪郭を保ちながらも、一般的なロックの直進性だけに寄らない作りになっている。ベースを土台にした推進力、ニュー・ウェイヴ寄りの乾いた質感、実験的な処理が重なる構成。録音の空気感も、過度に装飾的ではなく、音の配置や間が前に出るタイプの印象。
ギターやリズムの動きが単純に押し切るというより、細かなフレーズの積み重ねで展開していくタイプの作品として捉えやすい。ロックの形式の中に、80年代初頭らしいひねりが入っている感じ。
アーティストの中での位置づけ
David Jにとっては、ベーシストとしての背景がそのまま反映された作品のひとつと見られる。バンド的な感覚とソロ的な表現のあいだを行き来するような立ち位置で、彼の音楽性を確認しやすい時期の記録とも言えそうだ。
同時代のUKシーンでいうと、ポストパンクからニュー・ウェイヴへ向かう流れの中に置いて聴ける内容。Bauhaus周辺に通じる緊張感や、当時の実験的なロックの感触を思わせる部分もある。
まとめ
『Etiquette Of Violence』は、1983年のUKロックの空気を背景にしつつ、オルタナティヴ、ニュー・ウェイヴ、実験性を重ねた作品。David Jの音楽的な輪郭が、比較的わかりやすく見える一枚として捉えられる。
トラックリスト
- A1 I Hear Only Silence Now (3:13)
- A2 No One’s Sending Roses (2:35)
- A3 The Fugitive (2:34)
- A4 Betrayal (3:29)
- A5 Joe Orton’s Wedding (2:30)
- A6 The Promised Land (2:27)
- B1 ‘With The Indians Perminent’ (2:49)
- B2 Say Uncle (3:49)
- B3 Disease (2:43)
- B4 Roulette (2:56)
- B5 Saint Jacqué (3:01)
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The Comsat Angels – You Move Me (One Good Reason) (1984)

The Comsat Angels / You Move Me (One Good Reason)
1984年のThe Comsat Angelsによる「You Move Me (One Good Reason)」。イングランドのシェフィールドとドンカスターを拠点にしたポストパンク・バンドによる、同年のUK盤として出た1枚である。ロックを軸に、オルタナティヴ・ロックやニュー・ウェイヴの流れに置ける作品として見えてくる内容。
作品の位置づけ
The Comsat Angelsは1978年結成、1995年に活動を終えたバンド。初期のポストパンクを背景にしながら、のちにはより整理された曲構成や、硬質なバンド・サウンドを前面に出していく印象がある。「You Move Me (One Good Reason)」も、そうした流れの中にある1984年の楽曲として捉えやすい。
Kevin Bacon、Steve Fellows、Andy Peake、Mik Glaisherに加え、Terry Todd、Simon Andersonがクレジットされている。
サウンドの印象
リズムはきっちりと前に進み、ギターは輪郭を保ったまま曲を支えるタイプ。録音も過度に飾らず、各パートの分離が見えやすい作りに感じられる。ニュー・ウェイヴ寄りの整理された感触と、オルタナティヴ・ロックの直線的な押し出しが同居している。
同時代のUKロックの文脈で見ると、同じくポストパンク以降の緊張感を持ちながら、よりメロディと構成を重視するバンド群とのつながりが意識しやすい。The Comsat Angelsらしい、派手さよりも曲の運びで聴かせるタイプの一曲として置けそうである。
バンドの流れの中で
1984年という時期は、バンドの初期衝動だけではなく、曲作りやアレンジのまとまりがより前に出てくる時期でもある。「You Move Me (One Good Reason)」は、その時点でのバンドの方向性を示す作品のひとつとして見られる。
のちにオリジナル・ラインナップで2009年のSensoria Festival出演を行い、さらに別編成で同年10月にもUKで数公演を実施、2010年12月のシェフィールド公演を最後に再結成期を終えている。そうした後年の動きまで含めると、この時期の音源はバンドの中核を知る手がかりとしても重要な位置にある。
トラックリスト
- A You Move Me (One Good Reason) (Long Version) (5:37)
- B1 Land (4:10)
- B2 Eye Of The Lens (Live Version) (4:02)
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Violeta De Outono – Violeta De Outono (1986)

Violeta De Outono『Violeta De Outono』
ブラジル、サンパウロで1984年に結成されたロック・バンド、Violeta De Outonoの1作目にあたるアルバムが、1986年の『Violeta De Outono』。バンド名と同じタイトルを冠した作品で、グループの出発点をそのまま示すような一枚になっている。
作品の輪郭
ジャンルはロックを軸に、オルタナティブ・ロック、サイケデリック・ロック、プログレッシブ・ロックの要素が重なる構成。ギターの響きや反復するリズム、曲の流れを少しずつ押し広げていく作りが見えやすい。音の質感は、派手に前へ出るというより、層を重ねていくタイプの印象。
1980年代半ばのブラジルという時間軸で見ると、英米のロック文脈を参照しつつも、バンド独自の組み立てでまとめられた作品として捉えやすい。サイケデリックな色合いと、プログレ寄りの展開が同居している点も、この時期のロック作品らしいポイントになっている。
バンドにとっての位置づけ
1984年結成のVioleta De Outonoにとって、本作は初期の方向性を示す重要な一枚。のちの活動につながる基本の骨格が、この時点で見えてくる構成といえる。メンバーには Fabio Ribeiro、Fabio Golfetti、Claudio Souza、Renato Mello、Fernando Cardoso、Angelo Pastorello、Gregor Izidro、Gabriel Costa、Jose Luiz Dinola が名を連ねている。
ブラジル・ロックの文脈
ブラジル国内で制作・発表された1986年作という点も、作品の輪郭をつかむ手がかりになる。ロック、オルタナティブ、サイケデリック、プログレッシブという複数の要素をまたぎながら、当時のブラジルのロック・シーンに置くと、実験性とバンドとしてのまとまりが同時に見えるタイプのアルバム。
基本情報
- アーティスト: Violeta De Outono
- タイトル: Violeta De Outono
- リリース年: 1986年
- 国: Brazil
- ジャンル: Rock
- スタイル: Alternative Rock, Psychedelic Rock, Prog Rock
トラックリスト
- A1 Outono (3:18)
- A2 Trópico (4:14)
- B Reflexos Da Noite (7:00)
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Matterhorn – Outside (2020)

Matterhorn『Outside』
ノルウェー・トロンハイム出身のプログレッシブ・ロック/オルタナティヴ・ロック・バンド、Matterhornによる『Outside』は、2020年に発表された作品である。メンバーはTommy Halseth。ロックを軸にしながら、Prog RockとAlternative Rockの要素を行き来する構成になっている。
作品の輪郭
本作は、バンド名義の作品として、アーティストの方向性をそのまま示すような位置づけの1枚と見てよさそうだ。曲展開やリズムの組み立てにプログレッシブ・ロックらしい流れがありつつ、音のまとめ方にはオルタナティヴ・ロック寄りの感触もある。派手な装飾に寄りすぎず、曲そのものの構造を前に出すタイプの印象である。
サウンドの印象
録音の雰囲気は、輪郭を保ったまま進むロック・サウンドという印象に近い。リズムは一定の推進力を持ち、展開の切り替えで曲の表情を変えていく形が想像しやすい。ギターを中心にした質感と、過度に加工しすぎないまとまりが、このジャンルの文脈に沿った作り方として感じられる。
プログレッシブ・ロックの要素がある一方で、オルタナティヴ・ロックの持つ直線的な感触も併せ持つあたりが、この作品の特徴になっているように見える。70年代的な長大な組曲性というよりは、現代のロック作品として整理された構成の中に、変化を織り込んでいくタイプの流れである。
同時代的な位置づけ
2020年という発表年を踏まえると、本作は現代の北欧ロックの流れの中で捉えやすい。プログレッシブ・ロックを下敷きにしながら、オルタナティヴ・ロックの感覚でまとめるスタイルは、ジャンルの境界をまたぐ近年の制作姿勢とも重なる。
トロンハイムという土地柄も含め、北欧のロック作品らしい整った構成感がうかがえる1枚である。
まとめ
『Outside』は、Matterhornのロック指向をそのまま示す作品であり、プログレッシブ・ロックとオルタナティヴ・ロックの交差点に置ける内容である。曲の展開、リズムの運び、音のまとまり方に、バンドの方向性が見えやすいアルバムとして受け取れる。
トラックリスト
- A1 Outside
- A2 Aura Noire
- A3 Bruit Blanc
- A4 Aorta
- B1 Last Page
- B2 Oceana
- B3 Silhouette
- B4 Døden Og Meg
Sacred Miracle Cave – Liquid In Me (1990)

Sacred Miracle Cave「Liquid In Me」について
Sacred Miracle Caveの「Liquid In Me」は、1990年に発表されたロック作品。アーティストはUSのオルタナティヴ・ロック・バンドとして知られ、活動期は1980年代後半から1990年代初頭にかけてのものになる。ここでは、オルタナティヴ・ロックを軸に、スペース・ロックやサイケデリック・ロックの要素が重なる構成として捉えられる。
作品の輪郭
本作は、ロックの基本形を土台にしながら、音の広がりや反復を意識したつくりが特徴になりやすいタイプの作品。リズムは前に出すぎず、一定の推進力を保ちながら進む印象で、ギターや音像の重なりが曲の空気を形づくる場面が目立つ。
録音の質感は、90年代初頭のオルタナティヴ周辺らしい、やや生々しさを残した響きとして受け取れる。きれいに整えすぎない手触りの中で、サイケデリック寄りの揺れや、スペース・ロック的な空間の使い方が見えてくる内容。
アーティストの流れの中で
Sacred Miracle Caveにとって「Liquid In Me」は、活動期の空気をそのまま映したような一枚として位置づけられる。USのオルタナティヴ・ロックが、同時期のインディー・ロックやサイケデリックな感覚と接続していく流れの中で、その輪郭を示す作品でもある。
メンバーにはChris Bagarozzi、Rob Walther、Allen Clark、Keith Telligman、Betsy Palmerが名を連ねる。バンドとしての編成がそのまま音の厚みや役割分担につながっている印象。
同時代の文脈
1990年という時期は、オルタナティヴ・ロックが徐々に広い層へ届き始める前夜のようなタイミングでもある。その中で「Liquid In Me」は、ロックの枠内にとどまりながら、空間性や反復、音の滲みを取り込む方向性を示す作品として見ることができる。
- アーティスト: Sacred Miracle Cave
- タイトル: Liquid In Me
- オリジナルリリース年: 1990年
- リリース国: UK
- ジャンル: Rock
- スタイル: Alternative Rock, Space Rock, Psychedelic Rock
1990年のオルタナティヴ周辺の空気を、ロック、スペース感、サイケデリックな揺れの組み合わせで切り取った一枚、という見方がしやすい。
トラックリスト
- A Liquid In Me
- B1 Motor Takes To Sink
- B2 Sister Blue
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Gene Loves Jezebel – Promise (1983)

Gene Loves Jezebel / Promise
Gene Loves Jezebelは、1980年にウェールズのポースコールで結成されたUKのロック・バンド。ここで取り上げる「Promise」は1983年の作品で、オルタナティヴ・ロックとゴス・ロックの輪郭がまだはっきりと残る時期の録音として聴ける。
作品の印象
この時期のGene Loves Jezebelは、鋭さのあるギターと、少し陰りを帯びた空気感が印象に残る。ビートは前へ進む感触を持ちながらも、ただ勢いだけで押し切るタイプではなく、音の隙間や響きの冷たさが曲の表情を作っている。
録音全体にも、80年代初期らしい乾いた質感がある。輪郭ははっきりしていて、リズムは比較的明快、そこにボーカルの存在感とメロディの引っかかりが重なる構図。ゴス・ロックの暗さと、オルタナティヴ・ロックの粗さが同居する、そんな手触りの一枚。
バンドの位置づけ
Gene Loves Jezebelは、後にAston兄弟それぞれを中心にした2つのグループが存在することでも知られるが、「Promise」が出た1983年時点では、バンドの初期像を確認できる時期にあたる。デビュー期の勢いというより、のちの展開につながる基本の形が見える段階、という印象。
同時代のUKロックの流れで見ると、ポストパンク以後の空気を受けつつ、よりメロディアスで、より陰影のある方向へ進んだ周辺の文脈に置きやすい。硬質なギター、冷えた響き、感情を抑えたようでいて熱を感じる歌い方。そうした要素が、この作品の輪郭を作っている。
クレジット上の見どころ
クレジットには、Jay Aston、Michael Aston、James Stevenson、Michael Ciravolo、Jean-Marc Lederman などの名前が並ぶ。メンバーの変化が多いバンドらしく、作品ごとの人員の動きも含めて追う楽しみがある。
「Promise」は、Gene Loves Jezebelの初期の姿を知るうえで、1983年という時点のUKロックの空気をそのまま閉じ込めたような存在。
トラックリスト
- A1 Upstairs
- A2 Bruises
- A3 Pop Tarantula
- A4 Screaming For Emmalene
- A5 Scheming
- B1 Bread From Heaven
- B2 Influenza
- B3 Shower Me With Brittle Punches
- B4 Wraps And Arms
- B5 Psychological Problems
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The Snake Corps – Flesh On Flesh (1985)

The Snake Corps『Flesh On Flesh』
UKのThe Snake Corpsが1985年に発表したアルバム。前身となるSad Lovers And Giantsの解散後、Tristan Garel-FunkとNigel Pollardを中心に結成され、より硬質なサウンドを目指していたバンドの初期像が見える作品として位置づけられる。
作品の輪郭
ジャンル表記はAlternative Rock、New Wave、Goth Rock。全体としては、ニューウェーブの冷えた感触に、ゴシック寄りの陰影とロックの直線的な推進力が重なるタイプの音像。録音は派手に装飾するというより、リズム隊の存在感とギターの輪郭を前に出した作りに聴こえる。
ビートは比較的タイトで、低音は粘りを残しつつも重すぎない印象。ギターは空間を広く使うというより、鋭いフレーズや反復で曲を押していく場面が目立つ。ヴォーカルも、感情を大きく振り切るというより、やや抑制した温度で楽曲の緊張感を保っている。
バンドの中での位置づけ
この『Flesh On Flesh』は、バンドの出発点にあたる作品。後に編成の変化やキーボードの導入を経て音の幅を広げていくThe Snake Corpsだが、この時点では、より硬い質感とシンプルなバンド・サウンドを軸にしていたことがうかがえる。
Sad Lovers And Giantsの流れを引きながらも、別の方向へ踏み出そうとする初期の試みとして見ると、バンドの輪郭がつかみやすい一枚。UKのポストパンク以後の流れ、ニューウェーブからゴシック・ロックへと接続していく時代感の中に置くと、その立ち位置も見えやすい。
ひとことで言うと
硬質なギター、抑えた熱量、陰影のあるニューウェーブ/ゴシック寄りのロック。The Snake Corpsの初期の方向性をそのまま示すアルバム。
トラックリスト
- Suicide
- A1 Victory Parade (4:09)
- A2 Animals All (3:38)
- A3 Save My Heart (3:54)
- A4 Man In The Mirror (3:36)
- A5 Miracle (3:42)
- Homicide
- B1 Science Kills (5:06)
- B2 Another Monday (4:18)
- B3 Look East For Eden (4:06)
- B4 House Of Man (4:17)
- B5 Flesh On Flesh (1:54)
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Rip Rig & Panic – Attitude (1983)

Rip Rig & Panic『Attitude』(1983)
Rip Rig & Panicの『Attitude』は、1983年にUKで登場した作品。BristolのThe Pop Group周辺から発展したバンドで、Neneh Cherry、Gareth Sager、Bruce Smith、Sean Oliver、Mark Springerらを中心に、ジャズの要素とロックの緊張感を同じ場に置いたグループとして知られている。ジャンル表記としてはJazz、Rock、スタイルとしてはAlternative Rock、Jazz-Funk。
サウンドの印象
この作品では、鋭いリズムと、少しざらついた質感が前に出る。ドラムは細かく動き、ベースは低い位置で粘り、ピアノやギターがその上でせわしなく絡む構成。演奏はきっちり整いすぎず、勢いのあるぶつかり方をしていて、録音全体にも生々しい空気が残る。ジャズ由来の自由度と、ポストパンク寄りの硬さが同居している印象。
バンドの中での位置づけ
Rip Rig & Panicは、The Pop Groupの流れを受けつつ、よりジャズやファンクの感覚を強めた存在として見られることが多い。『Attitude』は、その方向性がはっきり出ている時期の作品として捉えやすい。Neneh Cherryを含む初期メンバーの個性が強く出ていて、バンドの輪郭をつかむうえで重要な一枚といえる。
同時代とのつながり
1980年代前半のUKでは、ポストパンクの流れから、ロックの形式にジャズやダブ、ファンクを持ち込む動きが広がっていた。Rip Rig & Panicもその文脈の中にあり、単なる実験色だけでなく、身体的なリズム感や即興性を前面に出しているところが特徴的。『Attitude』は、その時代の空気をよく映したタイトルのひとつ。
作品全体としては、荒さのある演奏、前に出るビート、ジャンルの境界をまたぐ構成が印象に残る内容。バンドの初期の姿を知るうえでも見取りやすいアルバム。
トラックリスト
- A1 Keep The Sharks From Your Heart
- A2 Sunken Love
- A3 Rip Open, But Oh So Long Thy Wounds Take To Heal
- A4 Do The Tightrope
- A5 Intimacy, Just Gently Shimmer
- A6 How That Spark Sets Me Aglow
- B1 Alchemy In This Cemetry
- B2 Beat The Beast
- B3 The Birth Pangs Of Spring
- B4 Eros; What Brings Colour Up The Stem?
- B5 Push Your Tiny Body As High As Your Desire Can Take You
- B6 Viva X Dreams
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Pure Reason Revolution – Coming Up To Consciousness (2024)

Pure Reason Revolution「Coming Up To Consciousness」
Pure Reason Revolutionは、2003年にウェストミンスター大学で結成されたイギリスのロック・グループだ。電子的な質感とロック、さらにプログ寄りの構成を行き来してきたバンドで、この「Coming Up To Consciousness」は2024年の作品になる。オルタナティヴ・ロックとプログ・ロックの要素を軸にした、現行編成での到達点として見える1枚。
作品の位置づけ
バンドは2011年にいったん解散を発表し、その後2018年に再始動している。このアルバムは、再結成後の流れの中で出てきた新作で、Jon CourtneyとGreg Jongを中心に、Annicke Shireenが新たなボーカルとして参加し、Ravi Kesavaramがドラムを担っている。過去の編成とは少し違う形で、現在のPure Reason Revolutionを示す内容といえる。
サウンドの印象
ジャンル表記はElectronicとRock、スタイルはAlternative RockとProg Rock。そうした情報どおり、ギター主体のバンド感に、電子音のレイヤーや硬質な質感が重なるタイプの作品として捉えやすい。リズムはきっちりと組み立てられ、展開の切り替えもはっきりしていそうだ。録音の空気感も、ラフに鳴らすというより、音像を積み上げていく方向の作りに見える。
バンドの流れとのつながり
Pure Reason Revolutionは、初期からメロディと構築性の両方を意識したバンドとして知られてきた。2024年作の「Coming Up To Consciousness」も、その延長線上にある作品として整理できる。2026年にはデビュー作「The Dark Third」の20周年を記念するツアーも行われており、このバンドが長い時間の中で現在形を更新していることがわかる。
クレジットの整理
- アーティスト: Pure Reason Revolution
- タイトル: Coming Up To Consciousness
- リリース年: 2024
- アーティストの国: Europe
- リリース国: Europe
- ジャンル: Electronic, Rock
- スタイル: Alternative Rock, Prog Rock
Pure Reason Revolutionの現在地を、電子的な質感とロックの骨格の両方から確認できるタイトルだ。