Lily & Maria – Lily & Maria (1968)
Lily & Maria『Lily & Maria』について
Lily & Mariaの『Lily & Maria』は、1968年に発表されたデュオ唯一のアルバムである。メンバーはMaria Neumannと、Lily FiszmanあらためLily Isaacs。アメリカ出身のフォーク・ポップ・デュオとして、21歳のときにこの1枚を残した、という位置づけの作品である。のちに2008年に180g仕様の再発盤が登場し、ゲートフォールド仕様、ライナー・ノーツ付きの形で出ている。
作品の全体像
音楽性は、アコースティックを軸にしたフォーク、バラード、ポップ・ロックの要素が中心である。ジャンル表記としてはRock、Pop、Folk、World, & Countryが並び、スタイル面ではAcoustic、Ballad、Folk、Pop Rockに分類されている。デュオ編成らしい声の重なりと、当時のフォーク・ポップの感触がまとまっている1枚といえる。
アーティストの紹介では「one lone album」とされており、このアルバムがLily & Mariaというユニットの核になる作品であることがわかる。活動終了後も二人は友人関係を保ったというプロフィールも残っている。
再発盤について
2008年盤は、180g virgin vinyl、Mastered at Abbey Road、All-analogue audiophile pressingという表記がある再発盤である。裏ジャケットには「Mastered […] at Hiltongrove, London, March 2008」と記されており、オリジナル1968年盤とは別に、2008年時点で新たにマスタリングされた盤として流通したことがうかがえる。
パッケージはゲートフォールド仕様で、ライナー・ノーツも付属している。オリジナル盤の詳細な仕様との比較はここでは触れないが、少なくとも2008年盤は音質面と装丁面を意識した再発として作られている。
同時代の文脈
1968年という時期は、フォークとポップの接点が広がっていた時代である。Lily & Mariaも、その流れの中で、アコースティック主体の楽曲とポップな構成を行き来する作品として受け取れる。デュオの歌声を軸にした作りは、同時代のフォーク・ポップ系の作品群と並べて語られることが多いタイプのものだろう。
このアルバムについては、アーティスト紹介ページとして挙げられているGalactic Rambleの「Search Music」記事でも取り上げられている。埋もれやすい作品を掘り起こす文脈で参照されることがある、という立ち位置のアルバムである。
まとめ
Lily & Maria『Lily & Maria』は、1968年に残されたデュオ唯一のアルバムで、アコースティック主体のフォーク・ポップ作品である。2008年には180gの再発盤がゲートフォールド仕様で登場し、Abbey Roadでのマスタリングやアナログ・プレスを前面に出した形で再提示された。作品そのものは、短い活動の中で残された、二人の歌の関係性を軸にした記録として見ることができる。
トラックリスト
- Ismenè-Jasmine
- A1 – Subway Thoughts
- A2 – Everybody Knows
- A3 – I Was
- A4 – Ismenè – Jasmine
- A5 – There’ll Be No Clowns Tonight
- Scatterings
- B1 – Aftermath
- B2 – Morning Glory Morning
- B3 – Melt Me
- B4 – Fourteen After One
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Prelude – After The Gold Rush (1974)
Prelude『After The Gold Rush』について
Preludeの「After The Gold Rush」は、1974年にアメリカでリリースされた作品。イングランド北東部ゲーツヘッド出身の男女ボーカル・フォーク・トリオが、Neil Youngの同名曲を取り上げたもので、グループ名を広く知らしめた代表曲として扱われている。アーティストのプロフィールでも触れられている通り、最もよく知られる編成はBrian Hume、Irene Hume、Ian Vardyの3人で、1970年に結成された。
作品の位置づけ
Preludeにとっては、1973年のファースト・アルバム『How Long Is Forever?』から生まれた一曲で、そこからシングルとして切り出されたのがこの「After The Gold Rush」。つまり、単独のヒット曲というより、バンドの初期を代表する録音として受け止められている作品だ。オリジナル・アルバムの流れの中で育った曲が、のちに広く聴かれるようになった形でもある。
曲の特徴
この曲はア・カペラ版として知られている。Neil Youngの原曲を、Preludeは声の重なりでまとめ上げていて、楽器を強く前面に出すタイプではない。フォーク・グループらしい編成を生かした構成で、歌声そのものが曲の中心になっている。聴きどころは、メロディの運びよりも、3人のボーカルの並び方やハーモニーのまとまりにある。
録音はロンドンのScorpio Soundで行われている。リリース・ノートには、ColumbiaのSanta Mariaプレスで、ランアウトに「S /」の刻印が入ることが記されている。こうした細かな盤の違いは、US盤コレクションでは確認ポイントになりやすい。
当時の反応
この曲は英国と米国の両方でチャート入りしている。英国では1974年1月26日にTop 50へ入り、9週間チャートにとどまり、最高21位。アメリカでは1974年2月11日にBillboard Hot 100へ入り、5週間のチャート・インとなって最高22位を記録している。Preludeの名前が国際的に広まった要因として、この成績はかなり大きい。
同時代の文脈
1970年代前半のフォーク・シーンには、シンプルな編成でボーカルの重なりを前面に出すグループがいくつかあった。Preludeもその流れの中に置ける存在で、英国のフォーク・コーラス感覚と、当時のポップ・ロック寄りの聴かれ方が交差している印象がある。Neil Youngの楽曲を選んだ点も、同時代のシンガーソングライター文化との接点を示している。
まとめ
Preludeの「After The Gold Rush」は、Neil Youngの楽曲を素材にしながら、Prelude自身のボーカル・アレンジで形を作った1974年の代表曲。グループの出自がフォークにあること、そしてア・カペラでヒットを得たことが、この一曲の輪郭をはっきりさせている。作品としては、バンドの初期キャリアを語るうえで外せない録音と言えそうだ。
トラックリスト
- A1 – After The Gold Rush (2:07)
- A2 – Dear Jesus (3:50)
- A3 – To Hell With The War (2:58)
- A4 – Lady From A Small Town (3:06)
- A5 – Rufus (1:03)
- A6 – Open Book (3:06)
- B1 – Hotel Room (4:31)
- B2 – Rock Dreams (1:48)
- B3 – Fly (3:34)
- B4 – Adventures On The Way (5:22)
- B5 – Follow Me Down (3:36)
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Piramis – 3 (1979)
Piramis『3』について
『3』は、ハンガリーのロック・バンド、Piramisが1979年に発表したアルバムである。バンドは1970年代から活動を続ける長寿グループで、ハンガリー国内のポップ・ロック/ハード・ロックの文脈で知られ、場面によってはプログレッシブ寄りの曲調も取り入れてきた。西欧圏でも一定の反応を得たバンドとして紹介されることがある。
作品の位置づけ
この『3』は、タイトルどおりバンド名義の3作目にあたる1979年作として捉えられる。クレジット上の編成は、Köves Miklós、Som Lajos、Gallai Péter、Révész Sándor、Závodi János。ハンガリー産ロックの中でも、歌ものの推進力とバンド・アンサンブルのまとまりを両立させた時期の記録として見やすい1枚である。
録音とミックスはブダペストのPepita Studiosで行われ、ハンガリー盤として同年にリリースされている。収録曲名はハンガリー語表記で統一されている点も、当時の国内盤らしい特徴といえる。
音の印象
全体の軸はロックとポップ・ロックで、そこにプログレッシブ・ロック寄りの展開が差し込まれる構成。演奏時間はA面19分35秒、B面19分00秒と、LPとしては比較的コンパクトだが、曲ごとの密度は高めで、歌を前に出しながらバンド・サウンドをしっかり鳴らしていくタイプの作品に見える。
Révész Sándorのボーカルを中心に、ギターとキーボードが曲の輪郭を作り、メロディを押し出す場面と、やや組曲的な流れを持つ場面が並ぶ。ハンガリー国内の同時代ロックと比べると、単純なハードロック一辺倒ではなく、歌謡性と構成の組み立てが同居している印象である。
同時代の文脈
1970年代後半の東欧ロックでは、英米のハードロックやプログレの影響を受けつつ、母語の歌詞とローカルなメロディ感を前面に出すバンドが多かった。Piramisもその流れの中にあり、国内のロック・リスナーに向けたわかりやすさと、演奏面の厚みを両立させたグループとして位置づけられる。
同時代の西側バンドと単純比較できる作品ではないが、歌を主役に置きながらアンサンブルで押し切る姿勢には、ハードロック寄りのバンド感と、プログレ寄りの構成意識の両方が見て取れる。
ヒット曲・代表曲について
このアルバム単体で広く知られる代表曲については、ここでは断定しない。ただし、Piramis自体はハンガリー国内で認知度の高いバンドであり、アルバム単位で耳にすると、バンドの持つ歌の強さと演奏の推進力が伝わりやすい。
まとめ
『3』は、1979年時点のPiramisの持ち味をそのまま封じ込めたハンガリー産ロック作品である。ポップ・ロックの聴きやすさ、ハードロックの押し、そして部分的なプログレ的展開が、国内盤らしいまとまりの中で並ぶ1枚。Piramisというバンドの輪郭をつかむうえで、重要な時期の記録として扱える作品である。
トラックリスト
- A1 – Kóbor Angyal
- A2 – Nem Tudom
- A3 – Az Idö Nekünk Dolgozik
- A4 – A Dal
- B1 – Túl Nagyra Nöttél
- B2 – Vágyakozás
- B3 – Gyere Szorits Erösen
- B4 – Más Helyen Keress
- B5 – Amikor Veled Vagyok
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The Babys – The Babys (1976)
The Babys『The Babys』(1976)について
The Babysは、イギリス出身のロック・グループによる1976年のデビュー作で、バンド名をそのまま冠したセルフタイトル作品。オリジナルのリリースは同年、レーベルはChrysalis Recordsで、クレジット上も1976年の作品として整理されている。
メンバー構成は、結成時の中心人物であるキーボード/ギターのMichael Corby、ボーカル/ベースのJohn Waite、ドラムスのTony Brock、ギターのWally Stockerという基本線が知られている。後年のメンバー名も資料には並ぶが、この1枚はグループ初期の輪郭をつかむうえで重要な位置づけのアルバムとして見られている。
作品の輪郭
ジャンル表記はRock、Pop、スタイルはPop Rock。演奏の骨格はロック寄りだが、メロディの押し出しはかなり強いタイプの作品で、The Babysらしいポップな感触が前面に出る。英国バンドとして紹介されることが多い一方で、活動の展開や受容のされ方を含めると、同時代のUKメロディック・ロックやAOR寄りの文脈でも語られることがある。
この時期のChrysalis周辺のロック作品らしく、硬さだけで押すというより、歌と曲の流れを重視した作り。John Waiteのボーカルを軸に、ギターとキーボードがきっちり役割分担するバンド・サウンドという印象につながる。
収録曲と知られているポイント
本作で特に知られる曲としては「I Love How You Love Me」がある。もともとScreen Gems-EMI Music Inc.表記の曲で、このアルバムではバンドの解釈で収められている。作品クレジット上でもこの曲だけ出版社表記が分かれていて、アルバム全体の中で少し異なる位置にあることがわかる。
その他の楽曲はThe Hudson Bay Music Company出版。アルバム全体としては、単発の派手さよりも、曲ごとの輪郭を揃えた構成が印象に残るタイプの1枚。
アーティストにとっての位置づけ
The Babysにとっては、まず最初の名刺代わりとなるアルバム。のちにバンドはメンバーの入れ替わりや活動の変化を経験していくが、このデビュー作には、John Waite、Tony Brock、Wally Stockerを中心にした初期バンドの基本形がはっきり刻まれている。後年の代表曲や洗練された時期と比べると、まだバンドの輪郭を探りながら進む段階の記録としても読める。
聴きどころの整理
- 1976年オリジナルのデビュー作という位置づけ
- John Waiteのボーカルを軸にしたポップ・ロック路線
- 「I Love How You Love Me」の収録
- Chrysalis Recordsの当時のロック作品らしい明快なバンド・サウンド
The Babysの初期像をつかむには、まずこのセルフタイトル盤が基準になりそうだ。バンド名と同じタイトル、1976年という時代の空気、そしてメロディを前に出したロック・アプローチ。そうした要素がまとまった、初期The Babysの出発点となる作品である。
トラックリスト
- A1 – Looking For Love (4:43)
- A2 – If You’ve Got The Time (2:38)
- A3 – I Believe In Love (4:17)
- A4 – Wild Man (3:29)
- A5 – Laura (5:02)
- B1 – I Love How You Love Me (2:21)
- B2 – Rodeo (2:58)
- B3 – Over And Over (4:47)
- B4 – Read My Stars (2:43)
- B5 – Dying Man (6:30)
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David Bowie – Tonight (1984)
David Bowie「Tonight」について
David Bowieの「Tonight」は、1984年に発表されたアルバムだ。今回の日本盤は1985年リリースで、オリジナル作品を日本で流通させた初期プレスにあたる。ブリティッシュ・ポップ/ロックの流れの中で作られた作品で、ボウイの80年代前半の作風を知るうえで重要な一枚になっている。
作品の位置づけ
「Tonight」は、前作「Let’s Dance」の大きな成功のあとに出たアルバムだ。1980年代のボウイは、ダンス・ミュージックや当時のポップ・サウンドを取り込みながら、作品ごとに方向を変えていたが、この作品でもその路線が続いている。ロックを軸にしつつ、当時のポップ・ロックらしい整った音像が前面に出た内容になっている。
同時代の空気で見ると、80年代中盤の英国ポップ/ロックらしい、明快なビートとシンセの使い方が印象に残る時期の作品だ。ボウイのキャリア全体で見ると、70年代の実験性やキャラクター性の強い時代とは違い、商業的なポップ・ロックのフォーマットに寄せたアルバムのひとつとして位置づけられる。
収録曲と知られた楽曲
このアルバムでは、タイトル曲「Tonight」が中心的な楽曲として知られている。加えて、ヒット曲としては「Blue Jean」が代表的だ。シングルとしても広く知られており、当時のボウイのポップな側面をよく示す曲になっている。
また、アルバム収録曲には、のちにライブでも触れられることのある曲が含まれている。ボウイ作品の中では、楽曲単体の強さよりも、アルバム全体の流れで聴くと当時の音作りが見えやすい一枚だ。
日本盤の特徴
今回の日本盤は、帯と歌詞カード付きの初回プレス。日本盤らしく、英語詞を追いながら聴ける作りになっている。80年代の輸入盤/国内盤の違いを感じやすい時期のリリースでもあり、コレクション面でも分かりやすい仕様だ。
盤の発売年は1985年だが、作品そのものは1984年のオリジナル・アルバムとして扱われる。したがって、内容は1984年時点のボウイのサウンドを反映している。
聴きどころの整理
- 1984年のDavid Bowieを示すポップ・ロック作品
- 「Blue Jean」など、シングル曲の存在感
- 80年代中盤らしい整ったアレンジとビート感
- 日本盤ならではの帯・歌詞カード付き仕様
総評
「Tonight」は、David Bowieの幅広いディスコグラフィの中で、80年代ポップ・ロックの側面を押し出した作品だ。実験的な側面を強く求めるアルバムではなく、当時のポップ・ミュージックの文法に沿った作りが目立つ。代表曲「Blue Jean」を含むことで、アルバムとしての輪郭もつかみやすい。
日本盤初期プレスは、1984年の作品を1985年の国内リリースとして手に取れる一枚。Bowieの80年代を追ううえで、ひとつの節目として見やすいタイトルだ。
トラックリスト
- A – Tonight (Vocal Dance Mix)
- B1 – Tumble And Twirl (Extended Dance Mix)
- B2 – Tonight (Dub Mix)
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Mondial – Remember Mondial (1993)
Mondial『Remember Mondial』について
『Remember Mondial』は、ルーマニアのロック・グループ、Mondialの作品で、1993年にルーマニアでリリースされたアルバムだ。録音は1969年から1971年にかけて行われた音源で構成されている。バンド名をそのまま冠した回顧的なタイトルで、グループの初期録音をまとめて聴ける内容になっている。
バンドの背景
Mondialは1966年にブカレストでFilip Mercaによって結成されたロック・グループだ。ルーマニアのロック史の中ではかなり早い時期に登場した存在で、1979年にいったん解散し、1998年に再結成されている。
『Remember Mondial』は、そうしたバンドの歩みの中でも、初期の活動期にあたる時代の記録として位置づけられる作品といえる。
収録音源の年代と盤の情報
このアルバムに収められているのは、1969年から1971年に録音された音源だ。盤自体は1993年のリリースで、オリジナルの録音年代と発売年にかなり差がある。
ジャケットや盤面の情報では「Made In Romania」とあり、白ラベルにグレー印字の仕様になっている。
音楽性
クレジット上のジャンルはロック、スタイルはポップ・ロックとなっている。1960年代末から1970年代初頭の東欧ロックらしく、時代の空気を感じさせる編成感と、歌を前に出したつくりが想像しやすい。
同時代のロックを追う文脈では、英米のロックを土台にしつつ、各地の放送文化や歌謡性が混ざるタイプの作品群と並べて語られることが多い分野だ。
作品の位置づけ
タイトルが示す通り、本作はMondialというバンドを振り返る意味合いの強い1枚だ。1969年から1971年の録音をまとめているため、活動初期の姿を知る手がかりとして見ることができる。
ルーマニアのロック史の中でも、結成から比較的早い時期の演奏や録音をまとめた資料性のある作品として受け止めやすい。
メンバー
- Mihai Cernea
- Gabriel Litvin
- Vlad Gabrielescu
- Gabriel Drăgan
- Filip Merca
- Romeo Vanica
- Mircea Drăgan
- Florin Dumitru
- Dorel Vintilă Zaharia
- Mihai Constantinescu
- Nicolae Enache
- Radu Stoica
- Doru Tufiș
- Puiu Hațeganu
- Dragoș Vasiliu
まとめ
『Remember Mondial』は、Mondialの初期録音を1993年時点でまとめ直したルーマニア盤だ。1969年から1971年という録音年代、ロック/ポップ・ロックという整理、そして「Remember」というタイトルから、バンドの出発点を見直す性格の作品として捉えやすい。
派手な演出よりも、まずは当時のバンドの輪郭を追うための1枚という印象になる。
トラックリスト
- A1 – Primăvară (2:55)
- A2 – Romanță Fără Ecou (3:40)
- A3 – De Va Veni La Tine Vîntul (2:45)
- A4 – Atît De Fragedă (4:30)
- A5 – Omule (3:03)
- A6 – Pe Harta Europei (5:15)
- B1 – Romanța Inimii (3:00)
- B2 – Departe Sînt De Tine (4:00)
- B3 – Orbul (3:30)
- B4 – Vîntul – Nopți De Veghe – Vara (11:30)
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Fabrizio De André – Fabrizio De Andre’ (1981)
Fabrizio De André『Fabrizio De Andre’』について
イタリアのシンガーソングライター、Fabrizio De Andréが1981年に発表したアルバム『Fabrizio De Andre’』。通称では「L’Indiano」と呼ばれる作品で、フレデリック・レミントンの絵画「The Outlier」をジャケットに使ったことでも知られている。2010年には、Sony Italiaによるブルー・ヴァイナルの限定再発盤が出ている。
De Andréは、イタリアのカンタウトーレを代表する存在のひとりで、社会性のある視点、物語性の強い歌詞、民謡や地方の言葉を取り入れた作風で語られることが多い。この1981年作も、その流れの中にある1枚で、80年代以降の彼の活動を語るうえで外せない位置づけの作品。
作品の位置づけ
1981年は、De Andréがすでに長く第一線で活動していた時期。1960年代のデビューから、1968年の「La Canzone di Marinella」の成功を経て、イタリアの大衆音楽の中で確かな地位を築いていた。その後も、単なるヒットメーカーというより、歌詞の内容や視点そのものに重心を置く表現者として評価されていく。
この『Fabrizio De Andre’』は、そうした彼の作家性が成熟した時期のアルバムで、ポップ・ロックの形式の中に、語り口のある歌、社会や土地の記憶に触れる要素が入り込んでいる。80年代のイタリア音楽の文脈で見ると、より洗練されたアレンジや制作を採り入れながらも、De Andréらしい歌の中心はぶれない、という印象の作品。
ジャケットとタイトル「L’Indiano」
この作品は「L’Indiano」の名でも流通している。ジャケットに使われたのは、アメリカの画家フレデリック・レミントンによる1909年の絵画「The Outlier」。ブルックリン美術館所蔵の作品で、イメージ面でもアルバムの記憶に残る要素になっている。
イタリアのカンタウトーレ作品では、音だけでなく装丁や題材の選び方も重要になりやすいが、この盤もその例に入る。音楽とビジュアルの結びつきが強い1枚。
収録曲の特徴
このアルバムでは、「Ave Maria」が特に知られている。リリースノートにもある通り、この曲はサルデーニャの伝統的なイタリア民謡をもとにした再構成・翻案で、De Andréが地方の音楽素材を自分の言葉に置き換える姿勢がよく出ている。
彼は1980年代以降、ジェノヴァ方言やガッルーラ方言、ナポリ方言なども歌に取り入れていくが、その背景には、標準語だけでは拾いきれない土地の感情や生活の手触りを、歌の中に残そうとする意識があるように見える。このアルバムも、その延長線上の作品として聴ける。
オリジナル盤と2010年再発盤の違い
オリジナルは1981年のDischi Ricordi S.p.A.からのリリース。2010年盤はSony Italiaによる限定再発で、ブルー・ヴァイナル仕様、かつ番号入りステッカー付きの仕様になっている。コレクター向けの再発としての性格が強い盤。
表記面では、アーティスト名の綴りがジャケットの表、裏、スパイン、CDで異なる形になっている点も特徴。再発盤を手に取ると、オリジナル時代の作品が後年に色付き盤としてシリーズ化され、別のかたちで流通していることがわかる。
まとめ
『Fabrizio De Andre’』は、Fabrizio De Andréのディスコグラフィーの中でも、作家性と歌の親しみやすさが同居した1981年の作品。イタリアのカンタウトーレ文化、ポップ・ロック、民謡の再解釈という複数の要素が、彼らしい距離感でまとまっている1枚。
「Ave Maria」のような伝統曲の扱い、レミントンの絵画を使ったジャケット、そして後年のブルー・ヴァイナル再発まで含めて、作品そのものだけでなく、周辺の情報も印象に残るアルバム。
トラックリスト
- A1 – Quello Che Non Ho (5:48)
- A2 – Canto Del Servo Pastore (3:11)
- A3 – Fiume Sand Creek (5:16)
- A4 – Ave Maria (5:42)
- B1 – Hotel Supramonte (4:31)
- B2 – Franziska (5:28)
- B3 – Se Ti Tagliassero A Pezzetti (4:58)
- B4 – Verdi Pascoli (5:12)
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- Quello che non ho – Fabrizio De Andrè
- Fabrizio de Andrè – CANTO DEL SERVO PASTORE (Indiano)
- Fiume Sand Creek – Fabrizio De Andrè
- Fabrizio De Andrè – AVE MARIA (Indiano)
- Hotel Supramonte – Fabrizio De Andrè
- Fabrizio de Andrè – FRANZISKA (Indiano)
- Se ti tagliassero a pezzetti – Fabrizio De Andrè
- Fabrizio de Andrè – VERDI PASCOLI (Indiano)
- Quello che non ho
Kate Bush – Never For Ever (1980)
Kate Bush『Never For Ever』――1980年のKate Bushを押し広げた3作目
Kate Bushの『Never For Ever』は、1980年9月にリリースされた3作目のスタジオ・アルバムだ。前作までで確立していた独自の歌世界を保ちながら、より曲ごとの表情がはっきりした作品として知られている。ロックとポップの枠に収まりきらない書き方、歌い方、音の置き方が、この時点ですでにかなり強い。
日本盤は帯付きの見開きジャケット仕様で、歌詞の日本語インサートやファンクラブ案内も封入された。盤面そのものより、当時の日本向けリリースらしい情報量のある作りになっている。
作品の位置づけ
Kate Bushは1978年のデビュー以来、作家性の強い作品を継続して発表してきたが、『Never For Ever』はその中でも重要な節目にあたる。デビュー作『The Kick Inside』、続く『Lionheart』に続いて出たこのアルバムでは、作曲家としての視野がさらに広がっている。のちの作品ほど大作志向ではないが、歌詞の題材やアレンジの振れ幅はかなり広い。
全体を通して、ピアノを核にしつつ、打楽器、シンセサイザー、ギター、コーラスが場面ごとに入れ替わる。ひとつの雰囲気を長く引っぱるというより、曲ごとに景色が切り替わる構成だ。
代表曲とアルバムの流れ
この時期のシングルとして知られるのが「Babooshka」「Breathing」「Army Dreamers」だ。いずれもアルバムの中で存在感が大きい。
「Babooshka」は、フックの強いリフと物語性のある歌詞が印象に残る曲で、Kate Bushの代表曲のひとつとして挙げられることが多い。曲としての分かりやすさがありつつ、声の使い分けや言葉の運びに彼女らしさが出ている。
「Breathing」は、原子力と生命の不安を題材にした曲として知られ、A面の最後に置かれている。静かな導入から緊張感を積み上げていく流れで、80年代初頭のポップ・アルバムの中でもかなり異色の存在感がある。
「Army Dreamers」は、戦争と若者の喪失を描いた曲で、メロディは穏やかでも内容は重い。単純に派手なヒット曲というより、アルバム全体の温度を決める1曲という印象だ。
なお、後年にクリスマス期の楽曲として知られる「December Will Be Magic Again」も、この時期のシングルとして並ぶ。アルバム本編とは別の流れで出た曲だが、同時代のKate Bushの制作活動の広がりを示している。
曲ごとの手触り
『Never For Ever』は、1曲ごとの輪郭がはっきりしている。奇妙な題材を扱っていても、音の組み立てが散らかりすぎない。むしろ、短い曲でも場面転換が明確で、歌詞の細部とアレンジの相互作用で聴かせるタイプだ。
たとえば「Delius (Song of Summer)」のような曲では、題材の取り方そのものがKate Bushらしい。クラシックや文学、演劇的な感覚を、ロック/ポップのフォーマットにそのまま押し込まず、別の形に変えている。
一方で「The Wedding List」や「The Infant Kiss」のような曲では、物語を追う感覚が強く出る。歌声の抑揚とアレンジの切り替えで、短編を読むような感触がある。
同時代の文脈
1980年という時期を考えると、ニュー・ウェイヴやシンセ・ポップが広がる中で、Kate Bushはそのどこにも完全には属していない。実験性はあるが、前衛音楽として閉じてもいない。ポップの形式を使いながら、演劇性や文学性を強く持ち込んでいる点で、同時代の一般的なロック/ポップ作品とはかなり距離がある。
比較対象としては、同じく作家性の強い英国のポップ作家たちが思い浮かぶが、Kate Bushの場合は歌唱のレンジと曲構成の独特さが際立つ。ソングライターであり、歌手であり、作品全体の演出家でもある、という印象だ。
日本盤の仕様
この日本盤には、見開きジャケット、帯、両面印刷のインサートが付く。インサートには日本語歌詞が載り、Kate Bush Fan Clubへの案内も入っている。さらに「Babooshka」のシングル紹介用の小さな案内もあり、当時の日本盤らしい資料性がある。
曲順や収録内容はオリジナルの流れを踏まえているが、インサートの表記による再生時間が他国盤と少し異なる点もある。こうした差も、日本盤を手に取る楽しみのひとつだ。
まとめ
『Never For Ever』は、Kate Bushが初期の段階ですでに独自の語り口を完成させつつあったことを示すアルバムだ。ヒット曲の「Babooshka」、緊張感のある「Breathing」、物語性の強い「Army Dreamers」と、印象の異なる曲が並びながら、全体としてはひとつのまとまりを保っている。
1980年の作品として見ると、当時のポップやロックの流れから少し外れた場所で鳴っている感じがある。その距離感こそが、このアルバムの大きな特徴だ。
トラックリスト
- A1 – Babooshka (バブーシュカ) (3:20)
- A2 – Delius (Song Of Summer) (ディーリアス(夏の歌)) (2:49)
- A3 – Blow Away (For Bill) (死者たち (ビルに捧く)) (3:32)
- A4 – All We Ever Look For (わずかな真実) (3:45)
- A5 – Egypt (エジプト) (4:10)
- B1 – The Wedding List (ウエディング・リスト) (4:15)
- B2 – Violin (バイオリン) (3:14)
- B3 – The Infant Kiss (少年の口づけ) (2:55)
- B4 – Night Scented Stock (木の精は夜の香り) (0:48)
- B5 – Army Dreamers (夢みる兵士) (2:55)
- B6 – Breathing (呼吸) (5:25)
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Of Montreal – Jon Brion Remix EP (2009)
Of Montreal『Jon Brion Remix EP』について
『Jon Brion Remix EP』は、Athens, Georgia出身のOf Montrealによる2009年の作品。バンドの中心人物であるKevin Barnesを軸に、初期は60年代ポップやサイケデリックの感触を通し、後年はエレクトロニカ、ファンク、グラム、アフロビートまで取り込んでいく、このバンドの変化がよく知られている。その流れの中にある1枚がこのEPだ。
ジャンル表記はElectronic、Rock、Pop。スタイルとしてはArt Rock、Pop Rock、Experimentalに置かれている。タイトルからもわかる通り、Jon Brionによるリミックスを中心にした内容で、Of Montrealの楽曲を別の切り口から聴かせる作品として位置づけられる。
作品の位置づけ
2009年のOf Montrealは、もともとのインディー・ポップ/サイケ寄りの感覚に加えて、より広い編成感や加工の強いサウンドへと進んでいた時期。そうした時代の流れの中で出たこのEPは、バンドの原曲をそのまま並べるのではなく、Jon Brionの手つきで再構成された音像を味わうタイプのリリースになっている。
Polyvinyl Record Companyのカタログでは、この作品は「An Eluardian Instance EP」としても参照されている。作品名の扱いに揺れがある点は、レーベル資料を追ううえで目に入る情報だ。
Of Montrealというバンドの文脈
Of MontrealはKevin Barnesのプロジェクトとして語られることが多いバンドで、メンバーの入れ替わりが多いことでも知られる。提示されているメンバー一覧からも、その流動性が見えてくる。Derek Almstead、Julian Koster、Dottie Alexander、K Ishibashi、Jojo Glidewellら、多彩な演奏家が関わってきた。
音楽的には、初期のポップ・サイケ路線から、PrinceやDavid Bowieを思わせる要素を取り込んだ時期まで幅がある。2000年代後半のインディー・ロック界では、同じくアート性の高いポップを扱うアーティストとして、Animal CollectiveやThe Fiery Furnacesのような名前と並べて語られることもあった流れ。
聴きどころ
リミックスEPという形式上、ここでの聴きどころは楽曲そのものの展開よりも、元の曲がどのように切り分けられ、別の質感に置き換えられているかという点にある。Jon Brionは、映画音楽やプロデュースでも知られる人物で、細かな音の配置や和声の扱いに特徴がある。その手癖がOf Montrealの楽曲に入ることで、原曲の輪郭が少しずつずらされるタイプの作品になっている。
Of Montrealの代表曲という文脈でいえば、この時期は『Hissing Fauna, Are You the Destroyer?』の流れが大きく、そこから派生する作品群のひとつとして見ると整理しやすい。バンドのコアなファンにとっては、アルバム本編とは違う角度で曲を確認できる資料的な意味合いもあるだろう。
まとめ
『Jon Brion Remix EP』は、2009年のOf Montrealを、Jon Brionのリミックスという形で切り取った1枚。アート・ロック寄りの構成感と、ポップな手触りが同居するバンドの性格が、そのまま別の編集で見えてくる作品だ。作品名の扱いに別表記がある点も含めて、Of Montrealのカタログを追ううえで押さえておきたいEPといえる。
トラックリスト
- A1 – First Time High (Reconstructionist Remix Of “An Eluardian Instance”) (4:03)
- A2 – First Time High (Of Chicago Acoustic Version) (4:34)
- B1 – Gallery Piece (JB Remix) (3:54)
- B2 – Gallery Piece (Long Version) (8:16)
- B2 – Gallery Piece (Instrumental) (3:54)
Alberto Fortis – Fragole Infinite (1982)
Alberto Fortis『Fragole Infinite』(1982)
Alberto Fortisは、イタリアのシンガー・ソングライター。1955年生まれで、70年代後半から80年代にかけてイタリアのポップ/ロック・シーンで活動してきた人物だ。『Fragole Infinite』は1982年に発表された作品で、ロックを基調にしたポップ・ロック寄りの一枚として位置づけられる。
この作品はロンドンのAbbey Road Studios、Studios 2 & 3で録音されている。イタリアのアーティストが英国の大きなレコーディング拠点で制作した点は、当時の作品として見ても印象に残る要素だ。クレジット上ではPolyGram Dischi S.p.a. – Milanoによる1982年のリリースで、イタリア盤として登場している。
作品の位置づけ
Alberto Fortisは、イタリアのシンガー・ソングライターとして知られており、この時期の作品群の中でも1982年作の『Fragole Infinite』は、80年代初頭の彼の音楽を確認できるタイトルのひとつだ。アーティスト名義での活動を追ううえで、初期80年代の到達点のように見ることができる。
サウンドの印象
ジャンル表記はRock、スタイルはPop Rock。作品全体は、ロックの枠組みの中でメロディを前に出すタイプの作りとして捉えられる。録音先がAbbey Roadということもあり、音像の見え方や演奏のまとまりに意識が向く作品として受け取られることが多いはずだ。
ただし、ここでは断定は避けたいが、80年代初頭のイタリアのポップ・ロック作品らしく、歌を中心に据えた構成で聴かれる一枚と言える。英米のロック文脈を参照しつつも、イタリア語の歌ものとしての性格が前に出るタイプのアルバムだろう。
制作面の情報
- 録音場所: Abbey Road Studios, London(Studios 2 & 3)
- リリース国: Italy
- リリース年: 1982年
- レーベル表記: PolyGram Dischi S.p.a. – Milano
- 付属物: Printed inner sleeve
代表曲について
このレコードについて、ここで代表曲やヒット曲として確実に挙げられる情報は確認できない。収録曲単位での知名度を追うなら、別途トラックリストや当時のシングル情報と合わせて見ると、作品の輪郭がさらに見えやすくなる。
まとめ
『Fragole Infinite』は、Alberto Fortisが1982年にイタリアで発表したポップ・ロック作品。Abbey Roadで録音された点も含めて、制作の背景がはっきりした一枚だ。80年代初頭のイタリアのシンガー・ソングライター作品として、彼の活動をたどるうえで重要な位置にあるアルバムと見てよさそうだ。
トラックリスト
- A1 – Fragole Infinite (3:14)
- A2 – Due File (3:40)
- A3 – Ti Diro’ (3:41)
- A4 – Non Piu’ Di Tanto (2:46)
- A5 – L’Uomo Grande (2:51)
- A6 – Galli (3:29)
- B1 – Angelo (3:02)
- B2 – Suzy Body (2:50)
- B3 – Dimmi Di No (3:21)
- B4 – Liquido Breve Per Bibo (4:17)
- B5 – Neve (3:42)
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Lift – Spiegelbild (1981)
Lift『Spiegelbild』(1981)
『Spiegelbild』は、東ドイツのロック・バンド、Liftが1981年に発表した作品。バンドはもともと1969年に
Liftというバンドの流れ
Liftは、東ドイツのロック史の中でもよく語られる存在。ロックを土台にしながら、シンフォニック・ロック、プログレッシブ・ロック、ポップ・ロックの要素を取り込み、長い活動の中で編成も変化してきた。提示されているメンバー名も多く、時期ごとに人員の入れ替わりがあったことがうかがえる。
この『Spiegelbild』も、そうしたLiftの歩みの中で出た1981年作品として見ると、バンドの成熟した時期の記録という印象が強い。東ドイツのロック・シーンでは、演奏力を前提にした組み立てのしっかりした作品が多く、Liftもその文脈の中で語られることが多いバンドだ。
音の特徴
この作品は、ジャンル表記としてRock、Pop、スタイルとしてSymphonic Rock、Pop Rock、Prog Rockが挙がっている。実際の聴感としても、ロックの骨格に、鍵盤やアレンジの厚みを持たせたタイプの作品として受け取られることが多いはずだ。リフやメロディを前面に出しつつ、曲の流れを大きく取る作りがLiftらしいところ。
歌を中心に据えながらも、単純なポップス寄りに寄り切らず、展開や間の取り方にプログレ的な感触が残る。とはいえ難解さを押し出す方向ではなく、曲としての輪郭を保ったまま進むあたりに、この時期のLiftの持ち味がある。
1981年という時期の位置づけ
1981年は、Liftにとって活動歴の中盤以降にあたる時期。デビュー直後の勢いをそのまま残すというより、バンドとしての作法が固まったあとに出る作品の雰囲気がある。東ドイツのロックという枠の中でも、派手な実験性より、演奏とアンサンブルの安定感が印象に残る年代だ。
同時代の文脈で見ると、英国のシンフォニック・ロックやプログレッシブ・ロックの影響を感じさせつつも、Liftの場合はより歌ものの感覚、つまりメロディの分かりやすさが前に出やすい。そういう意味では、欧州のロック・バンド群の中でも、組曲性一辺倒ではない立ち位置にある。
作品としての見どころ
『Spiegelbild』というタイトル自体は「鏡像」を意味するので、曲順やアルバム全体の構成を意識して聴くと、バンドの内側を映すような感覚がある。Liftの作品は、単曲の強さだけでなく、アルバム単位で流れを追うとまとまりが見えやすいタイプだ。
代表曲の明示的な情報はここでは挙げられていないが、Liftの作品群では、バンド名を広く知らしめた楽曲や歌詞で語られる曲がいくつかある。『Spiegelbild』も、その時期のLiftのサウンドを知るうえで外しにくい一枚として扱われることが多い。
まとめ
『Spiegelbild』は、東ドイツのLiftが1981年に残したロック作品。シンフォニック・ロック、ポップ・ロック、プログレッシブ・ロックの要素を持ちながら、演奏のまとまりと歌の流れを重視した作りが特徴の一枚だ。バンドの長い歴史の中で、成熟した時期のLiftを映す作品として見てよさそうだ。
トラックリスト
- A1 – Rückblick (0:45)
- A2 – Sindbad (3:29)
- A3 – Märchenland (3:58)
- A4 – Alptraum (3:01)
- A5 – Erinnerung (4:27)
- A6 – Am Abend Mancher Tage (3:45)
- B1 – Zwischenzeit (4:04)
- B2 – Liebeslied (2:40)
- B3 – Vincent Van Gogh (8:27)
- B4 – Einsamkeit (3:05)
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Gerry Rafferty – City To City (1978)
Gerry Rafferty『City To City』について
『City To City』は、スコットランド出身のシンガー・ソングライター、Gerry Raffertyが1978年に発表した2作目のソロ・アルバム。前作『Can I Have My Money Back』に続く作品で、彼の代表作として広く知られている。収録曲の中心にあるのは、やはり「Baker Street」。サックスのフレーズで強く印象を残す、彼の名を決定づけた一曲だ。
Raffertyは、Stealers Wheelで「Stuck in the Middle」をヒットさせたあと、ソロ活動へ進んだ人物。『City To City』は、その流れの中で生まれた作品で、ソロ・アーティストとしての立ち位置をはっきり示したアルバムでもある。ポップ・ロックを軸に、メロディの運びと歌の輪郭をきちんと前に出した作りになっている。
アルバムの位置づけ
このアルバムは、Gerry Raffertyのソロ作品の中でも特に重要な一枚として扱われることが多い。理由は明快で、「Baker Street」が入っているからだが、それだけではない。アルバム全体を通して、フォーク由来の書き方と、当時のラジオ向けロックの感触が同居している。
Rafferty自身は、スコットランドのパイズリーで労働者階級の家庭に生まれ、幼いころからアイルランドやスコットランドの民謡に親しんだという。その背景は、派手さよりも曲の流れや言葉の置き方に出ているように思える。ビートルズやボブ・ディランの影響も挙げられており、1970年代のシンガー・ソングライター文脈に自然に接続する存在でもある。
「Baker Street」を中心にした聴きどころ
『City To City』を語るうえで外せないのが「Baker Street」。この曲はRaffertyの最も有名なソロ曲であり、ラジオで長く親しまれてきた代表曲でもある。曲の導入から印象が強く、アルバムの顔として十分な存在感を持つ。
ただ、アルバムの魅力はその一曲だけに集約されるわけではない。全体としては、歌メロが前に出る曲が並び、派手な展開よりも、フレーズの積み重ねで聴かせるタイプの作品。ロックの骨格に、ポップ寄りの整理された構成が入っている、という受け取り方がしやすい。
同時代の文脈
1978年という時期は、ソングライター型のロックがFMラジオで強く機能していた時代でもある。Gerry Raffertyの作りは、その文脈の中で、同じくメロディを重視するアーティストたち、たとえばボズ・スキャッグスやロギンス&メッシーナのような聴かれ方とも重なる部分がある。
一方で、Raffertyには英国圏の民謡感覚や、Stealers Wheel時代から続く素朴な歌の運びが残っている。そのため、アメリカ産のAORやソフト・ロックと完全には同じに収まらないところもある。そこがこのアルバムの輪郭になっている。
日本盤について
今回の盤は日本盤で、ブルーの帯とインサート付きの仕様。1978年のオリジナル・リリースに近い時期の盤として扱える。日本盤ならではのポイントとしては、帯や付属物の有無がコレクション上の特徴になりやすいところだが、音楽そのものはオリジナルの作品像をそのまま伝える内容と考えてよさそうだ。
まとめ
『City To City』は、Gerry Raffertyのソロ活動を代表するアルバムであり、「Baker Street」を軸にしながら、1970年代後半のポップ・ロックの空気をきっちり写した作品。派手な演出より、曲の作りと歌の置き方で聴かせるタイプの一枚で、Stealers Wheelから続く彼のキャリアの中でも重要な位置を占めている。
トラックリスト
- A1 – The Ark (5:40)
- A2 – Baker Street (6:11)
- A3 – Right Down The Line (4:32)
- A4 – City To City (5:06)
- A5 – Stealin’ Time (6:06)
- B1 – Mattie’s Rag (3:30)
- B2 – Whatever’s Written In Your Heart (6:40)
- B3 – Home And Dry (4:59)
- B4 – Island (5:22)
- B5 – Waiting For The Day (5:40)
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Bruce Springsteen – Tunnel Of Love (1987)
Bruce Springsteen『Tunnel Of Love』(1987年)
Bruce Springsteenが1987年に発表した『Tunnel Of Love』は、E Street Bandの名前が広く知られている時期の中でも、作品の空気が少し変わった1枚として見られることが多いアルバムである。レコードとしても1987年のUS盤で、Columbia Recordsからリリースされた。
Springsteenは1949年、ニュージャージー州ロングブランチ生まれ。詩的な歌詞、Jersey Shoreに根ざした感覚、強い声、長尺で熱量の高いライヴで知られるシンガーソングライターだ。本作は、そうした“ザ・ボス”のイメージを保ちながらも、バンド全体で押し切るロックというより、私的な視線が前に出た作品として聴こえる。
作品の位置づけ
『Tunnel Of Love』は、Springsteenのディスコグラフィーの中でも、80年代後半の節目に置かれるアルバムである。前作『Born in the U.S.A.』の大きな成功のあとに出た作品で、ヒットのスケール感よりも、関係性や内面の揺れを追う作りが目立つ。E Street Bandの作品でありながら、曲ごとの手触りはかなり個人的だ。
録音はニュージャージー州Rumsonの“Carousel House”にあるSpringsteenのリビングルーム・スタジオで進められ、1987年1月から4月にかけて行われた。さらに「One Step Up」はロサンゼルスのA&M Studiosで録音されている。録音とミックスはSony Digitalで行われ、当時のデジタル録音の手法が使われている点も、この時代らしい要素だ。
サウンドと聴きどころ
このアルバムは、ロックの勢いだけで押すタイプではない。歌詞の内容に合わせて、演奏も整理されていて、曲の輪郭がはっきりしている。ギターや鍵盤、ドラムの配置が過密になりすぎず、言葉を聴かせる作りになっている印象がある。
タイトル曲「Tunnel of Love」は、この作品の中心にある曲だ。恋愛の高揚だけでなく、その中にある不安や距離感がにじむ。シングルとしても代表曲のひとつで、アルバムの方向性をそのまま示すような内容である。
「Brilliant Disguise」も重要な曲だ。相手を信じたい気持ちと、見えているものへの疑いが同居する構造で、Springsteenの歌詞の中でもかなり直線的に感情を扱っている。「Tougher Than the Rest」は、より落ち着いたテンポで関係の持続を描く曲で、後年までよく知られるレパートリーになった。
「One Step Up」は、家や暮らしの中で起きる行き違いを描く曲で、アルバム中でも現実感が強い。歌詞カード付きのインナー・スリーブで聴くと、言葉の流れが追いやすい構成になっている。
同時代の文脈
1987年のロック作品として見ると、派手なアリーナ・ロックやシンセを強く押し出す音作りが目立つ時期でもある。その中で『Tunnel Of Love』は、アメリカン・ロックの文脈にありながら、より内省的で、曲の中心に物語を置くタイプのアルバムとして聴こえる。Bob DylanやJohn Mellencampのように、歌詞を前面に出すアメリカのソングライター系ロックとも並べて語られやすい内容である。
このUS盤について
この盤はUSリリースで、Columbia Records Pressing Plant, Carrollton, GAでのプレスとされる。ランアウト部には「G」のエッチングがあり、DMM(Direct Metal Mastering)仕様である。スパイン表記はOC 40999、ラベル表記はC 40999。プリント入りインナー・スリーブには歌詞とクレジットが収められている。
ジャケット外装には、シュリンクラップ上のハイプ・ステッカーで「Brilliant Disguise」「One Step Up」「Two Faces」「Tunnel of Love」「Tougher Than The Rest」が案内されている。プロモーション用のゴールド・スタンプが入る個体もある。
まとめ
『Tunnel Of Love』は、Springsteenの大きな代表作群の中でも、私的な感情の動きが前に出たアルバムである。E Street Bandの厚みを持ちながら、録音やミックスの整理された手触りが、曲のテーマをそのまま支えている。1987年のUSオリジナル盤としても、当時のデジタル録音とDMMプレスの時代感がはっきり残る1枚だ。
トラックリスト
- A1 – Ain’t Got You (2:06)
- A2 – Tougher Than The Rest (4:35)
- A3 – All That Heaven Will Allow (2:38)
- A4 – Spare Parts (3:39)
- A5 – Cautious Man (3:56)
- A6 – Walk Like A Man (3:37)
- B1 – Tunnel Of Love (5:11)
- B2 – Two Faces (3:00)
- B3 – Brilliant Disguise (4:15)
- B4 – One Step Up (4:21)
- B5 – When You’re Alone (3:20)
- B6 – Valentine’s Day (5:10)
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The Nice – Elegy (1971)
The Nice『Elegy』について
The Niceの『Elegy』は、1971年に発表された作品で、バンドの終盤を示す重要な1枚だ。Keith Emersonを中心に、ロックにクラシックやジャズの要素を取り込んでいったThe Niceの到達点のひとつとして位置づけられる。作品全体を通して、演奏の切れ味と組曲的な構成が前面に出ている。
この盤は1982年リリースのUK盤で、Blue Charismaレーベルに小さなHatterロゴが入った仕様になっている。録音はTrident Studiosで行われ、Dave HenshawとMalcolm Toftがエンジニアを担当している。
バンドの立ち位置
The Niceは、初期のアートロック/シンフォニック・ロックを語るうえで欠かせないバンドだ。Keith Emersonのキーボードを軸に、モーツァルト、バッハ、シベリウス、チャイコフスキーなどのクラシック作品をロックの形式に持ち込んだことで知られる。オルガン主体の演奏、長尺のインストゥルメンタル、ライブでの演出も含めて、同時代のProcol HarumやKing Crimsonと並べて語られることが多い。
『Elegy』は、そうしたThe Niceの特徴がまとまった後期作のひとつ。のちにEmerson, Lake & PalmerへつながるKeith Emersonの発想が、すでにかなりはっきり見える時期の記録でもある。
収録曲と内容
この作品には、The Niceらしいクラシック引用とライブ音源が含まれている。
- 「3rd Movement Pathetique」— The Niceによる編曲
- 「America 2nd Amendment」— Emerson / Jackson / Davisonによる編曲
- 「Hang On To A Dream」— フィルモア・イーストでのライヴ録音
- 「America 2nd Amendment」— フィルモア・イーストでのライヴ録音
「3rd Movement Pathetique」は、クラシック曲をロック・アンサンブルに移し替えるThe Niceの手法がよく出た曲だ。Keith Emersonの鍵盤が前に出て、バンド全体がそれを支える構図になっている。
「America 2nd Amendment」は、Leonard Bernsteinの「America」をめぐるThe Niceの有名な演奏史を踏まえた楽曲として知られる。The Niceはこの曲をロイヤル・アルバート・ホールで演奏した際、アメリカ国旗のレプリカを燃やそうとして物議を醸したという逸話が残っている。こうした背景を知ってから聴くと、単なるカバー以上の意味を持つ曲に感じられる。
「Hang On To A Dream」は、ライブ収録ならではの空気を持つ1曲。スタジオ録音とは違う、観客の前で音を積み上げていくThe Niceの性格が見えやすい。
演奏とサウンド
The Niceの演奏は、Keith Emersonのハモンド・オルガンを中心に組み立てられる。Brian Davisonのドラム、Lee Jacksonのベース/ヴォーカルが加わることで、単なる鍵盤主導の作品ではなく、リズム隊の推進力がある仕上がりになっている。David O’Listが参加していた時期のバンドの空気も、作品の背景として感じ取れる。
サウンド面では、ポップ・ロック的なわかりやすさよりも、組曲的な流れや展開の細かさが目立つ。とはいえ、演奏自体はかなり直接的で、難解さだけに寄らないのがThe Niceらしいところだ。ライブ録音が入ることで、スタジオ版とは違う粗さや緊張感も出ている。
作品としての位置づけ
『Elegy』は、The Niceの活動後期を示す作品として見るのが自然だ。バンドはこのあと解散し、Keith EmersonはGreg Lake、Carl PalmerとともにEmerson, Lake & Palmerを結成する。The Niceで試されていたクラシックとロックの接続、派手なキーボード・ワーク、長尺構成は、その後のELPでさらに大きく展開されることになる。
その意味で『Elegy』は、The Nice単体の集大成というだけでなく、1970年代前後のプログレッシブ・ロックの流れにつながる中間点としても見える。派手な技巧と編曲のアイデアが前に出た、時代の空気をよく伝える1枚だ。
まとめ
The Nice『Elegy』は、Keith Emersonの存在感を軸に、クラシック曲の引用、ライブの緊張感、シンフォニック・ロック的な構成がまとまった作品だ。バンドの歩みを追ううえでも、70年代初頭の英国プログレを知るうえでも、重要な位置にあるレコードとして捉えられる。
派手な逸話の多いバンドだが、音そのものはかなり実直で、演奏の組み立てに耳が向く内容になっている。The Niceというバンドの輪郭をつかむには、わかりやすい入口のひとつだ。
トラックリスト
- A1 – Hang On To A Dream (12:43)
- A2 – My Back Pages (9:12)
- B1 – 3rd Movement Pathetique (7:05)
- B2 – America 2nd Amendment (10:27)
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The David – Another Day, Another Lifetime (1967)
The David『Another Day, Another Lifetime』について
The Davidは、1960年代半ばから後半にかけて活動したロサンゼルスのサイケデリック・グループだ。ブレントウッドで近所同士だったTim Harrison(ドラム)とWarren Hansen(ボーカル、キーボード)を中心に始まり、Palisades High SchoolつながりのMike Butte(ギター)、Chuck Spieth(ベース)、そして最後にMark Bird(リードギター)が加わった経緯が知られている。最初はThe Reasonsという名前だったが、マネージャーの「ヒットを取るのはダビデとゴリアテの戦いのように難しい」という言葉からThe Davidに改名した、というエピソードも残っている。
『Another Day, Another Lifetime』は1967年の作品として位置づけられる。The Davidにとって、20th Century Fox Recordsとのシングル契約を経て世に出た時期の音源で、バンドの初期像を知るうえで重要なタイトルといえる。
作品の位置づけ
The Davidは、同時代の米国西海岸サイケデリック・ロック、ガレージ・ロックの流れの中にあるバンドだ。活動時期や音の背景から、The Seeds、The Electric Prunes、The Chocolate Watchbandのような60年代後半のバンド群と並べて語られることが多いタイプの存在だろう。キーボードを含む編成もあって、ギター主体のガレージ感だけでなく、当時のサイケデリック・ポップらしい色合いも意識される。
アーティスト情報を見ると、The Davidはロサンゼルス周辺の若いメンバーで固まったバンドで、60年代後半の地元シーンの空気をそのまま反映したような成り立ちだ。大型バンドというより、シングルやローカルな流通を軸にしたグループとして理解すると、時代背景と合いやすい。
内容と聴きどころ
この作品は、サイケデリック・ロックを土台にしながら、ポップ・ロックやガレージ・ロックの要素を含む内容として捉えられる。曲単位では、当時のロサンゼルス産サイケに見られる、歪んだギター、はっきりしたリズム、メロディを残すボーカルの組み合わせが軸になっていると考えられる。
代表曲として特に広く知られた定番曲がこのタイトルから生まれている、というよりは、バンドそのものの資料的価値が大きい作品だ。メジャーなヒットを前面に押し出すタイプというより、60年代後半のローカル・サイケの断片を伝える記録として見たほうが実態に近い。
リリースと再発について
オリジナルは1967年のリリース。関連ノートによると、Vance Music Corp.に関わるリリースとして扱われている。のちにドイツで1990年代にブートレグ盤が出回ったことがあり、さらに現在VMCラベル表記で見かける再発はScorpio Recordsによるものとされている。
オリジナル盤と再発盤では、外観にも違いがある。再発盤はオリジナルよりもカバーが薄く、より現代的な仕様になっているとされる。盤を見分ける際には、この点が手がかりになりそうだ。
まとめ
『Another Day, Another Lifetime』は、The Davidというバンドの初期像を知るための1967年作だ。ロサンゼルスのサイケデリック・グループらしい編成と背景を持ち、60年代後半のガレージ/サイケの流れの中で位置づけられる一枚。作品単体のヒット性よりも、当時のローカル・シーンの記録としての意味合いが強い内容だ。
トラックリスト
- A1 – Another Day, Another Lifetime / I Would Like To Know (5:50)
- A2 – I’m Not Alone (1:48)
- A3 – Sweet December (3:05)
- A4 – Tell Me More (2:25)
- A5 – Now To You (3:58)
- B1 – Professor Crawford (2:40)
- B2 – Time M (4:50)
- B3 – So Much More (2:16)
- B4 – Mirrors Of Wood (3:40)
- B5 – Of Our Other Days (2:05)
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- The David “Another Day, Another Lifetime” 1968 *Another Day, Another LifetimeI-I Would Like To Know*
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John Wetton – Wetton Manzanera (1987)
John WettonとManzaneraの名前が並ぶ1987年作
「Wetton Manzanera」は、John Wetton名義で1987年に日本で出た作品。レコーディングは1986年3月から8月にかけて、イングランドのSurreyにあるGalery Studioで行われている。タイトルからも分かる通り、John Wettonと、元Roxy Musicのギタリストとして知られるPhil Manzaneraの関係が前面に出た一枚という位置づけになっている。
John Wettonは、1970年代の英国ロックをいくつも渡り歩いたベーシスト、シンガー、ソングライター。King Crimson、Roxy Music、U.K.、Asiaといったバンド歴があり、プレイヤーとしての存在感と、歌い手としての芯のある声で知られてきた人物だ。この盤も、そうしたWettonのキャリアの流れの中で見ていくと輪郭がつかみやすい。
作品の位置づけ
1987年という時期のJohn Wettonは、ハードなプログレッシブ・ロックの文脈だけでなく、より歌を中心にした作品へと軸足を置いていた時期。ここではPhil Manzaneraとの組み合わせが核になっていて、WettonのボーカルとManzaneraのギターがどう噛み合うかが聴きどころになっている。
1970年代のWettonを思い浮かべると、King CrimsonやU.K.時代の緊張感の強い演奏がまず出てくるが、この1987年作では、その路線をそのまま引き継ぐというより、曲の輪郭を立てて聴かせる作りの印象が強い。日本盤として出た1987年リリースという点でも、当時の国内ロック/AOR/ポップロックの受け止め方と重なる部分がありそうだ。
John Wettonの声とPhil Manzaneraのギター
Wettonの歌は、低めの音域に重心があり、輪郭がはっきりしている。こうした声質は、派手に張り上げるタイプではなくても、メロディをしっかり前に出せるのが特徴だ。一方のManzaneraは、Roxy Musicで知られる通り、音数を詰め込みすぎず、フレーズの置き方で曲の空気を作るタイプのギタリストとして語られることが多い。
この組み合わせは、ロックの中でも演奏の密度だけで押すというより、歌とギターの役割分担で聴かせる形に向いている。Wettonのキャリアを追っていると、U.K.やAsiaのような大きな編成のバンドでの存在感とは別に、こうした人物同士の呼吸で進む作品にも魅力がある。
同時代の文脈
1980年代半ばの英ロックには、プログレッシブ・ロックの系譜を持つミュージシャンが、より整った曲構成やポップな手触りへ寄っていく流れが見える。John Wettonもその中にいる。King CrimsonやU.K.のような作品群とは距離を取りつつも、演奏の確かさや曲の組み立てはそのまま残る、という見え方になりやすい。
Phil Manzanera側から見ても、Roxy Music以後の活動の延長線上で、ロックの中に洗練されたギターの役割を持ち込む人物として、この顔合わせは自然なものに映る。派手な技巧の応酬というより、曲の芯をどう作るかに焦点がある組み合わせ。
オリジナル盤としての1987年日本盤
この作品は1987年のオリジナルリリースとして扱われる日本盤。レコーディング時期からも、80年代後半の制作感がそのまま反映された時代の記録といえる。再発盤ではなく、その年の初出として出ている点が大きい。
日本でのリリースということもあり、当時の国内の輸入ロック・ファンや、Wettonの名前をKing CrimsonやAsiaで知ったリスナーの耳に届く位置にあった作品と見てよさそうだ。
まとめ
「Wetton Manzanera」は、John Wettonのキャリアの中でも、歌を軸にしながらPhil Manzaneraとの関係性を前に出した1987年の一枚。プログレッシブ・ロックの重い文脈だけでなく、1980年代のロックが持っていた整理された曲作りの感覚も感じられる作品だ。Wettonという名前の持つ歴史を踏まえると、バンドの中心人物としての顔とはまた違う、人物同士の距離感が見えるタイトルになっている。
トラックリスト
- A1 – It’s Just Love (3:38)
- A2 – Keep On Loving Yourself (5:12)
- A3 – You Don’t Have To Leave My Life (4:24)
- A4 – Suzanne (3:24)
- A5 – Round In Circles (4:32)
- B1 – Do It Again (4:49)
- B2 – Every Trick In The Book (4:06)
- B3 – One World (3:54)
- B4 – I Can’t Let You Go (3:22)
- B5 – Have You Seen Her Tonight? (4:47)
Algy Lord Gray – Bertie (1970)
Algy Lord Gray『Bertie』について
Algy Lord Grayの『Bertie』は、オリジナルは1970年の作品として扱われる1枚で、2021年にUKで再発盤が出ている。ジャンル表記はRock / Pop、スタイルはPsychedelic Rock、Pop Rock、Art Rock。アーティストの説明文からも、ただのソロ作品というより、当時の英国ロックの周縁で生まれた、かなり個性的な録音物として位置づけられている。
この作品の背景には、Algyと仲間たちがウェールズに移り、Plas Llechaという放棄された邸宅で録音を進めたという経緯がある。素朴な環境の中で制作が行われ、手作りで個別のカバーを持つ盤として出回ったことも、この作品の特徴として語られている。John Peelに1枚送られ、返事が来て、その後にPeel Sessionの機会につながった、というエピソードも残っている。
作品の位置づけ
『Bertie』は、Algy Lord Grayの活動の中でも、後のThe Great Crashへつながる流れの出発点として語られている。プロフィールでは、この盤に見られる感覚が「英国の風変わりな伝統」に連なるものとして説明されており、James Joyce、The Goons、Hawkwind、Monty Pythonといった名前が並ぶ。つまり、単なるポップ作品というより、ユーモアと実験性、英国的な遊び心が同居した作品として扱われている。
その後のThe Great Crashでは、1971年から1974年にかけて、ピアノ中心のメロディックなArt Rockを30曲ほど録音したとされている。『Bertie』は、その前段階にあたる作品として、より自由で、より手作り感の強い出発点と見てよさそうだ。
音の方向性
ロックとポップを軸にしつつ、サイケデリックな感触とアート志向が混ざった内容がうかがえる。派手なスタジオ・プロダクションよりも、場所そのものの空気や演奏の癖が前に出るタイプの記録として受け取れる。
比較の手がかりとしては、同時代の英国ロックの中でも、整ったポップスよりは、少し外側にある感覚が近い。後年のThe Great CrashがElton John初期、10cc、Deja Vu的な要素に触れられているのに対し、『Bertie』はその前の段階として、もう少し荒削りで、発想先行の雰囲気が強い作品と見られる。
2021年盤について
2021年のUK盤は、オリジナル作品の再発にあたる。手作りで少量流通したとされる初出盤の性格を踏まえると、再発盤はこの作品に触れる入口としての役割が大きい。オリジナル盤は入手性がかなり限られるはずで、2021年盤はその歴史的な位置をあらためて示す形のリリースになっている。
関連エピソード
- ウェールズのPlas Llechaという廃屋のような邸宅で録音されたこと
- 盤が手作りで、1枚ごとに異なるカバーが付けられたこと
- John Peelに送られ、返事が来て、Peel Sessionにつながったこと
- 後年、同じ場所がOasisやThe Verveの録音でも知られるようになったこと
まとめ
『Bertie』は、1970年という時代の英国ロックの中で、かなり個人的な環境から生まれた作品として見るのが自然だ。ロック、ポップ、サイケデリック、アート志向が入り混じる一方で、手作り盤、ウェールズでの共同生活、John Peelとの接点など、音以外の履歴も強い。Algy Lord Grayという名前を追ううえでの起点であり、The Great Crashへと続く流れの前史としても重要な1枚だ。
トラックリスト
- A1 – Would You Like A Brown Ale?
- A2 – Giraffe Song
- A3 – Get Involved With Your Work
- A4 – Post Orgasm Confessions
- A5 – Do You Know Where I Can Score?
- B1 – Bloated Fridge Road
- B2 – Dragonfly Wings
- B3 – Biafra
- B4 – Bertie, Where Are Your Trousers?
- B5 – The Nice Game
- B6 – Can’t Escape Your Fate
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Machiavel – New Lines (1980)
Machiavel『New Lines』について
『New Lines』は、ベルギーのプログレッシブ・ロック・バンド、Machiavelが1980年に発表した作品。バンドは1970年代前半に結成され、初期はジェネシス系のクラシカルなロックとブリティッシュ・プログレの要素を土台にしながら、その後はより自分たちの輪郭をはっきりさせていったグループとして知られている。
この時期のMachiavelは、プログレ寄りの構成感を残しつつ、曲の運びをより整理した方向へ進んでいた段階。1980年という年を考えると、70年代的な長尺の組曲感よりも、ポップ・ロック寄りの分かりやすさを備えたプログレ、という位置づけで捉えやすい作品だと思う。
バンドの流れの中での位置
Machiavelは、1976年のデビュー作でクラシック・ロックとブリティッシュ・プログレの要素を示し、その後の『Jester』『Mechanical Moonbeams』で独自色を強めていったとされる。そこから1980年の『New Lines』へつながる流れを見ると、バンドが単に「プログレの延長」をやっていたのではなく、歌ものとしてのまとまりや楽曲単位の強さを意識していった段階にある。
この少し後の時期には、シングル「Fly」が大きなヒットになったことでも知られている。『New Lines』は、その直前にあたる時期の作品として、後のより広い層への接近を予感させる立ち位置にあると言えそうだ。
サウンドの印象
この作品のスタイルは、クレジット上ではPop RockとProg Rock。実際、Machiavelの持ち味であるプログレ的な展開やバンド演奏の密度を保ちながら、曲の入口は比較的すっと入ってくるタイプの作りになっている。派手に技巧を並べるというより、曲の中でリズムやメロディをどう運ぶかに重心がある印象。
当時のヨーロッパ圏のロックの文脈で見ると、英国プログレの影響を引きずりつつも、70年代末から80年代初頭にかけての新しい空気に合わせて、よりコンパクトな楽曲へ寄っていく動きがある。Machiavelもその流れの中にあり、同時代のプログレ・バンドの中では、過度に重厚へ振り切らず、歌とバンドの一体感を前に出すタイプとして聴ける。
代表曲や注目点
『New Lines』単体での大きなヒット曲については、今回の情報からは特定しづらい。ただ、Machiavel全体の代表曲としては「Fly」がよく挙がる。1980年のヒットで、当時のThe Policeを思わせる感触を取り入れた曲として知られている。『New Lines』は、その少し前の作品なので、バンドがこの路線へ向かう前後の空気を感じるうえで重要な一枚になっている。
ラインナップ
クレジットにはRoland De Greef、Mario Guccio、Thierry Plas、Christophe Pons、Albert Letecheur、Marc Ysaye、Hervé Borbé、Jean Jacques Roskam、Jean Paul Devaux、Kevin Coolsの名が並ぶ。Machiavelは時期ごとにメンバー変遷があるバンドだが、Mario Guccioの存在は特に大きく、後年のバンド・イメージを形づくる核のひとつとして語られている。
まとめ
『New Lines』は、Machiavelがプログレ・バンドとしての出自を保ちながら、より歌ものへ接近していく過程にある1980年作。ベルギー産のアートロック/プログレ・バンドという来歴を踏まえると、70年代の大仰な様式美だけではない、80年代へつながる整理されたバンド・サウンドの入口として見えてくる作品だ。
同じMachiavelの中でも、初期のプログレ色と、後年の広い層に届く路線のあいだをつなぐ位置づけの一枚。バンドの変化を追ううえで、ひとつの節目として捉えやすいレコードだと思う。
トラックリスト
- A1 – Vocando = Fly (3:31)
- A2 – Sobre El Mundo = Lying World (2:53)
- A3 – Relajar = Relax (3:08)
- A4 – Champaña En Amsterdam = Champagne In Amsterdam (4:05)
- A5 – Recuerdos = Memories (3:56)
- B1 – Apagalo = Turn Off (3:45)
- B2 – Una Vida = A Life (3:35)
- B3 – Playboy (3:35)
- B4 – Muy Claro = So Clear (3:25)
- B5 – Desvaneciendose = Fade Away (4:38)
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Sally Oldfield – Playing In The Flame (1981)
Sally Oldfield「Playing In The Flame」について
「Playing In The Flame」は、Sally Oldfieldが1981年にUKで発表したアルバムです。ジャンルとしてはRockとPopにまたがり、スタイル面ではDowntempo、Pop Rock、Synth-popの要素が並ぶ作品として位置づけられています。Sally Oldfieldは、Mike Oldfieldの姉としても知られるUK出身のシンガーで、この時期にはソロ作を通じて自分の歌声と楽曲の輪郭をはっきり打ち出していった流れの中にある作品です。
作品の位置づけ
1981年という年代を考えると、アコースティック寄りのフォーク的な感触よりも、当時のポップ・ロックやシンセを使ったサウンドの空気が前に出やすい時期です。Sally Oldfieldの作品群の中でも、ソロ・アーティストとしての表現を、同時代の英国ポップスの文脈に置いて聴ける1枚といえます。妹や弟という家族関係で語られがちなアーティストですが、この作品ではそうした話題だけでなく、ひとりの歌い手としての存在感が中心にある印象です。
盤の仕様
このUK盤にはプリント入りのインナー・スリーブが付属しています。発売当時のパッケージとして、作品の世界観をそのまま補強する要素のひとつです。
サウンドの印象
実際に聴くと、曲ごとにリズムの置き方や鍵盤の使い方が変わり、歌を支えるアレンジの設計がはっきりしているタイプのアルバムとして受け取れます。派手な押し出しだけで引っ張るのではなく、声と曲の流れを軸にまとめていく作りで、1980年代初頭の英国ポップ・ロックらしい整理された響きが見えます。シンセの使い方も、装飾というより曲の骨格に関わる役割として機能しているように聴こえます。
同時代の文脈
同じ時期のUKでは、ポップ・ロックとシンセ・ポップの境目をまたぐ作品が多く出ていました。「Playing In The Flame」もそうした流れの中で理解しやすいアルバムです。フォーク由来の繊細さを持ちながら、80年代的な音像へ寄せていく感覚は、同時代の英国女性シンガー・ソングライターの作品とも並べて語られやすい部分です。
アーティストについて
Sally Oldfieldは1947年にダブリンで生まれ、幼少期をイングランドのReadingで過ごしています。バレエやクラシック・ピアノの学習歴を持ち、音楽活動は1960年代後半にMike Oldfieldとのデモ録音から始まりました。その後、兄MikeとともにThe Sallyangieを結成し、1968年にはアルバム「Children of the Sun」を録音しています。そうした背景を踏まえると、「Playing In The Flame」は、彼女がソロの表現を継続しながら、より洗練されたポップ寄りの形に向かっていた時期の記録として見えてきます。
まとめ
「Playing In The Flame」は、1981年のUKポップ・ロックの空気をまといながら、Sally Oldfieldの歌と楽曲の作りを確認しやすいアルバムです。Mike Oldfieldの家族という文脈だけでなく、ソロ作品としてのまとまりを持った1枚として、1980年代初頭の英国作品らしい手触りが残ります。
トラックリスト
- A1 – Playing In The Flame (5:03)
- A2 – Love Of A Lifetime (4:08)
- A3 – River Of My Childhood (3:57)
- A4 – Let It All Go (2:55)
- A5 – Song Of The Lamp (3:16)
- B1 – Rare Lightning (4:45)
- B2 – Man Child (3:57)
- B3 – It’s A Long Time (3:35)
- B4 – Song Of The Being (4:41)
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Prince And The Revolution – Parade (1986)
Prince And The Revolution「Parade」について
1986年にリリースされた、Prince And The Revolution名義の8作目のスタジオ・アルバムが「Parade」です。Princeの作品の中でも、The Revolutionをバンドとして前面に出した最後のアルバムとして知られていて、ソロ色の強い次の展開へ向かう前の節目の一枚という位置づけです。ジャンル表記としてはRock、Funk / Soul、Pop、スタイルではFunk、Minneapolis Sound、Pop Rockにまたがる内容で、Princeらしいリズムの強さと、曲ごとの色分けがはっきりした構成になっています。
作品の輪郭
このアルバムは、Prince And The Revolutionという編成のまとまりを感じさせる内容です。メンバーにはLisa Coleman、Matt Fink、Brownmark、Wendy Melvoin、Prince Rogers Nelson、Bob Rivkinがクレジットされていて、キーボード、ギター、ベース、ドラムがしっかり絡み合うバンド感が土台になっています。とはいえ、中心にいるのはやはりPrinceで、楽曲の方向性や音の設計には彼の個性が強く出ている作品です。
同時代のポップやファンクの流れの中でも、ミネアポリス・サウンドの代表的な一枚として見られることが多いアルバムです。シンセサイザーの使い方、リズムの切れ味、メロディの立ち上がり方などに、その時期のPrince作品らしい特徴がまとまっています。ファンクの躍動感とポップな聴きやすさのあいだを行き来する作りで、アルバム全体の流れも比較的コンパクトにまとまっています。
代表曲「KISS」
この作品を語るうえで外せないのが「KISS」です。シングルとして大きく知られた曲で、アルバムの中でも特に印象の強いトラックです。ギター、リズム、ファルセットの使い方がはっきりしていて、Princeの曲作りの輪郭がわかりやすい一曲になっています。ほかの楽曲も含めて、派手さだけで押すのではなく、音数や配置で引っかかりを作る感じがこのアルバムらしいところです。
映像作品とのつながり
リリース時のシュリンクには、Warner Bros.の映画「Under the Cherry Moon」の音楽であることと、「KISS」がヒットシングルであることが告知されています。つまり、このアルバムは単独の音源作品としてだけでなく、当時のPrinceの映像作品とも地続きの文脈で出てきたものです。音だけでなく、映像やキャラクター性も含めて展開していた時期の記録としても見やすい一枚です。
日本盤としての仕様
この日本盤はゲートフォールド仕様で、オビには「Prince 8th」と入っています。シュリンク上のステッカーには「KISS」のヒットを含むことや、「Under the Cherry Moon」との関連が記されています。付属品としては、英和対訳のクレジット・インサート、英和歌詞インサート、アルバム・カタログ付きのマーケティング/アンケート・カードが確認できます。レーベル表記には1986年の表記があり、Warner-Pioneer Corporation, Japanによるライセンス盤です。
ひとこと
「Parade」は、Prince And The Revolutionという名義の終盤に置かれたアルバムでありながら、曲の強さと構成のまとまりがしっかり感じられる作品です。特に「KISS」の存在で広く知られていますが、アルバム全体として見ると、ファンク、ポップ、ロックの要素がPrince流に整理された時期の記録としても興味深い内容です。
トラックリスト
- Intro
- A1 – Christopher Tracy’s Parade (2:11)
- A2 – New Position (2:21)
- A3 – I Wonder U (1:40)
- A4 – Under The Cherry Moon (2:57)
- A5 – Girls & Boys (5:30)
- A6 – Life Can Be So Nice (3:12)
- A7 – Venus De Milo (1:54)
- End
- B1 – Mountains (3:58)
- B2 – Do U Lie? (2:43)
- B3 – Kiss (3:38)
- B4 – Anotherloverholenyohead (3:58)
- B5 – Sometimes It Snows In April (6:50)
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Missing Persons – Color In Your Life (1986)
Missing Persons『Color In Your Life』
Missing Personsは、1980年に結成されたカリフォルニアのニュー・ウェイヴ・バンド。Dale Bozzioの存在感あるヴォーカルと、Terry Bozzio、Warren Cuccurulloらを含む編成で知られ、「Destination Unknown」「Right Now」「Walking In L.A.」「Words」といった曲で名前が広まったグループだ。
『Color In Your Life』は1986年の作品。ElectornicとRockを軸に、Pop RockやSynth-popの流れの中でまとめられたアルバムで、バンドの80年代的なサウンドがそのまま出ている一枚になっている。
作品の輪郭
録音はカリフォルニア州タルザーナのCan-Am Recordingと、ロサンゼルスのLarrabee Recordingで行われている。ミックスはA1からB3、B5がMedia Sound in NYC、B4がLarrabee Recording in L.A.、マスタリングはFrankford/Wayne in NYC。制作の流れを見ても、西海岸で録音しつつニューヨークで仕上げる、当時らしい作業環境がうかがえる。
クレジットにはPatrick O’Hearn、Dale Bozzio、Terry Bozzio、Chuck Wild、Warren Cuccurulloらが並ぶ。バンドの中心人物が多く関わっており、Missing Personsの持っていた演奏面とサウンド面の両方が反映されやすい構成だ。
聴きどころ
この時期のMissing Personsは、初期の代表曲で印象づけたシンセ主体の質感を保ちながら、ロック寄りの輪郭も見せる流れにある。Dale Bozzioの声は、輪郭のはっきりしたシンセやギターとぶつかることで、曲の中でかなり目立つ。80年代のポップスとして聴いたときも、音の置き方が整理されていて、リズムとメロディの役割がわかりやすい。
代表曲を持つバンドのアルバムとして見ると、過去のヒット曲のイメージをそのままなぞるというより、当時のバンドがどこにいたかを確認できる作品という位置づけに近い。ニュー・ウェイヴ、シンセ・ポップ、ポップ・ロックの文脈で並べて聴くと、同時代のバンド群の中でもMissing Personsらしい整った打ち込み感と、演奏の生っぽさが同居している。
同時代との関係
1986年という時期は、ニュー・ウェイヴの初期衝動が少し落ち着き、シンセ・ポップやポップ・ロックの形に整理されていく頃でもある。Missing Personsもその流れの中にあり、当時のLA周辺のバンドや、シンセを前面に出したロック・バンドと並べて語られやすい存在だ。
『Color In Your Life』は、バンドの名前を知っている人にはその延長線上の作品として、80年代のポップ・ロックを追っている人には当時の音作りを確認できる一枚として見えてくる。派手な説明よりも、録音と演奏の配置で聴かせるタイプのアルバムだ。
基本情報
- アーティスト: Missing Persons
- タイトル: Color In Your Life
- オリジナルリリース年: 1986
- リリース国: Europe
- ジャンル: Electronic, Rock
- スタイル: Pop Rock, Synth-pop
トラックリスト
- A1 – Color In Your Life (5:00)
- A2 – I Can’t Think About Dancin’ (5:16)
- A3 – No Secrets (4:29)
- A4 – Flash Of Love (4:15)
- B1 – Go Against The Flow (5:54)
- B2 – Boy I Say To You (4:38)
- B3 – Come Back For More (3:41)
- B4 – Face To Face (3:33)
- B5 – We Don’t Know Love At All (5:02)
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Alberto Radius – Che Cosa Sei (1976)
Alberto Radius / Che Cosa Sei
Alberto Radiusの「Che Cosa Sei」は、1976年に発表された作品で、ロックとポップの要素を軸にしたポップ・ロックの一枚だ。アルベルト・ラディウスはイタリア出身のギタリスト、シンガーで、60年代後半から70年代にかけてのイタリアン・ロック・シーンで存在感を示した人物として知られる。
アーティストの立ち位置
Radiusは、バンド活動を通してキャリアを積み上げたあと、1969年にFormula 3を結成したことで広く知られる。Lucio BattistiのレーベルNumero Unoからデビューし、代表曲「Questo Folle Sentimento」がイタリアのチャートで上位に入ったことでも知られる。そうした流れを踏まえると、「Che Cosa Sei」は、バンド・ミュージシャンとしての経験と、ソロでの表現がつながる時期の作品として位置づけられる。
作品の印象
この作品は、ギターを前面に押し出したロック色と、歌ものとしての聴きやすさが同居するタイプのアルバムとして捉えやすい。70年代イタリアのポップ・ロックには、メロディを重視しつつ演奏にも力が入る作品が多いが、本作もその文脈の中にある一枚と言えそうだ。曲の輪郭を保ちながら、演奏の細部で個性を見せる流れが見えやすい。
作曲者としてのRadiusの持ち味は、バンド時代に培ったギターの感覚と、歌のフレーズの運びの両方にある。Formula 3や、同時代のイタリアン・ロックに通じる耳なじみのよさと、ロック寄りの音作りが近い距離にあるのがこの時代の特徴でもある。
盤について
ここにある盤は1982年リリースのもの。作品そのものは1976年の発表なので、70年代オリジナルの流れを後年の盤で聴く形になる。ジャケットや音質の細かな違いは盤ごとに変わることがあるが、作品の核になる部分は1976年時点のものとして受け止めやすい。
関連する文脈
- イタリアン・ロックの流れの中にあるソロ作品
- Formula 3での活動を経たギタリスト/シンガーとしての一面
- ロックとポップの間を行き来する70年代イタリア作品の一例
「Che Cosa Sei」は、Alberto Radiusの経歴を踏まえて聴くと、演奏家としての手触りとポップ・ソングとしてのまとまりが見えやすい作品だ。派手さよりも、曲と演奏の組み合わせで聴かせるタイプのアルバムとして記憶しやすい。
トラックリスト
- A1 – Che Cosa Sei (3:58)
- A2 – L’Asino (3:58)
- A3 – Il Respiro Di Laura (5:12)
- A4 – La Meta’ (5:07)
- B1 – Sound (3:40)
- B2 – Salamoia (3:42)
- B3 – Suoni (4:47)
- B4 – Zenit (4:47)
- B5 – Pop Star (4:00)
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Steve Hackett – Cured (1981)
Steve Hackett『Cured』
Steve Hackettは、Genesisでの活動で知られる英国出身のギタリスト。1977年にバンドを離れてからはソロ活動を軸に作品を重ねていて、『Cured』は1981年に発表されたソロ作のひとつである。英国ロックの流れの中でも、プログレッシブ・ロックの出自を残しながら、より歌もの寄りの作りへ寄った時期の作品として聴かれることが多い。
作品の輪郭
このアルバムでは、Steve Hackettらしいギターの存在感を土台にしつつ、Pop RockとProg Rockが並ぶ構成になっている。Genesis時代の複雑な展開をそのまま引き継ぐというより、曲ごとの輪郭をはっきりさせた作りで、ロック・アルバムとしてのまとまりが前に出る印象である。
1980年代初頭という時期もあって、70年代のプログレに比べると音像はすっきりしている。ギターのフレーズは前面にありながら、曲調は比較的コンパクトで、メロディの分かりやすさが耳に残るタイプの一枚。プログレ寄りのソロ・ギタリスト作品としても、同時代の英国ロック作品としても追える内容である。
聴きどころ
Steve Hackettのソロ作品では、ギターの表情がそのまま曲の色になることが多いが、『Cured』でもそこは変わらない。派手に弾き続けるというより、フレーズの置き方や音の抜き差しで曲を進めていく場面が目立つ。ボーカル曲でもギターが前に出るため、バンド作品とは違う視点で彼の演奏を追えるアルバムである。
代表曲として広く知られた定番曲が真っ先に挙がる作品ではないが、アルバム全体を通して聴くと、80年代初頭のSteve Hackettがどんな方向を向いていたかが見えやすい。Genesis脱退後のソロ活動を確認する上でも、ひとつの節目に置かれる作品といえる。
リリースについて
オリジナルは1981年の作品で、ここで扱う盤は1984年リリースのもの。UK盤として流通した再発盤にあたり、作品そのものは1981年の内容を収めている。オリジナル発表時の空気を残しつつ、80年代の流通の中で聴かれてきた一枚である。
まとめ
『Cured』は、Genesisを経たSteve Hackettが、ソロ・アーティストとして自分のギターを中心に組み立てた1981年作。プログレッシブ・ロックの文脈を持ちながら、ポップ・ロック寄りのまとまりも見せるアルバムで、80年代初頭の英国ロックの一断面として捉えやすい作品である。
トラックリスト
- A1 – Hope I Don’t Wake
- A2 – Picture Postcard
- A3 – Can’t Let Go
- A4 – The Air-Conditioned Nightmare
- B1 – Funny Feeling
- B2 – A Cradle Of Swans
- B3 – Overnight Sleeper
- B4 – Turn Back Time
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Various『Baubles Vol.One – Down To Middle Earth』について
『Baubles Vol.One – Down To Middle Earth』は、UKのVarious名義で1988年にリリースされたレコードだ。ロックを軸に、ガレージ・ロック、ポップ・ロック、サイケデリック・ロックの要素が並ぶ1枚で、80年代後半の空気の中で、60年代的な感触を引き寄せるような作品として受け取れる。
作品の印象
Various名義の作品なので、特定のバンドの個性を前面に出すというより、収録曲ごとの色合いを楽しむタイプの構成になっている。タイトルからもまとまった企画盤らしさがあり、ロックの中でも、ざらついたギター感、メロディの分かりやすさ、少し浮遊感のある響きが行き来する内容が想像しやすい。
1988年という時期を考えると、同時代のUKロックの流れの中で、よりシンプルなバンド感や、60年代回帰の感覚を持つ作品群と近い位置に置いて語られることがありそうだ。ガレージ・ロックの直線的な勢い、ポップ・ロックの整理された曲作り、サイケデリック・ロックの音の広がりが、ひとつの盤の中で並ぶあたりが見どころになりそうである。
聴きどころ
- ギターの粗さと、曲の輪郭の見えやすさの両立
- ポップ寄りのメロディと、ロックらしい押しの強さ
- サイケデリックな質感が、曲間の空気にどう出るか
ヒット曲や広く知られた代表曲については、この情報からは特定しづらい。各曲の顔ぶれを追いながら、収録順で雰囲気がどう変わるかを見る楽しみ方が合いそうな作品だ。
当時の文脈
80年代後半のUKでは、ロックの中でも過去のスタイルを参照する動きがいくつか見られた時期で、この盤もそうした流れの中で捉えやすい。ガレージ・ロックの荒さ、ポップ・ロックの明快さ、サイケデリック・ロックの色づけが同居する構成は、単独のバンドの自己表現というより、ロックの複数の系譜を一枚に置いたような印象につながる。
1988年オリジナルのUK盤として、80年代のリリースらしいまとまりを持ちながら、内容面ではより古いロックの感覚に触れるタイプの作品として見てよさそうだ。
まとめ
『Baubles Vol.One – Down To Middle Earth』は、Various名義の1988年UKロック作品として、ガレージ・ロック、ポップ・ロック、サイケデリック・ロックの要素が並ぶ1枚である。作品全体の輪郭は、曲ごとの性格や並び方に目を向けるとつかみやすいタイプだ。
トラックリスト
- A1 – Things (Goin’ Round In My Mind) (2:31)
- A2 – Any Way The Wind Blows (2:59)
- A3 – The French Girl (2:55)
- A4 – The Man Who Paints Pictures (6:48)
- A5 – Tendency To Be Free (2:36)
- A6 – Full Cycle (6:00)
- A7 – You Must Be A Witch (2:43)
- B1 – Six Feet Down (2:33)
- B2 – Down To Middle Earth (2:49)
- B3 – A Visit With Ashiya (3:32)
- B4 – More Than It Seems (3:19)
- B5 – Pale Dream (2:31)
- B6 – Forgotten Man (2:20)
- B7 – Nightmare Of Percussion (2:48)
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- Rabbit Mackay – Tendency To Be Free
- The Lollipop Shoppe-You must be a Witch
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