Category : Blues

Felt – Felt (1971)

Felt『Felt』について

Feltは、アメリカ・アラバマ州ハンツビルで結成されたプログレッシブ・ブルース/ジャズ/サイケ・ロック系のバンドで、1971年に唯一のアルバムを残したグループとして知られている。この『Felt』はそのオリジナル作の再発盤で、2000年にイタリアでリリースされた一枚だ。

バンドはMyke Jacksonを中心に1970年に始動し、Myke Jackson、Tommy Gilstrap、Mike Neel、Allan Dalrymple、Stan Leeの編成で作品を残した。プロフィールとしては、ブルースやジャズの要素を土台にしながら、当時のサイケデリック・ロックの流れとも接続するタイプのバンドと見られている。

作品の位置づけ

『Felt』は、Feltにとって1971年の唯一のアルバムという位置づけになる。後年になって再評価が進んだタイプの作品で、2012年には2作目が完成したとされているが、この盤に収められているのはあくまで1971年のオリジナル・アルバムの再発盤だ。

再発盤のクレジットには、Nasco盤の再発であること、レーベル面にComet Recordsのウェブサイトとメールアドレスが記載されていること、さらにジャケットやラベルの表記に「Recorderd at Woodland Sound Studios」という綴りの誤りがあることが記されている。盤としては2000年イタリア盤ならではの情報が入った仕様になっている。

音の特徴

この作品は、ジャンル表記としてはRock、Blues、Folk、World, & Country、スタイルとしてPsychedelic Rockに分類されている。バンドの出自を踏まえると、ブルース寄りのリフやジャズ的な展開、サイケデリックな響きが混ざる構成が中心になっているタイプと受け取れる。

実際の音像としては、ハードに押し切るロックというより、楽曲の流れや演奏の間合いに重心が置かれる作品として語られることが多い。アメリカ南部のバンドらしいルーツ感と、70年代初頭の実験性が同居する一枚という見方がしやすい。

同時代の文脈

1971年前後の南部アメリカでは、ブルースやカントリーの土台に、ロックの拡張表現を重ねるバンドが各地で登場していた。Feltもその流れの中で捉えやすく、同時代のサイケデリック寄りのバンドや、ジャズ感覚を持つロック・アンサンブルと並べて語られることがある。

ただし、派手なヒット曲で知られるタイプではなく、アルバム単位で聴かれる作品として扱われることが多い。代表曲の存在よりも、バンド全体の演奏と曲の流れに特徴がある一枚だ。

再発盤としての見どころ

2000年のイタリア盤は、1971年のNasco盤をもとにした再発で、オリジナル盤を手に入れにくい状況では重要な存在になっている。レーベル情報や表記の違い、バーコードの有無など、再発盤らしい仕様の差も確認できる。

オリジナルの時代感をそのまま残した作品を、後年の再発で聴ける形にした盤として見ると、この『Felt』はバンドの活動初期を知るうえでまとまりのある資料性を持つアルバムだ。

トラックリスト

  • A1 – Look At The Sun (3:18)
  • A2 – Now She´s Gone (5:29)
  • A3 – Weepin´Mama Blues (4:40)
  • A4 – World (5:36)
  • B1 – The Change (10:00)
  • B2 – Destination (6:43)

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2026.06.21

Andromeda – Seven Lonely Street (1990)

Andromeda「Seven Lonely Street」について

Andromedaは、1967年末から1970年初頭にかけて活動したロンドンの英国産ヘヴィ・サイケデリック・ロック・グループである。John Du Cannのギター、Mick Hawksworthのベースとボーカルを軸に、初期にはJohn Rhymer、のちにIan McLaneがドラムを担当した。「Seven Lonely Street」は、そのバンドの1969年9月発表のアルバムで、のちに再発された1990年盤も同じ内容を収めている。

作品の位置づけ

Andromedaにとってこのアルバムは、短い活動期間の中で残された唯一のフル・アルバムとして知られている。John Peelの関心をきっかけにラジオ・セッションやライブの機会を得て、マナー・オブ・マーキーでの出演など、当時のロンドンのサイケデリック・シーンの中で存在感を示したバンドだった。アルバム制作時には演奏とプロダクションの自由度が高かったとされ、バンドの音像をそのまま記録した作品という位置づけにある。

ただし、発売後の評価やライブでの手応えとは裏腹にセールスにはつながらず、バンドは1970年3月に解散している。したがって、この1枚はAndromedaの活動をまとめて確認できる中心作といえる。

内容と音の特徴

収録曲は、ヘヴィ・ブルース寄りの土台に、サイケデリックな展開やプログレッシブな構成を重ねたものが並ぶ。ギターの前に出る感じ、ベースとドラムの押し出し、曲ごとにテンポや空気を変える進行が目立つ。Rock、Blues、Acid Rock、Psychedelic Rock、Prog Rockという整理がされるのも納得できる内容で、同時代の英国サイケやヘヴィ・ロックの文脈で語られやすいアルバムである。

John Du Cannの後のキャリアを知っていると、この作品での演奏にもつながりが見える。Andromedaは、のちのハード寄りの英国ロックへ接続する前段階としても興味深い存在だろう。比較対象としては、同時代の英国サイケデリック・バンドや、よりヘヴィな方向へ進む初期のプログレ系ロック・グループが挙がりやすい。

収録曲について

代表曲という意味では、アルバム全体が一体になっているタイプで、単独で広く知られた大ヒット曲が前面に出る作品ではない。とはいえ、曲ごとの変化ははっきりしていて、長めの展開やリフ主体の部分、ブルース色の強い場面など、当時の英国ロックの手触りがそのまま入っている。

再発盤のポイント

1990年のUK盤は、オリジナルの1969年作を元にした再発盤である。初回分では、裏ジャケットの曲目表記に誤りがあり、2面目の曲順が別バンドFuzzy DuckのLPの曲名で記されていたというエピソードが残っている。加えて、この再発盤にはBarry Wintonによる短いヒストリー小冊子が付属し、番号入りのものもある。

また、スリーブはラミネートなしの自然な質感のカード仕様とされていて、再発盤としては資料性の高い作りになっている。

まとめ

「Seven Lonely Street」は、Andromedaという短命ながら重要な英国ヘヴィ・サイケ・バンドの姿を、当時の空気ごと切り取ったアルバムである。ラジオDJのJohn Peelに認められ、ロンドンのライブ・シーンで動きながら、最終的には1枚のアルバムに集約された作品。1969年の英国ロックの一断面として、そしてJohn Du Cann周辺のキャリアをたどるうえでも、確認しておきたいタイトルである。

トラックリスト

  • A1 – Let’s All Watch The Sky Fall Down (4:03)
  • A2 – Keep Out ‘Cos I’m Dying (5:41)
  • A3 – Darkness Of Her Room (5:09)
  • A4 – Go Your Way (2:58)
  • B1 – Searchin’ For You (3:07)
  • B2 – Seven Lonely Street (4:00)
  • B3 – Sleep (3:25)
  • B4 – See Into The Stars (7:13)

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2026.06.20

Tim Hardin – Painted Head (1972)

Tim Hardin「Painted Head」について

Tim Hardinは、アメリカのフォーク・シンガー/ソングライターとして知られる人物だ。
「If I Were a Carpenter」や「Reason to Believe」といった楽曲で広く名前が残っているが、「Painted Head」は1972年に発表された作品で、彼のフォーク・ブルース寄りの持ち味がまとまった一枚として位置づけられる。

作品の輪郭

このレコードは1981年に日本でリリースされた盤で、ジャケットや資料に日本語インサートが付いた仕様になっている。
オリジナルは1972年の作品なので、盤としては後年の再発にあたる。日本盤ならではの丁寧な付属物がある点も、この時期の輸入盤・国内再発らしいところだ。

サウンド面では、フォークを土台にしつつ、ブルース・ロックの要素が重なる構成。
Tim Hardinの作品らしく、歌と曲の骨格が前に出るタイプで、派手なアレンジで押すというより、言葉とメロディの流れで聴かせる印象がある。

Tim Hardinというアーティストの中で

Tim Hardinは、同時代のフォーク・シーンの中でも、シンガーとしての存在感とソングライターとしての評価が強い人だ。
自作曲が多くのアーティストにカバーされてきたことからも、楽曲そのものの強さがよくわかる。特に「If I Were a Carpenter」は、Bobby Darin、Joan Baez、Johnny Cash、The Four Tops、Robert Plantなど、多くの歌手に取り上げられた代表曲として知られている。

また「Reason to Believe」も重要な楽曲で、Rod Stewartのヒットでも広く知られる。
こうした曲と比べると、「Painted Head」はヒット曲の単独の知名度で押すというより、アルバム全体でTim Hardinの書く歌の手触りを追う作品という見え方になりやすい。

ジャンルの文脈

この作品は、Rock、Blues、Folk、World, & Countryという広い枠で整理されている。
実際のところ、60年代フォークの延長線上にあるシンガー・ソングライター作品として聴かれることが多そうだが、そこにブルース・ロックの感触が加わることで、単なる弾き語り中心の作品とは少し違う輪郭を持つ。

同時代の感覚でいえば、フォークの語り口とロックの帯域を行き来するアーティストたち――たとえばより広い意味でのシンガー・ソングライター作品群の中に置くと、Tim Hardinの独特な書き方が見えやすい。
歌詞を前面に出しながら、曲の流れ自体で引っ張るタイプの一枚、と言えそうだ。

まとめ

「Painted Head」は、Tim Hardinの代表曲で知られる作家性を、アルバム単位で確かめられる作品だ。
1972年のオリジナル作品を、1981年の日本盤で聴く形になるため、当時の日本での受け止め方も含めて残された一枚として見ておくと、より位置づけがつかみやすい。

トラックリスト

  • A1 – You Can’t Judge A Book By The Cover (4:09)
  • A2 – Midnight Caller (3:09)
  • A3 – Yankee Lady (4:24)
  • A4 – Lonesome Valley (4:29)
  • A5 – Sweet Lady (3:44)
  • B1 – Do The Do (3:44)
  • B2 – Perfection (3:02)
  • B3 – Till We Meet Again (3:11)
  • B4 – I’ll Be Home (5:42)
  • B5 – Nobody Knows You When You’re Down And Out (6:23)
2026.06.19

Hako Yamasaki – 歩いて (1980)

Hako Yamasaki『歩いて』(1980)について

山崎ハコの『歩いて』は、1980年に日本でリリースされた作品。フォークを軸にしながら、ロック、ブルース、ポップスの要素もにじむ一枚で、アコースティックな手触りを土台にした歌世界が印象に残る。1970年代のフォーク・ブームをくぐり抜けてきた山崎ハコの流れの中でも、80年代に入る時期の作品として位置づけられるタイトルだ。

サウンドの輪郭

全体の中心にあるのは、ギターを軸にしたシンプルな響きと、声の存在感。派手な装飾で押すというより、言葉と旋律を前に出す作りで、フォークの直線的な感触がよく出ている。アコースティックな質感が強く、曲ごとの温度差や呼吸がそのまま伝わってくるタイプの作品として受け取れる。

山崎ハコというアーティストの文脈

山崎ハコは、1957年生まれ、大分県日田市出身の日本のフォーク・シンガーソングライター、ギタリスト、女優。1970年代のフォーク・ブーム期から存在感を示し、その後も長く作品を発表し続けてきた。『歩いて』は、そうした活動の流れの中で、80年代初頭の山崎ハコの表現を確認できる作品として見ておきたい。

同時代とのつながり

この時期の日本のフォークやシンガーソングライターの作品には、歌詞の輪郭をはっきり聴かせる作りや、ギター主体の編成を基調にしたものが多い。山崎ハコの音楽も、その文脈の中で語られることが多く、フォークの語法を保ちながら、ブルースやロックの感触も差し込むあたりに特徴がある。派手さよりも、歌の芯で聴かせる方向性。

作品の位置づけ

『歩いて』は、山崎ハコのディスコグラフィーの中で、80年代に入った時期の一作として見ると流れがつかみやすい。1970年代のフォーク・ブームの延長線上にありつつ、時代の変化の中でも自分の歌の形を保っている、そんな印象のタイトルだ。

まとめ

『歩いて』は、山崎ハコの持つ直線的な歌声、アコースティック中心の響き、フォークを土台にした表現がまとまった1980年の作品。日本のフォーク/シンガーソングライター史の流れの中でも、彼女の立ち位置を確認しやすい一枚といえる。

トラックリスト

  • A1 夢
  • A2 我が里
  • A3 道を探せ
  • A4 黒いバス
  • A5 小さな海
  • B1 歪み板
  • B2 何もいらない
  • B3 君は自由か
  • B4 13の女の子
  • B5 歩いて

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2026.06.13

Smash – Glorieta De Los Lotos (1970)

Smash「Glorieta De Los Lotos」について

「Glorieta De Los Lotos」は、スペインのプログレッシブ・ロック・バンド、Smashによる1970年の作品。バンドはセビリアで結成され、スペインのアンダーグラウンド・シーンを通じて存在感を高めたグループで、アンダルシア・ロックの先駆けとして語られることが多い。プログレッシブ・ロックとフラメンコの要素を結びつけた点に、このバンドらしさがはっきり出ている。

サウンドの特徴

ジャンル表記はRock、Blues、スタイルはPsychedelic Rock、Prog Rock。音の印象としては、ロックの骨格を保ちながら、サイケデリックな浮遊感とブルース由来の粘りを重ねた作りになっている。そこにアンダルシア音楽の感触が入り、同時代のKing Crimson系のプログレや、よりサイケデリックな感触を持つバンドとも比較されやすい内容だ。

ギター、シタール、バイオリン、フルート、ボーカルなどの編成もあって、楽器の色合いがそのまま曲の輪郭になっているタイプの作品といえる。派手な装飾よりも、リズムや音色の組み合わせで聴かせる場面が目立つ。

Smashにとっての位置づけ

Smashは、スペインのプログレッシブ・ロック史の中でも重要なグループのひとつ。MódulosやMàquina!と並び、スペイン国内でプログレッシブ・ロックを発展させたバンドとして挙げられることが多い。「Glorieta De Los Lotos」は、そうした流れの中で、バンドの方向性を示す作品として捉えやすい。

メンバーと背景

クレジットには、Manuel Molina、Gualberto、Antonio S. Rodríguez、Julio Matito、Silvio Fernándezの名前が見える。中心人物のGualberto Garcíaはマルチ・インストゥルメンタリストとして知られ、バンドの音作りを支えた存在。Manuel MolinaはのちにLole y Manuelでも活動し、アンダルシア系の音楽とのつながりがその後にも続いていく。

同時代の文脈

1970年前後のヨーロッパでは、プログレッシブ・ロックが各地で独自の形に広がっていた時期。Smashはその中でも、英米の模倣ではなく、スペイン、とくにアンダルシアの音楽的背景を持ち込んだ点が特徴になる。ロック、ブルース、サイケデリア、フラメンコの接点にある作品として聴かれることが多い。

ひとことでまとめると

「Glorieta De Los Lotos」は、Smashのアンダルシア・ロック的な個性が見えやすい1970年作。プログレッシブ・ロックの枠組みの中に、サイケデリックな音の広がりと地域色のあるフレーズを織り込んだ、時代と土地の両方が出た作品だ。

トラックリスト

  • A1 Forever Walking
  • A2 Light Blood, Dark Bleeding
  • A3 Free As The Green Little Men
  • A4 Tove And All That
  • A5 It’s Only Nothing
  • A6 Glorieta De Los Lotos
  • A7 Nazarin Again
  • B1 Love Millonaire
  • B2 Sitting On The Truth
  • B3 Ottenos
  • B4 Ahimsa
  • B5 Rock And Roll

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2026.06.10

Ernie Johnson – Just In Time (1985)

Ernie Johnson「Just In Time」について

Ernie Johnsonによる「Just In Time」は、1985年に登場したUS盤の作品。ソウル・ブルースを軸に、ファンクやブルースの要素をつないだ一枚として位置づけられる。Ernie Johnsonはルイジアナ州ウィンスボロ生まれで、のちにテキサス州ダラスへ移ってから本格的に歌い始めた人物。バンドThe Soul Blendersを率い、1968年には「Lovin You」/「Cold Cold Heart」で初録音を残している。

作品の立ち位置

「Just In Time」は、そうしたキャリアを重ねたのちの1985年作。長く歌い続けてきたソウル・ブルース・シンガーとしての持ち味がまとまった時期の録音と見られる。サンフランシスコやモントレーのブルース・フェスティバルにも出演してきた経歴を踏まえると、スタジオ作品であっても、ライブ感のある歌い回しやバンドの押し出しを想像しやすい。

サウンドの印象

ジャンル表記はFunk / Soul、Blues。なので、ブルースの土台にソウルの歌心、そこへファンク寄りのリズム感が重なるタイプの一枚として捉えられる。派手に作り込むというより、歌とグルーヴを前に置いた質感が中心になりやすい系統だろう。Ernie Johnsonのようなソウル・ブルース系のシンガーでは、同時代のブルースや南部ソウルの流れと近い空気が感じられることも多い。

アーティストの背景

Ernie Johnsonは、ルイジアナ生まれ、ダラスで活動を広げたシンガー。1960年代後半から録音を始め、その後も複数のアルバムを発表している。アーティスト名が同名別人のソウル歌手と混同されやすい点はあるが、この作品はルイジアナ出身のソウル・ブルース・マン、Ernie Johnsonの流れにあるもの。

まとめ

「Just In Time」は、1980年代半ばのソウル・ブルース作品として、Ernie Johnsonの歌い手としての履歴がそのまま反映された一枚と見てよさそうだ。ブルースの骨格、ソウルの歌唱、ファンク由来のリズム感、そのあたりが交差する地点にある作品。

トラックリスト

  • A1 Just In Time
  • A2 You’re About To Succeed
  • A3 Party All Night
  • A4 You’re Gonna Miss Me
  • B1 Mouth To Mouth Resusciation
  • B2 In My Dreams
  • B3 Cold Woman
  • B4 Give Me A Little Bit Of Your Loving

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2026.06.07

Hako Yamasaki – 流れ酔い唄 (1978)

Hako Yamasaki「流れ酔い唄」について

「流れ酔い唄」は、山崎ハコが1978年に発表した作品である。フォークを軸にしながら、ロックやブルースの要素もにじむ一枚で、当時の日本のシンガーソングライター作品らしい、歌とギターを中心にした作りが印象に残る。

作品の位置づけ

山崎ハコは1970年代のフォーク・ブームを支えた存在のひとりで、10代のうちから作品を重ねてきたアーティストである。1978年の「流れ酔い唄」は、その活動がすでに広く知られ始めていた時期のアルバムとして捉えやすい。初期の持ち味である、言葉の強さと歌い回しの確かさが前面に出る時期の作品といえる。

サウンドの特徴

全体としては、アコースティックな手触りを軸にしたフォーク色の強い内容で、そこに少しざらついたロック感、ブルース寄りの進行、土の匂いのする歌の温度が重なる。サイケデリックというスタイル表記もあるが、派手な装飾よりも、曲の流れや響きの中に独特の揺れが出るタイプの作品として受け取りやすい。

録音の空気感も、当時の日本のフォーク作品らしい近さがあり、歌声の輪郭がはっきり伝わる。静かな場面でも、ただ柔らかいだけではなく、声の芯が残る感じがある。

同時代の文脈

1970年代後半の日本では、フォークの流れがシンガーソングライターの表現へと広がっていった時期である。「流れ酔い唄」もその文脈の中に置くと見えやすい。山崎ハコの作品は、同時代の女性フォーク歌手の中でも、私小説的な語り口と、少し硬質な歌の運びが特徴として語られやすい。

比較対象としては、同じ時代のフォーク系シンガーソングライターや、ブルース感覚を持つ日本語ロックの流れが思い浮かぶ。とはいえ、この作品はそうした要素をそのままなぞるというより、山崎ハコ自身の歌い方に収束している印象である。

曲目について

作品全体としては、アルバム単位で聴かれる性格が強い。特定のヒット曲だけを押し出すタイプというより、曲ごとの言葉と声の重なりで流れを作る一枚としてまとまっている。

まとめ

「流れ酔い唄」は、1978年時点の山崎ハコの表現を知るうえでわかりやすい作品である。フォークを基調にしながら、ロックやブルースの気配も抱えたサウンド、そして歌そのものの存在感。1970年代日本のシンガーソングライター作品の中でも、山崎ハコらしさが前に出たアルバムとして位置づけやすい。

トラックリスト

  • A1 流れ酔い唄 (5:17)
  • A2 罪 (4:43)
  • A3 青信号 (3:56)
  • A4 うちと一緒に (3:43)
  • A5 ヨコハマ (5:08)
  • B1 さいなら (6:36)
  • B2 今日からは (5:48)
  • B3 きまぐれ (4:02)
  • B4 夜明け前 (7:00)

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2026.05.27

Strawberry Path – When The Raven Has Come To The Earth (1971)

Strawberry Path / When The Raven Has Come To The Earth

Strawberry Pathは、1971年に結成された日本のサイケデリック/プログレッシブ・ロック・デュオ。のちに日本のプログレッシブ・ロックを語るうえで重要な存在となるバンドへとつながっていく、初期の一枚として位置づけられる作品だ。

作品の概要

『When The Raven Has Come To The Earth』は1971年のオリジナル作品で、2022年に日本盤としてリリースされている。クレジットにはHiro Tsunoda、Isao Eto、Shigeru Narumoの名が並び、ブルース・ロック、ハード・ロック、サイケデリック・ロック、プログ・ロックの要素が重なる内容になっている。

サウンドの印象

中心にあるのは、硬めのギターリフとブルース寄りの展開、そこにサイケデリックな質感が重なる流れ。リズムは直線的に押し切る場面がありつつ、曲によっては間の取り方や展開の変化が目立つ。音の輪郭は太めで、ラフな熱量と構成の切り替えが同居するあたりが耳に残る。

当時の文脈

1970年代初頭の日本では、海外のハード・ロックやプログレッシブ・ロックの影響を受けたバンドが次々に登場していた時期で、Strawberry Pathもその流れの中にある。ブルースを土台にしながら、サイケデリックな感触とプログレッシブな組み立てをつなげていく点に、この時代らしさが見える。

位置づけ

Strawberry Pathは、1970年代の日本のプログレ・シーンへつながる前段階として語られることが多い存在。その意味でこの作品は、単独のアルバムというだけでなく、後続の展開を考えるうえでの起点のひとつとしても見えてくる。

メモ

  • アーティスト: Strawberry Path
  • タイトル: When The Raven Has Come To The Earth
  • オリジナルリリース年: 1971年
  • 盤のリリース年: 2022年
  • 国: 日本
  • ジャンル: Rock, Blues
  • スタイル: Blues Rock, Hard Rock, Psychedelic Rock, Prog Rock

トラックリスト

  • A1 I Gotta See My Gypsy Woman (5:20)
  • A2 Woman Called Yellow “Z” (5:52)
  • A3 The Second Fate (4:50)
  • A4 Five More Pennies (6:47)
  • B1 Maximum Speed Of Muji Bird (1:10)
  • B2 Leave Me Woman (4:42)
  • B3 Mary Jane On My Mind (5:10)
  • B4 Spherical Illusion (5:55)
  • B5 When The Raven Has Come To The Earth (6:40)

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2026.05.20

Cactus – One Way… Or Another (1971)

Cactus「One Way… Or Another」について

Cactusの「One Way… Or Another」は、1971年の作品として知られるアルバムで、USハードロック/ブルースロック・バンドの持つ骨太な感触がそのまま出た一枚です。アメリカ発のバンドですが、ここではEurope盤として流通しており、70年代初頭のハードロックとブルースの接点を押さえた内容になっています。

サウンドの印象

中心にあるのは、タイトなリズムと分厚いギター、そしてブルース由来のフレーズです。ロックンロールの勢いを保ちながら、演奏はかなり直線的で、リフの押し出しが強いタイプの音作り。派手な装飾よりも、バンド全体の推進力で聴かせる構成になっている印象です。

ドラムとベースが前に出る場面も多く、そこにギターが絡むことで、硬さのあるグルーヴが生まれているのがこの時代のCactusらしいところです。ブルースロックの流れの中では、Led ZeppelinやTaste、初期のJ. Geils Bandあたりと並べて語られることもありそうなタイプの音像です。

作品の位置づけ

Cactusは1970年代のUSハードロック/ブルースロックを代表するバンドのひとつで、この作品もその文脈の中に置ける内容です。派手なヒット狙いというより、バンド演奏の密度で押し切る作りが目立ち、当時のハードロックが持っていたライブ感の延長線上にあるアルバムといえます。

メンバーにはCarmine Appice、Tim Bogert、Rusty Day、Jim McCartyといった名前が並び、演奏面の存在感も強いです。Cactusの中でも、バンドの基本線であるハードなブルースロックを確認できるタイトルとして見られる一枚です。

関連するポイント

  • アーティスト: Cactus
  • タイトル: One Way… Or Another
  • オリジナルリリース年: 1971年
  • ジャンル: Rock / Blues
  • スタイル: Blues Rock / Rock & Roll
  • 録音メモ: 1971年2月24日

Cactusの初期70年代らしい、ロックとブルースの境目を力強く鳴らした作品として押さえておきたいタイトルです。

トラックリスト

  • A1 Long Tall Sally (6:27)
  • A2 Rockout, Whatever You Feel Like (3:56)
  • A3 Rock N’ Roll Children (5:40)
  • A4 Big Mama Boogie – Parts 1 & 2 (4:59)
  • B1 Feel So Bad (5:30)
  • B2 Song For Aries (3:05)
  • B3 Hometown Bust (6:38)
  • B4 One Way… Or Another (5:05)

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2026.05.19

Hako Yamasaki – 茜 (1981)

山崎ハコ『茜』(1981)について

『茜』は、山崎ハコが1981年に発表した作品。フォークを軸にしながら、ロック、ブルース、ポップの要素を取り込んだ一枚で、山崎ハコの作家性と歌声の強さがまとまって感じられる時期の作品として位置づけられる。

山崎ハコは、1970年代のフォーク・ブームの流れの中で頭角を現したシンガーソングライターで、ギターと歌を中心に独自の世界を築いてきた人。『茜』も、その延長線上にある作品として、言葉の重みと曲の流れを大事にした作りに耳が向く。

サウンドの印象

全体としては、フォーク・ロック寄りの骨格に、ブルース由来の粘りやポップな整理感が重なる印象。リズムは過度に派手ではなく、演奏の輪郭を保ちながら歌を前に出すタイプ。音の質感も、歌詞の内容を支えるような実直なものとして受け取れそうだ。

この時期の山崎ハコらしい、地声の存在感を軸にした歌唱が作品の中心にある。メロディの運びよりも、歌の言葉やフレーズの置き方に重心があるつくりで、派手な展開よりも曲ごとの温度差や語り口が印象に残る一枚という見方ができる。

作品の位置づけ

1981年という時期は、70年代のフォークの熱が落ち着きつつ、シンガーソングライターがそれぞれの個性をより明確にしていった頃。『茜』も、そうした流れの中で、山崎ハコが持つフォークの感触を保ちながら、ロックやポップの要素を取り込んでいく段階の作品として見えてくる。

同時代の日本の女性シンガーソングライターの中でも、山崎ハコは情景描写や感情の置き方に独特の芯があるタイプ。『茜』は、その持ち味がよく出る時期のアルバムとして語られることがありそうだ。

ひとこと

『茜』は、1981年の山崎ハコの歌世界をそのまま切り取ったような作品。フォークを土台に、ロック、ブルース、ポップの要素が自然に混ざる構成で、歌の重さと演奏のまとまりが印象に残る一枚。

トラックリスト

  • A1 夕陽のふるさと (5:15)
  • A2 ごめんしてね (3:27)
  • A3 小さな星の中で (4:13)
  • A4 やすらいで (3:57)
  • A5 繰り言 (4:59)
  • B1 何度めかのグッバイ (5:05)
  • B2 命隠すな (5:19)
  • B3 母のような子守唄 (5:44)
  • B4 さらば良き時代 (4:30)
  • B5 夢のおろろん (3:52)

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2026.05.18

Wolfgang Ambros – Es Lebe Der Zentralfriedhof (1975)

Wolfgang Ambros「Es Lebe Der Zentralfriedhof」

Wolfgang Ambrosによる1975年のアルバム「Es Lebe Der Zentralfriedhof」。オーストリア出身のシンガーソングライターによる作品で、ロック、ブルース、ポップの要素を土台にした一枚です。1976年盤として流通したものもあり、70年代半ばの空気をそのまま閉じ込めたような内容になっている。

作品の輪郭

このアルバムでは、ブルースロックを軸にしながら、アコースティックな手触りも前面に出ている。ギターを中心にしたバンド感のある演奏の中に、言葉の置き方やメロディの運びがしっかり残るタイプで、派手さよりも曲そのものの輪郭が見えやすい構成。録音の雰囲気も、70年代のロック作品らしい自然な響きが印象に残る。

言葉と地域性

Wolfgang Ambrosはオーストリアのシンガーソングライターで、ウィーン周辺の方言や日常語感を含んだ表現でも知られる人物。この作品でも、地域性のある言葉づかいが音楽の印象を形づくっている。収録曲「Zwickt’s Mi」は、オーストリア盤では方言版、ドイツ盤ではより標準的なドイツ語に近い歌詞で収められている点が特徴。

時代背景と位置づけ

1970年代のドイツ語圏ロックの流れの中で見ると、ブルースロックやアコースティック寄りの作りを持ちながら、歌詞の個性で存在感を出すタイプの作品として捉えやすい。英語圏のロックとは別の文脈で、言葉の響きと曲の推進力が並んでいるところが面白い。Wolfgang Ambrosの代表的な時期を示すアルバムのひとつとして扱われることが多い。

基本情報

  • アーティスト: Wolfgang Ambros
  • タイトル: Es Lebe Der Zentralfriedhof
  • オリジナル・リリース年: 1975
  • 盤のリリース年: 1976
  • ジャンル: Rock / Blues / Pop
  • スタイル: Blues Rock / Acoustic
  • アーティストの国: Germany
  • リリース国: Germany

70年代ドイツ語圏ロックの中でも、言葉の温度と演奏の距離感がそのまま残る一枚。タイトル曲を含め、当時の空気を知る手がかりとしても見ていける作品。

トラックリスト

  • A1 Es Lebe Der Zentralfriedhof (5:12)
  • A2 Wem Heut Net Schlecht Is (3:10)
  • A3 Espresso (4:50)
  • A4 G’söchta (3:07)
  • A5 Heite Drah I Mi Ham (4:00)
  • B1 Zwickt’s Mi (3:45)
  • B2 Familie Pingitzer (2:49)
  • B3 De Kinettn Wo I Schlof (4:02)
  • B4 A Gulasch Und A Seitl Bier (4:00)
  • B5 I Glaub I Geh Jetzt (3:55)

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2026.05.13

The Alan Franklin Explosion – The Blues Climax (1970)

The Alan Franklin Explosion - The Blues Climax

The Alan Franklin Explosion『The Blues Climax』(1970)

US出身のThe Alan Franklin Explosionによる『The Blues Climax』は、1970年発表のロック/ブルース作品。ブルースロックを軸に、ガレージロック、アシッドロック、サイケデリックロックの要素が重なる一枚で、時代の空気をそのまま切り取ったような手触りがある。

作品の輪郭

クレジットされているメンバーは、David Dix、Buzzy Meekins、Chris Russel、Alan Franklin。編成はシンプルだが、そこから出てくる音はかなり幅広い。ブルースの骨格を持ちながら、歪んだギターや前のめりのリズムが前に出る場面もあり、ガレージバンドらしい粗さと、60年代末から70年代初頭のサイケデリックな感触が同居している。

サウンドの印象

リズムは直線的で、ビートの押し出しが強め。録音の雰囲気も、きれいに整え込むというよりは、演奏の勢いをそのまま残したような質感が感じられる。ブルース由来のフレーズが土台にありつつ、音の揺れやギターのざらつきが加わることで、ロック色がはっきり前面に出ている。

全体としては、ブルースの形式をなぞるだけでなく、当時のUSロックが持っていた荒さや拡張感にも触れている印象。サイケデリックロックやアシッドロックの文脈で語られることにも、つながりやすい内容だと思う。

時代背景と位置づけ

1970年という年は、ブルースロックがひとつの形として定着しつつ、ガレージ的な粗さやサイケデリックな感覚がまだ残っていた時期。その中で『The Blues Climax』は、ロックとブルースの接点を比較的ストレートに示す作品として置ける。アーティストの詳細なプロフィールは多くないが、少なくともこの盤では、当時のUSロックの混ざり方が見えやすい。

関連情報

作品情報の参照先としては、Garage Hangoverのページがある。
http://www.garagehangover.com/alan-franklin-explosion-blues-climax/

トラックリスト

  • A1 Bye Bye Baby
  • A2 Say You Love Me At Last
  • A3 Got To Make You Mine
  • A4 Piece Of Your Love
  • A5 Love In My Heart
  • A6 Down Hearted
  • B1 Blues Climax (18:10)

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2026.05.04

The Subterraneans – Down To Earth (1967)

The Subterraneans - Down To Earth

The Subterraneans / Down To Earth

オランダのグループ、The SubterraneansによるDown To Earthは、1967年の作品として位置づけられる1枚。メンバーはHenk Jansen(Downy Boy Jason)とJohn Bakker(Sleepy John Baker)の2人で、ブルースとフォークを軸にした、素朴さのある一作だ。

作品の輪郭

ジャンル表記はBlues、Folk、World、& Country。スタイルとしてはFolk、Rhythm & Bluesに寄っていて、土の匂いのするアコースティックな感触と、リズム・アンド・ブルース由来の軽い推進力が同居するタイプの作品と見られる。派手さよりも、演奏の手触りや歌の運びで聴かせる印象。

サウンドの印象

音の作りは、きらびやかなプロダクションというより、近い距離で鳴るような質感が想像しやすい。フォークの弾き語り的な要素と、ブルースの反復感、リズムのうねりが重なり、肩の力が抜けた流れを作っているような作品だ。録音の空気感も、時代相応の素朴な響きとして受け取れそうだ。

アーティストの位置づけ

The Subterraneansは、Henk JansenとJohn Bakkerによるオランダのグループ。2人編成という情報からも、楽曲の骨格や演奏の間合いが前面に出る形が想像できる。Down To Earthは、その名前どおり、飾り気を抑えたアプローチを示す作品として見てよさそうだ。

同時代の文脈

1967年という時期は、フォークとブルースが互いに影響を与え合いながら広がっていた時代でもある。英米圏だけでなく、ヨーロッパのグループにもそうした流れが見られた頃で、The Subterraneansのこの作品も、その文脈の中で捉えられる1枚だろう。

盤について

ここでの盤は1995年リリース。作品そのものは1967年のものとして扱えるため、当時の空気を後年の形でたどるような位置づけになる。オランダ発のブルース/フォーク作品として、シンプルな構成の中に時代性がにじむ内容だ。

トラックリスト

  • A1 Psycho-Brainwashing Blues
  • A2 Mister Judge
  • A3 Trouble In Mind
  • A4 Lost Train Blues
  • A5 Poor Boy
  • B1 Bring It On Home
  • B2 Help Me
  • B3 Everybody Will Need K.J.
  • B4 Confessin’ Up My Mind
  • B5 Long Time Gone
  • B6 Inside Out/Upside Down
  • B7 Explain All This Stuff To Me

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2026.05.04

Moby Grape – Live Grape

Moby Grape - Live Grape

Moby Grape『Live Grape』

Moby Grapeは、1960年代のアメリカのロック・グループ。メンバー全員が歌とソングライティングに関わり、フォーク、ブルース、カントリー、ジャズの要素をロックやサイケデリック・ミュージックと重ねていくバンドとして知られている。

『Live Grape』は、そのMoby Grapeのライブ作品。リリースはドイツ盤で、タイトルどおりステージ上の演奏を収めた一枚。スタジオ盤で見せる多面的な曲作りとはまた違い、演奏の流れやバンドのまとまりが前に出る内容と受け取れる。

サウンドの印象

ジャンル表記はRock、Blues、スタイルはBlues Rock。そこからは、ギターを軸にした硬質なバンド・サウンド、ブルース寄りのフレーズ、リズムの押し出しの強さが想像しやすい。ライブ録音ならではの空気感や、少しざらついた質感もこの作品の要素になっていそうだ。

Moby Grapeは、アメリカ西海岸の60年代ロックの文脈で語られることが多いグループ。サイケデリックな色合いを持ちながら、ブルースやルーツ感覚もはっきりしているため、『Live Grape』でもその両面がそのまま出やすいタイプの作品といえる。

メンバー

  • Alexander Spence
  • Jerry Miller
  • Jim Preston
  • Bob Mosley
  • Don Stevenson
  • Peter Lewis
  • Gordon Stevens

作品の位置づけ

ライブ盤という形は、Moby Grapeの演奏力やアンサンブルをそのまま確認できる場でもある。複数のメンバーが歌い、曲ごとに色合いが変わるバンドだけに、ステージではスタジオ盤以上に各人の役割が見えやすいはずだ。そうした意味で、『Live Grape』はバンドの実演性を前面に置いた記録として捉えやすい。

60年代ロック、ブルース・ロック、サイケデリック・ロックの交差点にいるMoby Grape。その輪郭を、ライブの流れの中で追える一枚。

2026.04.28