Logic System – Logic (1981)
Logic System『Logic』(1981)について
Logic Systemは、細野晴臣らとの仕事でも知られるシンセサイザー・プログラマー、松武秀樹のプロジェクトである。1981年に発表されたこの『Logic』は、その名義での初期作のひとつで、国産シンセ・ポップ/エレクトロの流れの中に置ける作品だ。
松武秀樹は、1970年代に富田勲のアシスタントとして活動を始め、その後はYMOのシーケンス・プログラミングやモジュラー・シンセのオペレーションで広く知られるようになった人物。YMOの正式メンバーではないが、周辺の制作現場では重要な役割を担ってきた。Logic Systemは、そうしたバックグラウンドがそのまま前面に出たプロジェクトとして捉えやすい。
作品の位置づけ
『Logic』は、松武秀樹が手がけたシーケンサー主導の音作りを、ソロ・プロジェクトの形でまとめた初期の一枚。1980年代前半の日本では、YMO以後のテクノポップ、シンセポップ、エレクトロが広がっていた時期で、その中でこの作品も同時代の空気を共有している。
同じ時代の国産エレクトロ作品と比べると、演奏の手触りよりも機械的な精度やプログラミングの組み立てに目が向くタイプの作品として語られることが多い。松武秀樹の経歴を踏まえると、単なる“YMO周辺”ではなく、シーケンスと音色設計そのものを主役に置いた記録として見えてくる。
音の印象
この作品は、シンセの音色と反復するリズムパターンが軸になっている。細かく刻まれるシーケンス、電子音のレイヤー、メロディの処理が前に出ていて、当時の日本の電子音楽らしい整理された構成が感じられる。派手に押し切るというより、パターンの積み重ねで進む作り。
実際に聴くと、音の配置がかなり明快で、各パートの役割が見えやすい。松武秀樹がプログラマーとして培った感覚が、そのまま作曲とアレンジに反映されている印象がある。
同時代の文脈
1981年という時期は、YMOの影響が国内外に広がり、電子音楽がポップスの現場にも深く入り込んだタイミングでもある。『Logic』は、その流れの中で、シンセサイザーの操作技術やシーケンス技法を前面に出した作品として受け取れる。
比較対象としては、YMO周辺の作品や、当時の日本のテクノポップ、さらに同時代のエレクトロ寄りの制作物が挙がることが多い。とはいえ、Logic Systemは“バンド”というより、松武秀樹の制作思想をそのまま提示するプロジェクトという性格が強い。
リリース情報と現物の特徴
日本盤として1981年に出たオリジナル作品で、帯とインサート付きでリリースされた記録がある。日本オリジナル盤らしい仕様で、当時の国内流通盤としての体裁が整っている。
まとめ
『Logic』は、松武秀樹がYMOの周辺で培ったシーケンサー/シンセの技術を、Logic System名義でまとめた初期の重要作のひとつ。1981年の日本の電子音楽がどこに向かっていたかを、制作の仕組みごと伝える一枚として見えてくる。
トラックリスト
- A1 – Intro (0:40)
- A2 – Unit (4:50)
- A3 – Domino Dance (4:15)
- A4 – (天変地異) Convulsion Of Nature (3:00)
- A5 – XY? (4:15)
- B1 – Talk Back (4:15)
- B2 – Clash (Chinjyu Of Sun) (4:15)
- B3 – Person To Person (4:15)
- B4 – Logic (4:15)
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Severed Heads – Dead Eyes Opened (1984)
Severed Heads「Dead Eyes Opened」について
Severed Headsは、1979年にシドニーで始まったオーストラリアのグループだ。初期はテープループやノイズ寄りの電子音を使ったインダストリアル色の強い作品で知られ、その後は4/4のリズムやメロディ、ドラムマシンを取り入れて、エレクトロやシンセポップに接近していく流れがある。
「Dead Eyes Opened」は、その転換期を代表する曲として扱われることが多い。1984年にシングルとして広く知られるようになり、Severed Headsがダンス・ミュージック寄りの文脈でも語られるきっかけになった楽曲だ。
作品の位置づけ
この曲は、1983年のカセット作品「Since The Accident」に収められた“つなぎ”のような短い楽曲から発展したものだという。もともとはC-60の空きを埋めるために最後に加えた曲だったが、シドニーの非商業ラジオ局でよく流れ、12インチ・シングル化が求められた。
つまり、バンドの中では偶然性の強い入口から、代表曲の一つへ上がっていった作品という見方ができる。Severed Headsの、実験音楽からポップ寄りの構成へ移っていく流れを示す曲でもある。
曲の内容と録音
12インチ版では、Tom EllardとプロデューサーのPatrick GibsonがM SquaredスタジオでマルチトラックをEQやディレイ処理に通して仕上げたとされる。リズムはTR-808、シンセはSH-1、上昇するような音やストリングスにはKORG PolySix、ソロにはCasiotoneをオクターバー・ペダル経由で使っている。
曲の語りは、BBCラジオ番組「Scales of Justice」でEdgar Lustgartenが読んだ「Death on the Crumbles (1924)」の音源を使ったものだ。実際の1924年の二重殺人事件に触れる内容で、犯罪ルポの声と機械的なビートがぶつかる構成になっている。
実際に聴くと、テンポは一定で、打ち込みの輪郭がはっきりしている。声の引用が前に出る一方で、低音のリズムと電子音が曲を引っ張るので、ポップな耳当たりと不穏さが同じ曲の中に並ぶタイプだ。
B面の収録曲
この盤のB面には、Tom Ellardによるソロ曲「Bullet」と「Mount」が収められている。どちらも1982年にTerse Tapesで録音されたものだという。A面の「Dead Eyes Opened」に比べると、より個人的な電子音楽のスケッチとして聴ける構成だ。
1984年当時の文脈
Severed Headsは、同時代のインダストリアルやエレクトロの流れの中でも、Throbbing Gristleのような初期実験性と、後のEBMやシンセポップの整ったビート感のあいだに位置するグループとして見られやすい。NettwerkやVolitionといったレーベル周辺で活動し、北米でも流通していた点も含めて、地下的な電子音楽が少し広い層に届いていく時期の作品だ。
Severed Headsの中では、「Dead Eyes Opened」は初期の実験色と、後のダンス志向が交差する代表例といえる。のちの活動を知っていると、ここで既に“曲として機能する電子音楽”へかなり踏み込んでいるのがわかる。
2014年盤について
このレコード盤は2014年リリースのものだが、音源そのものは1984年の作品として扱われる。盤には折りたたみ式の新聞紙ポスターが付属し、片面にArt UnitのスカルTシャツを着たバンド写真、もう片面にライナーノーツとプレス記事が載っている。
再発盤としては、当時の資料性を強めた仕様という印象がある。音源の価値だけでなく、当時のバンドの見え方やメディア反応まで含めて残そうとした形だ。
まとめ
「Dead Eyes Opened」は、Severed Headsが実験音楽からエレクトロ/シンセポップの文脈へ広がっていく中で、特に知られるようになった楽曲だ。犯罪番組の音声サンプル、TR-808のリズム、古いシンセの音色がまとまっていて、1980年代前半の電子音楽の動きがそのまま刻まれているような1枚だ。
トラックリスト
- A – Dead Eyes Opened (6:35)
- B1 – Bullet (2:45)
- B2 – Mount (2:17)
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A Flock Of Seagulls – A Flock Of Seagulls (1982)
A Flock Of Seagulls『A Flock Of Seagulls』について
A Flock Of Seagullsのデビュー・アルバム『A Flock Of Seagulls』は、1982年に発表された1枚で、ニューウェーブとシンセポップの流れの中でもよく知られた作品だ。バンドはイギリス・リバプールでマイク・スコアと弟のアリ・スコアを中心に始まり、80年代前半の空気を強くまとったサウンドで存在感を示した。
このアルバムはバンドにとって最初の長編作品であり、後の代表曲をまとめて確認できる初期の基盤でもある。US盤では「Tokyo」が外れている構成で、収録内容に地域差がある点もこの時代のレコードらしいところだ。
作品の位置づけ
本作は、A Flock Of Seagullsの名前を広く知らしめた出発点として扱われることが多い。アルバムからは複数のシングルが切られており、発売順としては「Telecommunication」「Modern Love Is Automatic」「I Ran」「Space Age Love Song」が並ぶ。
特に「I Ran」は、このバンドを語るうえで外しにくい代表曲だ。シンセの輪郭がはっきりしたイントロと、ギターの細いフレーズが前面に出る作りで、ニューウェーブの中でも識別しやすい楽曲になっている。「Space Age Love Song」も含め、アルバム全体の印象を決める中心曲として機能している。
サウンドの印象
この時期のA Flock Of Seagullsは、シンセサイザーを土台にしながら、ポール・レイノルズのギターが音の輪郭を作る形が特徴的だ。ベースとドラムは直線的に進み、ボーカルはマイク・スコアの高めで乾いた響きが前に出る。音数は多くないが、各パートの配置がはっきりしていて、80年代初頭のスタジオ録音らしい整理された質感がある。
同時代のニューウェーブやシンセポップの文脈で見ると、デュラン・デュランやトンプソン・ツインズのようなポップ性の強い流れと並べて語られることがある一方で、A Flock Of Seagullsはギターの処理や空間の使い方に独特の癖がある。派手さよりも、音の配置と反復で覚えさせるタイプの作りだ。
収録曲とシングル
オリジナル盤は1982年4月9日発売。UKアルバムチャートには4月17日に入っており、最高32位を記録している。シングルは以下の4曲。
- 「Telecommunication」
- 「Modern Love Is Automatic」
- 「I Ran」
- 「Space Age Love Song」
とくに「Modern Love Is Automatic」は、12インチ・シングル版で別構成の収録があったことでも知られる。こうした形で当時のクラブ向けフォーマットや拡張ミックスの文化と接続していた点も、この時代の作品らしい。
US盤としての特徴
今回のUS盤は、Aristaからの流通で、Hauppauge Record Manufacturing Ltd.によるプレスが示されている。表記上は1982年の盤で、オリジナル発売年と同じ時期のリリースにあたる。US/Canada盤では「Tokyo」が省かれているため、曲順と収録内容に違いがある。
クレジット面では、全曲がZomba Enterprises, Inc.(BMI)出版、℗表記は曲ごとに1981年と1982年が混在している。制作の積み重なりがそのまま残っている形だ。
アーティストとしての意味合い
A Flock Of Seagullsは、1979年にリバプールで始まったグループで、1980年代前半に活動の核がある。オリジナル編成はマイク・スコア、ポール・レイノルズ、アリ・スコア、フランク・モーズリー。のちに再結成や別編成での活動もあるが、このデビュー作はやはりオリジナル期の輪郭を最もはっきり伝える。
2018年にはオリジナル・ラインナップでオーケストラ作品『Ascension』を制作し、2021年にも『String Theory』を制作しているが、そうした後年の動きと比べると、本作はバンドの原型が最もストレートに出ている時期の記録といえる。
まとめ
『A Flock Of Seagulls』は、1982年のニューウェーブ/シンセポップの空気をそのまま掴めるデビュー・アルバムだ。代表曲「I Ran」を中心に、シンセとギターの役割分担が明確で、曲ごとの輪郭もはっきりしている。US盤では「Tokyo」が省かれているため、聴き比べると構成差も確認できる1枚になっている。
トラックリスト
- A1 – I Ran (3:58)
- A2 – Space Age Love Song (3:46)
- A3 – You Can Run (4:28)
- A4 – Don’t Ask Me (2:46)
- A5 – Messages (2:51)
- B1 – Telecommunication (2:31)
- B2 – Modern Love Is Automatic (3:49)
- B3 – Standing In The Doorway (4:41)
- B4 – D.N.A. (2:30)
- B5 – Man Made (5:38)
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Sally Oldfield – Playing In The Flame (1981)
Sally Oldfield「Playing In The Flame」について
「Playing In The Flame」は、Sally Oldfieldが1981年にUKで発表したアルバムです。ジャンルとしてはRockとPopにまたがり、スタイル面ではDowntempo、Pop Rock、Synth-popの要素が並ぶ作品として位置づけられています。Sally Oldfieldは、Mike Oldfieldの姉としても知られるUK出身のシンガーで、この時期にはソロ作を通じて自分の歌声と楽曲の輪郭をはっきり打ち出していった流れの中にある作品です。
作品の位置づけ
1981年という年代を考えると、アコースティック寄りのフォーク的な感触よりも、当時のポップ・ロックやシンセを使ったサウンドの空気が前に出やすい時期です。Sally Oldfieldの作品群の中でも、ソロ・アーティストとしての表現を、同時代の英国ポップスの文脈に置いて聴ける1枚といえます。妹や弟という家族関係で語られがちなアーティストですが、この作品ではそうした話題だけでなく、ひとりの歌い手としての存在感が中心にある印象です。
盤の仕様
このUK盤にはプリント入りのインナー・スリーブが付属しています。発売当時のパッケージとして、作品の世界観をそのまま補強する要素のひとつです。
サウンドの印象
実際に聴くと、曲ごとにリズムの置き方や鍵盤の使い方が変わり、歌を支えるアレンジの設計がはっきりしているタイプのアルバムとして受け取れます。派手な押し出しだけで引っ張るのではなく、声と曲の流れを軸にまとめていく作りで、1980年代初頭の英国ポップ・ロックらしい整理された響きが見えます。シンセの使い方も、装飾というより曲の骨格に関わる役割として機能しているように聴こえます。
同時代の文脈
同じ時期のUKでは、ポップ・ロックとシンセ・ポップの境目をまたぐ作品が多く出ていました。「Playing In The Flame」もそうした流れの中で理解しやすいアルバムです。フォーク由来の繊細さを持ちながら、80年代的な音像へ寄せていく感覚は、同時代の英国女性シンガー・ソングライターの作品とも並べて語られやすい部分です。
アーティストについて
Sally Oldfieldは1947年にダブリンで生まれ、幼少期をイングランドのReadingで過ごしています。バレエやクラシック・ピアノの学習歴を持ち、音楽活動は1960年代後半にMike Oldfieldとのデモ録音から始まりました。その後、兄MikeとともにThe Sallyangieを結成し、1968年にはアルバム「Children of the Sun」を録音しています。そうした背景を踏まえると、「Playing In The Flame」は、彼女がソロの表現を継続しながら、より洗練されたポップ寄りの形に向かっていた時期の記録として見えてきます。
まとめ
「Playing In The Flame」は、1981年のUKポップ・ロックの空気をまといながら、Sally Oldfieldの歌と楽曲の作りを確認しやすいアルバムです。Mike Oldfieldの家族という文脈だけでなく、ソロ作品としてのまとまりを持った1枚として、1980年代初頭の英国作品らしい手触りが残ります。
トラックリスト
- A1 – Playing In The Flame (5:03)
- A2 – Love Of A Lifetime (4:08)
- A3 – River Of My Childhood (3:57)
- A4 – Let It All Go (2:55)
- A5 – Song Of The Lamp (3:16)
- B1 – Rare Lightning (4:45)
- B2 – Man Child (3:57)
- B3 – It’s A Long Time (3:35)
- B4 – Song Of The Being (4:41)
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Missing Persons – Color In Your Life (1986)
Missing Persons『Color In Your Life』
Missing Personsは、1980年に結成されたカリフォルニアのニュー・ウェイヴ・バンド。Dale Bozzioの存在感あるヴォーカルと、Terry Bozzio、Warren Cuccurulloらを含む編成で知られ、「Destination Unknown」「Right Now」「Walking In L.A.」「Words」といった曲で名前が広まったグループだ。
『Color In Your Life』は1986年の作品。ElectornicとRockを軸に、Pop RockやSynth-popの流れの中でまとめられたアルバムで、バンドの80年代的なサウンドがそのまま出ている一枚になっている。
作品の輪郭
録音はカリフォルニア州タルザーナのCan-Am Recordingと、ロサンゼルスのLarrabee Recordingで行われている。ミックスはA1からB3、B5がMedia Sound in NYC、B4がLarrabee Recording in L.A.、マスタリングはFrankford/Wayne in NYC。制作の流れを見ても、西海岸で録音しつつニューヨークで仕上げる、当時らしい作業環境がうかがえる。
クレジットにはPatrick O’Hearn、Dale Bozzio、Terry Bozzio、Chuck Wild、Warren Cuccurulloらが並ぶ。バンドの中心人物が多く関わっており、Missing Personsの持っていた演奏面とサウンド面の両方が反映されやすい構成だ。
聴きどころ
この時期のMissing Personsは、初期の代表曲で印象づけたシンセ主体の質感を保ちながら、ロック寄りの輪郭も見せる流れにある。Dale Bozzioの声は、輪郭のはっきりしたシンセやギターとぶつかることで、曲の中でかなり目立つ。80年代のポップスとして聴いたときも、音の置き方が整理されていて、リズムとメロディの役割がわかりやすい。
代表曲を持つバンドのアルバムとして見ると、過去のヒット曲のイメージをそのままなぞるというより、当時のバンドがどこにいたかを確認できる作品という位置づけに近い。ニュー・ウェイヴ、シンセ・ポップ、ポップ・ロックの文脈で並べて聴くと、同時代のバンド群の中でもMissing Personsらしい整った打ち込み感と、演奏の生っぽさが同居している。
同時代との関係
1986年という時期は、ニュー・ウェイヴの初期衝動が少し落ち着き、シンセ・ポップやポップ・ロックの形に整理されていく頃でもある。Missing Personsもその流れの中にあり、当時のLA周辺のバンドや、シンセを前面に出したロック・バンドと並べて語られやすい存在だ。
『Color In Your Life』は、バンドの名前を知っている人にはその延長線上の作品として、80年代のポップ・ロックを追っている人には当時の音作りを確認できる一枚として見えてくる。派手な説明よりも、録音と演奏の配置で聴かせるタイプのアルバムだ。
基本情報
- アーティスト: Missing Persons
- タイトル: Color In Your Life
- オリジナルリリース年: 1986
- リリース国: Europe
- ジャンル: Electronic, Rock
- スタイル: Pop Rock, Synth-pop
トラックリスト
- A1 – Color In Your Life (5:00)
- A2 – I Can’t Think About Dancin’ (5:16)
- A3 – No Secrets (4:29)
- A4 – Flash Of Love (4:15)
- B1 – Go Against The Flow (5:54)
- B2 – Boy I Say To You (4:38)
- B3 – Come Back For More (3:41)
- B4 – Face To Face (3:33)
- B5 – We Don’t Know Love At All (5:02)
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Rockwell – Somebody’s Watching Me (1984)
Rockwell「Somebody’s Watching Me」について
Rockwellの「Somebody’s Watching Me」は、1984年にリリースされたシングルで、同名タイトルの代表曲として知られる作品だ。US出身のヴォーカリスト/プロデューサーであるRockwellにとって、短い活動期間の中でも存在感を強く残した1曲で、彼の名を広く知らしめた中心作でもある。
ジャンルはElectronicとFunk / Soul、スタイルとしてはSynth-popとFunkに位置づけられる。打ち込み主体の骨格に、ファンク由来のリズム感が重なる作りで、当時の80年代らしいシンセの質感が前面に出ている。リリース国はUS、アーティストもUSという、同時代のアメリカン・ポップ/R&Bの流れの中で捉えやすい作品だ。
作品の立ち位置
Rockwellは1964年生まれ、デトロイト出身。Motown創設者Berry Gordyの息子として生まれた人物で、本人の経歴自体もかなり特徴的だ。とはいえ、この作品でまず耳に入るのは肩書きよりも、ひとつの楽曲としての強さのほうだろう。80年代前半のシンセポップとファンクの接点にある音像で、彼のキャリアを語るときの軸になる。
「Somebody’s Watching Me」は、タイトル通り“誰かに見られている”という感覚をそのまま曲にした内容で、軽いノリだけでは終わらない緊張感がある。リズムは跳ねるが、歌の運びには落ち着かない空気がまとわりつく。そのバランスが、この曲を単なるダンス・トラック以上のものにしている印象だ。
聴きどころ
実際に聴くと、まずシンセのフレーズが印象に残る。音数は多すぎず、輪郭のはっきりしたビートに引っかかるように鳴っていて、曲全体を引っ張る役割を持っている。ベースの動きも一定の推進力を作っていて、ファンク寄りの感触がそこで出てくる。
ボーカルは、派手に押し切るタイプというより、言葉を追わせるような運びが中心だ。そこに不穏さが乗るので、フックの強さと少し落ち着かない気配が同居している。80年代のシンセポップの中でも、ポップさだけに寄り切らないところがこの曲の輪郭だと思う。
同時代とのつながり
この時期のアメリカでは、シンセを前面に出したポップやR&Bが広がっていて、ファンクの感覚と電子音の組み合わせも珍しくない流れだった。そうした文脈の中で見ると、「Somebody’s Watching Me」は、クラブ寄りの軽さと、歌詞の不安感を同居させたタイプの1曲として整理しやすい。派手なサウンドの中に、テーマのわかりやすさがあるのも特徴だ。
Rockwellの作品としては、この曲がまず先に挙がることが多いはずで、彼の短い活動の中でも代表的な位置づけにある。1984年という年の空気感を、そのまま切り取ったような1枚だ。
まとめ
「Somebody’s Watching Me」は、80年代前半の電子音主体のポップとファンクの接点にある作品で、Rockwellの名を決定づけた楽曲として見てよさそうだ。シンセのフレーズ、跳ねるリズム、そして“見られている”というテーマが一体になった、印象の残るタイトル。
トラックリスト
- A1 – Somebody’s Watching Me (5:01)
- A2 – Obscene Phone Caller (3:24)
- A3 – Taxman (3:56)
- A4 – Change Your Ways (4:49)
- B1 – Runaway (4:24)
- B2 – Wasting Away (3:55)
- B3 – Knife (5:03)
- B4 – Foreign Country (5:56)
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Peter Baumann – Repeat Repeat (1981)
Peter Baumann『Repeat Repeat』について
Peter Baumannによる『Repeat Repeat』は、1981年に発表された電子音楽作品です。ジャンルはElectronic、スタイルはSynth-popに位置づけられていて、Tangerine Dreamでの活動でも知られるBaumannが、ソロ・アーティストとして展開していた時期の作品として捉えられます。
作品の輪郭
Peter Baumannは、1971年から1977年までTangerine Dreamに在籍し、シンセサイザー主体の音作りをバンドの中核へ押し進めた人物として知られています。その流れを踏まえると、『Repeat Repeat』にも、彼の電子音楽家としての経験がそのまま反映されていると見てよさそうです。Tangerine Dreamの流れを引き継ぐ作品群の中でも、ソロならではの整理された作りに目が向くタイトルです。
1981年という時期は、電子音楽が実験的な文脈だけでなく、ポップな構造とも結びついていったタイミングでもあります。この作品も、その時代感の中で聴かれることが多い1枚でしょう。シンセサイザーの音色を軸にしながら、曲の輪郭を比較的はっきり示すタイプの作品として受け取られやすい内容です。
Peter Baumannというアーティストの位置づけ
Baumannにとってこの時期のソロ活動は、Tangerine Dreamで培った電子音楽の手法を、自分の名前で組み立て直していく流れにあたります。バンドでの大規模な活動を経て、個人の作家としてどこまで音の設計を詰めるか、という関心が前面に出る時期でもあります。
のちに彼は自身のレーベル運営や、Baumann Instituteでの活動にもつながるように、音楽を単なる作品発表だけでなく、より広い視点で扱っていくことになります。そうした経歴を踏まえると、『Repeat Repeat』は、彼の電子音楽家としての基盤を確認しやすい作品のひとつです。
同時代とのつながり
1981年のシンセポップは、ヨーロッパの電子音楽とポップ・フォーマットが重なる時代でもあります。Baumannの作品は、そうした流れの中で、クラブ向けのダンス・ポップというよりは、シンセの質感や構成の組み方に重心があるタイプとして見られます。Tangerine Dream周辺の電子音楽、あるいは同時代のシンセ主体のソロ作品と並べて語られることが多い領域です。
まとめ
『Repeat Repeat』は、Peter BaumannがTangerine Dream後のソロ活動で示した電子音楽の一作。1981年という年らしいシンセサイザー中心の空気を持ちながら、彼の作家性を追いやすいタイトルです。作品全体を通して、電子音楽の流れの中でBaumannがどの位置にいたのかを確認しやすい1枚として受け止められます。
トラックリスト
- A1 – Repeat Repeat (3:43)
- A2 – Home Sweet Home (3:44)
- A3 – Deccadance (3:11)
- A4 – Realtimes (3:25)
- A5 – M.A.N. Series Two (3:37)
- B1 – Brain Damage (2:45)
- B2 – Kinky Dinky (3:14)
- B3 – Daytime Logic (2:51)
- B4 – Playland Pleasure (3:27)
- B5 – What Is Your Use (3:30)
関連動画
- PETER BAUMANN – What Is Your Use? (1981)
- Peter Baumann – Daytime logic (Baby won’t you mary me)
- Peter Baumann — Brain Damage
- PETER BAUMANN – Playland Pleasure (1981)
- Peter Baumann – M.A.N. Series Two
- Peter Baumann – Repeat Repeat (Remastered Video) (1981)
- Peter Baumann – Deccadance (1981)
- Peter Baumann – Repeat Repeat (full Vinyl album)
- Peter Baumann – Repeat Repeat
- Peter Baumann – Realtimes (Single von 1981)
Severed Heads – Since The Accident (1983)
Severed Heads「Since The Accident」について
「Since The Accident」は、オーストラリア出身の電子音楽グループ、Severed Headsが1983年に発表した作品。UK盤も同じ1983年リリースで、初期のバンドが持っていた実験性と、その後につながるダンス寄りの感覚が同居した時期の記録として位置づけられる一枚である。
Severed Headsは1979年にシドニーで始動したグループで、もともとはMr And Mrs No Smokin’ Signとして活動していた。初期はテープループやノイズ、シンセサイザーの不協和音を軸にした、いわゆるインダストリアル寄りの作風で知られる。その後、4/4の規則的なリズムや分かりやすいメロディ、コード進行を取り入れていき、前衛性とEBM、シンセポップが交わるような方向へ進んでいった。
作品の輪郭
「Since The Accident」は、その流れの中でも、リズムの輪郭がはっきり見えやすい時期の作品として聴こえる。打ち込みの感触、反復するフレーズ、音の切り貼り感が前面に出ていて、初期インダストリアルの硬さと、後年のダンス・ミュージック的な推進力のあいだを行き来する内容になっている。
ジャンル表記としてはElectronic、スタイルとしてはLeftfield、Experimental、Synth-pop、Industrial。こうした並びからも、単純なシンセポップ作品というより、実験音楽の手つきが残った電子音楽として捉えられていることが分かる。同期の電子音楽と比べると、整ったポップ性だけでなく、音の配置や質感にひっかかりが残るタイプの作品である。
アーティストの中での位置づけ
Severed Headsにとっては、初期のアヴァンギャルド寄りの作風から、より広いリスナーに届く可能性を持ったサウンドへ移っていく途中の重要な段階にある作品といえる。のちに「Dead Eyes Opened」で1984年にチャート入りし、Nettwerk RecordsやVolition Recordsとの関係を通じて活動の幅を広げていくが、その前段階である1983年時点のバンドの姿がこの作品にはよく表れている。
中心人物Tom Ellardを軸に、Garry Bradbury、Richard Fielding、Stephen Jones、Robert Racicらが関わったバンドの文脈を踏まえると、「Since The Accident」はSevered Headsらしい変化の途中を示すタイトルとして見やすい。完全に実験音楽へ振り切るのでもなく、かといって素直なポップへ寄るわけでもない、その中間の張りつめた感じが印象に残る。
同時代の文脈
1983年という年は、シンセポップやインダストリアル、初期EBMが互いに影響を与え合っていた時期でもある。Severed Headsは、その中でオーストラリア発のグループとして、欧米のシーンと接続しながら独自の音作りを進めていた。Cabaret VoltaireやThrobbing Gristleの流れを思わせる要素と、当時のシンセポップの明快さが同居するあたりが、この時期の彼らの特徴として受け取られている。
ひとこと
「Since The Accident」は、Severed Headsの初期と中期をつなぐような位置にある作品。テープ、シンセ、反復、リズムの組み立てがそのままバンドの個性になっていて、1983年の電子音楽の空気感をそのまま切り取ったような一枚である。
トラックリスト
- A1 A Relic Of The Empire
- A2 A Million Angels
- A3 Houses Still Standing
- A4 Gashing The Old Mae West
- A5 Dead Eyes Opened
- A6 Golden Boy
- B1 Godsong
- B2 Epilepsy 82
- B3 Exploring The Secrets Of Treating Deaf Mutes
- B4 Brassiere, In Rome
- B5 Wasps
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Hanover Fist – American Dream / Femme Fatale (1987)
Hanover Fist「American Dream / Femme Fatale」について
Hanover Fistは、ミネアポリス出身のシンセポップ・デュオとして1985年から1988年まで活動したグループである。ここで紹介する「American Dream / Femme Fatale」は1987年にアメリカでリリースされたシングル盤で、James HarryとCharles Ericksonを中心にしたこのユニットの活動期を切り取る1枚となっている。
作品の輪郭
ジャンルはElectronic、スタイルはSynth-pop。打ち込み主体のリズムとシンセのレイヤーを前面に出した、1980年代後半らしい作りが想像しやすい。ミネアポリス周辺の80年代エレクトロニック・シーンを背景にした作品として見ると、同時代のシンセポップやダンス寄りのポップスとつながる位置づけだろう。
Hanover Fistは、シングル「Love Kills / Boys In Furs」がBillboardのUS danceチャートで36位を記録したことで知られている。その意味では、この「American Dream / Femme Fatale」も、ダンス・フロアとの接点を意識した時期の作品として捉えやすい。
サウンドの印象
シンセポップらしく、音の輪郭がはっきりした質感が中心になりそうな1枚である。機械的なビート、前に出るシンセ、そして80年代のUSエレクトロニック・ポップに見られる整った構成。派手に崩すというより、曲の骨格をきっちり組み立てるタイプのサウンドが想像される。
アーティストの文脈
Hanover Fistは、短い活動期間の中でいくつかのシングルを残したグループで、ミネアポリスという土地柄も含めて、当時のアメリカのシンセポップ/ダンス・ポップの流れの中で語られる存在である。James Harry、Charles Erickson、David Aplinというメンバー構成も含め、バンドというよりプロジェクト性のあるユニットとして見ていくと整理しやすい。
まとめ
「American Dream / Femme Fatale」は、Hanover Fistの1987年のシングル盤として、80年代USシンセポップの一断面を示す作品である。チャート実績のある「Love Kills / Boys In Furs」とあわせて見ると、このグループのダンス志向とシンセ主体の作風がより見えやすい。
トラックリスト
- A1 American Dream (Dance Mix) (6:08)
- A2 American Dream (Radio Mix) (3:29)
- B1 Femme Fatale (Dance Mix) (5:48)
- B2 Femme Fatale (Radio Mix) (3:26)
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The The – Heartland (1986)
The The「Heartland」について
「Heartland」は、UKのグループ、The Theが1986年に発表した作品。Matt Johnsonを中心に活動するこのユニットは、固定メンバーを持たず、作品ごとに参加者を変えながら音を組み立ててきた。この曲も、その流れの中で生まれた1曲として位置づけられる。
同じ1986年にはアルバム「Infected」があり、「Heartland」はその中で最も成功したシングルとしてUKチャート29位を記録している。The Theの中でも、作品名をそのままタイトルにした代表曲として知られる存在だ。
サウンドの印象
ジャンル表記はElectronic、Rock、スタイルはAlternative Rock、Synth-pop。実際の音像も、そのあたりの要素が重なる作りになっている。打ち込みやシンセの質感を土台にしつつ、ロック寄りの推進力を持った展開で、淡々とした空気の中に緊張感があるタイプの楽曲だ。
The Theは、同時代の英国オルタナティブやシンセポップの文脈で語られることが多いが、単純なバンドサウンドにも電子音中心のポップにも寄り切らないところが特徴的。Matt Johnsonのソングライティングを軸に、曲ごとに参加ミュージシャンが変わるため、同じアーティスト名でも作品ごとの輪郭が少しずつ違って見える。
作品の位置づけ
「Heartland」は、「Infected」期の流れを象徴する楽曲のひとつ。The Theが1980年代半ばに到達した、政治や社会の空気を内包しながらも、ポップソングとして成立する書き方がよく出ている。アルバム全体の中でも、この曲が最も広く届いたという事実は、当時のバンドの存在感を示している。
関連する背景
1980年に活動を始め、1983年の「Soul Mining」で高い評価を得たThe Theは、1986年の「Infected」でさらにスケールを広げた。その後もメンバー編成を変えながら、Mind Bomb、Duskへと進んでいく。そうした流れの中で見ると、「Heartland」はThe Theの1980年代を代表するシングルのひとつとして捉えやすい。
- アーティスト: The The
- タイトル: Heartland
- リリース年: 1986年
- 国: UK
- ジャンル: Electronic / Rock
- スタイル: Alternative Rock / Synth-pop
トラックリスト
- A Heartland (5:02)
- B1 Flesh & Bones (4:00)
- B2 Born In The New S.A. (1:58)
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Lene Lovich – Stateless (1978)
Lene Lovich『Stateless』
Lene Lovichの『Stateless』は、1978年に初出したニューウェイヴ期の重要作のひとつ。アメリカ・デトロイト生まれで、10代でイギリスへ渡ったLovichが、電子的な質感とロックの輪郭を行き来しながら、自分の個性を前面に出した作品として知られる。カナダ盤は1979年リリースで、オリジナルの登場から間を置かずに広まった一枚になる。
作品の輪郭
ジャンル表記はElectronic、Rockで、スタイルはLeftfield、New Wave、Synth-pop。実際の印象としては、シンセの冷たい響きと、ギターやリズムの硬さが同居する内容。ポップソングの形を取りながら、声の出し方やフレーズの置き方で、一般的なニューウェイヴ作品とは少し違う方向へ寄っている。音のまとまりよりも、ひっかかりのある配置が目立つ作り。
Lene Lovichという存在
Lovichは、後のニューウェイヴ・シーンで個性的な女性シンガーとして語られることの多い人物。アメリカ出身でありながらイギリスで活動を本格化させた経歴もあり、当時の英国ニューウェイヴの空気と強く結びついている。『Stateless』は、その初期キャリアを代表する位置づけの作品として見られることが多い。
同時代とのつながり
同時代の文脈で見ると、Patti SmithやSiouxsie Sioux、Debbie Harryのような、声や佇まいでロックの既成像をずらしていくアーティスト群と並べて語られやすい。とはいえ、Lovichはより歌い回しの癖が強く、曲の構造よりも発声そのものが印象を残すタイプ。ニューウェイヴ、シンセポップ、左寄りのポップ感覚が交差する地点にある作品といえる。
曲とエピソード
このアルバムは、発売後1年ほどのあいだに複数の版が出たことでも知られる。収録曲の一部は再録音やリミックスが行われ、地域によって内容が少しずつ異なる。盤によってはマトリクス表記に「Steve」が入っているものがリミックス版の目印になる、という細かな違いもある。こうした版の差異も含めて、当時のニューウェイヴ作品らしい流通の複雑さが見える一枚。
代表曲としては「Lucky Number」がよく挙げられる。アルバムの中でも認知度の高い楽曲で、Lovichの鋭い歌声と、リズムの立ち方がはっきり出た曲。作品全体の性格をつかむ入口として語られることが多い。
まとめ
『Stateless』は、1978年のニューウェイヴの空気を、Lene Lovich独自の声と感覚で切り取ったアルバム。電子音の冷たさ、ロックの硬さ、ポップソングとしてのわかりやすさが同時に並ぶ内容で、初期ニューウェイヴの一断面として見どころのある作品だ。
トラックリスト
- A1 Home (3:40)
- A2 Sleeping Beauty (3:00)
- A3 Lucky Number (2:47)
- A4 Too Tender (To Touch) (4:04)
- A5 Say When (2:49)
- B1 Writing On The Wall (3:08)
- B2 Telepathy (2:45)
- B3 Momentary Breakdown (3:18)
- B4 I Think We’re Alone Now (2:45)
- B5 One In A 1,000,000 (2:48)
- B6 Tonight (4:27)
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- LENE LOVICH “LUCKY NUMBER” 1978 STATELESS original with HQ sound
- LENE LOVICH “SLEEPING BEAUTY” 1978 STATELESS original with HQ sound
- LENE LOVICH “HOME” 1978 STATELESS original with HQ sound
- LENE LOVICH “TOO TENDER (TO TOUCH)” 1978 STATELESS original with HQ sound
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Telex – Sex (1981)
Telex『Sex』について
『Sex』は、ベルギーのエレクトロニック・ディスコ・ポップ・バンド、Telexが1981年に発表したアルバム。Marc Moulin、Dan Lacksman、Michel Moersの3人によるユニットで、シンセサイザーとリズムマシンを軸にしたサウンドで知られるグループだ。Telexの作品の中では3作目にあたり、80年代初頭のエレクトロ/シンセ・ポップの流れの中に置きやすい一枚になっている。
サウンドの輪郭
この時期のTelexは、ディスコの躍動感と、機械的な打ち込みの感触を重ねた作りが特徴的だ。音の配置は比較的シンプルで、電子音の粒立ちや反復するビートが前に出る。歌やメロディも、過度に感情を押し出すというより、無機質さを含んだ軽いユーモアとともに進んでいく印象がある。
ジャンル表記としてはElectronic、Electro、Synth-pop、Experimentalとされており、ダンス・ミュージックの要素と実験的な感触が同居する作品として捉えやすい。Kraftwerk以降のヨーロッパ産エレクトロニック・ポップの文脈に並べて語られることも多いタイプの音だ。
Telexというバンドの位置づけ
Telexは1978年に結成され、ベルギー発のエレクトロニック・ディスコ・ポップを代表する存在のひとつ。最初期のシングル「Twist A Saint Tropez」「Moskow Diskow」「Rock Around The Clock」はヨーロッパでヒットし、12インチ盤もダンスクラブ、とくにアメリカで広く回ったとされる。
『Sex』は、そうした初期の話題性を経て制作されたアルバムで、バンドのシングル中心の印象とは少し違う、アルバム作品としてのまとまりを持つ時期の記録でもある。Telexのディスコ的な側面と、電子音楽としての構築感が、よりはっきり同居している時期と見てよさそうだ。
時代背景と比較の視点
1981年という時期は、シンセ・ポップやエレクトロが欧州のポップスの中で存在感を強めていく頃。Telexの音は、同時代のニュー・ウェイヴやダンス・ミュージックとも接点を持ちながら、より機械的で、少し距離を置いたような質感がある。ベルギーという地域性も含めて、英米のメインストリームとは少し違う角度から80年代初頭の電子ポップを捉えた作品と言えそうだ。
代表曲について
Telexの代表曲としては、やはり初期シングルの「Twist A Saint Tropez」「Moskow Diskow」「Rock Around The Clock」がよく挙がる。バンドの名前を広く知らしめた楽曲群であり、クラブ向けの12インチ文化とも相性がよかった。『Sex』も、こうした初期の流れを受けながら、よりアルバム単位の構成でTelexらしさを示した作品として見ることができる。
ひとこと
『Sex』は、Telexの電子音ポップが持つ軽さ、機械感、そしてダンス・ミュージックとの接点がまとまった1981年のアルバム。ベルギー発のエレクトロ・ポップが80年代初頭にどう鳴っていたかを知るうえで、ひとつの手がかりになる作品だ。
トラックリスト
- A1 Brainwash (4:20)
- A2 Drama Drama (3:57)
- A3 Haven’t We Met Somewhere Before? (4:06)
- A4 Long Holiday (2:12)
- A5 The Man With The Answer (3:15)
- B1 Carbon Copy (6:34)
- B2 Exercise Is Good For You (3:35)
- B3 Dream-O-Matic (4:13)
- B4 Sigmund Freud’s Party (2:53)
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David Bowie – Loving The Alien (1985)
David Bowie「Loving The Alien」について
David Bowieの「Loving The Alien」は、1985年の作品として知られる楽曲で、同年にリリースされた時代の空気をよく映した1曲です。Bowieは英国出身のシンガー、ソングライター、俳優として広く知られ、1970年代から80年代にかけてロックとポップの境界をまたぎながら活動を続けてきました。この曲も、その流れの中で生まれた80年代中盤のBowieらしい一曲です。
サウンドの印象
サウンドは、シンセサイザーを前面に出したポップ・ロック寄りの質感が特徴です。電子的な音の層の上に、Bowieの歌がはっきりと乗る構成で、80年代の制作感が強く出ています。ロックの骨格を残しつつ、シンセ・ポップの要素を取り込んだ仕上がりで、当時の洋楽シーンの流れとも重なる内容です。
作品の位置づけ
1985年のBowieは、すでに大きな成功を重ねた後の時期で、アーティストとしての幅をさらに広げていたタイミングです。「Loving The Alien」は、その中でも電子音とポップ性を組み合わせた時期のBowieを示す作品として見られます。ロック、ポップ、エレクトロニックの要素が交差する点に、この時代の特徴が表れています。
同時代とのつながり
この時期のBowieは、同じく80年代のポップ・ロックやシンセ・ポップの文脈の中で語られることが多いです。デヴィッド・ボウイという名前が持つ実験性と、当時のメインストリーム寄りの音作りが重なっているあたりが、作品の面白さになっています。派手さだけでなく、音の配置や歌の置き方にもBowieらしい感覚がある1曲です。
基本情報
- アーティスト: David Bowie
- タイトル: Loving The Alien
- オリジナルリリース年: 1985年
- 盤のリリース年: 1985年
- ジャンル: Electronic, Rock
- スタイル: Pop Rock, Synth-pop
- リリース国: Japan
David Bowieの80年代作品をたどるうえで、「Loving The Alien」はその時代の音と感触をつかみやすい存在です。電子的な質感とロックの輪郭、そのバランス感が印象に残る1曲です。
トラックリスト
- A Loving The Alien (Extended Dance Mix) (7:27)
- B1 Don’t Look Down (Extended Dance Mix) (4:50)
- B2 Loving The Alien (Extended Dub Mix) (7:14)
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Chuzpe – 1000 Takte Tanz (1982)
Chuzpe『1000 Takte Tanz』について
Chuzpeは、1977年にウィーンで結成されたオーストリアのニューウェイブ/ポストパンク・バンドである。『1000 Takte Tanz』は1982年の作品として知られ、2012年に盤がリリースされている。電子音とロックの要素を行き来しながら、ニューウェイブ、シンセポップ、ミニマルの感触をまとめた一枚という位置づけになる。
バンドの背景
Chuzpeは、Robert Wolfを中心に結成されたグループで、オーストリア初期のパンク・シーンとも関わりのある存在として語られている。ウィーンという都市の空気と、当時のヨーロッパのポストパンク/ニューウェイブの流れが重なるあたりに、このバンドの立ち位置が見えてくる。
メンバーにはMic Metal、Andy Kolm、Stefan Pfeistlinger、Stephan Wildner、Gunulf、Jimmy Deix、Christian Brandl、Robert Wolf、James Bong、Charlie Wolf、Albert Griemann、Rudi Barcalらが名を連ねる。
サウンドの印象
『1000 Takte Tanz』は、ロックの骨格に電子的な質感を重ねた作品として捉えやすい。ニューウェイブらしいリズムの運び、シンセポップの音色、ミニマルな反復感が軸にあり、派手さよりも構造の組み立てで聴かせるタイプの手触りである。
同時代の文脈で見れば、初期ニューウェイブやポストパンクの流れ、あるいはシンセを前面に出したヨーロッパ圏のバンド群と並べて語られることがありそうだ。音の作り込みと簡潔さのバランスに、当時の空気が残っている。
作品としての位置づけ
1982年という時期は、Chuzpeにとって初期活動の延長線上にある時代で、バンドのサウンドがニューウェイブ/シンセポップ寄りの方向へまとまっていく局面とも読める。オーストリアのローカルなパンク/ニューウェイブ史の中で、Chuzpeの名前を確認するうえで重要な作品のひとつである。
補足
- アーティスト名: Chuzpe
- タイトル: 1000 Takte Tanz
- オリジナル年: 1982年
- 盤のリリース年: 2012年
- 国: オーストリア
- ジャンル: Electronic, Rock
- スタイル: New Wave, Synth-pop, Minimal
作品全体としては、オーストリアのニューウェイブ/ポストパンクの流れを押さえるうえで見逃しにくいタイトルである。
トラックリスト
- A1 Eine Hand Voll Chuzpe (2:22)
- A2 Zu Klug Für Diese Welt (1:49)
- A3 Vogue Girls (2:49)
- A4 Stealing Russians In Watchia (2:45)
- A5 Chinese Chive (2:10)
- A6 Der Rhythmus Dieser Stadt (2:17)
- B1 Der Meister Und Margerita (1:34)
- B2 Die Neuen Maschinen (3:21)
- B3 Gute Kräfte Sammeln Sich (1:56)
- B4 Das Zündholz (2:17)
- B5 Tote Körper Tanzen Anders (2:13)
- B6 Tausend Takte Tanz (4:11)
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Data – Elegant Machinery (1985)
Data『Elegant Machinery』について
『Elegant Machinery』は、UKのエレクトロニック・ユニット、Dataによる1985年の作品。Georg Kajanusを中心に、Simon Boswell、Henry Marsh、そしてFrankie Boulter、Phil Boulterらが関わったグループで、ソングライティングとシンセサイザー主体のアレンジが前面に出た一枚になっている。
Dataの背景を見ると、Georg Kajanusは1960年代後半にEclectionに参加し、その後1970年代前半にSailorを結成した人物。その流れの先で、1980〜81年にDataとして別の電子的な方向へ進んだ、という位置づけが見えてくる。フォークロックやポップ寄りの経歴を持ちながら、80年代のシンセポップ文脈に接続しているのが面白いところだ。
サウンドの印象
ジャンルはElectronic、スタイルはSynth-pop。打ち込みやシンセの質感が軸にあり、メロディをはっきり聴かせるタイプの作りが想像しやすい。80年代中盤らしい機械的な輪郭と、ポップソングとしてのまとまりが同居するタイプの作品として捉えられる。
同時代の文脈で見ると、Depeche ModeやYazoo、Pet Shop Boysのようなシンセポップの流れと並べて語られることがありそうだが、Dataはよりメンバーの来歴がユニークで、ポップと電子音楽の接点を探るような立ち位置にある。
作品の位置づけ
1985年というオリジナル年のリリースで、Dataにとってはグループの方向性がまとまった時期の記録といえる。Georg Kajanusのそれまでのキャリアを踏まえると、Sailor以降の活動の中で、よりシンセ主体の表現へ振れた一枚として見えてくる。
大きなヒット曲については、この作品単体で広く知られる代表曲が前面に出るタイプというより、アルバム全体の構成で聴かれる印象が強い。曲ごとの細かな情報よりも、80年代のシンセポップらしい制作感や、メンバーの異なる経歴が交差する点に耳が向く作品だ。
Dataのプロフィールをたどると
- Georg KajanusはNorwegian出身
- 1968年からEclectionに参加
- 1970年代前半にSailorを結成
- その後、Dataで電子的なポップ表現へ
- 1990年代後半にはSailorへ戻り、ライブ活動にも関わる
『Elegant Machinery』は、そうしたキャリアの流れの中で、80年代の電子音楽とポップの接点を示す作品として置いておける一枚。UKリリースの1985年作として、シンセポップの時代感をそのまま映した記録になっている。
トラックリスト
- A1 Stop (3:43)
- A2 Ricocheted Love (3:36)
- A3 Burning (3:21)
- A4 Over 21 (2:55)
- A5 Hooked-Up (3:27)
- B1 Playing (3:02)
- B2 In Blue (3:24)
- B3 Cubismo (3:44)
- B4 D.J. (3:33)
- B5 Blow (4:48)
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The The – Gravitate To Me (1989)
The The「Gravitate To Me」について
「Gravitate To Me」は、UKのグループ、The Theによる1989年の作品。Matt Johnsonを中心に、作品ごとに編成を変えながら活動してきたThe Theらしい、電子音とロックの要素を行き来する一枚として捉えやすい内容だ。
アーティストの位置づけ
The Theは、Matt Johnsonが唯一の常任メンバーとして知られる英ロンドンのグループ。1980年の初期シングル「Controversial Subject」から活動を続け、1983年の『Soul Mining』、1986年の『Infected』で注目を集めた流れの中にある。1988年にはJohnny Marr、James Eller、David Palmerを加えた編成で『Mind Bomb』を発表し、1989年にはD.C. Collardも加わっている。そうした時期の作品として見ると、バンド編成が固まりつつあった時期の空気が反映されたタイトルといえる。
サウンドの印象
ジャンル表記はElectronic、Rock、スタイルはAlternative Rock、Synth-pop。打ち込みやキーボードの輪郭と、バンド演奏の硬さが同居するタイプの音像が想像しやすい。リズムは前に出過ぎず、機械的な推進力とロックの直進性が並ぶ構成。音の質感は、80年代後半のUKらしい整理された鳴り方に寄っている。
同時代とのつながり
同じ時代のUKオルタナティブやシンセポップの文脈に置くと、The Theは、ポップな抜けよりも言葉の重さや構成の緊張感を前に出すグループとして見えてくる。The Smiths周辺のギターワーク、あるいは4AD系に通じる陰影のある感触と比べられることもありそうだが、中心にあるのはやはりMatt Johnsonの作家性だ。
この時期のエピソード
1989年のThe Theは、ワールドツアー「The The Versus The World」を行っていた時期でもある。『Mind Bomb』の成功を受けて活動規模が大きくなっていた流れの中で、「Gravitate To Me」もその年代のバンドの勢いを伝える一曲として位置づけられる。
まとめ
「Gravitate To Me」は、The Theの1989年の活動期を切り取ったタイトル。電子的な要素とロックの編成が交差するサウンド、Matt Johnsonの主導する制作体制、そして『Mind Bomb』期へつながるバンドの充実ぶり。そうした点を押さえておくと、作品の輪郭がつかみやすい。
トラックリスト
- A Gravitate To Me (Dance Mix) (8:00)
- B1 Gravitate To Me (Little Version) (4:32)
- B2 The Violence Of Truth (5:34)
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Until December – Until December (1986)
Until December / Until December(1986)
カナダ名義で流通したUntil Decemberのセルフタイトル作。1986年の作品として、ElectronicとRockをまたぐ内容になっている。スタイル面ではPop RockやSynth-popの要素が見えやすく、1980年代半ばらしいシンセの質感とバンド演奏の組み合わせが印象に残る一枚。
作品の輪郭
Until Decemberは、1980年代前半から後半にかけて活動したサンフランシスコ拠点のロック・バンドとして知られている。メンバーはChuck Frazier、Tim Huthert、Adam Sherburne、Brian Weisberg、Greg Senzer。活動期のバンド編成を反映した作品として見ると、ロックの骨格に電子音のレイヤーを重ねた作りがこの時代らしい。
サウンドは、打ち込み的な整い方よりも、バンドの推進力を残したままシンセを差し込むタイプの印象。リズムは前に出て、音像には金属的な硬さと少し乾いた質感がある。ポップな旋律を軸にしながらも、ニューウェーブ以降の空気を引きずるような並びで聴こえる。
1980年代中盤の文脈
ElectronicとRockの接点にある作品として、同時代のシンセポップやポップ・ロックの流れの中で捉えやすい。ギター主体のロックと電子楽器のバランスを取る作りは、この時期の多くのバンドに共通する方向性でもある。Until Decemberも、その潮流の中で独自の立ち位置を持っていたように見える。
なお、バンドはレザー・サブカルチャーの中で特に人気があったとされている。そうした背景を踏まえると、音の輪郭や見せ方にも、当時のクラブ・カルチャーやアンダーグラウンドなロック・シーンとの接点が感じられる。
まとめ
Until Decemberのセルフタイトル作は、1986年の空気をそのまま閉じ込めたような、ロックとシンセを行き来するアルバム。派手な装飾よりも、リズムの押し出しと電子音の配置で聴かせるタイプの作品として位置づけやすい。バンドの活動期を知るうえでも、当時のジャンル感をつかむうえでも見どころのある一枚。
トラックリスト
- A1 No Gift Refused (4:21)
- A2 Heaven (4:21)
- A3 Sequence Line (3:48)
- A4 Mirrors (3:49)
- A5 Call Me (3:34)
- B1 Forgive And Still Forget (4:25)
- B2 Free Again (4:48)
- B3 Zodiac Drum Solo (1:15)
- B4 Slave (4:54)
- B5 Geisha (6:21)
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It’s Immaterial – Life’s Hard And Then You Die (1986)
It’s Immaterial「Life’s Hard And Then You Die」
1986年にUKで登場した、Liverpool出身のバンド、It’s Immaterialによる作品。ElectronicとRockを土台にしながら、Folk Rock、Leftfield、Downtempo、Synth-pop、Experimentalの要素をまたぐ内容で、当時の英国インディー周辺の空気を感じさせる一枚だ。
作品の輪郭
バンドはHenry Priestman、David Baynton-Power、Gillian Miller、John Campbell、Jarvis Whitehead、Jay Nortonらで構成されている。Liverpoolという土地柄もあって、英国的なギター・ロックの感触と、シンセやリズム・マシンを含む電子的な質感が並び立つ印象がある。
サウンドは、はっきりしたビートを前に出すというより、拍の置き方や音の間合いで聴かせるタイプに見える。ロックの骨格に、打ち込み的な流れや実験的な処理が重なり、曲によってはフォーク由来の語り口も感じられる構成だ。
1986年という時代の中で
1986年の英国では、シンセポップやダウンテンポ寄りの感覚、実験性を含んだポップスが広く並走していた時期でもある。この作品も、その文脈の中で、単純なギター・バンド作品としては収まりきらない位置にある。The Blue NileやOrchestral Manoeuvres in the Darkのような、音の配置に意識的な同時代のUKアクトを思わせる場面もありそうだ。
代表曲として知られる曲
It’s Immaterialといえば、「Driving Away From Home (Jim’s Tune)」がよく知られた曲として挙げられる。バンド名義の作品群の中でも印象に残る楽曲で、彼らの持つ語り口と、軽く流れるようなリズム感を伝える一曲として触れられることが多い。
ひとこと
「Life’s Hard And Then You Die」は、ロック、電子音、実験性が同じフレームの中に置かれた1986年の英国作品。Liverpoolのバンドらしい背景を持ちながら、ジャンルの境目を行き来する内容になっている。
作品全体としては、派手さよりも構成や質感に目が向くタイプのレコード、という印象。
トラックリスト
- A1 Driving Away From Home (Jim’s Tune) (4:12)
- A2 Happy Talk (5:29)
- A3 Rope (3:37)
- A4 The Better Idea (5:42)
- A5 Space (3:59)
- B1 The Sweet Life (4:38)
- B2 Festival Time (3:52)
- B3 Ed’s Funky Diner (3:05)
- B4 Hang On Sleepy Town (4:20)
- B5 Lullaby (6:21)
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Depeche Mode – Music For The Masses (1987)
Depeche Mode『Music For The Masses』について
Depeche Modeの『Music For The Masses』は、1987年に発表された6作目のスタジオ・アルバムだ。イギリスのシンセポップを出発点にしながら、80年代後半のエレクトロニック・ポップの主流へと歩みを進めた時期の作品として位置づけられる。
この盤は2025年リリースのUS盤で、オリジナルは1987年。Depeche Modeがメインストリームの電子音楽シーンで存在感を強めていく流れの中にある一枚でもある。
サウンドの特徴
音の中心にあるのは、打ち込みのリズム、反復するシーケンス、硬質なシンセの質感だ。前作『Black Celebration』の延長線上にありつつ、より大きな会場を意識したようなスケール感もある。ビートは比較的はっきりしていて、メロディは抑えめに整理され、曲全体が機械的な推進力で進んでいく印象。
シンセポップという枠組みの中でも、単に軽快なポップスに寄らず、冷たさと緊張感を残したまま展開していくのがこの時期のDepeche Modeらしさだ。80年代の同系統のアーティストと比べても、ダンス・ミュージックとロックの間を行き来するような重さがある。
作品の位置づけ
『Music For The Masses』は、Depeche Modeにとって80年代後半の代表作のひとつだ。前作『Black Celebration』と並んで、彼らをメインストリームの電子音楽シーンで大きな存在へ押し上げた作品として語られることが多い。
この時期の流れの先には、アメリカでの大規模な人気拡大がある。後にパサデナ・ローズボウルで行われた公演『101』へつながる時代で、ライブの規模感も含めてバンドの転機になった時期と見てよさそうだ。
収録曲とシングル
アルバムにはシングル曲も含まれている。代表曲としては、広く知られる「Never Let Me Down Again」が挙げられる。ほかにも「Strangelove」「Behind the Wheel」「Little 15」などが収録されていて、アルバム全体の輪郭を作っている。
- Never Let Me Down Again
- Strangelove
- Behind the Wheel
- Little 15
時代背景
1987年当時のDepeche Modeは、Vince Clarke脱退後にMartin L. Goreが主な作曲を担い、Alan Wilderが加わった編成で活動していた。シンセポップの初期形から出発しながら、より構築的で重層的なサウンドへ進んでいく途中段階にある。New OrderやPet Shop Boysと並べて語られることもあるが、Depeche Modeはその中でも暗めのトーンと硬い打ち込みの組み合わせが際立つ。
『Music For The Masses』は、そうした80年代エレクトロニック・ポップの流れを、より大きな規模へ広げていった作品のひとつとして見えてくる。タイトルどおり大衆向けの音楽というより、むしろDepeche Mode独自の輪郭を強めたアルバムという印象が残る。
トラックリスト
- A1 Never Let Me Down Again
- A2 The Things You Said
- A3 Strangelove
- A4 Sacred
- A5 Little 15
- B1 Behind The Wheel
- B2 I Want You Now
- B3 To Have And To Hold
- B4 Nothing
- B5 Pimpf
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Propaganda – The Nine Lives Of Dr. Mabuse (1984)
Propaganda『The Nine Lives Of Dr. Mabuse』について
Propagandaは、ドイツ・デュッセルドルフ出身のシンセポップ・グループ。1982年にRalf DörperとAndreas Theinを中心に結成され、ZTTからのリリースで知られる存在だ。この『The Nine Lives Of Dr. Mabuse』は、1984年に登場した作品で、グループ初期の動きがそのまま形になった1枚として位置づけられる。
タイトル曲「Dr. Mabuse」は、Propagandaの初期を代表する楽曲。きっちり組み立てられた打ち込みのリズムに、硬質なシンセのレイヤー、そして女性ボーカルが乗る構成。音の輪郭がはっきりしていて、ダンス寄りの推進力と、ZTT周辺らしい編集感覚が同居している。
サウンドの印象
全体としては、電子音の密度が高く、リズムは機械的に前へ進むタイプ。ベースやシーケンスは細かく刻まれ、上モノのシンセは冷たい質感を保ちながら展開していく。80年代前半のシンセポップらしい整った作りでありつつ、単純に明るいポップスには寄っていないところがこの時期のPropagandaらしさでもある。
録音の雰囲気も、スタジオで組み上げた電子音楽らしい整理された空気感がある。音数は多めでも、各パートの役割が見えやすいタイプで、当時の英国シーンの実験性とポップ性の両方を感じさせる作り。
作品の位置づけ
このシングルは、Propagandaにとって最初期の重要な一曲。のちのZTT期の展開を考えると、その入口にある作品として見えてくる。クラウディア・ブリュッケン、スザンヌ・フライターク、Ralf Dörper、Michael Mertensらが関わった初期編成の空気が、そのまま記録されたような内容でもある。
Propagandaは同時代のシンセポップの中でも、単なる軽快さよりも構築感の強いグループとして語られることが多い。Depeche ModeやYazoo周辺の電子音ポップと並べて見られることもある一方で、ZTT由来の演出性や編集感覚が前面に出る点に特徴がある。
背景メモ
- Propagandaの初期シングルとして知られる作品
- 1984年のUKリリースで登場したタイトル
- ドイツ発のグループでありながら、英国ZTT周辺の文脈で語られることが多い
- 「Dr. Mabuse」は、のちのPropaganda像を印象づける代表曲のひとつ
1980年代前半のシンセポップ、そしてZTTの初期らしい緊張感をまとった一枚。Propagandaの出発点を示す記録として、作品の輪郭はかなりはっきりしている。
トラックリスト
- A Das Testament Des Mabuse (10:14)
- B1 Femme Fatale (The Woman With The Orchid) (3:19)
- B2 (The Ninth Life Of…) Dr. Mabuse (4:06)
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- PROPAGANDA “Das Testaments Des Mabuse” Euro Disco Synth Pop Electronic (107 BPM) Rare 12″ (1984)
- Propaganda – The Nine Lives Of Dr Mabuse (1984) (HQ)
- Femme Fatale (The Woman With The Orchid) (1984) Propaganda
- Propaganda – The Nine Lives Of Dr. Mabuse
- Femme Fatale (The Woman With The Orchid) by Propaganda
Robert Fripp – Network (1985)
Robert Fripp『Network』について
Robert Frippの『Network』は、1985年にUKで登場した作品。King Crimsonの中心人物として知られるFrippが、ギターやキーボード、制作面まで含めて自分の音楽性を前に出してきた時期の一枚で、電子音楽とロックのあいだを行き来する内容になっている。
作品の位置づけ
FrippはKing Crimsonの創設メンバーであり、継続的に活動を支えてきた人物でもある。そうしたバンド活動と並行して、FrippertronicsやSoundscapesにつながるような、ギターを使った音響的なアプローチを長く追求してきた。本作も、その流れの中で捉えやすい作品といえる。
ジャンル表記としてはElectronic、Rockが並び、スタイルにはAlternative Rock、Synth-pop、Ambientが入る。ロックの骨格を残しながら、シンセや処理された音色を重ねていく方向性が見えてくる構成。
サウンドの印象
リズムは前面に出すぎず、一定の拍を保ちながら進む場面が目立つ。音の輪郭ははっきりしていて、演奏の密度よりもレイヤーの重なりで曲を組み立てるタイプの印象。録音の空間も、楽器の一つひとつを近くに置くというより、電子的な質感を含めて全体をまとめる方向に寄っている。
ギター主体の作品というより、キーボードやシンセの色が強く出る場面があり、当時のシンセポップやアンビエントの文脈ともつながって聴こえる。とはいえ、Frippらしい構成感は保たれていて、単なる流行追従ではないまとまりがある。
同時代とのつながり
1980年代半ばという時期は、ロックが電子楽器やスタジオ処理を取り込んでいった時代でもある。『Network』もその流れの中にあり、プログレッシブ・ロックの系譜と、当時のシンセ主体の音作りが交差する位置に置けそうだ。Frippの周辺で語られることの多い実験性が、よりコンパクトな形で表れている作品として見られる。
ひとこと
Robert Frippのキャリアの中でも、ギタリストとしての顔だけでなく、音響を組み立てる作り手としての側面がよく出る一枚。1985年という年代らしい電子的な質感と、Frippの持つ構築的な感覚が重なる作品になっている。
トラックリスト
- A1 North Star (3:08)
- A2(i) Water Music I (1:16)
- A2(ii) Here Comes The Flood (3:54)
- B1 God Save The King (6:40)
- B2 Under Heavy Manners (4:53)
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David Bowie – This Is Not America (Theme From The Original Motion Picture, The Falcon And The Snowman) (1985)

David Bowie「This Is Not America」について
David Bowieによる「This Is Not America」は、1985年に発表された楽曲で、映画「The Falcon And The Snowman」のテーマ曲として知られる1曲。UK出身のボウイが、Electronic、Pop、Stage & Screenの文脈で残した作品で、シンセポップ寄りの質感を持つタイトルになっている。
作品の輪郭
この曲は、映画音楽としての役割を持ちながら、David Bowieのシングル作品としても存在感がある。1980年代半ばのボウイらしい、整った打ち込みのリズムと、音の隙間を生かした録音の雰囲気が印象に残る。派手に押し出すというより、静かな緊張感を保ったまま進む構成。
テーマ曲らしく、映像作品との結びつきが強い一方で、ポップソングとしてのまとまりもある。シンセの質感、抑えめのビート、歌の置き方など、当時のシンセポップや映画主題歌の作り方が見えやすい仕上がりになっている。
David Bowieの中での位置づけ
1985年のボウイは、すでに長いキャリアの中で多様なスタイルを行き来していた時期。「This Is Not America」は、その中でも映画との接点がはっきりした作品で、アーティストとしての幅を示す1曲として見られることが多い。ロックの枠だけでは収まらない活動の一部という位置づけ。
同時代のUKポップやシンセポップの流れとも重なりつつ、映画主題歌としての機能も担うあたりに、1980年代中盤らしい空気がある。ボウイの作品群の中では、アルバム単位の作品とは少し異なる、独立した存在感を持つシングルとして整理できる。
サウンドの特徴
- 打ち込み主体のリズム
- シンセの薄いレイヤー
- 音数を絞った編成
- 映像作品に寄り添うような落ち着いた録音感
まとめ
「This Is Not America」は、1985年のDavid Bowieを知るうえで外せない1曲。映画「The Falcon And The Snowman」のテーマ曲として生まれた背景を持ちながら、シンセポップ、ポップ、映画音楽の要素が交差する作品になっている。UKのポップ・ロックを代表する存在だったボウイの、別の側面が見えやすいタイトル。
トラックリスト
- A This Is Not America (The Theme From The Original Motion Picture “The Falcon And The Snowman”) (3:51)
- B This Is Not America (Instrumental) (3:51)
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Scritti Politti – Provision (1988)

Scritti Politti「Provision」について
Scritti Polittiの「Provision」は、1988年にリリースされた作品。イギリス・リーズで結成されたバンドながら、ここではUSリリースの盤として流通した一枚で、グループのポップ志向がはっきり出た時期のアルバムとして位置づけられる。
アーティストの輪郭
Scritti Polittiは、1977年に結成されたBritish band。中心にいるのは、カーディフ出身のシンガーソングライター、Green Gartsideで、グループの歴史を通して唯一継続して在籍したメンバーとして知られる。メンバーの入れ替わりを重ねながらも、作品ごとに音の組み立てを変えてきたバンドという印象がある。
この作品の立ち位置
「Provision」は、Synth-popとFunkを軸にしたポップ作品。80年代後半らしい打ち込みの輪郭と、リズムを前に出した作りが見えやすい時期で、Scritti Polittiの中でも、ソングライティングとスタジオ・サウンドの整理された関係が目立つ一枚といえる。
Green Gartsideを中心に、David Gamson、Fred Maher、Simon Emmerson、Alan Murphy、Rhodri Marsden、Rob Smoughton、Niall Jinks、Tom Morley、Joe Cang、Matthew Kay、Dicky Moore、Paul Strohmeyerらがクレジットされている。編成の広さも含めて、バンドというより制作単位としての側面が感じられる構成。
サウンドの特徴
サウンドは、シンセの質感が前面に出たポップス寄りの作り。ビートは細かく整えられ、ファンク由来の跳ね方を持ちながらも、全体の輪郭はかなり明瞭。録音の雰囲気も、音の分離がはっきりしていて、各パートが役割を分担するように並ぶ印象がある。
- シンセ主体のアレンジ
- ファンクのリズム感
- ポップ寄りの構成
- 音の配置が整理された録音
同時代とのつながり
1988年という時期を考えると、80年代後半のソウル、ファンク、シンセ・ポップの接点にある作品として見えやすい。ニュー・ウェイヴ以降の流れの中で、洗練されたポップ・プロダクションを志向した作品群と並べて語られることもありそうだ。ジャンルの枠では、当時の洗練されたポップ・アレンジの文脈に置きやすい。
まとめ
「Provision」は、Scritti Polittiのポップ性とスタジオ志向がまとまった1988年の一枚。Green Gartsideを軸にしたバンドの変遷の中で、Synth-popとFunkをつなぐ時期の記録として見える作品。
トラックリスト
- A1 Boom! There She Was (4:57)
- A2 Overnite (4:43)
- A3 First Boy In This Town (Lovesick) (4:22)
- A4 All That We Are (3:31)
- A5 Best Thing Ever (3:50)
- B1 Oh Patti (Don’t Feel Sorry For Loverboy) (4:20)
- B2 Bam Salute (4:33)
- B3 Sugar And Spice (4:10)
- B4 Philosophy Now (4:44)
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Synergy – Sequencer (1976)

Synergy『Sequencer』について
Synergyは、アメリカのシンセサイザー奏者 Larry Fast の名義として知られるプロジェクトで、1970年代半ばから活動を続けてきた。『Sequencer』は1976年の作品として位置づけられる一枚で、電子音楽を軸にしながら、ダウンテンポやシンセポップの要素も感じさせる内容になっている。1979年盤として流通したこのレコードは、Synergyの初期の流れを追ううえで見ておきたいタイトルのひとつだ。
サウンドの印象
中心にあるのは、シーケンサーを使った規則的なリズムと、シンセの音色の重なり。打ち込み的な反復が前に出ながらも、音の輪郭は比較的はっきりしていて、機械的になりすぎないところにこの時期らしさがある。録音の雰囲気も、過度に厚塗りせず、電子音の動きがそのまま伝わるタイプの仕上がり。
メロディ面では、クラシック音楽からの影響を含んだ初期Synergyの流れを思わせる部分があり、そこによりロック寄りの推進力が加わる。電子音楽としての実験性と、曲としてのまとまりの両方を意識した作りに聞こえる。
Synergyというプロジェクトの位置づけ
Larry Fast は、Synergy名義での活動を通して、シンセサイザーを前面に出した作品群を展開してきた。初期作では西洋クラシックの影響や編曲的な発想が目立ち、後年になるほどオリジナル曲の比重が高まり、ロック的な要素も増していく。そうした流れの中で『Sequencer』は、シーケンス処理と電子音の構成が作品の核にある時期の記録として捉えやすい。
同時代の電子音楽やシンセ・ポップの文脈で見ると、機材の存在感をそのまま作品の個性に変えている点が印象的。クラウトロック以後のシンセ主導の作品群や、同時期のアメリカ産エレクトロニクスとも並べて語られそうな内容だが、Synergyはあくまで Larry Fast の制作感覚が前面に出るプロジェクトとして独自性を保っている。
関連する背景
Larry Fast は Synergy 名義だけでなく、Nektar、Tony Levin、Annie Haslam らとの関わりでも知られ、Peter Gabriel のバンドでも活動している。そうした周辺の仕事を踏まえると、『Sequencer』にも単なる電子音の提示にとどまらない、演奏感や構成感への意識が見えてくる。
1970年代のシンセサイザー作品の中でも、シーケンスの反復を軸に曲を組み立てる発想がはっきり出た一枚。Synergy の初期像を知るうえで、押さえておきたいタイトル。
トラックリスト
- A1 S-Scape (5:50)
- A2 Chateau (4:16)
- A3 Cybersports (4:39)
- A4 Classical Gas (3:00)
- Paradox (7:00)
- B2 (Sequence) 14 (11:14)