Le Pamplemousse – Le Pamplemousse (1976)
Le Pamplemousse / Le Pamplemousse (1976)
Le Pamplemousseは、Laurin RinderとW. Michael LewisによるUSのユニットで、このアルバムは1976年にリリースされた同名作品。ジャンルはFunk / Soul、スタイルはDiscoに位置づけられる一枚で、70年代半ばのダンスミュージックらしい空気をまとっている。
作品の輪郭
録音はカリフォルニア州ハリウッドのProducer’s Workshopで行われ、AVI Recordsから発表された。フランスのCompagnie Phonographique Francaise Barclayとの共同制作クレジットも記されていて、US発のディスコ作品でありながら、当時の国際的な流通や制作の広がりも感じさせる内容になっている。
クレジット面では、A1、A4、A2、B1、A3、A5、B2、B5、A6、B3、B4と各曲ごとに出版社が細かく割り振られており、制作物としてきっちり管理されたアルバムという印象が強い。1976年という年は、ディスコがクラブやラジオを通じて広がっていく時期でもあり、この作品もその流れの中に置きやすい。
サウンドの印象
実際に聴くと、リズムの押し出しがはっきりしていて、ベースとドラムの反復が曲を前へ進めるタイプの作り。ファンク由来のうねりを残しつつ、ディスコらしい一定の推進力を保っているのが分かりやすい。派手に展開を変えるというより、ダンスフロアでの持続を意識した組み立てが中心で、曲の流れそのものがまとまりを作っている。
70年代ディスコの中でも、オーケストラを前面に出すタイプというよりは、リズム・セクションを軸にしたストレートな感触がある。Salsoul系や、その周辺のファンク/ディスコ作品と並べて聴かれることがあるのも、こうした骨格の近さによるものだろう。
アーティストとしての位置づけ
Le Pamplemousseは、この名義自体がまず1976年のこの作品と結びついて語られることが多い。Laurin RinderとW. Michael Lewisの制作感覚が前面に出たプロジェクトとして、70年代ディスコの一断面を示す存在と見てよさそうだ。
代表曲としては、このアルバムから知られる曲が各種コンピレーションやDJ文脈で扱われることがあるが、作品全体としては1曲だけでなく、アルバム単位でリズムの流れを楽しむ性格が強い。タイトル曲の存在感もあり、アルバムの顔として機能している。
同時代との関係
1976年のUSディスコは、ニューヨークやフィラデルフィアだけでなく、西海岸でも独自の作りが見られた時期。Le Pamplemousseは、その中でファンクの硬さとディスコの反復性をつないだ作品として捉えやすい。派手な歌唱で押すタイプとは少し違い、演奏とグルーヴの組み立てで聴かせるところに特徴がある。
70年代後半のダンスミュージックの入口として、当時のスタジオ制作の質感や、クラブ向けの曲作りをそのまま感じられる一枚。1976年の空気をそのまま閉じ込めたアルバムとして、記録性の高い内容になっている。
トラックリスト
- A1 – Manha De Carnival (3:48)
- A2 – Gimmie What You Got (5:23)
- A3 – Beginning Of The End (3:38)
- A4 – Poinciana (3:20)
- A5 – Gitcha Down (3:24)
- A6 – Soular Street (2:36)
- B1 – El Diablo Dorado (4:21)
- B2 – Love To Michelle (2:33)
- B3 – A Man And A Woman (3:25)
- B4 – Song Of The Jet (Samba Do Aviao) (3:10)
- B5 – After The Carafe (3:13)
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Harris Chalkitis – Marita (1975)
Harris Chalkitis「Marita」
「Marita」は、フランスで1975年にリリースされたHarris Chalkitisの作品。作曲、編曲、歌唱、マルチインストゥルメンタリストとして知られるHarris Chalkitisが、パリのBarclay Studiosで1975年4月から5月にかけて録音した一枚である。ジャズ、ロック、ファンク、ポップ、フォークの要素をまたぐ作風で、ジャズロック、ジャズファンク、プログレッシブ・ロック、ディスコの文脈でも語られる作品になっている。
作品の輪郭
Harris Chalkitisは1945年にカイロで生まれ、幼少期に家族とともにギリシャへ移った人物。作曲家、オーケストレーター、シンガー、マルチインストゥルメンタリストとして活動し、後年はQueen Samanthaのプロデュースでも知られるほか、Demis Roussos、Mireille Mathieu、Dalidaなどの作曲も手がけている。その経歴を踏まえると、「Marita」も単独の歌手作品というより、作編曲の手腕が前面に出るタイプのレコードとして位置づけやすい。
録音はパリのBarclay Studios。℗表記も1975年のBarclayで、フランス盤として同年の空気をそのまま閉じ込めた資料性のあるレコードといえる。ジャズ寄りのリズム感、ロックの推進力、ファンクのうねり、そして当時のポップ/ディスコの感触が並ぶところに、この時代のヨーロッパ制作らしい混ざり方が見える。
サウンドの印象
この作品のポイントは、ジャンルの切り替えがはっきりしていること。ジャズ・ロックやジャズ・ファンクの文脈では演奏の密度が前に出やすく、プログレッシブ・ロックの要素では展開の組み立てが目立つ。そこにディスコ的なビート感や、ポップ、フォーク、ワールド・ミュージックの要素が重なっているため、単一の型に収まらない作りになっている。
実際に聴くと、歌ものとしての輪郭と、編曲の細かい動きの両方が見えやすいタイプの作品になりそうだ。メロディを追いながらも、伴奏のリズムや管弦の配置に耳が向く盤だろう、という印象である。
時代背景とつながり
1975年という年は、ヨーロッパのポップスやフュージョン、ディスコ前夜のサウンドが交差していた時期。フランス制作のレコードとして見ると、シャンソン的な歌心と、当時の国際的なソウル/ファンク感覚の接点にある作品とも捉えやすい。Harris Chalkitisの後年のプロデュースワークや大衆歌謡への関わりを考えても、この時期の仕事は彼の幅広い作曲・編曲感覚を示す一枚といえる。
代表曲やヒット曲として広く知られる定番曲の情報は見当たらないが、制作年、録音場所、参加した音楽的文脈をたどると、70年代フランス盤の中でも作り手の個性が出る作品として見ていける。
盤について
この盤は1975年のフランス盤。ラベルにはMade in Franceの表記があり、当時のBarclay系プレスとして出回ったものだとわかる。プレスリングの仕様も1975年のフランス国内プレスに特徴的なものとされている。
Harris Chalkitisのキャリアを追ううえで、「Marita」は、作曲家・編曲家としての感覚と、当時のフランス録音の空気が重なる一枚として押さえておきたい作品である。
トラックリスト
- A1 – Marita (3:45)
- A2 – Funny She Loves Me (2:18)
- A3 – Right On Moving (2:49)
- A4 – Always On My Mind (2:37)
- A5 – Without You (4:15)
- B1 – Introduction Moog (0:59)
- B2 – Glory Of A Love Song (3:25)
- B3 – Morning Sunshine (2:47)
- B4 – New York City (3:47)
- B5 – With A Smile (2:35)
- B6 – Let Me Go My Way (2:42)
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Intergalactic Touring Band – The Intergalactic Touring Band (1977)
Intergalactic Touring Band「The Intergalactic Touring Band」について
Intergalactic Touring Bandは、実在の固定バンドというより、1977年に登場したSFコンセプト・アルバム名義のプロジェクトだ。UKではCharisma Recordsからリリースされ、タイトルもそのまま「The Intergalactic Touring Band」。電子音響、ロック、ファンク/ソウルをまたぐ内容で、シンフォニック・ロック、ディスコ、プログレッシブ・ロック、ファンク、パロディの要素が並ぶ作品として知られている。
参加メンバーがかなり豪華で、Meat Loaf、Ben E. King、Larry Fast、Percy Jones、Annie Haslam、Rod Argent、Peppi Marchelloなど、ジャンルの違うプレイヤーやシンガーが集まっているのが特徴だ。プロフィール欄にあるMarvin Lee Adayは、Meat Loafの本名として知られる名前。
作品の輪郭
このアルバムは、多世代にわたる宇宙旅行と、人類の宇宙移住を大きな筋として曲がつながっている。いわゆるストーリー仕立ての作品で、各曲が独立しながらも、全体ではひとつのSF世界を形づくる構成になっている。歌詞、イラスト、クレジットを収めた12ページの光沢ブックレットと、ピクチャー入りインナー・バッグが付属する仕様も、作品のコンセプトを補強する要素になっている。
同時代の空気とのつながり
1977年という時期を考えると、ロックの中でもプログレッシブ・ロックの語法や、シンフォニックな展開、ディスコ寄りの感触、ファンクのリズム感が同居していた時代の空気がある。特定のバンドの継続作というより、複数の名手を集めて大型企画として組み上げたアルバムで、当時のコンセプト・アルバム文化やスタジオ主導の制作とも重なる位置づけと言えそうだ。
Meat LoafやAnnie Haslam、Ben E. Kingといった歌い手が同じ枠に並ぶこと自体が、この作品の性格をよく表している。ロック、ポップ、ソウル、プログレの境界をまたぐキャスティングで、ジャンルの分かれ目を使い分ける作りになっている点が見どころだ。
聴きどころとして見える点
実際に聴くと、参加者ごとの声質や演奏の輪郭がはっきりしていて、曲ごとの表情が変わるタイプのアルバムとして受け取れそうだ。ひとつのバンドが一貫した音を鳴らすというより、楽曲ごとに色を変えながらも、宇宙旅行というテーマでまとめる構造が中心にある。派手な歌唱や分厚いアレンジ、リズムの跳ね方など、個々の要素が前に出る場面が想像しやすい内容だ。
代表曲について
この作品は、一般的な意味で広く知られたヒット曲を持つアルバムというより、アルバム全体のコンセプトと参加メンバーの顔ぶれで語られることが多い。曲単位での単独ヒットよりも、企画盤としてのまとまりや、SF的な物語性が印象に残るタイプの1枚だ。
まとめ
「The Intergalactic Touring Band」は、1977年のUKリリースらしい、企画性の強いコンセプト・アルバム。ロック、電子音楽、ファンク/ソウルの要素を、宇宙開拓というテーマで束ねた作品で、参加ミュージシャンの顔ぶれも含めて、当時の野心的なスタジオ作品の一例として見えてくる。バンド作品というより、ひとつの物語を多人数で演じるアルバムとして受け取ると輪郭がつかみやすい。
トラックリスト
- A1 – Approach (Overture) (2:41)
- A2 – Silver Lady (4:25)
- A3 – Universal Zoo / Why? (4:55)
- A4 – Starship Jingle (3:25)
- A5 – Heartbreaker (3:59)
- A6 – Reaching Out (4:08)
- B1 – First Landing (3:18)
- B2 – Space Commando (4:03)
- B3 – Robot Salesman (4:43)
- B4 – Love Station (2:54)
- B5 – A Planet Called Monday / Epilogue (4:34)
- B6 – Keeper Keep Us (3:46)
関連動画
- Intergalactic Touring Band – Approach (Overture)
- Intergalactic Touring Band – Universal Zoo
- Building a Starship!
- Intergalactic Touring Band – Reaching Out (1977)
- First Landing – Exclusivo ProgVacas – Intergalactic Touring Band
- Intergalactic Touring Band: Space Commando
- Intergalactic Touring Band – Robot Salesman
- Intergalactic Touring Band Love Station 1977
- Meat Loaf | Keeper Keep Us [VERY RARE] 1977
The Average Disco Band – Stranded In A Latin Disco (1978)
The Average Disco Band「Stranded In A Latin Disco」
1978年にUSでリリースされた、The Average Disco Bandのアルバム「Stranded In A Latin Disco」。タイトルの通り、ディスコを軸にしながら、LatinとFunk / Soulの要素を取り込んだ1枚で、70年代後半らしいフロア志向の空気がはっきり出ている作品だ。
作品の輪郭
この時期のディスコ作品らしく、リズムの推進力が前に出るタイプの内容で、踊るための音楽としてのまとまりがある。ラテン系のパーカッシブな感触と、ファンク由来のベースやビート感が重なっていて、ディスコの定型に少しだけ別の色を足した作りに見える。
US制作、USリリースという点も含めて、当時のアメリカのディスコ・シーンの中に置いて聴くと分かりやすい。ジャズ・ファンクやソウル寄りのディスコ、あるいはラテン色のあるダンス・ミュージックと近い距離感がある。
聴きどころ
実際に聴くと、派手な展開で押すというより、ビートと反復で引っ張る感触が印象に残る。曲の構成も、ダンスフロアでの流れを意識した作りに感じられる場面が多い。ラテン・パーカッションの入り方や、ファンク寄りの演奏があることで、単純な四つ打ちのディスコとは少し違う手触りになっている。
この時代のディスコ作品をよく聴く人なら、ラテン・ディスコやファンク・ディスコの文脈で自然に入ってくるタイプの内容だろう。華やかさだけでなく、リズムの細かい動きが耳に残る作り。
同時代との関係
1978年という年は、ディスコが大きく広がっていた時期で、ラテン要素やソウル、ファンクを混ぜた作品も数多く出ていた。「Stranded In A Latin Disco」も、その流れの中で理解しやすい。ラテン・ディスコやソウル寄りのダンス・サウンドを聴いている人には、当時の空気が伝わりやすいタイトルだ。
The Average Disco Bandという名義自体も、作品の中身に合わせてかなり機能的で、バンドの個性を前面に出すというより、ディスコという形式に寄せた設計が見える。
まとめ
「Stranded In A Latin Disco」は、1978年のディスコ・シーンにある、LatinとFunk / Soulの要素を備えたUS盤。ラテンのパーカッション感、ファンク由来のグルーヴ、ディスコの反復感が同居する1枚として、当時のダンス音楽の広がりを感じさせる作品だ。
トラックリスト
- A1 – Tico Tico (4:40)
- A2 – Feelings (5:22)
- A3 – Love Is The Answer (4:40)
- A4 – Another Star (5:34)
- B1 – Grease (5:58)
- B2 – Hey Girl, Come And Get It (5:22)
- B3 – Copacabana (At The Copa) (5:58)
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Chic – Take It Off (1981)
Chic『Take It Off』について
Chicの『Take It Off』は、1981年にリリースされた作品。Nile RodgersとBernard Edwardsを中心に1977年に結成されたChicは、ディスコ期を代表するグループのひとつとして知られていて、この時期のファンク/ソウルの流れの中でも、演奏の精度とリズムの組み立てで存在感を示している。
グループ名を追うと、Chicはギター、ベース、ドラムの土台がはっきりしたバンドで、そこにボーカルとホーン、キーボードが重なっていく構成。Nile Rodgersのカッティング・ギターとBernard Edwardsのベースが軸にある点は、この作品でも作品全体の骨格として意識しやすいところだ。
1981年のChicという位置づけ
1981年のChicは、ディスコの文脈を引き継ぎつつ、よりファンク寄りの手触りを持った時期として捉えやすい。『Take It Off』もその流れの中にある作品で、ダンス・ミュージックとしての機能性と、バンド演奏の輪郭が前に出るタイプの1枚。ディスコの華やかさだけでなく、リズムセクションの細かい動きや、声の掛け合いの配置に耳が向く内容だ。
同時代のファンク/ダンス・ミュージックと比べると、Chicは派手な装飾よりも、演奏の組み合わせで曲を組み上げていく印象が強い。そうした作りは、後のダンス・ミュージックやR&Bにもつながる流れとして語られることが多い。
サウンドの聴きどころ
この作品でまず目立つのは、ギターとベースの噛み合い方。Nile Rodgersの細かいストロークと、Bernard Edwardsの動くベースラインが、リズムを前へ押していく。そこにドラム、キーボード、ホーンが加わり、曲の中でグルーヴの密度が上がっていく作りだ。
ボーカル面では、リードとコーラスの受け渡しが重要な要素。Chicらしいアンサンブル感があり、ひとりの歌を前面に出すというより、バンド全体でフレーズを積み重ねていく感触がある。
Chicの代表曲とのつながり
Chicといえば『Le Freak』『Good Times』が代表曲としてよく挙がるが、『Take It Off』もその延長線上で、バンドの基本形がよく見える時期の作品として捉えられる。ヒット曲中心のイメージとは少し違い、バンドの演奏とアレンジの組み立てに目が向くところがある。
まとめ
『Take It Off』は、1981年のChicが持っていたファンク/ディスコの手触りを、そのままパッケージしたような作品。Nile RodgersとBernard Edwardsを核にした演奏の強さ、ホーンやコーラスを含めたバンド・アンサンブル、そしてダンス・ミュージックとしての推進力がまとまっている1枚だ。
トラックリスト
- A1 – Stage Fright (3:55)
- A2 – Burn Hard (5:12)
- A3 – So Fine (4:10)
- A4 – Flash Back (4:28)
- A5 – Telling Lies (2:28)
- B1 – Your Love Is Cancelled (4:12)
- B2 – Would You Be My Baby (3:34)
- B3 – Take It Off (5:12)
- B4 – Just Out Of Reach (3:45)
- B5 – Baby Doll (3:10)
関連動画
- Take It Off
- So Fine
- Stage Fright
- Burn Hard
- Telling Lies
- Chic – Take It Off (1981) – A4 – Flash Back
- Chic – Take It Off (1981) – B1 – Your Love Is Cancelled
- Chic – Take It Off (1981) – B4 – Just Out Of Reach
- Chic – Take It Off (1981) – B2 – Would You Be My Baby
- Chic – Take It Off (1981) – B5 – Baby Doll
Space – The Best of Space (2018)
Space『The Best of Space』
『The Best of Space』は、Spaceの代表曲をまとめた2018年作のベスト盤だ。Spaceはフランスのグループで、Didier Marouani(Ecama名義でも知られる)とRoland Romanelliを中心に結成されたユニットとして知られている。1977年のUKディスコ・ヒット「Magic Fly」で広く注目を集め、その後も「Just Blue」や「Tango In Space」、「Carry On, Turn Me On」など、電子音を前面に出したディスコ作品を残してきた。
作品の位置づけ
この『The Best of Space』は、そうした活動を振り返る内容のコンピレーションとして捉えやすい。Spaceの音楽は、ディスコのビート感にシンセサイザーのフレーズを重ねた作りが特徴で、当時のダンス・ミュージックの流れの中でも、少し機械的で、少し宇宙的な方向へ寄っている印象がある。
オリジナルの活動期を追って聴くと、「Magic Fly」のような代表曲だけでなく、「Just Blue」収録曲のようなインストゥルメンタル中心の楽曲にもグループの輪郭が見えやすい。ベスト盤としては、その流れを短い時間でたどれる構成といえる。
サウンドの印象
Spaceの音は、電子楽器のラインが前に出る一方で、ディスコらしい一定のグルーヴも保っているのがポイントだ。Madeline BellやCissy Stoneのような歌手の参加歴もあり、曲によっては声の存在感が加わる場面もある。とはいえ、全体の軸はやはりリズムとシンセの反復にある。
同時代のディスコと比べると、よりヨーロッパ産の電子音楽寄りの感触が強い。派手な歌モノのディスコというより、Kraftwerk以降の電子音楽の流れや、70年代後半のクラブ向けインストゥルメンタルの空気と接点があるタイプだ。そこにSpace独自のメロディ感が乗る、という見方がしやすい。
代表曲について
やはり外せないのは「Magic Fly」だ。Spaceの名前を決定づけた曲として知られていて、この曲のイメージがそのままグループ像につながっている。ベスト盤の中でも中心になる存在で、Spaceを初めて聴くときの入口としても機能しやすい。
そのほか、「Just Blue」や「Tango In Space」のような曲名からも分かる通り、宇宙や未来感のあるテーマが一貫している。音だけでなく、タイトルや曲の設計にもグループの方向性がはっきり出ている。
まとめ
『The Best of Space』は、Spaceのディスコ/エレクトロニック路線を代表曲中心に追える2018年のベスト盤だ。1977年の「Magic Fly」を軸に、当時のヨーロッパ・ディスコの中でこのグループがどんな立ち位置にいたのかをつかみやすい内容になっている。電子音の質感とディスコの推進力、その組み合わせがこの作品の核だ。
- アーティスト: Space
- タイトル: The Best of Space
- リリース年: 2018年
- ジャンル: Electronic
- スタイル: Disco
- 代表曲: 「Magic Fly」
トラックリスト
- A1 – Magic Fly
- A2 – Tango In Space
- A3 – Flying Nightmare
- A4 – Running In The City
- B1 – Carry On, Turn Me On
- B2 – Air Force
- B3 – Fasten Seat Belt
- C1 – Deliverance
- C2 – Save Your Love For Me
- C3 – Symphony
- D1 – Just Blue
- D2 – Deeper Zone
- D3 – Ballad For Space Lovers
- D4 – Velvet Rape
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Milton Wright – Spaced (1977)
Milton Wright「Spaced」について
Milton Wrightの「Spaced」は、1977年にUSでリリースされたソウル作品で、Funk / Soulを軸に、Soul、Funk、Discoの要素が重なるアルバムです。1970年代のソウル・シーンの空気をまといながら、歌ものとしての輪郭と、ダンス・ミュージック寄りの推進力が同居している一枚です。
アーティストの背景
Milton Wrightは、1970年代のフロリダ州マイアミのソウル・シーンで活動したソウル・シンガー/ソングライター/プロデューサーです。Wright家の音楽家としても知られ、Betty Wright、Phillip Wright、Charles A. Wright、Jeanette Wrightの兄弟にあたります。ソウル・ファミリーの文脈で語られることの多い人物です。
作品の位置づけ
「Spaced」は、Milton Wrightの1977年時点の作品として見たとき、ソウル、ファンク、ディスコが近い距離にあった時代の空気を反映した内容です。R&Bの流れの中で、リズムの前に出方やベースの動き、細かなグルーヴが重要になっていく時期の作品として捉えられます。
サウンドの特徴
音の質感は、70年代ソウルらしい実演感のある作りが中心です。リズムははっきりしていて、ファンク寄りのうねりと、ディスコにつながる一定のビート感が重なります。ボーカルはソウル・シンガーらしく前面に出ていて、曲ごとの温度差を支える役割を担っています。
- ソウルの歌心
- ファンクのリズム感
- ディスコ期らしい推進力
同時代の文脈
1977年は、ソウルがファンクやディスコと近い場所で展開していた時期です。Milton Wrightのような作品は、同時代のソウル作品の中でも、マイアミ産のR&Bや、よりビートを意識した作品群と並べて語られることがありそうです。Betty Wrightの周辺で知られる音楽性とも、家族的なつながりの中で見ると理解しやすい一枚です。
代表曲について
「Spaced」はアルバム全体として語られることが多い作品で、特定の大ヒット曲を中心にしたタイプというより、作品単位でのまとまりが印象に残る内容です。タイトル曲を含め、70年代ソウルの流れの中で聴かれることのあるアルバムです。
ひとこと
Milton Wrightの「Spaced」は、1977年という年のソウル/ファンク/ディスコの接点を、そのまま切り取ったような作品です。マイアミのソウル・シーン、Wright家の音楽的背景、そして70年代後半のグルーヴ感が重なるアルバムとして見えてきます。
トラックリスト
- A1 She Can Have Anything She Wants
- A2 Dance Have Fun
- A3 Magic Music
- A4 All I Know Is That I Have You
- A5 Let’s Take A Break
- B1 You Like To Dance
- B2 You Don’t Even Know Me
- B3 Leave Me Alone
- B4 Be With Me
- B5 Job
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Kokomo – Rise And Shine! (1975)
Kokomo『Rise And Shine!』について
Kokomoの『Rise And Shine!』は、1975年にアメリカでリリースされたアルバム。ジャンルはFunk / Soul、スタイルはSoulとDiscoに位置づけられる作品で、バンドの持つソウル・ミュージック志向が前面に出た一枚だ。
Kokomoは1973年に結成されたバンドで、イギリスの複数のグループの残党から成った編成として知られる。ボーカルのDyan Birch、Paddie McHugh、Frank CollinsはArrival出身で、Neil HubbardやAlan SpennerはJoe CockerのGrease Bandでの活動歴を持つ。こうした経歴のメンバーが集まっているため、演奏とコーラスのまとまりに強みがあるグループとして捉えやすい。
サウンドの印象
この作品は、ソウル・コーラスの厚みと、ディスコ寄りのリズム感が組み合わさった内容として受け取れる。ファンク由来のうねりを残しつつ、歌を中心に据えたバランスで、演奏陣の手堅さがそのまま音像に出ているタイプのアルバムだ。
メンバーにはMel Collins、Frank Collins、Neil Hubbard、Alan Spenner、Terry Stannard、Jim Mullen、Dyan Birch、Paddie McHugh、Tony O’Malley、John Sussewellが並ぶ。管楽器やリズム隊、鍵盤、コーラスが揃った編成で、いわゆるバンド・サウンドとしての厚みが出やすい構成である。
作品の位置づけ
『Rise And Shine!』は、Kokomoにとって1975年時点の代表的な作品のひとつとして見られるアルバム。ソウル、ディスコ、ファンクの要素を持つ1970年代中盤の空気を反映した内容で、同時代の英国発ソウル・バンドや、洗練されたコーラス・グループの流れと並べて語られることがありそうだ。
バンドはその後1977年にいったん活動の区切りを迎えるが、このアルバムは最初期の活動期を示す記録として位置づけられる。
同時代の文脈
1970年代半ばのソウル/ディスコ周辺では、歌の重なりやリズムの推進力を軸にしたバンドが多く登場していた。Kokomoもその流れの中で、アメリカのソウル感覚と英国の演奏家たちの職人的なバックグラウンドが交差する存在として捉えられる。コーラスの美しさとバンド演奏の両立が、この時代らしいポイントだ。
基本情報
- アーティスト: Kokomo
- タイトル: Rise And Shine!
- リリース年: 1975年
- 国: US
- ジャンル: Funk / Soul
- スタイル: Soul, Disco
Kokomoの1975年作『Rise And Shine!』は、ソウルを軸にしながらディスコの感触も取り込んだ、1970年代中盤らしいバンド作品として整理できる一枚だ。
トラックリスト
- A1 Use Your Imagination (5:18)
- A2 Little Girl (3:46)
- A3 That’s Enough (4:51)
- A4 Rise And Shine (5:18)
- B1 Without Me (3:46)
- B2 Do It Right (2:59)
- B3 Angle Love (4:18)
- B4 Happy Birthday (3:20)
- B5 Feelin’ Good (4:52)
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Lipps, Inc. – Pucker Up (1980)
Lipps, Inc. / Pucker Up
Minneapolis出身のファンク/ディスコ・バンド、Lipps, Inc.が1980年に発表した作品。シンシア・ジョンソンのリード・ボーカルとサックスを軸に、スティーヴン・グリーンバーグが多くの楽曲を作曲・プロデュースしていたグループで、この時期のディスコ・サウンドを代表する流れの中にある1枚。
作品の位置づけ
Lipps, Inc.は、1979年のデビュー・シングル「Rock It」、そしてデビュー・アルバム『Mouth to Mouth』で活動を開始している。その後の「Funkytown」が世界的な大ヒットとなり、グループ名を広く知らしめた。『Pucker Up』は、その初期の勢いの中で出た1980年の作品で、バンドの初期像をつかむうえで重要な位置にある。
サウンドの印象
ジャンル表記はElectronic、Funk / Soul、スタイルはDisco。リズム・セクションを前に出したダンス志向の作りで、ベースのうねりとストレートな4つ打ち、シンセのフレーズが楽曲を引っ張るタイプの音作りが中心。シンシア・ジョンソンの歌声とサックスが入ることで、機械的になりすぎず、ファンク寄りの質感も残している。
同時代とのつながり
1979年から1980年にかけてのディスコ終盤の空気を感じる内容で、ダンス・フロア向けの明快さと、ファンク由来のグルーヴが同居している。Lipps, Inc.はミネアポリスのバンドとしても知られ、のちの同地のファンク/ポップ勢を思わせる、タイトな演奏と都会的なビート感が特徴的な流れにある。
代表曲について
このグループを語るうえで外せないのが「Funkytown」。全米Billboard Hot 100とダンス・チャートの両方で1位を記録し、世界各国でも大きなヒットになった。『Pucker Up』も、その代表曲で知られるバンドの初期作品として聴かれている。
リリース情報
- アーティスト: Lipps, Inc.
- タイトル: Pucker Up
- オリジナル・リリース年: 1980年
- リリース国: Japan
- ジャンル: Electronic, Funk / Soul
- スタイル: Disco
ディスコの終盤にあたる時期の、Lipps, Inc.らしいダンス指向の一作。グループの核にあるシンシア・ジョンソンのボーカルと、スティーヴン・グリーンバーグの制作面が見えやすい内容になっている。
トラックリスト
- A1 How Long
- A2 Tight Pair
- B3 Always Lookin’
- B4 The Gossip Song
- B5 There They Are
- B6 Jazzy
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The S.O.S. Band – S.O.S. (1980)
The S.O.S. Band『S.O.S.』について
The S.O.S. Bandの『S.O.S.』は、1980年にUSでリリースされたデビュー作。アメリカのR&B/エレクトロ・ファンク・バンドとして知られる彼らの初期像が、そのまままとまった一枚だ。ジャンル表記はFunk / Soul、スタイルはSoulとDisco。70年代末から80年代初頭のダンス・ミュージックの流れの中にある作品として捉えやすい。
バンドの成り立ちと本作の位置づけ
バンドはもともと「Santa Monica」という名前で活動していたが、1979年の「Take Your Time (Do It Right)」の録音中に、Sigidi Bashir Abdullahによって「The S.O.S. Band」へ改名された。S.O.S.は当初「sounds of success」の意味を持っていたという。『S.O.S.』は、そのバンド名を冠した初期作品であり、グループの基本的な方向性を示すタイトルでもある。
メンバーにはPenny Ford、Jason Bryant、Mary Davis、Bruno Speight、Billy Ellis、John Alexander Simpson、Willie Killebrew、James Earl Jones III、Fredi Grace、Jerome Thomas、Abdul Ra’oof、Chandra Currellyらがクレジットされている。USのR&Bバンドらしく、歌とリズムが前に出る編成だ。
サウンドの印象
この時期のThe S.O.S. Bandは、ソウルの歌心とディスコ以後のダンス感覚をつなぐ立ち位置にある。ファンク寄りのリズム、輪郭のはっきりしたビート、そしてR&Bらしいヴォーカルの組み合わせが軸になっている。派手に装飾するというより、グルーヴを保ちながら曲を進めるタイプの質感だ。
同時代の文脈で見ると、Chic周辺のディスコ以後の流れや、Earth, Wind & Fire、Zapp、Kool & the GangといったR&B/ファンク系アクトの空気感とも近いところがある。ソウルの延長線上にありながら、80年代的なリズムの硬さへ少し寄っていく、その境目の雰囲気がある。
代表曲について
The S.O.S. Bandを語るうえでは、「Take Your Time (Do It Right)」がよく知られている。バンド名の由来とも関わる曲で、彼らの初期を代表するナンバーとして扱われることが多い。『S.O.S.』は、その流れの中でバンドの輪郭を確認できる作品として位置づけやすい。
まとめ
『S.O.S.』は、The S.O.S. Bandの出発点にある1980年作。USのR&B/エレクトロ・ファンク・バンドらしい、ソウルとディスコの接点を持った内容で、初期のグループ像をつかむには分かりやすい一枚だ。バンド名の由来や代表曲の流れも含めて見ると、80年代R&Bの入り口にある作品として整理しやすい。
トラックリスト
- A1 S.O.S. (Dit Dit Dit Dat Dat Dat Dit Dit Dit) (5:43)
- A2 What’s Wrong With Our Love Affair? (4:51)
- A3 Open Letter (4:29)
- A4 Love Won’t Wait For Love (5:11)
- B1 Take Your Time (Do It Right) (7:30)
- B2 I’m In Love (3:36)
- B3 Take Love Where You Find It (5:55)
- B4 S.O.S. (Reprise) (1:50)
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Space – Just Blue (1978)
Space「Just Blue」
フランスのグループ、Spaceによる1978年作「Just Blue」。ディディエ・マルワニ(Didier Marouani、Ecama名義でも知られる)とローラン・ロマネッリ(Roland Romanelli)を軸にしたユニットで、1977年のUKディスコ・ヒット「Magic Fly」で知られる存在だ。本作もその流れにある、エレクトロニックとディスコの接点にある作品になっている。
作品の輪郭
収録曲には「My Love Is Music」「Final Signal」「Symphony」などが並ぶ。加えて、12インチ版では「Tango In Space」や「Carry On, Turn Me On」といった曲も知られている。シンセサイザーの音色を前に出した作りで、ビートは4つ打ち寄りの推進力があり、リズム隊はディスコの骨格を保ちながら、全体は電子音で組み上げられている印象だ。
メロディの運びは明快で、弦やコーラスのような役割をシンセが担う場面も目立つ。ダンス・ミュージックとしての機能と、演奏音源としての構成の両方が見えやすい一枚。
Spaceの中での位置づけ
Spaceは「Magic Fly」のヒットで広く知られたあと、よりアンダーグラウンド寄りのディスコ作品も展開していく。その中で「Just Blue」は、バンド名義の作品群のなかでも、青いヴィニール盤として知られるタイトルのひとつ。初期の代表曲とは少し違う角度から、グループの電子音志向を示す内容になっている。
同時代との関わり
1970年代後半のディスコ/エレクトロニックの文脈では、シンセサイザーを前面に出した作品が増えていく時期だった。Spaceもその流れのなかで、一般的なディスコよりも機械的な質感を強めたサウンドを提示している。フレンチ・ディスコの系譜として見られることも多く、同時代の電子音楽とダンス・ミュージックの接点を感じさせる内容だ。
クレジット
- アーティスト: Space
- タイトル: Just Blue
- オリジナル・リリース年: 1978年
- 盤のリリース年: 1979年
- ジャンル: Electronic
- スタイル: Disco
参加メンバーには Madeline Bell、Didier Marouani、Roland Romanelli、Jannick Top、Patrice Tison、Joe Hammer、Roy Robinson、Janny Loseth、Cissy Stone らの名前が並ぶ。Spaceの電子ディスコ路線を確認できる一作として、1980年代直前の空気をよく映している。
トラックリスト
- A1 Just Blue (4:40)
- A2 Final Signal (4:25)
- A3 Secret Dreams (4:27)
- A4 Symphony (4:50)
- B1 Save Your Love For Me (5:40)
- B2 Blue Tears (5:42)
- B3 My Love Is Music (6:43)
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Barry White – Playing Your Game, Baby / I Wouldn’t Change A Thing (2003)
Barry White「Playing Your Game, Baby / I Wouldn’t Change A Thing」について
Barry Whiteによる「Playing Your Game, Baby / I Wouldn’t Change A Thing」は、2003年にUSでリリースされた作品。ジャンルはFunk / Soul、スタイルはSoulとDiscoに位置づけられる内容です。Barry Whiteらしい低く深い歌声と、厚みのあるグルーヴを軸にした作品として捉えやすい1枚です。
作品の輪郭
Barry Whiteは、ソロ・シンガーとして知られる一方で、作曲、編曲、プロデュースでも存在感を示したアメリカのミュージシャン。Love UnlimitedやLove Unlimited Orchestraを率いた経歴もあり、歌とオーケストラ的なアレンジを組み合わせた作風で知られます。この作品も、その流れの中にあるタイトルとして見てよさそうです。
収録曲の「Playing Your Game, Baby」は、Barry Whiteの代表的なソウル・ナンバーとして語られることのある曲。リズムは前に出すぎず、ベースとドラムが一定の推進力を保ちながら進むタイプで、そこにストリングスやホーンが重なっていく構成がBarry Whiteらしいところです。「I Wouldn’t Change A Thing」も同じく、重心の低いリズムと滑らかな歌唱が印象に残る流れです。
サウンドの特徴
全体としては、ファンキーさを土台にしつつ、ディスコ期の整ったビート感も感じさせる仕上がり。派手に押し切るというより、一定のテンポを保ちながら、音の層で聴かせるタイプのサウンドです。Barry Whiteの声が前面に出ることで、曲全体に落ち着いた重みが生まれている印象です。
同時代のソウルやディスコの中でも、Barry Whiteは大編成のアレンジと低音のボーカルで独自の位置を築いた存在。Isaac HayesやCurtis Mayfieldのように、ソウルを映画的、あるいはオーケストラ的に広げていったアーティストたちと並べて語られることもありそうです。
Barry Whiteというアーティストの位置づけ
Barry Whiteは1960年代から活動を重ね、1970年代に大きな成功を収めた人物。自身の歌唱だけでなく、他アーティストのマネジメントや制作面でも実績を残してきました。この作品は、そうしたキャリアの中で積み上げられたBarry Whiteの持ち味、つまり歌声、リズム、アレンジの三つがまとまった一例として見られるはずです。
2003年という年は、Barry Whiteの晩年にあたる時期でもあります。作品としては、長く続いてきたソウル・シンガーとしての歩みを改めて感じさせるタイトルです。
トラックリスト
- A Playing Your Game, Baby (12″ Instrumental) (4:07)
- B I Wouldn’t Change A Thing (12″ Edit) (5:00)
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YĪN YĪN – The Age Of Aquarius (2022)
YĪN YĪN『The Age Of Aquarius』について
オランダ・マーストリヒト出身のYĪN YĪNによる『The Age Of Aquarius』は、2022年に登場した作品。ディスコ、ファンク、サイケデリック、さらに東南アジア音楽の要素を横断しながら、独自のグルーヴを深めていく内容になっている。
編成は、Erik Bandtがギター、Kees Berkersがドラム、Jerome Scherenがキーボード、Remy Scherenがベース。4人編成ならではのまとまりのある演奏が軸で、リズムの推進力と音の重なりが前に出るタイプのサウンド。ロック、ファンク/ソウル、フォーク/ワールド系の要素が交差し、スタイル面ではファンク、サーフ、サイケデリック、ディスコの感触が見えてくる。
サウンドの印象
この作品では、跳ねるようなビート、低音の粘り、ギターやキーボードの反復が組み合わさり、曲ごとにリズムの輪郭がはっきりしている。西海岸サイケデリアを思わせる流れと、東南アジア的な音の色合いが同居しているのがYĪN YĪNらしいところ。ディスコやファンクの身体性を保ちながら、電子的な試みも差し込まれている。
バンドの位置づけ
YĪN YĪNは2019年にシーンへ登場し、Reeperbahn Festivalでは「ヨーロッパでも特に刺激的なアクトのひとつ」と評された経歴を持つ。『The Age Of Aquarius』は、そうした評価の流れの中で、バンドの持ち味であるジャンル横断の組み合わせをさらに押し広げた一枚として位置づけられる。
プロフィールでも触れられているように、彼らはディスコ、ファンク、サイケデリア、東南アジア音楽を独自に接続してきたグループで、この作品でもその方向性が継続している。グルーヴを中心に据えつつ、音色やリズムの組み立てで聴かせる内容。
文脈と近い空気
ジャンルの並びだけ見ても、ロックの枠に収まりきらない作品。ファンクの反復、サーフ系の軽快さ、サイケデリックな展開、ディスコの推進力が混ざり合うあたりは、同時代のインスト寄りサイケ・ファンクやワールド要素を含むバンド群とも通じる部分がある。
ただし、YĪN YĪNの場合は、単に引用を並べるというより、リズムの流れを保ったまま音の質感を変えていくところに特徴がある。そこがこの作品の核になっている印象。
関連情報
- アーティスト: YĪN YĪN
- タイトル: The Age Of Aquarius
- オリジナルリリース年: 2022年
- リリース国: Europe
- 国: Holland
- メンバー: Kees Berkers、Remy Scheren
なお、作品情報の中では特定の代表曲やヒット曲は示されていない。アルバム全体でグルーヴを積み上げていくタイプの一作として捉えやすい。
トラックリスト
- A1 Satya Yuga
- A2 Chong Wang
- A3 Shēnzhou V.
- A4 Faiyadansu
- B1 Declined By Universe
- B2 Nautilus
- B3 The Age Of Aquarius
- B4 Kali Yuga
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Alton McClain & Destiny – More Of You (1980)
Alton McClain & Destiny / More Of You (1980)
Alton McClain & Destinyは、1978年に結成されたアメリカの女性ソウル/ディスコ・トリオ。
Robyrda Stiger、D’Marie Warren、Alton McClainの3人による編成で、1979年から1981年にかけてアルバムを発表している。
その中で本作More Of Youは1980年の作品で、グループのディスコ期を捉えた一枚として位置づけられる。
作品の輪郭
ジャンルはFunk / Soul、スタイルはDiscoとSoul。
ファンク寄りのリズム感と、ソウルの歌い回しが軸にある内容で、当時のディスコ作品らしいビートの明快さが見えやすい。
一方で、ただ踊るためだけの作りというより、女性コーラスを含む歌のまとまりが作品全体を支えている印象。
サウンドの印象
打ち込みよりもバンド感のあるグルーヴ、ベースの動き、きっちりしたリズムの立ち上がりが耳に入りやすいタイプ。
録音の空気感も、70年代末から80年代初頭のソウル/ディスコ作品に見られる、音の輪郭がはっきりした質感に近い。
華やかさと落ち着きの両方を持つ、当時のUSソウル・ディスコの流れの中に置きやすい仕上がり。
アーティストの文脈
Alton McClain & Destinyは、最大のヒットとして「It Must Be Love」で知られている。
そのため、本作もグループの代表的な時期を追ううえで見逃しにくいタイトルのひとつ。
1979年から1981年という短い活動期間の中で出されたアルバム群の一角であり、グループの持ち味がまとまっている時期の記録として見ることができる。
同時代とのつながり
同時代のUSディスコ/ソウルと並べると、女性ボーカル・グループならではの歌の重なりや、ファンク由来のリズム感が目立つタイプ。
同じくソウルとディスコのあいだを行き来した作品群の中で、時代の空気をよく反映した一枚として扱えそうだ。
- アーティスト: Alton McClain & Destiny
- タイトル: More Of You
- リリース年: 1980年
- 国: US
- ジャンル: Funk / Soul
- スタイル: Disco, Soul
トラックリスト
- A1 Love Waves (5:04)
- A2 I Don’t Want To Be With Nobody Else (6:00)
- A3 Hang On In There Baby (3:58)
- A4 More Of You (4:57)
- B1 Thank Heaven For You (4:56)
- B2 Stares And Whispers (4:03)
- B3 99 1/2 (5:10)
- B4 You Bring To Me My Morning Light (4:06)
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Dexter Wansel – Life On Mars (1976)
Dexter Wansel「Life On Mars」について
Dexter Wanselの「Life On Mars」は、1976年にリリースされたソロ作品で、フィラデルフィア出身のキーボード奏者、作曲家、アレンジャー、プロデューサーとしての持ち味がよく出た1枚である。ジャズ、ファンク、ソウル、R&Bを横断する音作りで知られるWanselらしく、ここでも鍵盤を軸にした演奏と、当時のフィリー・ソウル周辺の洗練された空気がまとまっている。
サウンドの印象
収録曲は、ジャズ・ファンクやフュージョン、ディスコの要素を含みつつ、リズムの輪郭がはっきりした作りが印象的である。ベースとドラムが前に出る場面でも、上もののシンセやコードワークが細かく動き、音の層が厚い。録音全体も、70年代のソウル作品らしい整った質感で、派手さよりも編曲の流れが聴きどころになっている。
Dexter Wanselにおける位置づけ
Wanselは、Philadelphia International Recordsのサウンド形成に深く関わった人物としても知られている。「Life On Mars」は、その活動と並行して展開されたソロ作のひとつで、作曲家・アレンジャーとしての手腕が前面に出た作品といえる。のちの「Voyager」や「Time Is Slipping Away」と並べて語られることも多く、70年代モダン・ソウルの流れの中で見ても重要なタイトルである。
同時代とのつながり
この時期のフィラデルフィア周辺では、洗練されたストリングス・アレンジや滑らかなグルーヴを持つソウル作品が多く生まれていた。Dexter Wanselの音楽もその文脈にありつつ、シンセサイザーの使い方やジャズ寄りのコード感によって、より機械的な質感と都会的な空気を加えている。ジャズ・ファンク、フュージョン、ソウルの境目を行き来する感触で、同時代のプロデュース作品とも自然に接続する内容である。
作品まわりのエピソード
この作品のLPジャケットには、Rudolph de Harakによる“The Light Tunnel”が背景として使われている。もともと1971年に制作されたこの光のトンネルは、ニューヨークの127 John Streetにあったもので、後に解体された。写真映えする場所として知られ、ミュージシャンのプロモーション写真にも使われたという記録が残っている。視覚面でも、作品の時代感を伝える要素になっている。
2013年盤について
ここで扱うのは2013年にリリースされた盤で、オリジナルの1976年作としての「Life On Mars」である。70年代の空気をそのまま伝えるタイトルとして、Dexter Wanselの代表作のひとつに数えられている。
トラックリスト
- A1 A Prophet Named K.G. (4:20)
- A2 Life On Mars (5:50)
- A3 Together Once Again (4:23)
- A4 Stargazer (3:20)
- B1 One Million Miles From The Ground (5:00)
- B2 You Can Be What You Wanna Be (5:04)
- B3 Theme From The Planets (4:53)
- B4 Rings Of Saturn (3:43)
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Easy Going – Fear (1979)
Easy Going『Fear』について
Easy Goingは、イタリアのディスコ・バンドで、ローマのゲイ・クラブに由来する名前を持つグループだ。1978年のヒット「Baby I Love You」で知られ、その流れの中で1979年に発表されたのが『Fear』である。イタリア国内で生まれたディスコ/初期イタロ・ディスコの空気を、そのまま作品として切り取ったような位置づけのアルバムといえる。
作品の位置づけ
『Fear』は、Easy Goingにとって2作目のアルバムにあたる。前年の「Baby I Love You」で注目を集めたあとに出された作品で、グループのディスコ路線をそのまま引き継ぐ内容になっている。のちの『Casanova』(1980)へつながる、1979年時点のEasy Goingを示す一枚。
サウンドの印象
ジャンル表記はElectronic、Funk / Soul、スタイルはItalo-Disco、Disco。リズムは四つ打ちを軸にしたダンス向けの設計で、ベースの動きや反復するビートが前に出るタイプの音像が思い浮かぶ。録音の雰囲気も、当時のイタリア産ディスコらしい、楽曲の推進力を重視した作りとして捉えられる。
同時代とのつながり
Easy Goingの周辺には、イタロ・ディスコやHi-NRGの初期を形作った人物が関わっている。デビュー曲「Baby I Love You」ではGiancarlo Meoがプロデュースし、Claudio Simonettiがアレンジを担当している。Simonettiはイタリアの音楽シーンでも知られる存在で、この時期のディスコ・サウンドとイタロ・ディスコの接点を感じさせる流れ。
クレジットについて
この時期のメンバーとしては、Paul Micioni、Claudio Simonetti、Russell Spellmanの名前が挙がっている。Easy Goingは、Paul Micioniを中心にローマで結成され、ダンサーとして活動していたFrancesco BonannoとOttavio Siniscalchiもグループの成り立ちに関わっていたとされる。イタリアのクラブ文化とレコード制作が近い距離にあった時代性を感じさせる背景。
ひとこと
『Fear』は、1979年のイタリア・ディスコの流れをそのまま示す作品として見えてくる。Easy Goingの初期の動き、そしてのちのイタロ・ディスコへつながる入口として、時代の輪郭がつかみやすい一枚。
トラックリスト
- A1 I Strip You (8:23)
- A2 Fear (7:52)
- B1 To Simonetti (10:06)
- B2 Put Me In The Deal (7:56)
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Disco Light Orchestra – Disco Dance (II) (1980)

Disco Light Orchestra「Disco Dance (II)」について
Disco Light Orchestraによる「Disco Dance (II)」は、1980年にルーマニアで登場したディスコ作品です。ジャンルとしてはFunk / Soul、Popの要素を含みつつ、スタイルの軸はディスコに置かれています。タイトルからも伝わる通り、ダンス向けのリズムを前面に出した構成が想像しやすい一枚です。
作品の輪郭
この時期のディスコらしく、一定の拍を保つビート、反復を生かした展開、リズムの推進力が重要な位置を占める作品と見られます。楽曲の進行は、メロディを大きく押し出すというより、グルーヴを積み重ねていくタイプの作りが中心になりやすい流れです。録音の雰囲気も、当時のダンス・ミュージックらしい素朴さと、機能性のあるまとめ方が感じられるタイプの作品として捉えられます。
1980年という位置づけ
1980年は、ディスコが一つのピークを越えつつも、ポップやファンクの文脈へ広がっていた時期です。そのため、この作品も単純なディスコ一辺倒というより、ポップ寄りの聴きやすさと、ファンク由来のリズム感が交差する時代性の中に置けます。ルーマニア発のディスコ作品という点でも、同時代の西欧やアメリカのディスコとは少し違う空気を持つ可能性がある一枚です。
アーティストにとっての意味合い
Disco Light Orchestraについての詳細なプロフィールは多くありませんが、「Disco Dance (II)」は少なくとも1980年時点での代表的なタイトルのひとつとして見やすい作品です。名前にオーケストラを含むことからも、バンド編成やアンサンブルを意識した作りがうかがえる点は興味深いところです。
同時代の文脈
ディスコ、ファンク、ポップが近い距離で混ざっていた時代の作品として見ると、当時のダンス音楽の流れの中に収まります。アメリカの大きなディスコ・シーンとは異なる地域性を持ちながら、反復するビートと踊りやすさを重視する点では、同時代の多くのディスコ作品と共通する部分があると言えます。
まとめ
「Disco Dance (II)」は、1980年のルーマニアで生まれたディスコ作品として、Funk / SoulとPopの要素を含みながらダンス志向をはっきり示す一枚です。作品全体の輪郭は、当時のディスコらしいリズムの持続感と、時代のポップ感覚が交わるところにあります。
トラックリスト
- A1 Young Men (Oameni Tineri) (3:07)
- A2 Gimme, Gimme, Gimme (Dă-mi, Dă-mi, Dă-mi) (3:32)
- A3 Babe, It’s Up To You (Baby, Depinde De Tine) (2:54)
- A4 Kingston, Kingston (2:43)
- A5 You’re The Greatest Lover (Ești Marea Mea Dragoste) (2:44)
- B6 Trojan Horse (Calul Troian) (3:12)
- B7 Lay Love On You (Ți-am Dat Dragostea) (2:52)
- B8 Amor, Amor (Dragoste, Dragoste) (3:01)
- B9 Follow Me, Follow You (Urmează-mă, Te Urmez) (3:29)
- B10 She’s In Love With You (Ea Te Iubește) (2:56)
- C1 Hooray, Hooray, It’s A Holi Holiday (Ura, Este Vacanță) (2:59)
- C2 Crazy Little Thing Called Love (Mica Nebunie Numită Dragoste) (2:15)
- C3 Boy, Oh Boy (Oh, Băiatule) (2:25)
- C4 Da’Ya’Think I’m Pretty (Crezi Că Sînt Drăguță ?) (3:37)
- C5 Boogie Rhythm For You (Ritm De Boogie Pentru Tine) (3:52)
- D6 Tragedy (Tragedie) (3:16)
- D7 Bang, Bang (2:44)
- D8 Don’t Bring Me Down (Nu Mă Distruge) (2:40)
- D9 Whatever You Want (Orice Dorești) (3:05)
- D10 Chiquitita (3:56)
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Roxy Music – Manifesto (1979)

Roxy Music『Manifesto』について
Roxy Musicの『Manifesto』は、1979年にリリースされた作品。イングランドのロック・バンドとして知られる彼らが、電子的な質感とロックの輪郭をあわせ持ったサウンドを展開した時期のアルバムだ。Bryan Ferryを中心に、Phil Manzanera、Andy Mackayらの名前が並ぶおなじみの編成で、バンドの洗練された方向性がはっきり出ている一枚として位置づけられる。
サウンドの印象
ジャンル表記はElectronic、Rock、スタイルはSynth-pop、Disco。ここからもわかる通り、ギター主体のロックというより、シンセサイザーの音色やリズムの細かな組み立てが前に出る作り。ディスコの流れを受けた4つ打ち寄りの推進力と、Roxy Musicらしい端正な演奏感が重なる印象だ。録音の空気は比較的クリアで、音の配置も整理されているタイプ。
派手に崩すというより、リズムの反復や音色の切り替えで引っ張る場面が多く、ボーカルもその上で落ち着いた存在感を保っている。ロックの骨格に、当時のダンス・ミュージックの感覚を重ねた作品といえる。
バンドの中での位置づけ
Roxy Musicは1970年結成の英ロック・バンドで、Bryan Ferryのソングライティングと歌を軸に活動してきた。初期には実験性の強い面もあったが、『Manifesto』ではそうした要素を保ちつつ、より整ったポップな感触へ寄せている。1970年代後半の時点で、バンドのサウンドが時代の変化に合わせて更新されていたことが見えやすい作品でもある。
1979年という年を考えると、ロックの中にシンセやディスコの要素が入っていく流れと重なる。Roxy Musicもその文脈の中で、独自の上品さや都会的なムードを保ちながら、当時の空気を取り込んでいた印象だ。
盤について
こちらは日本盤、1979年のリリース。オリジナルと同年の盤なので、当時の空気をそのまま追いやすいリリースだ。Roxy Musicの1970年代後半の方向性を確認するうえで、ひとつの節目にあたるアルバムとして見えてくる。
- アーティスト: Roxy Music
- タイトル: Manifesto
- リリース年: 1979年
- ジャンル: Electronic, Rock
- スタイル: Synth-pop, Disco
- リリース国: Japan
トラックリスト
- East Side
- A1 Manifesto (5:29)
- A2 Trash (2:14)
- A3 Angel Eyes (3:32)
- A4 Still Falls The Rain (4:13)
- A5 Stronger Through The Years (6:16)
- West Side
- B1 Ain’t That So (5:39)
- B2 My Little Girl (3:17)
- B3 Dance Away (3:48)
- B4 Cry, Cry, Cry (2:55)
- B5 Spin Me Round (5:15)
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The Fatback Band – Night Fever (1976)

The Fatback Band / Night Fever
ニューヨーク出身のディスコ/ファンク・バンド、The Fatback Bandが1976年に発表した作品。Bill Curtisを中心に、70年代のファンクとディスコの空気を強くまとった一枚で、バンドの初期を代表する時期の音像がよく出ている。
作品の位置づけ
The Fatback Bandは、1960年代後半に結成され、70年代から80年代にかけて数多くのアルバムを残したグループ。いかにもバンドとしての推進力が前に出るサウンドで、後のヒット曲群につながる土台がこの時期に固まっていく。Night Feverも、その流れの中にある70年代中盤の重要な一作として捉えられる。
サウンドの印象
ここで聴けるのは、タイトなドラムと太いベースを軸にした、体を動かしやすいファンク・グルーヴ。そこにディスコ寄りの滑らかな展開や、反復の効いたリズムが重なっていく。録音の質感は比較的ストレートで、楽器の輪郭がはっきりしている印象。ホーンや鍵盤がリズムを押し上げる場面もあり、ダンス志向の空気が前面に出ている。
同時代とのつながり
1976年という時期は、ファンクがよりダンス・ミュージックとして整理され、ディスコと近い距離で鳴り始めた頃でもある。The Fatback Bandのこの作品も、その境界線上にあるような内容で、ファンクの粘りとディスコの直進性が同居している。70年代中盤のアメリカン・ブラック・ミュージックの流れを、そのまま反映したような一枚。
基本情報
- アーティスト: The Fatback Band
- タイトル: Night Fever
- リリース年: 1976年
- 国: US
- ジャンル: Funk / Soul
- スタイル: Funk, Disco
ファンクの骨太さとディスコの推進力、その両方が見えやすい作品。The Fatback Bandの70年代らしい輪郭を知るうえで、ひとつの手がかりになる内容。
トラックリスト
- A1 Night Fever (5:21)
- A2 A Little Funky Dance (5:15)
- A3 If That’s The Way You Want It (4:25)
- A4 The Joint (You & Me) (6:01)
- B1 Disco Crazy (4:15)
- B2 The Booty (4:15)
- B3 No More Room For Dancing (4:05)
- B4 December 1963 (Oh, What A Night) (5:00)
関連動画
- The Fatback Band – Night Fever (1976) – A1 – Night Fever
- The Fatback Band – Night Fever (1976) – A2 – A Little Funky Dance
- The Fatback Band – Night Fever (1976) – A3 – If That’s The Way You Want It
- The Fatback Band – Night Fever (1976) – A4 – The Joint (You & Me)
- The Fatback Band – Night Fever (1976) – B1 – Disco Crazy
Delegation – Eau De Vie (1979)

Delegation『Eau De Vie』について
Delegationは、1976年にバーミンガムで結成されたUKのソウル・ヴォーカル・グループ。『Eau De Vie』は1979年に登場した作品で、彼らの初期の代表的な時期を示す1枚として位置づけられる。ファンク、ソウル、ディスコの要素をつなぐような内容で、同時代のUKソウルらしい洗練と、ダンス・ミュージック寄りの推進力が同居している印象。
サウンドの印象
この時期のDelegationは、滑らかなコーラスと、リズムを前へ押し出す演奏が軸になっている。ベースは丸みがあり、ギターや鍵盤は細かく刻みながらも耳当たりが硬すぎない。ドラムはディスコ期らしく一定のグルーヴを保ちつつ、ソウル・グループらしい歌の流れを邪魔しない作り。録音全体も、派手に厚塗りするというより、各パートが見通しよく並ぶ質感。
ヴォーカルは、リードとコーラスの受け渡しが自然で、メロディの運びに素直に耳が向く。ファンク寄りのリズム感と、ソウルの歌心が同じ画面に収まっているところが、この時代のDelegationらしいところ。
作品の位置づけ
Delegationは後に「Where Is the Love (We Used To Know)」「Oh Honey」「Put A Little Love On Me」「You And I」「Heartache No. 9」などで知られるようになるが、『Eau De Vie』はその活動初期に置かれるアルバム。グループの輪郭が固まりつつあった時期の記録として見ると、後年のヒットにつながる滑らかなコーラス・ワークや、ダンス・フロアを意識した構成がすでに見えてくる。
プロデュース面では、長く彼らを率いたKen Goldの関与が大きい。UKのソウル・グループが、アメリカ産のソウルやディスコの流れを受けつつ、自分たちなりの整ったポップ感へ寄せていく、その途中にある作品という印象。
同時代との関わり
1979年は、ソウルとディスコが強く結びついていた時期。Delegationのこのアルバムも、その空気の中にある。豪快なファンクというより、メロディ重視のソウル・ディスコ寄りの設計で、UKのグループらしい端正さが前に出ている。
派手な主張よりも、リズムの流れ、歌のまとまり、アレンジのきれいさで聴かせるタイプ。そういう意味では、1970年代末のソウル/ディスコの一断面を、そのまま切り取ったような1枚。
基本情報
- アーティスト: Delegation
- タイトル: Eau De Vie
- オリジナル・リリース年: 1979年
- リリース国: UK
- ジャンル: Funk / Soul
- スタイル: Soul, Funk, Disco
トラックリスト
- A1 Heartache No.9 (5:16)
- A2 Sho ‘Nuff Sold On You (5:15)
- A3 One More Step To Take (4:40)
- A4 Blue Girl (5:12)
- B1 Darlin’ (I Think About You) (4:19)
- B2 You And I (5:15)
- B3 Stand Up (Reach For The Sky) (4:57)
- B4 Welcome To My World (4:33)
- B5 Put A Little Love On Me (4:28)
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Carl Lewis – Goin’ For The Gold (1984)

Carl Lewis『Goin’ For The Gold』について
Carl Lewisは、アメリカの陸上競技選手として知られる一方で、1980年代には音楽作品も残しているアーティストだ。『Goin’ For The Gold』は、その中でもElectronicとDiscoの要素を持つ一枚として位置づけられる作品で、アスリートとしての顔とはまた違う側面が見える。
サウンドの印象
この作品は、ディスコ由来の4つ打ち感と、電子的な質感が前に出るタイプのサウンドが中心になる。ビートははっきりしていて、リズムの推進力が軸になりやすい。音の輪郭は比較的くっきりした方向が想像しやすく、80年代らしいシンセ主体の空気感と、ダンスフロアを意識した組み立てが見えやすい。
録音の雰囲気としては、装飾を重ねるというより、リズムと電子音の配置で押していくタイプの印象が強い。ディスコの流れを引きつつ、当時のエレクトロニック寄りの質感へ寄せた作り、という見方がしやすい。
アーティストの中での位置づけ
Carl Lewisにとっては、陸上競技のイメージが強い中で発表された音楽作品のひとつになる。音楽活動そのものが例外的に見える存在で、競技者としてのキャリアと並ぶ周辺領域の記録、という受け止め方が自然だろう。
同時代の文脈
ElectronicとDiscoの組み合わせは、80年代のダンス・ミュージックの流れの中でよく見られる方向性だ。シンセサイザー、打ち込み、反復するビートを軸にした作りは、ディスコの華やかさを保ちながら、より機械的で直線的な感触へ寄っていく時期の空気とも重なる。
まとめ
『Goin’ For The Gold』は、アスリートとして知られるCarl Lewisが残した音楽作品のひとつで、ElectronicとDiscoの接点にある一枚だ。80年代らしいリズムの明快さと電子的な質感、その組み合わせが作品の輪郭を作っている。
トラックリスト
- A1 Goin’ For The Gold (Short/Singing)
- A2 Goin’ For The Gold (Short//Rap Version)
- B1 Goin’ For The Gold (Dance Mix)
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Grace Jones – Fame (1978)

Grace Jones「Fame」について
Grace Jonesの「Fame」は、1978年に登場したディスコ期の作品。ジャマイカ出身で、モデル、俳優、シンガーとして活動してきた彼女の初期キャリアを知るうえで、ひとつの重要なタイトルとして位置づけられる。ジャズやロックへ広がる前の、フロア向けの強いビートと華やかな空気が前面に出た時期の記録でもある。
サウンドの印象
ジャンルはFunk / Soul、スタイルはDisco。リズムは一定の推進力があり、ベースとドラムの刻みが曲全体を引っ張るタイプ。音像はきらびやかで、ダンス・ミュージックらしい明快さがある一方、Grace Jonesの低く存在感のあるボーカルが入ることで、ただ明るいだけではない緊張感も生まれている。録音の雰囲気は、70年代後半のディスコらしい乾いた質感と、少し艶のある仕上がりの中間あたり。
当時の文脈
1978年という時期は、ディスコがクラブやラジオで大きな存在感を持っていた時代。Grace Jonesもその流れの中で、ファッション性の強いイメージと音楽を結びつけながら活動していた。のちにニュー・ウェイヴやレゲエ寄りの作品へ向かう前段階として見ると、この時期の作品にはディスコのフォーマットの中で個性を作っていく過程が感じられる。
作品の位置づけ
Grace Jonesの初期ディスコ路線を示す一枚。後年の鋭いビジュアルや、ジャンルをまたぐ強いキャラクター性を知っていると、この時点ですでに歌声と存在感がはっきりしていることがわかる。ファンク寄りの骨格と、ディスコの艶やかさが同居するあたりが、この作品の見どころ。
ひとこと
70年代後半のディスコの空気をまといながら、Grace Jonesらしい強さが前に出る作品。華やかさと硬質さが同じ画面に収まっているような印象。
トラックリスト
- Medley
- A1 Do Or Die (6:35)
- A2 Pride (6:33)
- A3 Fame (5:37)
- –
- B1 Autumn Leaves (7:00)
- B2 All On A Summers Night (4:16)
- B3 Am I Ever Gonna Fall In Love In NYC (5:26)
- B4 Comme Un Oiseau Qui S’Envole (4:42)
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Mandrill – Beast From The East (1975)

Mandrill『Beast From The East』について
『Beast From The East』は、アメリカのラテン色の強いファンク・グループ、Mandrillによる1975年の作品。ラテン、ファンク/ソウルを軸に、ソウル、ファンク、ディスコの要素が重なる一枚として捉えられる。バンド名義の編成も大きく、David Conley、Carlos Wilson、Claude “Coffee” Cave、Louis Wilson、Ric Wilson、Brian Allsop、Neftali Santiago、Fudgie Kae、Bundie Cenac、Wilfredo “Wolf” Wilson、Juaquin Jessup、Omar Mesa、Charles Padro、Marc Reyがクレジットされている。
サウンドの印象
Mandrillの持ち味は、ラテン由来のリズム感とファンクの粘りが同居するところにある。ここでも、その骨格はしっかり見えてくる。打楽器の動き、ベースの押し出し、ホーンの厚みが前に出るタイプの音像で、ソウル寄りの滑らかさと、ファンクらしいタイトさが同時に感じられる。ディスコ期の空気も重なり、リズムの輪郭がやや整えられた質感として耳に入る一枚といえる。
Mandrillというグループの位置
Mandrillは、ラテン・ファンクの文脈で語られることの多いグループ。1970年代半ばという時期は、ファンクがソウルやディスコと近づき、ダンス・ミュージックとしての輪郭を強めていった時代でもある。『Beast From The East』も、その流れの中で捉えやすい作品。バンドの持つ多国籍なリズム感と、当時のブラック・ミュージックの潮流が交差する地点に置ける内容になっている。
作品の雰囲気
録音の雰囲気は、演奏の密度を前面に出すタイプ。音の隙間よりも、複数のパートが重なって進む感触が強い。グルーヴを中心に据えた構成で、ラテン・パーカッション、ファンクのベースライン、ソウル寄りのコーラスやホーンが層になっていく印象がある。派手さだけで押すというより、バンド全体の推進力で聴かせる作り。
まとめ
『Beast From The East』は、Mandrillのラテン・ファンクとしての性格が見えやすい1975年の一作。ファンクの硬さ、ソウルの滑らかさ、ディスコ期の整理されたノリが同居する、70年代中盤らしい手触りの作品として整理できる。
Visitors – Visitors (1981)

Visitors『Visitors』(1981)
フランス系のプロジェクトとして知られる Visitors の1981年作。Space Rock と Disco を軸にした、電子音とロックの要素が交差する一枚だ。アーティスト名義は Visitors だが、アメリカでは法的事情から Force 5 の名も使われていた。
作品の輪郭
この時期の Visitors は、いわゆる宇宙的なテーマを前面に出したグループとして位置づけられている。プログレッシブ・ロック寄りの流れを持つ時期もありつつ、1981年のこの作品ではコズミックなディスコ感が強い印象。プロデュースには JPM と Claude Lemoine が関わっており、同時代のディスコ/スペース系サウンドの文脈に置きやすい内容だ。
サウンドの特徴
リズムは比較的はっきりしていて、4つ打ちに近い推進力が感じられる場面がある。そこにシンセサイザー、オルガン、モーグ、エレクトリック・ピアノ、さらにギターやベースが重なり、ロックの手触りを残しながらも電子音が前に出る構成だ。録音の質感は、きらきらしたシンセの層と、やや硬質なビートが目立つタイプ。ディスコの明快さと、スペースロックらしい浮遊感が同居している。
メンバー
- Donald Rieubon
- Jean-Pierre Massiera
- Bernard Lignac
- Gérard Brent
- André Guiglion
- Bernard Baverey
- Willy Cat
位置づけ
Visitors という名義は複数の時期に使われており、この1981年作はその中でもコズミック・ディスコ寄りの再編成にあたる。グループの流れを見ても、プログレ的な宇宙感からダンス寄りの電子音楽へと寄せた時期として見ることができる。フランスの電子ロック/ディスコの周辺で起きていた変化を、そのまま反映したような作品だ。