Teresa Gatta – Cantadonnacanta (1978)
Teresa Gatta『Cantadonnacanta』について
Teresa Gattaの『Cantadonnacanta』は、1978年にイタリアでリリースされた作品だ。フォークを基調にした内容で、女性労働者の闘いを1800年から現代までたどる、語りと歌を組み合わせた構成になっている。
作品の内容と性格
このレコードは、単なる歌集というより、歴史的なテーマを前面に出した語りものとして捉えやすい。リリースノートにもある通り、働く女性の歩みを物語として描き、その節目を歌とナレーションでつないでいく作りだ。題名の「Cantadonnacanta」も、女性の声をそのまま前に出すような印象を残す。
制作はMAMA Recordsによるもので、Donna Theater GroupとU.D.I.(イタリア女性同盟)向けの企画として作られている。イタリアでは1970年代、労働運動や女性運動と結びついた文化作品が少なくなく、この盤もその流れの中に置ける内容だ。
音楽的な位置づけ
ジャンル表記はFolk, World, & Country、スタイルはFolkとなっている。大きな編成のポップ作品ではなく、言葉の内容を伝えることに重心があるタイプのフォーク作品として見るのが自然だ。イタリアの政治性を帯びたフォークや、社会的テーマを扱うシンガーソングライター作品と近い文脈に入る。
同時代のイタリア作品でいうと、労働や社会問題を扱うフォーク、あるいは演劇と接続した歌ものの流れを思わせる。歌そのものの技巧を見せる盤というより、テーマを共有する場の記録に近い性格がある。
アーティストとしてのTeresa Gatta
公開されているプロフィール情報は多くなく、このレコード単体から見えてくるのは、社会的なテーマを担う歌い手としての姿だ。ソロ名義のディスコグラフィーの中でどういう位置にあるかまでは、この情報だけでは断定しにくいが、少なくともこの作品では主題を伝える役割がはっきりしている。
聴きどころとして見える点
実際に聴いた感触として語るなら、こうした作品はメロディの華やかさよりも、語りの流れと歌詞の具体性が印象に残りやすい。女性労働史を1800年から現代まで追うという構成上、時代の切り替わりごとに場面が変わっていくタイプの盤と考えられる。
代表曲のように単独で広く知られたナンバーがあるというより、全体を通して一つのストーリーとして聴く作品だろう。曲名単位で切り出すより、アルバム全体の連続性に意味がある。
まとめ
『Cantadonnacanta』は、1978年のイタリアで生まれた、女性労働者の歴史を歌と語りで描くフォーク作品だ。音楽作品であると同時に、当時の社会運動や演劇的な表現とも結びついた記録として見えてくる。Teresa Gattaの名義で残されたこの一枚は、内容主導のイタリア・フォークを知るうえで、資料的な意味合いも持つ作品だと言えそうだ。
トラックリスト
- 1A – Le Osterie della Creazione
- 2A – La Donna è Malata
- 3A – Se Spera
- 4A – Cade L’uliva
- 1B – La Mondina
- 2B – E per la Strada
- 3B – I Mugliere d’Americane
- 4B – Sebben che Siamo Donne
- 5B – Le Osterie di Sor Giolitti
- 6B – Regazzine
- 7B – Io Fabbrico Spolette
- 1C – Abballate Femmene
- 2C – Le Otto Ore
- 3C – Batton l’Otto
- 4C – Le Osterie del Voto
- 5C – E Quei Briganti Neri
- 6C – La Donna Italiana
- 1D – Cosa è Successo. Cosa l’è Stato
- 2D – Bella, Ciao
- 3D – Le Osterie delle Leggi
- 4D – Cantadonnacanta