King Crimson – Three Of A Perfect Pair = スリー・オブ・ア パーフェクト・ペアー (1984)
King Crimson『Three Of A Perfect Pair = スリー・オブ・ア パーフェクト・ペアー』
King Crimsonの『Three Of A Perfect Pair』は、1984年に発表されたアルバム。英語圏のプログレッシブ・ロックを代表するバンドが、1980年代の編成で残した作品のひとつで、同時代のロックの中でもかなり整理された構成と、細かなリズムの組み立てが目立つ内容になっている。
King Crimsonというバンドの流れ
King Crimsonは1968年に結成されたイングランドのプログレッシブ・ロック・バンドで、ジャンルの先駆的存在として知られている。結成初期から編成の変化が多く、60年代末のデビュー作、70年代前半の重厚な時期を経て、1981年以降はRobert Fripp、Adrian Belew、Tony Levin、Bill Brufordを中心とする新しい編成で活動していた。
この『Three Of A Perfect Pair』は、その1980年代前半の流れのなかにある作品で、前作『Discipline』『Beat』に続く時期のアルバムとして位置づけられる。King Crimsonの歴史の中でも、フリップのギター、レヴィンのベース、ブルフォードのドラム、ビルーのボーカルとギターがはっきり役割分担された時期の到達点のひとつといえる。
サウンドの特徴
この時期のKing Crimsonらしく、演奏はタイトで、音数の多いリフや変則的な展開が軸になっている。70年代の長尺で即興色の強い作品群とは違い、1980年代のこの編成では、反復するフレーズ、切れのあるギター、硬質なリズムが前面に出る。プログレッシブ・ロックの文脈にありながら、ニューウェーブ以降の感覚も感じさせるまとまり方がある。
音の質感は比較的乾いていて、各パートの輪郭が見えやすい。複雑さはあるが、過度に大仰な方向には寄らず、構造の組み立てそのものを聴かせるタイプのアルバムになっている。
1984年のプログレ文脈
1984年という年を考えると、プログレッシブ・ロックはすでに70年代前半のような勢いとは違う段階にあった。そのなかでKing Crimsonは、単純に昔のスタイルへ戻るのではなく、80年代の音像に合わせてバンドの機能を組み替えていた。YesやGenesisのような同時代の大御所がポップ寄りや洗練された方向へ進んでいた時期とも重なり、King Crimsonはより硬質で実験的な側面を保っていた印象がある。
作品の位置づけ
『Three Of A Perfect Pair』は、1980年代前半のKing Crimsonの流れを締めくくる作品として見られることが多い。バンドの歴史全体で見ると、1969年の『In the Court of the Crimson King』、70年代前半の重厚な時代、そして80年代の再編成期という大きな区切りの中に置ける一枚だ。
タイトル曲を含むこの時期の楽曲は、バンドの持つ構築性と、演奏の緊張感がよく表れたものとして知られている。派手なヒット曲中心の作品ではなく、アルバム全体の流れで聴くタイプの内容といえる。
まとめ
『Three Of A Perfect Pair』は、1984年のKing Crimsonが残した、整理された構成と鋭い演奏が印象に残るアルバム。プログレッシブ・ロックの先駆者としての歴史を背負いながら、80年代の音に合わせて更新されたKing Crimsonの姿が見える一枚になっている。
トラックリスト
- A1 Three Of A Perfect Pair = スリー・オブ・ア パーフェクト・ペアー
- A2 Model Man = モデル・マン
- A3 Sleepless = スリープレス
- A4 Man With An Open Heart = マン・ウィズ・アン・オープン・ハート
- A5 Nuages (That Which Passes, Passes Like Clouds) = ヌアージ
- B1 Industry = インダストリー
- B2 Dig Me = ディグ・ミー
- B3 No Warning = ノー・ウォーニング
- B4 Larks’ Tongues In Aspic Part III = 太陽と戦慄パート III