The Mops – Exit (1974)
The Mops『Exit』について
The Mopsの『Exit』は、1974年に日本でリリースされたアルバムだ。グループサウンズの出自を持ちながら、60年代後半にはサイケデリック路線を強め、その後はブルースロックやハードロック寄りの方向へ進んだバンドの、後期の一枚として位置づけられる作品になる。
The Mopsは1966年に結成された日本のロック・バンドで、初期はベンチャーズ系のインストゥルメンタル色を持つ演奏からスタートした。その後、サンフランシスコのヒッピー文化やジェファーソン・エアプレインの影響を受けて、サイケデリック・バンドとして知られるようになった経緯がある。『Exit』は、そうしたキャリアの中で70年代前半まで活動を続けた彼らの流れの先にある作品だ。
バンドの流れの中での位置づけ
The Mopsは1968年の『Psychedelic Sound in Japan』で、国内のグループサウンズの枠を越えたサイケデリック・サウンドを打ち出したことで知られる。『Exit』の時期には、すでに当初の“日本初のサイケデリック・バンド”というイメージだけでなく、よりロック色の強い活動を続けていた。1974年にはバンドは解散しており、『Exit』はその年の作品として、長く続いた活動の終盤に置かれるアルバムになる。
同時代の日本ロックの文脈で見ると、グループサウンズから発展したバンドが70年代に入って音楽性を変えていく流れの中にある。The Mopsもその一例で、初期のサイケデリック期だけでなく、時代に合わせてバンドの輪郭を変えていった点が特徴的だ。
音の印象
『Exit』は、The Mopsの後期作品らしく、初期のサイケデリックな華やかさよりも、演奏主体のロックとしてのまとまりが前に出たアルバムとして捉えられる。グループサウンズの軽快さや、60年代後半の実験色をそのまま引きずるというより、よりストレートなバンド演奏の印象が強い。
実際に聴くと、各楽器の役割がはっきりしていて、ギター中心のロック・バンドとしての骨格が見えやすい。歌ものとしても、過度に装飾するより、曲の推進力で聴かせるタイプの作りになっている。
代表曲・ヒット曲との関係
The Mopsの代表曲としては、デビュー期の「Asamade Matenai」や、後年のヒット「Gekko Kamen (Moonlight Mask)」がよく知られている。特に「Gekko Kamen」は、本人たちが冗談半分で録音したものがヒットにつながった曲として語られることがある。
『Exit』自体は、そうした大きなヒット曲で広く知られる作品というより、バンドの終盤を記録したアルバムとして見るほうが自然だ。The Mopsの歩みを追ううえで、初期のサイケ期と70年代前半の変化をつなぐ一枚といえる。
エピソードと背景
The Mopsは、1968年の『Psychedelic Sound in Japan』で、ジェファーソン・エアプレイン、ドアーズ、アニマルズなどのカバーを収録し、国内にサイケデリック・ロックの存在感を示したバンドとして記憶されている。ライブでは照明効果や目隠しを使った演出も行っていたとされ、当時の空気を強く反映した活動だった。
その後はレーベルを移し、ブルースロック寄りの曲調へ移行していった。1974年の解散まで活動を続け、アルバムを重ねたことも含めて、グループサウンズ出身バンドの中では長いキャリアを持っていた点が特徴だ。
まとめ
『Exit』は、The Mopsのサイケデリック期の延長線上というより、バンド後期のロック作品として見ると輪郭がつかみやすいアルバムだ。60年代のグループサウンズから出発し、日本の初期サイケデリック・ロックを経て、70年代前半まで活動を続けたThe Mops。その終盤に置かれる作品として、バンドの変遷を知る手がかりになる一枚である。
トラックリスト
- A1 – Introduction
- A2 – Walk Don’t Run
- A3 – House Of The Rising Sun
- A4 – San Francisco Night
- A5 – I Love You
- A6 – Somebody To Love
- A7 – Asa-Made Matena
- A8 – Purple Haze
- A9 – Iijanaika
- A10 – Tadoritsuitara Itsumo
- A11 – Exit
- B1 – Wara No Kotoba
- B2 – I Want To Hold Your Hand
- B3 – Boom Boom
- B4 – Sea Of Joy
- B5 – To Love Somebody
- B6 – Nobody Cares
- B7 – Asa Made Matenai