Giorgio Moroder – American Gigolo (Original Soundtrack Recording) (1980)
Giorgio Moroder『American Gigolo (Original Soundtrack Recording)』について
1980年に発表された、Giorgio Moroderによる映画『American Gigolo』のオリジナル・サウンドトラック盤。電子音を軸にした作風で知られるMoroderが、映像作品の空気をそのまま音に落とし込んだ一枚で、Stage & Screen作品としても、ディスコ/エレクトロの流れの中でも位置づけやすい内容になっている。
Moroderはイタリア出身の作曲家、編曲家、プロデューサー、DJ。1970年代にはドナ・サマーらとの仕事を通じて、ミュンヘンを拠点にしたシンセ主体のダンス・サウンドを確立した人物として知られる。この時期の延長線上にあるのが本作で、映画音楽でありながら、当時のクラブ・ミュージックの感触もはっきり残している。
作品の位置づけ
『American Gigolo』は、Moroderにとって1980年代の幕開けを示すサウンドトラックのひとつ。映画音楽としての機能を保ちながら、彼の得意とするシンセサイザーのリズム処理、反復、ベースの押し出しが前面にある。70年代の「Munich Sound」から80年代の都会的な電子音へとつながる流れを、そのまま切り取ったような作品と言える。
同時代の電子音楽やディスコの文脈で見ると、Moroderはハロルド・ファルターメイヤーやヴァンゲリスのような映画音楽の電子化とは少し違う、ダンス・ミュージック寄りの推進力を持っている。そうした点が本作の輪郭を作っている。
収録曲と知られた楽曲
本作で特に知られるのは「Call Me」。ブロンディが歌ったこの曲は、映画主題歌としても大きな存在感を持ち、シングルとしてもヒットした代表曲。Moroderのサウンドトラック制作の中でも、映画とポップ・ソングが強く結びついた例としてよく挙げられる。
「Call Me」は、硬質なビートと反復するシンセの上に、ポップ・ソングとしての明快さが乗る構成。映画のイメージを超えて、当時のチャートやラジオでも存在感を持った楽曲だった。
聴感の特徴
実際に聴くと、曲の多くは派手に展開するというより、一定のリズムと音型を保ちながら場面の温度を上げていく作り。ベースラインとシンセの刻みが主役で、打楽器のノリもはっきりしている。映画の都市的なムード、夜の街の空気、人物の緊張感を支えるような進行が続く。
また、サウンドトラックらしく、楽曲単体の強さと、場面に付随する機能の両方が見える。アルバムとして通して聴くと、ポップ・ソングだけでなく、インストゥルメンタルの断片や雰囲気作りも含めて構成されているのがわかる。
日本盤の仕様
この日本盤は帯付きで、和文・英文の2枚組歌詞シートが付属する仕様。国内盤らしい丁寧なパッケージで、歌入り楽曲の内容を追いやすい作りになっている。
まとめ
『American Gigolo (Original Soundtrack Recording)』は、Giorgio Moroderの電子音楽家としての手腕が、映画音楽の形でまとまった作品。80年代初頭のシンセ・サウンド、ディスコの残響、サウンドトラックの機能性が重なった一枚で、「Call Me」という代表曲を軸に作品全体の輪郭が見えやすい。Moroderのキャリアを追う上でも、映画音楽とポップの接点を確認する上でも、重要な位置づけのタイトル。
トラックリスト
- A1 – Call Me (Theme From American Gigolo) (8:04)
- A2 – Love And Passion (5:48)
- A3 – Night Drive (3:50)
- B1 – Hello Mr. W.A.M. (Finale) (4:31)
- B2 – The Apartment (4:27)
- B3 – Palm Springs Drive (3:22)
- B4 – Night Drive (Reprise) (2:50)
- B5 – The Seduction (Love Theme) (3:13)
関連動画
- Call Me (Theme From “American Gigolo”)
- Love And Passion (American Gigolo/Soundtrack Version)
- Night Drive (American Gigolo/Soundtrack Version)
- Hello Mr. W.A.M. (Finale)
- The Apartment (American Gigolo/Soundtrack Version)
- Palm Springs Drive (American Gigolo/Soundtrack Version)
- The Seduction (Love Theme)
- Night Drive (Reprise)