Frankfurter Kurorchester – Live (1989)
Frankfurter Kurorchester『Live』(1989)について
Frankfurter Kurorchesterは、Frank Wolffを中心にフランクフルトで結成されたドイツのKraut-ProgRock系コレクティブで、1981年から1997年まで活動したグループだ。『Live』は1989年にドイツで出た作品で、タイトルからもわかる通り、演奏の現場感をそのまま収めたライヴ盤として位置づけられる。
このレコードは、Jazz、Rock、Latin、Funk / Soul、Popといった複数の要素をまたぐ内容で、スタイル欄にはFusion、Jazz-Rock、Free Improvisation、Pop Rock、Parodyが挙がっている。ジャンルの幅だけでも、ひとつの定型に収まりにくいバンドだったことが見えてくる。メンバーにはRainer Marz、Ringo Funk、Willi Kappich、Frank Wolff、Anne Bärenz、Jos Rinck、Johannes Hackenbergの名が並ぶ。
作品の輪郭
リリースノートには「Bestellnr. 89164」「Ausschnitte der OFF-TAT-Produktion Volxoper.」「℗ + © 1989」とある。少なくともこの『Live』は、OFF-TAT制作の「Volxoper」からの抜粋を含む形で構成されたものとして扱われている。ライヴ作品でありながら、単なる演奏記録というより、企画性のあるステージの一部を切り出した内容に見える。
Frankfurter Kurorchesterのプロフィールを踏まえると、この作品はバンドの活動期の中盤にあたる時期の記録だ。1980年代ドイツのKrautrock以降の文脈では、即興、ジャズ・ロック、パロディ性、演劇的な要素を交差させるアプローチは珍しくないが、このバンドもその流れの中に置いて考えやすい。
聴感の印象として
実際の音像については、ライヴ盤らしくアンサンブルの呼吸や場の流れが前に出るタイプと受け取れる。FusionやJazz-Rockの枠に収まりつつ、Free ImprovisationやParodyの要素が並ぶことから、きっちり整った演奏だけでなく、展開の揺れや遊びのある構成が入っている可能性が高い。ポップやファンクの感触も交わるため、硬質な実験一辺倒というより、ステージ上で複数の性格を行き来する作りが想像しやすい。
ヒット曲や代表曲として広く知られたタイトルは、この情報の範囲では確認しづらい。むしろ楽曲単位よりも、バンド全体の編成とライブの流れそのものに価値がある作品として見る方が自然だろう。
同時代の文脈
1989年という年を考えると、西ドイツの実験的なロックやジャズ系の現場は、70年代Krautrockの遺産を引き継ぎながら、より演劇性やユーモア、即興性を強めた方向にも広がっていた。Frankfurter Kurorchesterも、その周辺にあるプロジェクト群と並べて見たくなる存在だ。たとえば、ジャズ・ロックの推進力、フリー・インプロヴィゼーションの不確定さ、パフォーマンス寄りの構成感が同居するあたりに、当時のドイツらしい横断性が出ている。
まとめ
『Live』は、Frankfurter Kurorchesterの多面的な音楽性をライヴという形式で示した1989年の記録だ。ジャズ、ロック、ラテン、ファンク、ポップを横断しながら、即興とパロディ性も含む構成。バンドの活動期の空気を、そのまま掴むための一枚として見えてくる。
トラックリスト
- A1 – Rumänischer Volxtanz (0:35)
- A2 – Magic Flute (4:30)
- A3 – A Little Sugar (2:50)
- A4 – Rumänischer Volxtanz (1:00)
- A5 – Esta China (4:05)
- A6 – Volxhymne (3:45)
- A7 – With A Little Help (4:46)
- B1 – Cemetery Polka (2:30)
- B2 – U Got The Guck (3:20)
- B3 – Sgt. Pepper (1:35)
- B4 – O Sole Mio (1:21)
- B5 – Frankfurt (2:22)
- B6 – Konstantin (2:55)
- B7 – Zündis (0:32)
- B8 – Blackbird (6:47)