Oingo Boingo – Only A Lad (1981)
Oingo Boingo『Only A Lad』について
『Only A Lad』は、USのニューウェーブ・バンド、Oingo Boingoが1981年に発表した1作目のアルバム。Danny Elfmanを中心に、スカ、パンク、ポップ、アートロックの要素を持ち込んだ初期Oingo Boingoの輪郭が、そのまま前面に出た作品である。のちに映画音楽家としても知られるElfmanの、バンドとしての出発点を確かめるうえで重要な一枚でもある。
バンド初期の勢いが強く出たデビュー作
Oingo Boingoは、1976年からElfmanが率いていたサークル的な音楽劇団「The Mystic Knights of the Oingo Boingo」を母体に、1979年にバンドとして動き出した。『Only A Lad』は、その初期段階でのまとまりを記録したアルバムで、ホーンを含む編成と、速いテンポの曲、リズムの切り替えの多さが目立つ。一般的なロックの枠に収まりきらない作りだが、各曲のフックははっきりしていて、聴きやすさもある。
同時代のUSニューウェーブの中では、XやThe Crampsのようなストレートなパンク寄りのバンドとも、Devoのようなひねりのあるアプローチとも少し違う立ち位置にある。スカの跳ね方やホーン・アレンジが前に出るぶん、ロサンゼルス周辺のシーンらしい賑やかさも感じやすい作品だ。
収録曲と代表曲
このアルバムでよく知られるのはタイトル曲「Only a Lad」。少年犯罪や社会の目線を題材にしたような内容で、軽快なリズムの上に皮肉の効いた歌が乗る。Oingo Boingoらしい、明るい音と不穏な語り口の組み合わせが早い段階で見える曲である。
もうひとつ重要なのが「You Really Got Me」。Kinksのカバーで、原曲のロックンロール的な勢いを保ちながら、Oingo Boingo流の管楽器やリズム感で再構成している。アルバム内でも異なる起点を示す1曲になっている。
- 「Only a Lad」: アルバムの軸になるタイトル曲
- 「You Really Got Me」: Kinksのカバー曲
聴きどころ
実際に聴くと、まず耳に残るのはDanny Elfmanの歌い方と、ホーン・セクションの押し出しの強さだ。ギターが前面に出る場面でも、管楽器が単なる装飾で終わらず、曲のリフや展開を引っ張っていく。ドラムも直線的に進むだけでなく、細かい切り替えが入るため、1曲の中で景色が変わる感覚がある。
また、全体としてテンションが高く、短い曲でも情報量が多い。ニューウェーブらしい乾いた質感と、ライヴ感のある一体感が同居していて、バンドが当時かなり強い演奏力を持っていたことが伝わる内容である。
この時期のOingo Boingoの位置づけ
『Only A Lad』は、後年のOingo Boingoが見せるよりポップ寄りの方向性よりも前の、スカとパンクの影響がはっきりした時期の記録として見やすい。1980年代前半のUSニューウェーブが、パンク以後の速さやラフさを残しながら、ポップや実験性を取り込んでいた流れの中に置くと、このアルバムの性格はかなり分かりやすい。
バンドはこの後、編成や音楽性を変えながら長く活動するが、『Only A Lad』にはその出発点ならではの荒さと密度がある。デビュー作として、Oingo Boingoの基本の動きがまとまった一枚という印象である。
盤の情報
このUS盤はA&M Recordsからの1981年リリースで、内袋に歌詞とクレジットが記載されている。A&Mロゴ横の「Z」は、Columbia Records Pressing Plant, Santa Mariaでのプレスを示すものとされる。裏ジャケットにプロモーション用のスタンプが入る個体もある。
まとめ
『Only A Lad』は、Oingo Boingoの初期像をそのまま伝えるアルバムである。Danny Elfmanの個性的な歌唱、ホーンを含む編成、スカやパンクの要素、そしてニューウェーブらしいひねりが、1枚の中でしっかり結びついている。のちの大きな変化を知ったうえで聴くと、バンドの原点として見えてくる作品だ。
トラックリスト
- A1 – Little Girls (3:44)
- A2 – Perfect System (3:46)
- A3 – On The Outside (3:39)
- A4 – Capitalism (3:40)
- A5 – You Really Got Me (4:40)
- B1 – Only A Lad (3:56)
- B2 – What You See (3:43)
- B3 – Controller (3:24)
- B4 – Imposter (2:59)
- B5 – Nasty Habits (4:06)