Sly & The Family Stone – There’s A Riot Goin’ On (1971)

Sly & The Family Stone「There’s A Riot Goin’ On」について
Sly & The Family Stoneの「There’s A Riot Goin’ On」は、1971年にUSで発表されたアルバム。ファンク、ソウル、R&Bを土台にしながら、当時のブラック・ミュージックの流れの中でもかなり独特な位置にある作品だ。
サンフランシスコで1966年に結成されたこのグループは、ロック、ソウル、ファンクを横断するバンドとして知られている。ホーン、ベース、ドラム、コーラスがひとつにまとまる編成で、男女混成のメンバー構成も特徴のひとつ。Rock And Roll Hall of Fameにも1993年に殿堂入りしている。
作品の輪郭
このアルバムでは、グループの持つダンス・ミュージックとしての要素が残りつつ、リズムの刻みはより重く、音数は抑えめ。ドラムやベースの動きが前に出て、録音全体にも少し閉じた質感がある。ソウルの流れを引きながら、ファンクの骨格をさらに内側へ寄せたような印象だ。
当時のR&Bやソウルの作品と比べると、整ったアンサンブルよりも、断片的なフレーズや繰り返しのパターンが目立つ場面もある。そうした作りが、1971年という時代の空気とも重なって見えるアルバムでもある。
アーティストにとっての位置づけ
Sly & The Family Stoneにとっては、初期の明快なグルーヴ感をさらに先へ進めた作品として語られることが多い。バンドの持つポップさや祝祭感とは少し違う方向で、内省的な表情が前に出ているのが特徴といえる。
メンバーにはSly Stone、Freddie Stone、Cynthia Robinson、Jerry Martini、Larry Graham、Greg Erricoらが名を連ねる。ファンクの基本形を支えた演奏陣が関わりながら、その音像はかなり個性的にまとまっている。
同時代の文脈
1971年は、ソウルやファンクが細かく分岐していく時期でもある。より硬質なリズム、低音を強く感じさせる編成、スタジオでの編集感覚などが、さまざまな作品に見られるようになる。その中で「There’s A Riot Goin’ On」は、ファンクの新しい方向を示す1枚として見られることが多い。
タイトルが示す通り、時代の緊張感も背景にある。音そのものに、その空気が反映されているようにも感じられる。
ざっくりとした印象
- ジャンルの軸: Funk / Soul
- スタイル: Rhythm & Blues、Soul、Funk
- リズム: 重心の低い反復感
- 音の質感: ざらつきと密度のある録音
- 位置づけ: Sly & The Family Stoneの転換点のひとつ
華やかな一体感よりも、引き締まったグルーヴと内側へ向かう感触が残るアルバム。Sly & The Family Stoneの音楽が、どこまで広く、どこまで深く入り込めるかを示した作品として受け取られている。
トラックリスト
- A1 Luv N’ Haight (4:01)
- A2 Just Like A Baby (5:12)
- A3 Poet (3:01)
- A4 Family Affair (3:06)
- A5 Africa Talks To You “The Asphalt Jungle” (8:45)
- A6 There’s A Riot Goin’ On (0:00)
- B1 Brave & Strong (3:28)
- B2 (You Caught Me) Smilin’ (2:53)
- B3 Time (3:03)
- B4 Spaced Cowboy (3:57)
- B5 Runnin’ Away (2:51)
- B6 Thank You For Talking To Me Africa (7:14)
関連動画
The Subterraneans – Down To Earth (1967)

The Subterraneans / Down To Earth
オランダのグループ、The SubterraneansによるDown To Earthは、1967年の作品として位置づけられる1枚。メンバーはHenk Jansen(Downy Boy Jason)とJohn Bakker(Sleepy John Baker)の2人で、ブルースとフォークを軸にした、素朴さのある一作だ。
作品の輪郭
ジャンル表記はBlues、Folk、World、& Country。スタイルとしてはFolk、Rhythm & Bluesに寄っていて、土の匂いのするアコースティックな感触と、リズム・アンド・ブルース由来の軽い推進力が同居するタイプの作品と見られる。派手さよりも、演奏の手触りや歌の運びで聴かせる印象。
サウンドの印象
音の作りは、きらびやかなプロダクションというより、近い距離で鳴るような質感が想像しやすい。フォークの弾き語り的な要素と、ブルースの反復感、リズムのうねりが重なり、肩の力が抜けた流れを作っているような作品だ。録音の空気感も、時代相応の素朴な響きとして受け取れそうだ。
アーティストの位置づけ
The Subterraneansは、Henk JansenとJohn Bakkerによるオランダのグループ。2人編成という情報からも、楽曲の骨格や演奏の間合いが前面に出る形が想像できる。Down To Earthは、その名前どおり、飾り気を抑えたアプローチを示す作品として見てよさそうだ。
同時代の文脈
1967年という時期は、フォークとブルースが互いに影響を与え合いながら広がっていた時代でもある。英米圏だけでなく、ヨーロッパのグループにもそうした流れが見られた頃で、The Subterraneansのこの作品も、その文脈の中で捉えられる1枚だろう。
盤について
ここでの盤は1995年リリース。作品そのものは1967年のものとして扱えるため、当時の空気を後年の形でたどるような位置づけになる。オランダ発のブルース/フォーク作品として、シンプルな構成の中に時代性がにじむ内容だ。
トラックリスト
- A1 Psycho-Brainwashing Blues
- A2 Mister Judge
- A3 Trouble In Mind
- A4 Lost Train Blues
- A5 Poor Boy
- B1 Bring It On Home
- B2 Help Me
- B3 Everybody Will Need K.J.
- B4 Confessin’ Up My Mind
- B5 Long Time Gone
- B6 Inside Out/Upside Down
- B7 Explain All This Stuff To Me