Willie Wright – Telling The Truth (1977)
Willie Wright『Telling The Truth』について
Willie Wrightは、アメリカのソウル・シンガー/ソングライター。本作『Telling The Truth』は1977年に録音・発表された作品で、2011年に再発盤が出ている。Funk / Soul、スタイルとしてはSoulに位置づけられる一枚だ。
Wrightはミシシッピ生まれ、ニューヨークのハーレムでドゥーワップを経験し、その後はソロ歌手としてクラブを中心に活動した人物。大手レーベルとの契約を選ばず、自主制作で作品を出し続けたことでも知られている。そうした流れの中で作られたのが、この『Telling The Truth』という位置づけになる。
作品の輪郭
このアルバムは、本人の生活感や対人関係、家族への思いを反映した、かなり私的な内容として語られている。録音は1日で行われたとされ、その事情もあって、編成は必要最小限に絞られた作り。音数を抑えた演奏と、過度に飾らない録音の空気が残るタイプのソウル作品だ。
リズムは前に出すぎず、歌の言葉を支える役回り。派手なアレンジで押すというより、声と楽曲の骨格をそのまま置くような感触がある。70年代のソウルの中でも、いわゆる洗練された都会的サウンドというよりは、個人の表現を前面に出した作り。
アーティストの中での位置づけ
Willie Wrightにとっては、初期作『Lack of Education』に続くアルバムであり、より自分の内面に近い内容へ進んだ作品として見られている。カバー中心だった初期作に対して、この『Telling The Truth』では本人の言葉がより強く出ている点が特徴だ。
のちに2011年の再発で再評価が進み、Willie Wrightという名前が改めて注目されるきっかけにもなった。オリジナル盤は長く入手しづらい存在として扱われてきたが、再発を通じて彼のソウル表現が知られるようになった流れがある。
同時代の文脈
1970年代のUSソウルには、メジャー路線の華やかな作品とは別に、独立系で少人数の制作による私的なアルバムがいくつも存在する。この作品もその文脈に置ける一枚だろう。Curtis Mayfield周辺のソウル、あるいは同時代のインディー・ソウルの流れを思わせる面がある一方で、より身近な語り口が前に出ている。
派手さではなく、声の温度と録音の距離感で聴かせるタイプの作品。Willie Wrightの歩んだ自主制作の姿勢も含めて、70年代ソウルのもうひとつの在り方を示すアルバムとして捉えられる。
トラックリスト
- A1 Nantucket Island
- A2 Lady Of The Year
- A3 I’m So Happy Now
- A4 In The Beauty Of The Night
- A5 Love Is Expensive
- B1 Jackie’s Song
- B2 Son, Don’t Let Life Pass You By
- B3 Indian Reservation
- B4 Dressing For The Occasion
- B5 It’s Only Life, That’s All
- C Right On For The Darkness
- D Africa