Jimmy Webb – Angel Heart (1982)
Jimmy Webb『Angel Heart』について
『Angel Heart』は、アメリカのソングライター、Jimmy Webbが1982年に発表した作品。ジャズやロックの文脈でも語られることの多い作曲家というより、ポップスの作り手としての顔が前に出た1枚で、ここでは歌ものとしてのJimmy Webbをそのまま聴ける内容になっている。
Jimmy Webbは、1946年8月15日生まれ、オクラホマ州エルク・シティ出身のアメリカ人作曲家。Glen CampbellやRichard Harris、The 5th Dimensionなど、さまざまな歌い手に曲を書いてきた人物で、ポップ・ミュージックの定番曲を数多く生み出したことで知られる。この『Angel Heart』は、そうした作家としてのキャリアの流れの中にある1982年の作品で、本人の歌声で曲を聴ける点が大きい。
作品の位置づけ
Jimmy Webbの仕事は、他者に提供する楽曲で広く知られている一方、自身の名義でもいくつかのアルバムを残している。『Angel Heart』は、その中でも1980年代初頭の時期に出た作品として見ることができる。作曲家としての緻密なメロディ感や、言葉を置く位置のはっきりした作りが、本人の歌唱を通じて見えやすい1枚という印象につながる。
同時代のポップ・ヴォーカル作品と並べると、派手なアレンジで押すタイプというより、曲そのものと歌の運びを軸にした作りが目に入る。ソングライターが自作を歌うアルバムとして、作品の重心はかなり明確だ。
内容の印象
ジャンル表記はPop、スタイルはVocal。タイトルどおり歌を中心に据えた作品で、Jimmy Webbらしい作曲の輪郭をそのまま味わえる。聴きどころは、旋律の流れと歌詞の運びが自然に結びついているところ。ヒット曲を前面に出したベスト盤的な構成ではなく、アルバムとして曲を追うタイプの作品として受け取れる。
実際に聴いた感覚として書くなら、曲ごとの表情を大きく変えながらも、書き手としての視点が最後までぶれにくい。メロディの置き方、フレーズの区切り、歌の語り口に、作曲家本人ならではの癖が出る。
Jimmy Webbという名前とのつながり
Jimmy Webbの代表的な楽曲としては、Glen Campbellが歌った「Wichita Lineman」「By the Time I Get to Phoenix」「Galveston」などがよく知られている。そうしたソングライターとしての印象を持っていると、『Angel Heart』は「他人に書いた曲を書く人」ではなく、「自分の声で曲をどう置くか」を見せる作品として聴こえてくる。
作曲家としての実績が先に語られる人だけに、歌うアルバムではメロディの設計そのものが前景化するのが面白いところ。1982年という時期の作品としても、彼の作家性を確認できる位置づけにある。
日本盤について
このレコードは日本リリースの盤。作品自体は1982年のものとして扱える。日本で流通した盤としては、当時の国内仕様で聴かれた可能性がある一方、作品の核はJimmy Webb本人の楽曲と歌唱にある。
まとめ
『Angel Heart』は、Jimmy Webbという大物ソングライターの作家性を、本人の歌でたどれる1982年のポップ・ヴォーカル作品。ヒット曲の再演ではなく、アルバム単位で彼のメロディ感と語り口を追うタイプの内容として受け止めやすい。作曲家としてのキャリアを知っているほど、曲の置き方や歌の運びに目がいく1枚だ。
トラックリスト
- A1 – Angel Heart (3:23)
- A2 – God’s Gift (3:51)
- A3 – One Of The Few (4:27)
- A4 – Scissors Cut (4:41)
- A5 – Work For A Dollar (5:32)
- B1 – His World (4:33)
- B2 – Our Movie (3:51)
- B3 – Nasty Love (4:26)
- B4 – In Cars (3:33)
- B5 – Old Wing Mouth (3:48)