Reign Ghost – Reign Ghost Featuring Lynda Squires (1970)
Reign Ghost Featuring Lynda Squires(1970年作、2014年スペイン盤)について
Reign Ghostは、カナダ・オンタリオ州オシャワ出身のロック・グループ。1960年代後半に活動し、メンバーの入れ替わりが多いバンドだった。シンガーのLynda Squires、ギタリストのBob BrydenとJim Stright、キーボードのDave Hair、ベーシストのJerry Dufek、Russ Erman、Joe Gallant、ドラマーのHelge “Rich” RichterやBob Strightらが在籍していた。そんな流動的な編成の中でまとめられたのが、本作 Reign Ghost Featuring Lynda Squires で、1970年の作品として位置づけられるアルバムである。
音楽性はロックを土台にしたサイケデリック・ロック。1960年代末から1970年にかけてのカナダ産サイケ作品らしく、当時の空気をそのまま閉じ込めたような記録性のある一枚として見てよさそうだ。Reign Ghostは1968年にAllied Recordsと契約し、翌年にセルフタイトルのアルバムを発表。その後いったん解散するが、ほどなく同名で再始動し、1970年まで活動を続けたという流れがある。本作は、その後期にあたる作品としてバンドの終盤を示す位置づけになる。
作品の輪郭
タイトルにLynda Squiresの名が入っている通り、彼女の存在感が大きい作品として受け取れる。Lynda Squiresはカナダのシンガーで、Reign Ghostの周辺では重要なメンバーのひとり。バンドの編成が固定されていないぶん、誰がどの曲で前に出るかという点にも、グループの性格がよく表れている。
収録曲の細部までは盤情報だけでは追い切れないが、バンドの流れとしては、初期のセルフタイトル作で示したサイケデリックな志向を引き継ぎつつ、よりメンバー個々の役割が見えやすい作りだった可能性が高い。Bob Brydenがライナーノーツを担当している点も、この作品が単なる再発ではなく、バンド自身の文脈を伝えるための編集盤的な性格を持っていることを示している。
2014年スペイン盤について
今回の盤は2014年にスペインでリリースされたもの。オリジナルは1970年作なので、これは再発盤にあたる。盤面の情報としては、フォールドアウト仕様のインサートが付属し、写真、メモラビリア、Bob Brydenによるライナーノーツが収められている。こうした付属資料は、当時のバンドの活動やローカルなシーンを追ううえで手がかりになる内容で、オリジナル盤とは違う見どころになっている。
再発盤なので、音そのものよりも、資料面を含めて作品を読み直せるのがこの盤の特徴と言えそうだ。カナダのローカル・サイケデリック・ロックを掘る流れでは、同時代のThe Guess WhoやMoby Grape、北米のアンダーグラウンドなサイケ作品と並べて語られることがあるタイプのバンドだが、Reign Ghostはその中でもかなり素朴で、バンドの実態が見えやすい部類に入る。
アーティストにとっての位置づけ
Reign Ghostにとっては、1969年のデビュー作に続く重要な後期作という見方ができる。グループの活動期間自体が長くないため、アルバムごとの意味合いがはっきりしているのもこのバンドの特徴だ。本作は、Lynda Squiresを含む編成での到達点のひとつとして受け止められるだろう。
サイケデリック・ロックの文脈では、派手なヒット曲で広く知られるタイプではなく、ローカル盤や再発盤を通して評価が広がった作品群のひとつ。そうした背景も含めて、Reign Ghostのディスコグラフィーをたどるうえで外せない一枚である。
基本情報
- アーティスト: Reign Ghost
- タイトル: Reign Ghost Featuring Lynda Squires
- オリジナル年: 1970年
- 盤のリリース年: 2014年
- リリース国: Spain
- ジャンル: Rock
- スタイル: Psychedelic Rock
- 付属: フォールドアウト・インサート、写真、メモラビリア、Bob Brydenによるライナーノーツ
トラックリスト
- A1 – Long Day Journey (3:00)
- A2 – More Than I (3:43)
- A3 – Mother’s Got Troubles (3:35)
- A4 – Pudsy’s Parable (2:15)
- A5 – Ain’t It Great (3:54)
- B1 – Breast Stroke Blues (4:21)
- B2 – Solar Nice (2:38)
- B3 – Breadbox (2:00)
- B4 – Enola Gay (8:20)