Stephen G. Crane – Kicks (1984)
Stephen G. Crane『Kicks』について
Stephen G. Craneは、アメリカ・テキサス州ウィチタフォールズ出身のベーシスト/シンガーソングライターで、1950年5月3日生まれ。『Kicks』は1984年に登場した作品で、今回の盤も同年リリースの日本盤になる。クレジット上はRock、スタイルはAORに分類されている。
作品の位置づけ
1980年代前半のAORは、メロディを前に出したロック・サウンドが多く、演奏の整った質感や、歌を中心にした作りが特徴になりやすい時代だった。『Kicks』もその流れの中にある1枚として見ると、Stephen G. Craneというソングライター/ベーシストの個性を、ロック寄りのAORという枠でまとめた作品として捉えやすい。
アーティスト自身はベーシストでもあるため、リズム面の安定感やアンサンブル重視の作りが想像しやすい作品でもある。1984年という年は、こうしたアメリカン・ロックの洗練が強まっていた時期で、同時代のAORやメロディック・ロックの文脈に置いて聴かれることが多いタイプのアルバムだろう。
日本盤としての特徴
この盤は日本リリースで、歌詞インサートが2枚付属する仕様になっている。日本盤のAOR作品では、歌詞を追いながら聴けることが重要な要素になることが多く、当時の国内リスナー向けに丁寧にパッケージされた一枚という印象が強い。
オリジナルと同年の日本盤なので、いわゆる再発による年代差はなく、1984年当時の空気感をそのまま受け取れるリリースと考えやすい。
サウンドの印象
実際に聴いた感想として書ける範囲では、AORらしく曲の輪郭が見えやすい作りが中心になりやすいタイプの作品だと受け取れる。ボーカルを軸に、ベースを含むバンドのまとまりで進む構成が、ロックとしての推進力と、AORらしい聴きやすさを両立させる方向にある。
派手な装飾で押すというより、楽曲単位で流れを作るタイプのアルバムとして聴こえる可能性が高い。ベーシスト/シンガーソングライターという肩書きからも、演奏と歌の両方を見せる設計が想像しやすい。
同時代の文脈
1984年のAORやロック周辺では、きっちり整えられたバンド・サウンド、コーラス、メロディの明快さが重視される傾向があった。Stephen G. Craneの『Kicks』も、その時代のアメリカン・ロックの流れにある作品として捉えると分かりやすい。
比較対象としては、同時代のメロディ重視のロック・シンガーや、ベースの推進力を持つAOR系アーティストが思い浮かぶ。とはいえ、ここでは過度に一般化せず、1984年のロック/AORの中で成立した1枚として見るのが自然だろう。
まとめ
『Kicks』は、アメリカ出身のStephen G. Craneによる1984年作で、日本盤としても同年に出たAOR寄りのロック作品。歌詞インサート付きの日本盤仕様も含めて、当時のAORアルバムらしい形で流通した一枚といえる。アーティストのベーシスト/シンガーソングライターという背景を踏まえると、演奏と曲作りの両面を確認したくなる作品だ。
トラックリスト
- A1 – Headed For A Heartbreak
- A2 – Joanne
- A3 – Kicks
- A4 – All My Love
- A5 – Victims Of Love
- B1 – I Can’t Wait
- B2 – Back On My Feet Again
- B3 – I’ll Take Care Of You
- B4 – Sooner Or Later
- B5 – Crying Don’t Look Good On You