The Doors – Waiting For The Sun (1968)
The Doors『Waiting For The Sun』について
The Doorsの3作目にあたる『Waiting For The Sun』は、1968年7月3日にオリジナル・アルバムとして登場した作品だ。Jim Morrison、Ray Manzarek、Robby Krieger、John Densmoreという基本編成で制作されており、バンドが60年代後半のアメリカン・ロックの中で存在感を強めていく時期の一枚として位置づけられる。
このドイツ盤は1973年リリース。オリジナル発売から数年後の再発盤で、ジャケットやレーベル表記も当時のヨーロッパ向け仕様になっている。クレジットには「Made in Germany」「An Elektra Recording distributed by WEA Records GmbH」とあり、ドイツ国内製造の盤であることがわかる。
作品の位置づけ
The Doorsは、ブルース・ロックを土台にしながら、サイケデリックな感触や演劇的な要素を持ち込んだバンドとして語られることが多い。この『Waiting For The Sun』は、そうしたバンドの特徴がまとまって聞こえる時期の作品だ。デビュー作『The Doors』、2作目『Strange Days』に続く3枚目で、アメリカのロック史の中でも重要な位置を占めるアルバムとして扱われている。
録音面では、ベーシストが固定メンバーではなく、Doug Lubahn、Kerry Magness、Leroy Vinnegarらのセッション参加がある。The Doorsらしいオルガン主体の骨格に加えて、曲ごとに低音の質感が少しずつ変わる構成になっている。
収録曲と代表曲
このアルバムでは、シングルとして出た曲がいくつかある。A面1曲目の「Hello, I Love You」は1968年6月にシングル発売され、アルバムを代表する曲として知られている。軽いリフの繰り返しと、Morrisonの歌が前に出る作りで、バンドの中でも特に口当たりのよい楽曲だ。
また「Love Street」も同じく1968年6月のシングルB面曲として収録されている。さらに「The Unknown Soldier」は1967年3月にシングルとして先に出た曲で、戦争を題材にした内容と、演出を含む構成が印象に残る。「We Could Be So Good Together」も同様に、1967年3月のシングルB面曲として先行していた。
こうした先行シングルの存在からも、このアルバムが当時のThe Doorsの活動をまとめる役割を持っていたことが見えてくる。
サウンドの印象
実際に聴くと、The Doorsの中では曲の振れ幅がやや広い一枚という印象がある。オルガンとギターがぶつかる場面もあれば、歌とリズムの隙間を活かした進行もあり、Morrisonの声が曲ごとの重心を決めている。バンドの硬いリズムと、楽曲ごとの表情の差がはっきりしていて、シングル向きの曲と、より内向きな曲が同居している構成だ。
サイケデリック・ロックとブルース・ロックの要素が、60年代後半の西海岸ロックらしい空気の中で整理されている作品でもある。同時代のバンドでいえば、よりジャズ寄りや即興性を強めた組み立てではなく、The Doorsは鍵盤を軸にした独特の緊張感を保っている。
1973年ドイツ盤について
この盤は1973年のドイツ盤で、オリジナルの1968年盤とは発売時期が異なる。ジャケット表記は「42 041 (EKS 74024) STEREO」などが確認でき、裏面には「42 041 circled B (EKS 74 024) STEREO」とある。レーベルは蝶の意匠を持つElektra系のデザインで、ドイツ製造盤らしい仕上がりだ。
オリジナル盤との比較という意味では、内容曲は同じでも、盤の製造国やレーベル表記、ジャケットの細部が異なる。レコード収集の視点では、そのあたりがこの1973年ドイツ盤の特徴になっている。
まとめ
『Waiting For The Sun』は、The Doorsが1968年時点で持っていた楽曲の幅と、Jim Morrisonの存在感をまとまって確認できるアルバムだ。代表曲「Hello, I Love You」を含みつつ、先行シングルやアルバム曲が並ぶことで、バンドの当時の動きが見えやすい構成になっている。
1973年のドイツ盤は、その作品をヨーロッパ仕様のレコードとして受け取れる一枚。60年代後半のThe Doorsを追ううえで、基本盤として押さえやすいタイトルだ。
トラックリスト
- A1 – Hello, I Love You (2:22)
- A2 – Love Street (3:06)
- A3 – Not To Touch The Earth (3:54)
- A4 – Summer’s Almost Gone (3:20)
- A5 – Wintertime Love (1:52)
- A6 – The Unknown Soldier (3:10)
- B1 – Spanish Caravan (2:58)
- B2 – My Wild Love (2:50)
- B3 – We Could Be So Good Together (2:20)
- B4 – Yes, The River Knows (2:35)
- B5 – Five To One (4:22)