Siouxsie & The Banshees – Tinderbox (1986)
Siouxsie & The Banshees『Tinderbox』
Siouxsie & The Bansheesの『Tinderbox』は、1986年にオリジナル・リリースされた7作目のスタジオ・アルバムです。ポストパンクを土台にしながら、オルタナティヴ・ロック、ニューウェイヴ、ゴシック・ロックの要素を組み合わせた一枚で、バンドの中期を代表する作品として語られることの多いタイトルです。ここで紹介するのは2018年盤です。
バンドの立ち位置
Siouxsie & The Bansheesは、1976年にロンドンで結成されたイギリスのバンドです。Siouxsie Siouxのヴォーカル、Steven Severinのベースを軸に、時期ごとにギタリストやドラマーを変えながら活動してきました。『Tinderbox』の時点では、Siouxsie Sioux、Steven Severin、John Valentine Carruthers、Budgieという編成。バンドのなかでも、音像が整理されつつ、演奏の輪郭がはっきりした時期の作品といえる。
サウンドの特徴
本作は、リズム隊の推進力と、ギターの鋭いフレーズが前に出る作り。録音はベルリンのHansa TonstudiosとロンドンのMatrix Studiosで行われ、ミックスはAir Studiosで仕上げられている。音の質感は比較的タイトで、曲ごとの緊張感が保たれている印象。ゴシック・ロックの要素は残しつつも、暗さだけに寄らず、構成の明快さが目立つアルバムでもある。
収録曲とシングル
全曲はバンド自身による作曲、プロデュース、アレンジ。アルバムからは事前にシングルも出ており、1985年10月の「Cities in Dust」と、1986年2月の「Candyman」が関連曲として挙げられる。どちらもバンドの代表曲として知られることの多いナンバーで、『Tinderbox』の輪郭をつかむうえでも重要な曲になっている。
- 「Cities in Dust」:アルバム期を代表するシングル
- 「Candyman」:続くシングルとして発表された楽曲
同時代とのつながり
1980年代半ばのイギリスでは、ポストパンク以降の流れを引き継ぎながら、ニューウェイヴやゴシック・ロックがそれぞれの形で広がっていた時期です。Siouxsie & The Bansheesは、そのなかでも独自の存在感を保ち続けたバンドで、同時代のThe Cureなどと並べて語られることも多い。『Tinderbox』は、そうした文脈のなかで、バンドの作曲面と演奏面のまとまりが見えやすいアルバムとして位置づけられる一枚です。
まとめ
『Tinderbox』は、Siouxsie & The Bansheesのキャリアのなかで、音の整理と緊張感が同時に前に出た1986年作です。ポストパンクの流れを引き継ぎながら、ニューウェイヴやゴシック・ロックの手触りを持った作品として、バンドの中期を押さえるうえで外せないタイトルといえるでしょう。
トラックリスト
- A1 Candyman
- A2 The Sweetest Chill
- A3 This Unrest
- A4 Cities In Dust
- B1 Cannons
- B2 Party’s Fall
- B3 92°
- B4 Lands End