Hako Yamasaki – ファーストライブ (1977)

山崎ハコ『ファーストライブ』について

山崎ハコの『ファーストライブ』は、1977年に日本でリリースされたライヴ・アルバムである。山崎ハコは1957年生まれ、大分県日田市出身のシンガーソングライターで、1970年代のフォーク・ブームの流れの中で注目を集めた人物だ。ギター弾き語りを軸に、私小説的な視点を感じさせる歌を積み重ねてきたアーティストでもある。

この作品は、山崎ハコにとって初のライヴ盤にあたる。スタジオ録音とは違って、当時の歌声や演奏の空気感をそのまま伝える位置づけの一枚として捉えやすい。1970年代後半の日本のフォーク・シーンを知るうえでも、彼女の活動の初期を確認する資料性の高い作品と言える。

作品の位置づけ

山崎ハコは1975年から長く作品を発表し続けたが、『ファーストライブ』はその初期の段階で出たライヴ記録である。デビュー後まもない時期の演奏を収めた作品として、当時の歌の輪郭やステージ上での表現をそのまま追えるのが特徴だ。後年の作品群と比べると、まずは歌とギターの関係を前面に出した内容として受け取られることが多い。

1970年代の日本のフォークでは、地声の強さや語りに近い歌唱、シンプルな伴奏で感情を運ぶスタイルが広く見られた。山崎ハコもその流れの中に位置しつつ、同時代の他の女性シンガーソングライターと比べても、歌詞の切実さや独特の間合いで印象を残している。

聴きどころ

ライヴ盤なので、まず耳に入るのは歌の生々しさである。スタジオ盤のように整え込まれた音像というより、会場の空気や歌い出しの緊張感がそのまま残るタイプの作品として想像しやすい。ギター弾き語りを中心に、声の揺れや言葉の置き方がその場で立ち上がる感触がある。

山崎ハコの代表曲として広く知られる「呪い」など、初期の作品群に通じる緊張感のある歌は、ライヴという形式で聴くとまた違った重みを持つ。楽曲そのものの輪郭に加えて、ステージ上での呼吸や間が見えやすいのが、この種のライヴ盤の面白さだろう。

同時代の文脈

1970年代後半の日本では、フォークからシンガーソングライターへと受け止められ方が広がっていった時期でもある。山崎ハコは、その中で女性の視点から内面を強く押し出す歌を続けた存在として語られることが多い。たとえば、同時代の荒井由実や中島みゆきと並べて語られることもあるが、山崎ハコはよりシンプルな編成の中で、言葉と声の密度を前に出すタイプとして捉えやすい。

『ファーストライブ』は、そうした1970年代日本フォークの空気を、ライヴという形でそのまま留めた一枚である。作品単体というより、山崎ハコの初期像を確認する入口として見られることが多いだろう。

まとめ

『ファーストライブ』は、山崎ハコの初期活動をライヴの形で記録した1977年作品である。派手な演出よりも、歌とギター、会場の空気感が前に出る内容として受け取れる。1970年代日本のフォークの文脈の中で、山崎ハコの声と歌の重さを確かめられる一枚だ。

トラックリスト

  • A1 – ハーモニカ吹きの男 (5:21)
  • A2 – ききょうの花 (4:45)
  • A3 – クレイジーラブ (4:37)
  • A4 – 水割り (4:46)
  • A5 – 二日酔い (5:01)
  • B1 – ひとり唄 (4:13)
  • B2 – 気分を変えて (3:27)
  • B3 – サヨナラの鏡 (5:21)
  • B4 – 帰ってこい (5:13)
  • B5 – 向かい風 (6:28)

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2026.06.28
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