Hand – Everybody’s Own (1972)

Hand『Everybody’s Own』について

Handは、スイス・ローザンヌで1972年に結成されたグループで、この『Everybody’s Own』は同年に残された1枚のアルバムとして位置づけられる作品。フォークを軸に、ロックやカントリーの要素を含む録音として紹介されることが多く、バンドの出発点を示す初期作といえる内容である。

2012年に出たこの盤は、オリジナルの1972年盤をあらためて聴ける再発盤。限定500枚という少量プレスで、コレクター向けの性格も持っている。

作品の背景

HandはMarc Osborne、Nick Zoullas、Tony Angierによって結成され、LPを1枚残して解散した経歴を持つ。そのため『Everybody’s Own』は、後年の再結成作や新作群よりも、バンドの最初期の姿を知るうえで重要な位置づけになる。のちには2013年に再結成し、新作も発表しているが、このアルバムはそうした後年の活動とは別に、1970年代初頭の空気をそのまま伝える存在だ。

音の印象

手元の情報だけで細かな曲調まで断定はしにくいが、フォークを中心に据えたロック作品として整理されている点から、アコースティックな響きと歌を前面に出した作りが想像しやすい。スイスのグループという点も含め、英米のフォークロックとは少し違う、素朴さと室内楽的なまとまりを感じさせるタイプの作品として受け取られてきたのではないかと思う。

同時代の文脈

1972年という時期は、英米ではフォークロックやシンガーソングライター系の作品が広く出ていた頃で、Handのようなヨーロッパのバンドも、その流れの中で独自の歌ものを作っていた時代。スイス発のフォーク/ロック作品として見ると、同時代の英国フォークロックや、欧州のアコースティック寄りのバンド群と並べて語られることがありそうだ。

再発盤としての見どころ

2012年盤は、オリジナルLPをそのまま現代に持ってきた再発というより、限られた枚数で紹介し直したアイテムとして見るのが自然だろう。オリジナル盤の入手が難しい作品に対して、2012年盤はその入り口になっている。クレジットやマスタリングの詳細は手元情報では確認できないが、少なくとも作品そのものを再び流通させた意義は大きい。

まとめ

『Everybody’s Own』は、Handの出発点を示す1枚であり、1972年当時のフォークロックの空気をスイスから伝える作品。後年の再結成作や新作とは別の、最初の時代の記録として押さえておきたいアルバムである。

トラックリスト

  • A1 – The Load (3:20)
  • A2 – Leaves (1:50)
  • A3 – Time Will Chage Your Season (3:50)
  • A4 – Chubby’s Song (4:00)
  • A5 – Levy’s Lullaby (2:20)
  • A6 – Shifting Lead (2:45)
  • B1 – I Drive (2:55)
  • B2 – Who (2:35)
  • B3 – Dying Ground (3:45)
  • B4 – Seven Sad Sisters (1:50)
  • B5 – Autumn Calling (2:00)
  • B6 – Everybody’s Own (4:50)

関連動画

2026.08.20
この記事をシェア