REO Speedwagon – Hi Infidelity (1980)
REO Speedwagon『Hi Infidelity』について
REO Speedwagonの『Hi Infidelity』は、1980年に発表されたアルバムで、バンドの商業的なピークを示す作品として知られている。アメリカのイリノイ州シャンペーンで結成されたREO Speedwagonは、1970年代にライブ活動とアルバム制作を重ね、1980年代に入って大きくヒットを伸ばしたバンドで、この作品はその流れを決定づけた一枚になっている。
日本盤としては1980年リリース。レーベル表記には「℗1980 CBS, Inc.」「Manufactured by Epic/Sony Inc., Tokyo, Japan」とあり、当時の日本市場向けに製造された盤であることがわかる。
作品の位置づけ
このアルバムは、REO Speedwagonの中でも最重要作として扱われることが多い。バンド自身にとっても最大のセールスを記録した作品で、全米トップ40ヒットを4曲含み、累計売上は1000万枚を超えるとされている。1970年代から活動してきたバンドが、メロディ重視のロックをより広い層へ届く形にまとめ上げた節目の作品という見方がしやすい。
サウンドと曲の流れ
クレジット上のジャンルはRock、スタイルはPop RockとAOR。実際の内容も、ギターを軸にしながら、コーラスやフックの強いメロディが前に出る作りになっている。ハードな演奏だけで押し切るタイプではなく、ラジオ向きの明快な曲展開が中心で、当時のアメリカン・ロックの中でも、TotoやJourney、Foreignerと並べて語られやすい方向性がある。
聴き進めると、各曲の役割がはっきりしていて、バンドの演奏力とポップな書き方が両立している印象を受ける。特にシングル曲では、サビの入り方やコーラスの重ね方がそのまま印象に残る構成。アルバム全体としても、派手さよりも曲の流れで引っ張るタイプの仕上がりになっている。
代表曲・ヒット曲
『Hi Infidelity』を語るうえで外せないのが「Keep On Loving You」と「Take It on the Run」。どちらもバンドを代表する楽曲として知られ、アルバムの知名度を大きく押し上げた。
- 「Keep On Loving You」:バンド最大級のヒット曲として広く知られる曲。ピアノの導入から始まり、感情を前に出したバラード寄りの展開が印象的。
- 「Take It on the Run」:ギターのリフと覚えやすいメロディが前に出る曲。ラジオでの存在感が強かったタイプのヒット曲。
- 「Don’t Let Him Go」:アルバム冒頭を勢いよく引っ張る曲として知られる。
- 「In Your Letter」:シングルとしても扱われた曲で、アルバムの中でもメロディの立ち方がわかりやすい。
この4曲がアルバムの中核を支えていて、商業的な成功と作品の認知度の両方を支えた構造になっている。
制作背景とエピソード
REO Speedwagonは1967年に結成され、1970年代を通じて地道に人気を広げていったバンド。バンド名は、REO Speed Wagonという1915年のトラック名に由来し、メンバーの Neal Doughty が大学の授業でその名前を黒板に見つけたことがきっかけになった、というエピソードがよく知られている。なお、バンド名は車名のように一語で読むのではなく、「R-E-O」と個別に発音する形を選んだという。
『Hi Infidelity』は、そうしたバンドの経歴の中で、長く続けてきた活動が一気に大きな成果につながった作品という位置づけがある。初期からのファンにとっては活動の集大成の一つであり、同時に80年代のAOR文脈で広く届いたアルバムでもある。
日本盤としての見どころ
今回の盤は日本で製造された1980年のプレス。オリジナルと同年の日本盤なので、後年の再発盤に見られるような大きな仕様変更を前提にする盤ではない。日本盤ならではのクレジット表記や流通経路が確認できる点が特徴で、当時のCBS/Epic系タイトルとしてのまとまりがある。
まとめ
『Hi Infidelity』は、REO Speedwagonが1970年代の活動を経て、1980年代の大きな成功へつながる流れを作ったアルバム。ポップ・ロックとAORの要素を軸に、ヒット曲を複数含んだことで、バンドの代表作として定着した一枚である。メロディのわかりやすさ、曲ごとの完成度、そして時代のアメリカン・ロックらしさが、はっきりと残る作品。
トラックリスト
- A1 – Don’t Let Him Go (3:44)
- A2 – Keep On Loving You (3:19)
- A3 – Follow My Heart (3:47)
- A4 – In Your Letter (3:14)
- A5 – Take It On The Run (3:59)
- B1 – Tough Guys (3:48)
- B2 – Out Of Season (3:05)
- B3 – Shakin’ It Loose (2:24)
- B4 – Someone Tonight (2:39)
- B5 – I Wish You Were There (4:26)