Blancmange – Happy Families (1982)
Blancmange『Happy Families』について
『Happy Families』は、英国のシンセ・ポップ・デュオ、Blancmangeのデビュー・アルバムで、1982年にUKのLondon Recordsから登場した作品。Neil ArthurとStephen Luscombeを中心に、当時のロンドンで制作された初期Blancmangeの輪郭をそのまま示す1枚で、電子音主体のポップ・ソングをアルバム単位でまとめた内容になっている。
Blancmangeは1979年結成のUKデュオで、1980年代前半から中盤にかけてヒットを重ねたグループ。『Happy Families』は、その後の代表曲群へつながる出発点として位置づけられる作品で、のちのシングル・ヒットで知られるバンドの初期像を知るうえで重要なアルバムだといえる。
制作とクレジット
レコーディングは1982年2月と8月、ロンドンのCBS StudiosとBattery Studiosで行われている。CBS側のエンジニアとしてWalter Samuel、Roberto Arendse、Mark Chamberlain、Battery側ではNigel GreenとAndrew Warwickがクレジットされている。
また、A5「Living On The Ceiling」とB7「Kind」はOdyssey Studiosでリミックスされており、アルバムの中でも特に耳に残る楽曲として扱われていることがうかがえる。
収録曲と代表曲
『Happy Families』の中で最も広く知られているのは「Living On The Ceiling」。Blancmangeの代表曲のひとつとして扱われることが多く、バンド名を広めた楽曲でもある。アフリカ的なリズム感を取り入れたようなビートと、シンセのフレーズ、Neil Arthurのボーカルが前に出る構成で、英国のシンセ・ポップの中でも印象が強い曲だ。
そのほか、アルバム全体には、当時のUKエレクトロニック・ポップらしい、打ち込みとメロディを中心に組み立てた楽曲が並ぶ。派手なロック感よりも、音色の配置やリズムの組み方で曲を進めるタイプの作品で、同時代のDepeche Mode、Soft Cell、Yazooなどと並べて語られることもある流れの中にある。
作品の位置づけ
Blancmangeにとって『Happy Families』は、のちのヒット作へ進む前の、最初のアルバムという意味合いが強い。1980年代前半のUKシンセ・ポップは、シングルの存在感が大きい時代でもあったが、この作品はその中でアルバムとして初期の作法を示したものとして見ておきたいところ。
バンドはこのあと1980年代半ばにかけて「Blind Vision」「Don’t Tell Me」「Living On The Ceiling」「Lose Your Love」「That’s Love, That It Is」「Waves」といった曲で知られるようになるが、その入口にあるのが本作だ。後年の活動再開や再評価を踏まえると、『Happy Families』はBlancmangeの原点としての意味を持つアルバムになっている。
盤について
今回の盤は1982年のUKリリースで、オリジナル時点の作品。レーベル表記はLondon Recordsで、バック・スリーブには© 1982 / ℗ 1982 London Recordsの記載がある。ランアウトの一部はスタンプ、DOUBLE BRANDYとSAD DAY – FOR HELENはエッチング表記になっている。
まとめ
『Happy Families』は、Blancmangeの初期をそのまま切り取った1982年作。UKのシンセ・ポップが勢いを持っていた時代の空気、そして「Living On The Ceiling」に代表されるバンドの個性が、デビュー作の段階で形になっているアルバムだ。
トラックリスト
- A1 – I Can’t Explain
- A2 – Feel Me
- A3 – I’ve Seen The Word
- A4 – Wasted
- A5 – Living On The Ceiling
- B6 – Waves
- B7 – Kind
- B8 – Sad Day
- B9 – Cruel
- B10 – God’s Kitchen