Albert Hammond – Your World And My World (1981)
Albert Hammond / Your World And My World(1981)
Albert Hammondの1981年作『Your World And My World』は、ソフトロックやポップロックの流れの中で、メロディを前面に出した楽曲を並べたアルバムだ。British singer / composerとして知られるHammondは、ロンドン生まれでジブラルタル育ち。のちにアメリカへ拠点を移し、シンガーとしてだけでなく、ソングライターとしても活動を広げていった人物である。
アーティストとしての位置づけ
1981年という時期のAlbert Hammondは、すでにヒット曲を持つ作家・歌手として認知されていた時期に当たる。70年代にアメリカで活動を続けたあとに出た本作は、彼の持ち味である歌の流れの良さ、コード進行のわかりやすさ、そして声の柔らかさが、そのままアルバム単位でまとまった作品として捉えやすい。
同時代のアメリカ西海岸系のポップスや、同じくメロディ重視のシンガーソングライター作品と並べて語られることが多いタイプの1枚だ。派手な演出よりも、曲の骨格と歌で聴かせる作り。そういう意味で、Albert Hammondの作家性が見えやすいアルバムである。
音の印象
この作品は、バラード調の曲と、ポップ寄りの曲が自然につながっていく構成が目立つ。アコースティックな響きとバンド演奏のバランスがよく、耳に入ってくるのはまずメロディの明瞭さ。ソフトロック、フォークロック、ポップロックというタグどおり、ビートで押すというより、歌の線を丁寧に追わせる作りだ。
実際に聴くと、声の置き方がかなり素直で、フレーズの終わりまで崩さずに運ぶタイプの歌い方が印象に残る。音数が多すぎないぶん、コードの変化やコーラスの重なりが聴き取りやすい。派手な展開を求めるより、曲の中で少しずつ景色が動く感じのアルバムである。
代表曲・ヒット曲について
Albert Hammondの代表曲としては、単独のヒットだけでなく、作家として広く知られる楽曲が多い。本作そのものの中でも、アルバムの核になるのは歌メロを強く押し出したバラード群だ。タイトルの『Your World And My World』も、アルバム全体の性格を示すような、個人の感情をまっすぐに置いた響きがある。
Hammondはのちにソングライターとしての評価も強まり、2008年にはSongwriters Hall of Fame入りを果たしている。そうした経歴を踏まえると、このアルバムも「歌を作る人」としての手つきが見えやすい一作として位置づけられる。
同時代とのつながり
1981年のポップ/ロック周辺では、洗練されたアレンジと聴きやすいメロディを持つ作品が多い時期だった。Albert Hammondもその流れの中にいて、ロックの荒さよりも、ラジオ向きの整った構成を優先するタイプの作品を作っている。AOR的な感触や、シンガーソングライター系の落ち着いた作りと近い耳で聴けるアルバムだ。
同じくメロディ重視の男性ソロ作と比べても、Hammondは英国出身ながらアメリカで活動を続けた経歴が効いていて、英語圏のポップスの中心に自然に入り込むタイプの作家として見えやすい。
まとめ
『Your World And My World』は、Albert Hammondの歌と作曲の持ち味が、1981年時点のポップロックの枠組みの中でまとまったアルバムだ。曲単位でもアルバム単位でも、派手さよりも流れのよさが前に出る。ソフトロックやバラード系の感触を軸に、彼の作家性を追いやすい作品として受け取れる。
トラックリスト
- A1 – Your World And My World (3:48)
- A2 – Memories (3:12)
- A3 – When I’m Gone (4:22)
- A4 – Anyone With Eyes (3:22)
- A5 – World Of Love (2:08)
- B1 – I Want You Back Here With Me (3:34)
- B2 – Experience (3:24)
- B3 – Take Me Sailing (2:40)
- B4 – By The Night (4:28)
- B5 – I’m A Camera (2:13)