Angine De Poitrine – Vol. II (2026)

Angine De Poitrine「Vol. II」について

カナダ・ケベック州サグネ発のデュオ、Angine De Poitrineによる「Vol. II」は、2026年の作品。マイクロトーナルな感覚を含むサイケデリック・グルーヴ・ロックを軸に、変則的なリズム運びと、手作り感のある楽器編成が前に出る一枚だ。

メンバーはKhn De PoitrineとKlek De Poitrineの2人編成。Khnは自作のダブルネック・ベース/ギターを使うことが多く、Klekがドラムとパーカッションを担う。編成そのものがかなり特徴的で、音の重なり方にもこのバンドらしさが出やすい構成になっている。

サウンドの印象

この作品は、ロックの骨格を保ちながら、リズムの組み替えや音程感のずらし方で引っかかりを作るタイプの内容に見える。マスロック的な細かい展開と、サイケデリック・ロックの反復感、その間を行き来するような作り。派手なメロディで押すというより、拍の置き方やフレーズの噛み合いで聴かせる方向性だ。

質感としては、手作業の道具感が残る演奏と、仮面や衣装まで含めた演出面の強さが、そのまま音にもつながっている印象。ビートの粘りと、少しずつ形を変えるギター/ベースの組み立てが中心になりそうなタイプのロック作品だ。

バンドの位置づけ

Angine De Poitrineは2019年にサグネのシクティミ地区で始まったプロジェクト。もともとは同じ週に同じ会場で2回演奏することになった際、2本目を別名義の匿名パフォーマンスとして行ったのがきっかけとされている。黒白の水玉衣装と大きな紙製のマスクまで用意した、かなり明確なコンセプトを持つユニットでもある。

その後も活動を続け、2023年には再び定期的に演奏を始めている。そうした流れの中での「Vol. II」は、バンドの持つ実験性と、2人編成の生々しい演奏感がまとまって出てくる作品として位置づけられそうだ。

文脈と関連性

ジャンルとしては、サイケデリック・ロックとマスロックの接点に置ける内容。反復とズレを積み重ねる作りは、同系統の実験的ロックと近いところがある一方、ケベック発のローカルな空気感も感じさせる。英語圏のロック文脈とは少し違う、ユーモアと演出を含んだ見せ方もこのグループの特徴だ。

ひとこと

「Vol. II」は、2人編成、手製の楽器、仮面のビジュアル、そのすべてが一体になったAngine De Poitrineらしい1枚。ロックの基本形を土台にしつつ、リズムと音程の扱いで独自の輪郭を作る作品、という印象だ。

トラックリスト

  • A1 Fabienk (6:31)
  • A2 Mata Zyklek (6:09)
  • A3 Sarniezz (4:35)
  • B1 Utzp (6:50)
  • B2 Yor Zarad (6:29)
  • B3 Angor (6:16)

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2026.05.23