Moby Grape – Great Grape (1971)
Moby Grape『Great Grape』について
Moby Grapeは、1960年代のアメリカを代表するロック・グループのひとつで、全員が歌とソングライティングに関わる体制で知られるバンドだ。フォーク、ブルース、カントリー、ジャズの要素をロックやサイケデリック・ロックに混ぜ合わせた作風で、同時代の西海岸シーンの中でも独自の位置にいる。
『Great Grape』は1971年の作品で、Moby Grapeの持ち味をまとめて追えるタイトルになっている。アメリカ盤としてリリースされ、バンドの活動の流れを押さえるうえでも見やすい一枚だ。
サウンドの印象
ジャンルはロック、スタイルはサイケデリック・ロック。演奏はギターを中心にしたバンド・サウンドが軸で、リズムは派手に崩しすぎず、曲の形を保ちながら進む印象がある。音の質感は、同時代の西海岸ロックらしい生っぽさを残しつつ、歌とアンサンブルのまとまりが前に出るタイプだ。
ブルース寄りの進行、カントリー由来の軽いノリ、フォーク的な歌の運びが自然に混ざるあたりも、Moby Grapeらしいところだろう。サイケデリック・ロックといっても、極端に実験色を強めるというより、バンド演奏の中でその要素を使っている印象。
バンドの立ち位置
メンバーにはAlexander Spence、Jerry Miller、Jim Preston、Bob Mosley、Don Stevenson、Peter Lewis、Gordon Stevensがクレジットされている。複数の作曲者とボーカルが関わる構成は、Moby Grapeの特徴そのものだ。
1960年代のアメリカン・ロックの文脈では、The ByrdsやJefferson Airplane、Grateful Deadのような西海岸勢と並べて語られることが多いバンドだが、Moby Grapeはその中でも、歌の分担と曲作りの広さが目立つ。『Great Grape』も、そのバンド内の多面性を追いやすい内容として位置づけられる。
ひとことで言うと
1960年代型のアメリカン・ロックを軸に、フォーク、ブルース、カントリー、ジャズの要素を抱え込んだMoby Grape。その流れを1971年の時点でたどれる、バンドの輪郭が見えやすい作品だ。
トラックリスト
- A1 Omaha (2:22)
- A2 Murder In My Heart For The Judge (2:57)
- A3 Bitter Wind (3:04)
- A4 It’s A Beautiful Day Today (3:06)
- A5 Changes (3:21)
- B1 Motorcycle Irene (2:23)
- B2 Trucking Man (2:00)
- B3 Someday (2:39)
- B4 8:05 (2:19)
- B5 Ooh Mama Ooh (2:25)
- B6 Naked, If I Want To (0:55)