Robert Wyatt – ’68 (2013)

Robert Wyatt『’68』について

Robert Wyattの『’68』は、2013年にリリースされた作品。ジャズとロックを土台にしながら、フュージョンや実験性のある方向へも目を向けた内容で、Wyattのキャリアを振り返るうえで重要な位置づけの1枚として扱われている。

作品の成り立ち

タイトルの通り、1968年に関わる音源をまとめたアルバムで、Robert Wyattの音楽活動の初期をたどる構成になっている。Wyattは1960年代にWilde Flowers、続いてSoft Machineを共同結成し、ロンドンのサイケデリック・アンダーグラウンドの文脈で活動を広げていった人物。Soft MachineはJimi Hendrix Experienceの前座としてアメリカ・ツアーも行っており、その時期の空気がこの作品にもつながっている。

Wyatt自身は、のちにソロ活動でも独自の足跡を残していくが、『’68』はそうした本格的なソロ期の前段階にあたる時期を示す資料的な意味合いも持つ。本人のライフワークにおける“欠けていた部分”を埋めるような位置づけ、と説明されている。

サウンドの特徴

ジャズ由来の流れとロックの推進力が同居し、そこに実験的な組み立てが重なるタイプの内容。Soft Machine周辺の時代を思わせる、時に流動的で、時にリズムの切り替わりがはっきりした手触りがある。いわゆる歌もの中心ではなく、演奏の動きや構成そのものを追う楽しみが大きい作品だ。

同時代の文脈で見ると、Canや周辺のプログレッシブ/アヴァン寄りのロック、あるいはジャズ・ロックの展開と並べて語られやすい領域。Robert Wyattの名前が出るときに連想される、柔らかな声のソロ作品とはまた違い、バンドの変化や即興性が前に出る場面が想像しやすい。

リリース情報

  • オリジナルリリース年: 2013年
  • リリース国: US
  • ジャンル: Jazz, Rock
  • スタイル: Fusion, Experimental

フォーマットについて

2013年10月8日にリリースされ、アナログ盤、CD、デジタル配信で展開された。アナログ盤は白盤の初回プレスから始まり、その後も色違いのプレスが重ねられている。デジタル版には「Rivmic Melodies (Radio Edit)」がボーナストラックとして収録されている。

Robert Wyattという人物

Robert Wyattは1945年、イングランドのブリストル生まれ。1960年代半ばにWilde Flowersを共同結成し、1966年にはSoft Machineを共同結成した。Soft Machineは1967年に初のシングルを発表し、1968年にはJimi Hendrix Experienceの全米ツアーに同行している。

その後、Wyattはソロ活動へ移り、1973年の事故によって下半身不随となったのちも、車椅子で演奏と録音を続けてきた。『’68』は、そうした長いキャリアの中でも、出発点の時代を見つめ直す作品として受け取れる。

ひとこと

『’68』は、Robert Wyattの初期キャリアとSoft Machine周辺の空気をたどるうえで、かなり見通しのいい1枚。ジャズ、ロック、実験性が交差する時代の記録として、当時の流れがそのまま残っているような内容だ。

トラックリスト

  • A1 Rivmic Melodies (18:17)
  • A2 Chelsa (5:00)
  • B1 Slow Walkin’ Talk (3:00)
  • B2 Moon In June (20:33)

関連動画

2026.06.03