The Golden Palominos – The Golden Palominos (1983)
The Golden Palominos / The Golden Palominos
1983年に登場した、The Golden Palominos名義のファースト・アルバム。米国とカナダを拠点にしたプロジェクトで、Anton Fierを中心に動いている点が大きな特徴になっている。ジャズ、ロック、ファンク/ソウルをまたぐ構成で、抽象的な感触とフリー・ファンク、アヴァンギャルド寄りの要素が交差する1枚。
作品の輪郭
このアルバムでは、Bill Laswell、Arto Lindsay、Bootsy Collins、Nicky Skopelitis、John Zorn、Syd Straw、Lori Carson、David Moss、Peter Blegvad、Jody Harris、Amanda Kramer、Lydia Kavanaghといった名前が並ぶ。参加メンバーの顔ぶれだけ見ても、ひとつのバンドというより、異なる背景の演奏者が集まったプロジェクト作品としての性格が伝わってくる。
サウンドは、一定のビートを土台にしながらも、演奏の隙間や音色の切り替えが目立つタイプ。ファンクのグルーヴ、ロックの推進力、ジャズ由来の即興性が同じ曲の中でぶつかり合う場面もありそうな内容で、まとまりよりも動きの多さが印象に残る構成になっている。
当時の文脈
1980年代前半のニューヨーク周辺を思わせる、ジャンルの境界をまたぐ流れの中に置くと見えやすい作品でもある。Bill LaswellやJohn Zornの周辺で語られるような、実験性の強いロック/フリー・ミュージックの文脈とも重なりやすい。ファンクの身体感覚と、前衛的な処理が同居するところが、この時期らしいポイントになっている。
位置づけ
The Golden Palominosにとっては、プロジェクトの出発点にあたる作品。Anton Fierが中心に立ち、参加者を入れ替えながら音の方向を作っていく形の原型として捉えやすい。後年の展開を知る前提でも、この1枚には最初期ならではの輪郭の強さがある。
ひとこと
ジャンル名だけでは収まりきらない組み合わせで、リズムの重さと音の飛び方が同居するアルバム。1983年の作品として、ジャズ、ロック、ファンクの交差点にある記録という見方がしやすい。
トラックリスト
- A1 Clean Plate (6:32)
- A2 Hot Seat (5:13)
- A3 Under The Cap (5:32)
- A4 Monday Night (6:29)
- B1 Cookout (4:38)
- B2 I.D. (6:45)
- B3 Two Sided Fist (7:42)