Unicorn – Too Many Crooks (1976)
Unicorn『Too Many Crooks』(1976)
UKのバンド、Unicornによる1976年作『Too Many Crooks』。前身はThe Lateで、イングランド・サリー州Sendを拠点に活動していたグループとして知られる。アコースティック寄りの感触を残しつつ、フォークロックとカントリーロックの要素を前面に出した作品で、派手なロック・サウンドよりも、曲そのものの運び方やアンサンブルのまとまりに耳が向くタイプの1枚。
バンドの立ち位置
Unicornは、70年代英国のシンガーソングライター系ロックの流れの中に置くと見えやすいバンドだと思う。Elliott MurphyやThe Strawbs、あるいは同時代の英国産フォークロック周辺と並べて語られることのある空気感で、派手なロックの文法よりも、素朴さと演奏の輪郭で聴かせるところがある。『Too Many Crooks』は、そのバンド像をつかみやすい時期の作品として捉えやすい。
作品の内容
このアルバムは、メロディを前に出した楽曲と、バンドで支える演奏のバランスが印象に残る。曲によってはカントリー寄りのギターや、軽いコーラスワークが入ってきて、英国のバンドらしい乾いた質感の中に、米国産カントリーロックに近い進行も見える。フォークロックらしい語り口と、ロック・バンドとしてのまとまりが同居した作り。
一度通して聴くと、音数を詰め込みすぎない編成の中で、歌と楽器の位置関係を丁寧に組んでいる印象が残る。録音も過度に作り込んだ感じではなく、1970年代半ばのUKロックらしい素直な質感。そうした距離感が、この作品の輪郭になっている。
同時代とのつながり
1976年という年は、英国ではパンクの台頭が目前に迫っていた時期でもあるが、Unicornの音はその流れとは別の場所にある。むしろ、70年代前半から続くフォークロックやカントリーロックの延長線上にある作品で、アメリカ西海岸系のカントリーロックと英国のメロディ感覚が交差する地点として聴くと整理しやすい。
同時代の華やかな大編成ロックや、攻撃性の強い新しい波とは対照的に、歌、曲、演奏の基本で押していくタイプのアルバム。そういう意味では、時代の変わり目に残された英国産の“地に足のついたロック”の一例とも言えそうだ。
盤の仕様
- オリジナルのリリース年: 1976年
- リリース国: UK
- 収録形態: カードボード製の内袋付き
- 内袋の内容: バンド写真入り
- ℗表記: 1976 EMKA Productions Ltd.
- ラベルのMatrix表記: 括弧付き
- ランアウト: スタンプ
まとめ
『Too Many Crooks』は、Unicornというバンドの持ち味を、フォークロックとカントリーロックの枠組みの中で素直に示した1976年の作品。アメリカ的なルーツ感と英国バンドらしい抑制が同居する1枚で、派手さよりも曲の流れや演奏の手触りに目が向くアルバムだと思う。
トラックリスト
- A1 – Weekend (3:22)
- A2 – Ferry Boat (5:00)
- A3 – He’s Got Pride (4:08)
- A4 – Keep On Going (4:33)
- A5 – Too Many Crooks (4:20)
- B1 – Bullseye Bill (5:24)
- B2 – Disco Dancer (3:20)
- B3 – Easy (3:38)
- B4 – No Way Out Of Here (5:14)
- B5 – In The Mood (4:28)