Westfauster – In A King’s Dream (1971)
Westfauster『In A King’s Dream』について
Westfausterの『In A King’s Dream』は、1971年に発表されたサイケデリック・ロック/プログレッシブ・ロック作品だ。アメリカ・オハイオ州シンシナティ周辺のバンドで、1960年代後半から1970年代前半にかけて活動したグループとして知られている。バンドはNascoレーベルから1枚のLPを残しており、この作品もその流れにある1作となる。
盤として流通しているのは1993年発行のもの。オリジナル盤よりも後の再発盤として扱うのが自然で、70年代初頭の空気を伝える録音に、90年代の再流通が重なった形になる。
作品の位置づけ
Westfausterは、シンシナティのローカル・シーンから出てきたサイケデリック・プログレ・バンドという位置づけになる。バンドの説明では、NascoからのLPは「プログレッシブ」と「ポスト・サイケデリック」の要素が混ざった内容とされている。つまり、60年代後半の心理的な広がりを持つロック感覚を引き継ぎながら、70年代初頭らしい構成重視の演奏へ寄っていく時期の記録と見られる。
メンバーにはStephen Helwig、Michael Newland、Charles West Fausterが名を連ねる。さらに、Haymarket RiotのSteve HelwigがこのLPに参加している点も知られている。こうしたクレジットからも、地域シーンのつながりの中で作られた作品であることがうかがえる。
サウンドの輪郭
実際の音像は、サイケデリック・ロックの持つ揺れや色彩感に、プログレッシブ・ロック的な展開の組み立てが重なるタイプと受け取られている。派手なヒット曲で押すというより、曲の流れやアレンジの変化で聴かせる性格が強そうだ。ジャンル名だけで想像されるほど単純な“サイケ”ではなく、演奏の構造に意識が向いた作品という印象が残る。
同時代の文脈で見ると、60年代末から70年代初頭にかけてのアメリカのローカル・バンドに通じる作りだ。大きな商業的成功を前提にした作品というより、当時のロックが持っていた実験性や長尺志向、演奏の密度が前に出るタイプのアルバム群と並べて語られることが多いだろう。
再発盤としての見どころ
1993年盤は、オリジナルの1971年盤を後年に改めて手に取れる形にしたものだ。再発盤ではあるが、作品そのものは70年代初頭の録音として聴くのが基本になる。こうした盤は、オリジナル流通の少なさゆえに後から評価されることもあり、Westfausterのような地域バンドの記録を現代に残す役割も持っている。
まとめ
『In A King’s Dream』は、シンシナティ出身のWestfausterが残した1971年のLPで、サイケデリック・ロックとプログレッシブ・ロックの接点にある作品だ。地域色のあるバンド編成、Nascoからの単独LP、そして後年の再発という流れまで含めて、70年代初頭のアメリカ地方シーンを知るうえでの一枚として位置づけられる。
トラックリスト
- A1 – Where Are You (3:26)
- A2 – Everyday (8:55)
- A3 – Blind Man (3:16)
- A4 – Blind Man’s Epitaph (2:54)
- B1 – In A King’s Dream (10:08)
- B2 – A Sunny Day (3:18)
- B3 – Low Sun (2:53)
- B4 – Did It Or Didn’t It (Take Us High) (5:09)