Glass Beams – Mahal (2024)

Glass Beams『Mahal』について

Glass Beamsは、メルボルン〈Naarm〉を拠点に活動するプロジェクトで、Rajan Silvaが立ち上げた単独名義のユニットとして知られている。顔の見えにくい活動スタイルと、反復するリフ、細かく組まれたメロディで構成されたサウンドが特徴で、作品そのものに重心を置いた存在感がある。

『Mahal』は2024年に登場した作品で、Glass Beamsの現在地をそのまま示すような一枚。サイケデリック・ロックを軸に、ファンクやフュージョンの要素を絡めながら、リズムのうねりと旋律の循環で引っ張っていく内容になっている。派手な展開で押すというより、短いフレーズを積み重ねて、じわじわと熱を上げていくタイプのアルバム。

作品の印象

聴きどころは、ギターやベースが作る反復のグルーヴと、そこに重なる旋律の運びにある。トラックごとの輪郭ははっきりしている一方で、全体は切れ目少なく流れていく印象で、演奏の密度は高いが、音数で埋め尽くす感じではない。インストゥルメンタル中心の組み立てが、言葉よりも音の動きで作品を成立させている。

ファンク由来の跳ねる感じと、サイケデリック・ロックの反復性が同居していて、フュージョン的な滑らかさも入る。そのため、単に懐古的なサウンドというより、複数の要素を整理して現代的に鳴らしている印象が残る。音のまとまりがよく、細部の処理まで含めて完成度を見せるタイプの作品。

Glass Beamsにとっての位置づけ

Glass Beamsは、もともと匿名性の高い活動と、音そのもので引き込む姿勢が印象的なプロジェクトだが、『Mahal』でもその方針は変わっていない。プロフィール上の情報を前面に出すのではなく、音の循環や質感で存在を示す作りになっている。Rajan Silvaのソロ・プロジェクトとしての輪郭も、この作品でよりはっきりする。

活動初期から注目されてきたグループとして見ると、『Mahal』はその路線を大きく崩さずに、演奏のまとまりや曲の構成をさらに洗練させた作品として受け取れる。初出の2024年作として、Glass Beamsの名前を広げた重要盤のひとつという位置づけになりそうだ。

ジャンルの文脈

サイケデリック・ロック、ファンク、フュージョンという並びは、そのまま70年代的な音の記憶を呼び起こすが、『Mahal』はその参照先をなぞるだけでは終わらない。反復の快感、リズムの締まり、メロディの流れを軸にしていて、現行のインディー・シーンの中でもかなり独自の立ち位置にある。

同時代の作品と比べると、派手なギターソロや歌の押し出しよりも、アンサンブル全体の運動で聴かせる点が際立つ。比較対象としては、サイケデリックな反復やグルーヴを重視するバンド、あるいはファンク寄りの実験性を持つインストゥルメンタル・グループが思い浮かぶが、『Mahal』はそれらをひとつの流れにまとめている印象。

作品の仕様

  • 2024年作品
  • UKリリース
  • 黒盤仕様
  • フルカラーの両面印刷インナー・スリーブ封入
  • アートワークとクレジットを印刷した仕様
  • ランアウトはエッチング仕様
  • 日本盤の追加版あり

見た目の情報も含めて、作品世界をパッケージまで通して整えたリリースになっている。音だけでなく、盤としてのまとまりも意識された一枚だ。

トラックリスト

  • A1 – Horizon (0:42)
  • A2 – Mahal (3:21)
  • A3 – Orb (4:54)
  • B1 – Snake Oil (4:55)
  • B2 – Black Sand (4:38)

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2026.08.15
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