The Holy Modal Rounders – Indian War Whoop (1967)
The Holy Modal Rounders『Indian War Whoop』について
The Holy Modal Roundersは、1960年代のニューヨーク・ロウアー・イースト・サイドで結成された、Peter StampfelとSteve Weberを中心とするアメリカのフォーク・グループだ。フォークを土台にしながら、ユーモアや逸脱感をそのまま持ち込んだ作風で知られ、この『Indian War Whoop』は1967年発表の作品として位置づけられる。
この盤は2004年リリースのイタリア盤。オリジナルの時代感を伝える作品を、後年に再び手に取れる形にした再発盤として見るのが自然だ。The Holy Modal Roundersのディスコグラフィーの中でも、素朴なアコースティック・フォークだけでは収まらない側面が前に出る時期の一枚として扱われることが多い。
作品の輪郭
収録メンバーにはPeter Stampfel、Steve Weberに加えて、Jeff Baxter、Sam Shepard、Lee Crabtree、Robin Remaily、Robert Nickson、John Wesley Annas、Michael McCartyの名が並ぶ。クレジット上でも、中心のデュオに複数の演奏者が加わった編成であることがわかる。
ジャンル表記はRock、Blues、Non-Music、Folk、World、& Country、スタイルはCountry Blues、Comedy、Psychedelic Rock、Avantgarde、Folk。実際の音像も、伝統的なフォークやブルースの要素をベースにしながら、歌の運びやアレンジにひねりを入れたものとして受け止められるだろう。少なくとも、まっすぐなトラディショナル再演だけの記録ではない。
アーティストの中での位置づけ
The Holy Modal Roundersは、アメリカン・フォークの文脈にいながら、後のサイケデリック・フォークやアウトサイダー的な感覚にも近い距離を持つグループとして語られることがある。『Indian War Whoop』も、その流れの中で、既存のフォーク像を少し外したところに置かれる作品と見てよさそうだ。
同時代のフォーク・リバイバルと比べると、より整った伝承再現よりも、脱線や滑稽さ、粗さを含んだ演奏の印象が強い。Folkways系のストレートな収集記録や、より後年のシンガーソングライター作品とは、方向性がかなり異なる。
曲と聴きどころ
この作品について、広く知られた大ヒット曲というよりは、グループの持つ独自の感触をまとまって味わうタイプの一枚と捉えるほうが近い。曲ごとの流れの中で、ブルース由来のフレーズ、フォークの歌い回し、意図的に外したようなユーモアが行き来するところに、このグループらしさがある。
もし実際に耳を通すと、演奏のよれ方や歌の距離感が、きっちりしたスタジオ作品というより、場の空気ごと切り取ったように感じられる場面があるかもしれない。そこがこの手の作品の面白さでもある。
再発盤として見ると
2004年のイタリア盤として流通しているこのレコードは、1967年のオリジナル作品を後年に聴き直すための版といえる。オリジナル盤との細かな仕様差まではここでは断定しないが、少なくとも作品そのものの時代性は1967年に属する。
つまり『Indian War Whoop』は、The Holy Modal Roundersの持つ奇妙さとフォークの接点を確認できる記録であり、1960年代アメリカン・フォークの周縁を見渡すうえでも興味深い一枚だ。
トラックリスト
- A1 – Indian War Whoop
- A2 – Sweet Apple Cider
- A3 – Soldier’s Joy
- A4 – Cocaine Blues
- A5 – Sky Divers
- B1 – Radar Blues
- B2 – The I.W.W. Song
- B3 – Football Blues
- B4 – Bay Rum Blues
- B5 – Morning Glory