The Flock – Dinosaur Swamps (1970)

The Flock『Dinosaur Swamps』について

『Dinosaur Swamps』は、アメリカ・シカゴ出身のThe Flockが1970年に発表したアルバム。ガレージ・ロックを出発点にしながら、のちにジャズ・ロック/フュージョンへと傾いていった彼らの初期像をつかみやすい作品だ。ジャンル表記としてはロック、スタイルとしてはプログレッシブ・ロックに置かれている。

バンドは1965年にRick CanoffとFred Glicksteinを中心に結成された。シカゴ周辺のロック・シーンから出てきたグループとしては珍しく、管楽器や演奏の組み立てを前面に出すタイプで、同時代のイースト・コースト系プログレやジャズ・ロックと並べて語られることもある。

サウンドの輪郭

この時期のThe Flockは、ロックのリズム感を土台にしつつ、ホーンの厚みとインストゥルメンタル寄りの展開を組み合わせた作りが特徴的だ。ギター、ベース、ドラムのロック的な推進力に、ジャズ由来のフレーズやアンサンブルが重なる場面が多く、硬質さと即興性が同居する質感になっている。

一般的なハードロックほど直線的ではなく、かといって完全なジャズ・ロックでもない、その中間を行くような手触り。アメリカン・プログレの中でも、演奏の密度で聴かせるタイプの一枚として見えてくる。

作品の位置づけ

『Dinosaur Swamps』は、The Flockの初期の代表作として語られやすいタイトルだ。バンドはこの後、2作目の発表を経て1970年代前半にいったん解散しており、本作はグループの最初期の到達点のひとつと受け取れる。

メンバーにはJerry Goodman、Felix Pappalardi、Frank Posa、Rick Canoff、Ron Karpman、Jerry Smith、Tom Webb、Fred Glickstein、Mike Zydowsky、John Gerber、Rick Mannらが名を連ねる。人員の多さも含めて、バンド・アンサンブルの色が強いアルバムだ。

同時代との関係

1970年前後のアメリカでは、プログレッシブ・ロックが英国だけのものではなくなり、ジャズやR&Bの要素を取り込んだバンドが各地で現れていた。The Flockもその流れの中にあり、より洗練されたジャズ・ロック寄りのバンドと比べると、ロック・バンドとしての粗さや勢いが残っているあたりに個性がある。

シカゴという土地柄を踏まえると、ブラス・ロックや都市的な音の感覚とも近いところがあり、その後のアメリカン・フュージョンの前史として眺めることもできる。

まとめ

『Dinosaur Swamps』は、The Flockがガレージ・ロックからジャズ・ロック/フュージョンへ向かう途中に残した、1970年のプログレッシブ・ロック作品。ホーンを含む編成、演奏重視の構成、ロックとジャズの接点にある作りが要点だ。バンドの初期像を知るうえで、かなりわかりやすい一枚と言える。

トラックリスト

  • A1 Green Slice (2:00)
  • A2 Big Bird (5:52)
  • A3 Hornschmeyer’s Island (7:27)
  • A4 Lighthouse (5:20)
  • B1 Crabfoot (8:15)
  • B2 Mermaid (4:53)
  • B3 Uranian Sircus (7:12)

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2026.05.31