Shingetsu – New Moon / Shingetsu (1979)
Shingetsu「New Moon / Shingetsu」(1979)について
Shingetsuは、1970年代の日本のプログレッシブ・ロック/シンフォニック・ロックを代表する短命ながら重要なバンドのひとつだ。この「New Moon / Shingetsu」は1979年に日本で登場した作品で、バンド名をそのまま冠した初出作として位置づけられる。メンバーはNaoya Takahashi、Akira Hanamoto、Haruhiko Tsuda、Shizuo Suzuki、Makoto Kitayamaの5人編成。
Shingetsuのプロフィールを見ると、中心人物のAkira HanamotoとHaruhiko Tsudaは、その後も関連プロジェクトへつながっていく流れがある。つまりこの作品は、単発のアルバムというより、70年代日本プログレの一つの到達点として見ると輪郭がつかみやすい。バンドの公式サイトもあり、後年まで一定の注目を集めてきたことがわかる。
作品の位置づけ
1979年という時期は、日本のロックが70年代的な実験性から次の段階へ移っていくタイミングでもある。その中でShingetsuのこの作品は、英米のプログレ勢と同じ文脈で語られやすい一方で、日本語圏のロックが持っていた独自の緊張感も残している盤として扱われることが多い。国産シンフォニック・ロックの流れを振り返るときに、しばしば名前が挙がるタイプの作品だ。
サウンドの特徴
実際に聴くと、演奏はかなり整理されていて、各パートがはっきり分かる作り。ギター、鍵盤、リズム隊の役割が明確で、長尺の中で展開を積み重ねていく構成が目立つ。単に技巧を並べるタイプというより、曲の流れを保ちながら場面を切り替えていく印象がある。
プログレッシブ・ロックらしい組曲的な発想や、シンフォニック・ロックに通じる音の厚みは確かに感じられるが、派手さだけを押し出す感じではない。むしろ、演奏の緊張感と構成の組み立てで聴かせるタイプの作品だと思える。
同時代の文脈
同じ時代の日本のプログレを思い浮かべると、Far East Family BandやMikami Kanの周辺、あるいは海外ではGenesisやYes、King Crimsonなどの影響圏が見えてくる。この作品もそうした大きな流れの中に置けるが、単純な模倣ではなく、国産バンドらしいまとまり方がある。
特に1970年代後半の作品として見ると、初期プログレの奔放さよりも、構成の精度や演奏の密度が前に出ている。Shingetsuのこの盤も、その流れに乗った作品として受け取れる。
代表曲について
収録曲の中では、アルバム全体の流れの中で印象を残す長めの曲が核になっているタイプだ。シングルヒットで知られる作品というより、アルバム単位で聴かれる性格が強い。どの曲を抜き出すかより、曲間のつながりや展開の積み重ねを含めて楽しむ盤と言えそうだ。
まとめ
Shingetsu「New Moon / Shingetsu」は、1979年の日本のプログレッシブ・ロックを知るうえで外しにくい一枚だ。短命なバンドながら、関連プロジェクトへ広がる人脈を持ち、国産シンフォニック・ロックの文脈でも重要な存在として見られている。演奏のまとまり、長尺曲の構成、当時の日本のロックの空気感が、ひとつの作品として収まっている。
トラックリスト
- A1 – 鬼 / Oni
- A2 – 朝の向こう側 / The Other Side Of The Morning
- A3 – 発熱の街角 / Influental Streets
- A4 – 雨上がりの昼下がり / Afternoon-After The Rain
- B1 – 白唇 / Fragments Of The Dawn
- B2 – 魔笛”冷凍” / Magic Flute “Reitou”
- B3 – 科学の夜 / The Night Collector
- B4 – せめて今宵は / Return Of The Night