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Earth And Fire – Atlantis (1973)

Earth And Fire『Atlantis』(1973)

オランダ、Voorschoten/Voorburg出身のポップ・バンド、Earth And Fireが1973年に発表したアルバム。女性ボーカルのJerney Kaagmanを中心に、Chris Koerts(ギター)、Gerard Koerts(キーボード)、Hans Ziech(ベース)、Ton van der Kleij(ドラムス)らで構成されたこのグループは、60年代末から70年代前半にかけて、オランダ国内で複数のヒットを持っていたバンドだ。

『Atlantis』は、彼らのディスコグラフィーの中でも初期の重要作として扱われる一枚で、バンドがHammond organ主体の編成から、Mellotronやシンセサイザーを取り入れたサウンドへ移っていく時期の作品でもある。プログレッシブ・ロック、シンフォニック・ロックの文脈で語られることが多く、同時代の欧州ロックの流れの中でも、鍵盤の比重が大きいアルバムとして位置づけられている。

作品の位置づけ

Earth & Fireはシングル・ヒットの多いバンドだが、アルバム単位でも評価されている。前作『Song of the Marching Children』と並んで、『Atlantis』は初期の代表作として挙げられることが多い。後年になるほどシンセサイザーの使用が増え、さらにディスコ的な要素も見えてくるが、この時点ではまだロック・バンドとしてのまとまりが強く、メロトロンやオルガンの使い方が作品の骨格を作っている。

1970年代前半のオランダ・ロックは、EkseptionやFocusのように、クラシックやシンフォニックな要素を取り込んだバンドが国際的にも注目された時期だった。Earth & Fireもその流れに近い場所にいて、英米のプログレ勢とは少し違う、メロディーを前面に出した作りが耳に残る。

収録曲とヒット曲

Earth & Fireは「Seasons」「Ruby is the One」「Wild & Exciting」「Invitation」「Memories」などのヒットで知られるが、『Atlantis』の時代はアルバム志向を強めていく流れにある。グループのプロフィールにもある通り、この時期は長尺の楽曲を含む構成が特徴で、サイドをまたぐ大作的な展開も導入されている。シングル・ヒット中心の印象だけでなく、アルバム全体を通して構築する姿勢が見える作品だ。

代表曲の存在と、アルバム志向の強化。その両方が重なる時期の記録として、『Atlantis』は押さえられている。

音の特徴

聴きどころは、Jerney Kaagmanのボーカルと、Chris Koertsのギター、Gerard Koertsのキーボードが作る分厚いアンサンブル。Hammond organに加えてMellotronやシンセサイザーが入ることで、音の層が増している。ストレートなロックの推進力だけでなく、鍵盤が前に出る場面が多く、曲の展開を支える役割がはっきりしている。

実際に聴くと、バンドの演奏はタイトで、楽曲の輪郭も比較的はっきりしている印象だ。欧州のシンフォニック・ロックらしい鍵盤の厚みはありつつ、ポップ・バンドとしての歌の強さも残っている。プログレ寄りの長尺曲と、シングル向きのわかりやすさが同居しているところが、この時期のEarth & Fireらしさだろう。

オリジナル盤について

本作は1973年のオリジナル・リリース。提示されている盤情報では、同年盤の中でもラベル表記、クレジット位置、カタログ番号やマトリクスの位置、スピード表記、rights society表記に差異のあるバリエーションが確認されている。ランアウトはスタンプ押し。オリジナル期のプレス違いを追う楽しみもあるタイトルだ。

まとめ

『Atlantis』は、Earth & Fireがポップ・バンドから、よりアルバム志向の強いシンフォニック・ロック・バンドへと歩を進めていく途中の作品。Jerney Kaagmanのボーカル、Koerts兄弟の鍵盤とギター、そしてメロトロン/シンセ導入による音の広がりが、1973年という時点の空気をよく映している。オランダの70年代ロックを語るうえで、初期の重要な一枚として扱われる作品だ。

トラックリスト

  • Atlantis (16:22)
  • B1 – Maybe Tomorrow, Maybe Tonight (3:12)
  • B2 – Interlude (1:57)
  • B3 – Fanfare (6:03)
  • B4 – Theme From Atlantis (1:50)
  • B5 – Love, Please Close The Door (4:11)

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2026.07.03
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