The Whispers – This Kind Of Lovin’ (1981)

The Whispers / This Kind Of Lovin’(1981)

The Whispersは、1960年代から活動を続けるロサンゼルスのソウル・グループだ。男性ヴォーカル・グループらしい整ったハーモニーと、80年代以降の洗練されたR&Bサウンドの両方を持つ存在として知られている。This Kind Of Lovin’は1981年の作品で、グループがSolar周辺で存在感を強めていく時期の1枚にあたる。

作品の位置づけ

1981年という時期のThe Whispersは、70年代後半のディスコ期を経て、より都会的なソウル/ダンスR&Bへ軸足を置いていた。1978年の「And The Beat Goes On」、1980年の「It’s A Love Thing」といったヒットで知られる流れの中にある作品で、グループの名前をR&Bチャート上位に定着させていく時期のタイトルでもある。

レーベル表記には℗ 1981 Dick Griffey Productions、© 1981 RCA Recordsとあり、当時のSolar系ソウル作品らしい制作背景が見える。ジャケットやクレジット面も含めて、1980年代初頭のUSソウル・アルバムとしての佇まいがある。

サウンドの印象

この時期のThe Whispersらしく、曲の芯にはメロディ重視の歌い回しと、複数人の声がきれいに重なるコーラスがある。ファルセットを押し出すというより、輪郭のそろったヴォーカルを前に出しながら、リズム隊と鍵盤で流れを作るタイプの作りだ。ディスコの延長線上にありつつ、踊るためだけでなく歌を聴かせる構成が残っているところが特徴的だ。

実際に聴くと、派手な展開で引っ張る作品というより、グループの声の揃い方とリズムの置き方で聴かせるタイプに感じられる。The Whispersは派手な個性を前面に出すグループというより、アンサンブルの精度で魅せる印象が強い。

代表曲とのつながり

収録曲の中核を語るうえでは、同時期のヒット曲群と並べて捉えるのがわかりやすい。The Whispersは1980年前後に「It’s A Love Thing」でR&Bチャート2位を記録し、翌1982年には「In The Raw」もヒットさせている。少し後の1987年には「Rock Steady」でR&Bチャート1位に到達しており、This Kind Of Lovin’はその中間にある重要な時期の一作という位置づけだ。

  • 「And The Beat Goes On」:1978年の代表曲
  • 「It’s A Love Thing」:1980年のヒット
  • 「In The Raw」:1982年のヒット
  • 「Rock Steady」:1987年の最大級のヒット

同時代との関係

1981年前後のソウル/R&Bでは、The Whispersのようにコーラスを生かしたグループが、ダンス・ミュージックの流れの中で洗練を進めていた。近い文脈では、同じくグループ・ヴォーカルを軸にした作品群や、ディスコ後のブラック・ミュージックの流れに接続するアーティストたちが思い浮かぶ。The Whispersはその中でも、歌のバランスが整ったグループとして聴かれてきた存在だ。

グループについて

The Whispersは1964年にカリフォルニア州ワッツで結成され、ロサンゼルスを拠点に活動してきた。オリジナル・メンバーにはWallace Scott、Walter Scott、Nicholas Caldwell、Gordy Harmon、Marcus Hutsonが含まれる。長い活動歴の中でメンバー変遷はあるが、グループとしては50年以上にわたり活動を続け、R&Bチャートでも多数のヒットを記録している。

2003年にはVocal Group Hall of Fame、2014年にはR&B Music Hall of Fameに選出されている。ハーモニー・グループとしての評価が、長いキャリアを通して積み上がってきたことがわかる。

まとめ

This Kind Of Lovin’は、The Whispersが70年代のディスコ期から80年代の都会的なR&Bへ移っていく流れの中にある1981年作だ。派手さよりも、整ったコーラス、リズムの安定感、メロディの運びで聴かせるタイプの作品として見ると、グループの持ち味がわかりやすい。代表曲「And The Beat Goes On」や「It’s A Love Thing」に接続する時期のタイトルとして押さえておきたい1枚だ。

トラックリスト

  • A1 – This Kind Of Lovin’ (5:00)
  • A2 – World Of A Thousand Dreams (3:45)
  • A3 – I’m The One For You (4:05)
  • A4 – Got To Get Away (5:00)
  • B1 – I’m Gonna Love You More (6:03)
  • B2 – Can’t Stop Loving You Baby (4:19)
  • B3 – What Will I Do (4:05)
  • B4 – The Bright Lights And You Girl (3:25)

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2026.07.03
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