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Aphrodite’s Child – It’s Five O’Clock (1970)

Aphrodite’s Child『It’s Five O’Clock』について

Aphrodite’s Childは、ギリシャ出身のロック・ポップ・サイケデリック・バンドで、1967年から1972年にかけて活動したグループだ。VangelisことEvangelos Papathanassiou、Demis RoussosことArtemios Venturis Roussosを中心に、ヨーロッパ圏で存在感を強めた。

『It’s Five O’Clock』は1970年に発表された2作目のアルバムで、バンドの代表作のひとつとして知られる作品だ。前作『End of the World』の流れを受けつつ、より整理されたポップ感と、当時らしいサイケデリックな色合いが同居している。Aphrodite’s Childのアルバムの中では、初期の勢いと曲作りのまとまりが見えやすい位置づけの一枚といえる。

作品の位置づけ

この時期のAphrodite’s Childは、シングルでの成功とアルバム志向の両方を持っていた。デビュー曲「Rain and Tears」は、パッヘルベルのカノンを下敷きにしたことで知られ、ヨーロッパ各国で大きなヒットになった。その成功を背負いながら作られた2作目が『It’s Five O’Clock』という流れだ。

アルバムタイトル曲「It’s Five O’Clock」は、作品を象徴する曲として扱われることが多い。ほかにも「Annabella」など、メロディを前に出した曲が並ぶ。全体としては、英語圏のポップ・ロックの形式の中に、地中海圏のグループらしい輪郭がにじむ内容だ。

サウンドと聴きどころ

このアルバムでは、ロックのバンド演奏を土台にしながら、サイケデリック・ロックの時代らしい響きが要所に入る。Vangelisの鍵盤は前に出すぎず、曲の骨格を支える役回りが中心だ。Demis Roussosの声は、曲のメロディをそのまま印象づけるタイプで、分かりやすいフックを作っている。

実際に聴くと、派手な展開で押すというより、曲ごとのメロディとコーラスの配置で聴かせる印象が強い。アレンジは1970年前後のポップ・ロックとしては比較的ストレートで、そこに少し歪んだ質感や浮遊感が加わる。サイケデリック期の作品としては、過度に実験的ではなく、曲の輪郭が追いやすい部類だ。

同時代とのつながり

Aphrodite’s Childは、同時代の欧州ロックの中でも、英語で歌うことで国境を越えて広がったグループだ。サイケデリック・ロックやポップ・ロックという軸で見ると、歌メロを重視する点ではThe Beatles以後の英国ポップ、鍵盤主体の組み立てではプログレッシブ・ロック前夜の空気とも接点がある。

ただし、この段階ではまだ大きく実験に振り切ってはいない。後年の『666』で見えるような前衛性はまだ控えめで、まずは楽曲の分かりやすさが前面にある。そういう意味では、バンドの変化の途中にある記録でもある。

再発盤としての見方

今回の日本盤は1978年リリース。オリジナルの1970年盤からは時間が空いている。付属インサート付きという点は、日本盤らしい丁寧な仕様として見てよさそうだ。音楽内容そのものは1970年の作品だが、日本で流通した盤としては、当時の再評価やカタログ整理の文脈で手に取られた可能性がある。

まとめ

『It’s Five O’Clock』は、Aphrodite’s Childの初期を代表するアルバムのひとつで、シングルヒットで知られるバンドのメロディ志向と、サイケデリック・ロック期の空気が同居した作品だ。代表曲「It’s Five O’Clock」を軸に、1970年前後のヨーロッパ産ポップ・ロックの輪郭が見えやすい一枚になっている。

トラックリスト

  • A1 – It’s Five O’ Clock
  • A2 – Take Up
  • A3 – Take Your Time
  • A4 – Annabella
  • A5 – Let Me Love, Let Me Live
  • B1 – Funky Mary
  • B2 – Good Time So Fine
  • B3 – Marie Jolie
  • B4 – Such A Funny Night

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2026.07.19
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