Bo Hansson – Lord Of The Rings (1970)
Bo Hansson『Lord Of The Rings』
スウェーデンのキーボード奏者、Bo Hanssonが1970年に発表したインストゥルメンタル作品。電子音楽とロックを土台にしたプログレッシブ・ロック、サイケデリック・ロック寄りの内容で、タイトルどおりトールキンの『指輪物語』を題材にしたアルバムとして知られている。
作品の輪郭
中心にあるのは、オルガンやシンセサイザーを軸にした鍵盤のフレーズ。バンド演奏の推進力よりも、旋律の運びや音の重なりで場面を描くタイプの作りで、曲ごとに情景が切り替わるような構成になっている。リズムは前に出すぎず、細かい打ち込みや持続音が流れを支える場面もある。
ロックの骨格を持ちながら、サイケデリック期らしい浮遊感と、物語性のある組曲的な展開が同居している印象。派手な技巧を見せるというより、鍵盤の音色変化で世界観を組み立てる方向性。
Bo Hanssonにとっての位置づけ
Bo Hanssonは、1960年代にHansson & Karlssonで注目を集めた人物で、その後も複数の作品でインストゥルメンタルの幻想的なロックを展開していく。この『Lord Of The Rings』は、そうした流れの中でも特に広く知られる代表作として扱われることが多い。彼の作品群の出発点として見られることもある一枚。
同時代とのつながり
1970年前後の英国プログレッシブ・ロックやサイケデリック・ロックの空気を共有しつつ、英国のバンド作品とは少し違う、北欧らしい乾いた質感も感じられる。Jethro TullやPink Floydのような同時代の大きな流れと並べて語られることもあるが、Bo Hanssonの場合はより鍵盤主体で、映画音楽のような場面転換が目立つ作り。
曲の印象
アルバム全体が組曲的な流れを持つため、単独のヒット曲で押すタイプではない。むしろ、作品全体で『指輪物語』のイメージを描く構成が特徴になっている。各曲は短いモチーフの反復や展開でつながり、物語を追うような聴き方がしやすい。
ひとこと
Bo Hanssonの鍵盤表現、プログレとサイケデリックの接点、そして文学作品を音でたどる構成。その3つがまとまった、1970年という時代性の見えるアルバム。
トラックリスト
- A1 Leaving Shire
- A2 The Old Forest; Tom Bombadil
- A3 Fog On The Barrow Downs; The Black Riders
- A4 Flight To The Ford; At The House Of Elrond
- A5 The Ring Goes South
- B1 A Journey In The Dark
- B2 Lothlorien
- B3 Shadowfax
- B4 The Horns Of Rohan; The Battle Of The Pelennor Fields
- B5 Dreams In The Houses Of Healing
- B6 Homeward Bound
- B7 The Scouring Of The Shire
- B8 The Grey Havens