The Incredible String Band – The Hangman’s Beautiful Daughter (1968)
The Incredible String Band『The Hangman’s Beautiful Daughter』
1968年に発表された、スコットランド出身のサイケデリック・フォーク・バンド、The Incredible String Bandの作品。エディンバラ/グラスゴーを拠点に1966年に結成されたグループで、この時期のUKフォークの流れと、60年代後半のサイケデリックな感覚が重なった1枚として知られている。
作品の輪郭
フォークを土台にしながら、世界各地の音楽要素や実験的な構成を取り込んだ内容。アコースティック楽器を中心にした響きが軸にありつつ、曲ごとにリズムや組み立てが変わっていく。素朴さと変則性が同居するような作りで、いわゆる直線的なロックとは少し距離のある質感。
Mike HeronとRobin Williamsonを中心にした制作で、2人の個性がそのまま作品の方向性に出ている印象。メロディは親しみやすさを残しながら、展開にはひねりがある。演奏の手触りは生々しく、録音全体にも当時らしい空気感がある。
アーティストの中での位置づけ
The Incredible String Bandにとっては、代表作のひとつとして扱われることが多いアルバム。フォークの枠内に収まりきらない拡張性がはっきり出ていて、バンドの方向性を示す作品といえる。Scottish psychedelic folkというプロフィールをそのまま示すような内容。
同時代とのつながり
同時代のUKフォークやサイケデリック・ロックの文脈で語られることが多く、Fairport Conventionのようなブリティッシュ・フォーク勢や、より実験性の強いサイケデリック作品群とも並べて見られることがある。とはいえ、The Incredible String Bandは民族音楽的な要素や独自の曲作りが強く、単純な比較では収まらないところもある。
ジャケットにまつわるメモ
初期のUK盤では、Mike HeronとRobin Williamsonの青空を背景にした写真が前面に使われている。US盤、ヨーロッパ盤、そして後年のプレスでは裏面のデザインが使われる形になっている。
曲の印象
アルバム全体でまとまった流れを持つ作品で、ヒット曲を前面に押し出すタイプではない。曲ごとの変化を追う楽しさがあり、フォーク、ワールド・ミュージック的な感触、サイケデリックな構成が一体になっているところが聴きどころ。
- アーティスト: The Incredible String Band
- タイトル: The Hangman’s Beautiful Daughter
- オリジナル・リリース年: 1968年
- リリース国: US
- ジャンル: Folk, World, & Country
- スタイル: Psychedelic, Folk
60年代後半のフォークの広がりを、そのまま作品の形にしたような1枚。
トラックリスト
- A1 Koeeoaddi There (4:41)
- A2 The Minotaur’s Song (3:18)
- A3 Witches Hat (2:30)
- A4 A Very Cellular Song (12:55)
- B1 Mercy I Cry City (2:40)
- B2 Waltz Of The New Moon (5:01)
- B3 The Water Song (2:41)
- B4 Three Is A Green Crown (7:40)
- B5 Swift As The Wind (4:50)
- B6 Nightfall (2:29)