That Petrol Emotion – End Of The Millennium Psychosis Blues (1988)
That Petrol Emotion「End Of The Millennium Psychosis Blues」
「End Of The Millennium Psychosis Blues」は、UKのバンド、That Petrol Emotionが1988年に発表した作品だ。Northern Irish出身のメンバーを中心に、ロンドンを拠点に活動したこのバンドは、The Undertonesの元メンバーであるJohn O’NeillとDamian O’Neillを含む編成で知られている。オルタナティヴ・ロック、ポストパンク、ガレージロック、ダンス・ミュージックの要素を行き来しながら、1985年から1993年にかけてアルバムを残したグループでもある。
作品の位置づけ
この時期のThat Petrol Emotionは、パンクの勢いを引き継ぎつつ、より幅広いロックの文脈へ踏み込んでいった段階にある。1988年という年は、オルタナティヴ・ロックやインディー・ロックがUKのシーンで存在感を強めていた時期でもあり、この作品もその流れの中で捉えやすい1枚だ。
バンドのプロフィールを見ると、The Undertonesのポップ感覚と、より硬質で実験的な方向性が同居しているのが特徴的だ。John O’Neillは1988年までの参加となっており、この時期の編成の変化もバンドの推移を示す要素になっている。
サウンドの印象
ジャンル表記はRock、スタイルはPop Rock、Indie Rock。そこから受ける印象としては、直線的なロックの推進力を持ちながら、メロディの輪郭も意識された作りと考えられる。That Petrol Emotionは一般に、ギター中心のバンド・サウンドに、当時としてはやや先の時代を感じさせるリズム感やサンプリングの感覚を持ち込んだグループとして語られることが多い。
大きく派手に押し出すタイプというより、緊張感のある演奏と、ロックの骨格を保ったままの変化が見えるタイプの作品として聴かれやすいだろう。タイトルにある「Psychosis Blues」という語感も、当時のバンドの持つ切迫感や、単純なポップさだけでは終わらない空気を連想させる。
同時代とのつながり
That Petrol Emotionは、The Undertonesの流れを受けつつも、そのままのポップ・パンク路線にとどまらなかった点が面白い。1980年代後半のUKインディーやオルタナティヴの文脈では、ギターバンドがファンク、ダンス、ポストパンクの感触を取り込んでいく動きがあり、このバンドもその周辺に置いて見やすい。
比較の軸としては、同じくパンク以後の感覚を引き継ぎながら、より実験的な方向へ広げたUKのバンド群が思い浮かぶ。That Petrol Emotionは、その中でもメロディとアンサンブルの両方を保ちながら進んだグループとして位置づけられるだろう。
まとめ
「End Of The Millennium Psychosis Blues」は、That Petrol Emotionの1988年時点の輪郭をつかみやすい作品だ。The Undertonesの出自を持つバンドが、インディー・ロックやポストパンクの流れを吸収しながら、自分たちのロックを組み立てていった過程が見える。1980年代後半のUKシーンを追ううえでも、ひとつのポイントになるタイトルと言えそうだ。
トラックリスト
- A1 Sooner Or Later
- A2 Every Little Bit
- A3 Cellophane
- A4 Candy Love Satellite
- A5 Here It Is… Take It!
- A6 The Price Of My Soul
- B1 Groove Check
- B2 The Bottom Line
- B3 Tension
- B4 Tired Shattered Man
- B5 Goggle Box
- B6 Under The Sky