Modern English – Stop Start (1986)

Modern English『Stop Start』(1986)

Modern Englishは、1977年にイングランド・エセックス州コルチェスターで結成されたバンドだ。ロビー・グレイ、ゲイリー・マクドウェル、マイケル・コンロイを中心に始まり、初期はパンク寄りの現場で活動しながら、その後4ADに拾われて頭角を現した。『Mesh & Lace』の陰影のあるポストパンク、『After The Snow』でのギターの厚みとメロディの伸び、そして「I Melt With You」のヒットで知られる流れをたどると、『Stop Start』はその次の段階に置かれる作品になる。

本作『Stop Start』は1986年のアルバムで、Modern Englishが4ADを離れた後に発表した作品だ。録音はGenetic StudiosとTrident Studios、ミックスはTrident Studiosで行われている。盤はドイツ製で、WEA Musik GmbHおよびRecord Service GmbH, Alsdorfのクレジットが入っている。プリント・インナー・スリーブ付きという仕様も確認できる。

バンドの流れの中での位置づけ

『After The Snow』でアメリカでも認知を広げたModern Englishは、その後の『Ricochet Days』でより端正なプロダクションへ進み、そして『Stop Start』の時点ではメンバー編成も変化している。アーティスト情報にある通り、リチャード・ブラウンとスティーヴン・ウォーカーはこの時点で脱退し、アーロン・デヴィッドソンがキーボード/ギターで加わっている。バンドの輪郭が変わる時期の作品として見える。

レーベル面でも、この時期は4AD期の流れから離れ、Sire Records系のリリースとして出ている。初期の4AD作品にあった暗さや硬さから、より整ったニューウェイヴ/シンセポップの文脈へ寄った時期の記録とも受け取れる。

サウンドの印象

ジャンル表記はElectronic、スタイルはNew Wave、Synth-pop。実際に聴くと、ギター主体の初期作よりも、リズムとシンセの整理された配置が目立つタイプの作品として耳に入る。ロビー・グレイの歌は前面に出ていて、メロディの運びは保ちながら、バンド全体の音像は80年代中盤らしい輪郭に寄っている。

同時代の感触で言えば、ポストパンクの質感を残しつつ、よりポップな構造へ接近した流れの中にある。4AD周辺の初期作や、『After The Snow』での展開を知っていると、ここでの音の整理のされ方がはっきり感じられるはずだ。

代表曲とのつながり

Modern Englishの代表曲としては、やはり「I Melt With You」がまず挙がる。本作『Stop Start』は、その曲のような広がりのあるフックを期待して聴くと、少し別の方向にあることが分かる。ヒット曲中心の作品というより、バンドの編成変化と音の更新が記録されたアルバムという印象が強い。

まとめ

『Stop Start』は、Modern Englishが初期のポストパンク的な輪郭から、1980年代中盤のニューウェイヴ/シンセポップ寄りのサウンドへ進んだ時期を示す一枚だ。4AD期の作品群や「I Melt With You」で知られる流れの先にあり、バンドの転換点をそのまま音にしたような位置づけにある。

トラックリスト

  • A1 – The Border (4:04)
  • A2 – Ink And Paper (3:58)
  • A3 – Night Train (3:10)
  • A4 – I Don’t Know The Answer (3:08)
  • A5 – Love Breaks Down (5:29)
  • B1 – Breaking Away (4:00)
  • B2 – The Greatest Show (4:52)
  • B3 – Love Forever (3:16)
  • B4 – Start Stop Stop Start (5:42)

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2026.08.22
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