Progres 2 – Mozek (1984)
Progres 2「Mozek」(1984) について
Progres 2は、チェコ・ブルノ出身のロック・グループで、ドラマー兼コンポーザーのZdeněk Klukaを軸に活動してきたバンドだ。1968年にThe Progress Organizationとして始まり、70年代のバック演奏期を経て、1970年代後半にProgres 2として定着していく。そんな流れの中で作られたのが、1984年作の「Mozek」になる。
録音はスロバキアのブラチスラヴァにあるKolibaスタジオ。リリースはチェコスロヴァキア盤で、クレジットには1984年の表記がある。バンドのキャリアの中では、70年代の長尺志向のプログレッシブ・ロックから、80年代的なニューウェイヴ寄りの感触を取り込んでいく時期の作品として位置づけられる一枚だ。
バンドの流れの中での「Mozek」
Progres 2は、チェコ・ロックの中でもプログレッシブ・ロックの文脈で語られることが多いグループだ。初期のThe Progress Organization時代から、構成のしっかりした曲作りと、演奏力を前面に出す姿勢が目立つ。80年代に入ると、完全に70年代型のプログレだけではなく、当時の新しい音像も取り込みながら活動していく。その変化が、「Mozek」にははっきり出ている。
参加メンバーには、Milan Nytra、Aleš Bajger、Roman Jež、Pavel Váně、Miloš Morávek、Roman Dragoun、Zdeněk Kluka、Pavel Pelc、Karel Horký、Peter Peterajが並ぶ。複数の鍵盤奏者やギタリスト、そしてバンドの核となるKlukaの存在が、作品の組み立てに関わっている構成だ。
サウンドの特徴
「Mozek」は、プログレッシブ・ロックの構成感と、ニューウェイヴ期らしい硬さが同居している作品として聴こえる。大きくうねる展開や、楽器同士の組み立てを重視した感じがありつつ、70年代の過剰な装飾に寄り切らないところが80年代盤らしい。チェコ圏のロックでは、同時代の欧州プログレや、よりシンセを使うバンド群と並べて語られることもありそうだ。
実際に聴くと、リズムの作り方にドラマー主導の感触があり、演奏の輪郭がはっきりしている。メロディを押し出す場面と、アレンジの切り替えで聴かせる場面が交互に出てくるため、曲の流れを追う楽しさがあるタイプのアルバムだ。派手なヒット狙いというより、バンド全体の設計で聴かせる性格が強い。
同時代の文脈
1984年という年は、プログレッシブ・ロックが70年代ほど主流ではなくなり、各国のバンドがニューウェイヴやシンセ主体の音へ接近していった時期だ。Progres 2もその空気の中にありながら、自分たちの出自であるプログレ的な構成を手放してはいない。東欧圏のロックとして見ると、制約のある環境の中で編成とアレンジを工夫している点が、この時代ならではの面白さにつながっている。
比較対象としては、同時代の欧州プログレや、ロックとニューウェイヴの接点を探っていたバンドが思い浮かぶ。ただし、Progres 2はあくまでチェコのバンドとしての語法が前面にある。英米の模倣というより、ローカルなロックの流れの中で更新していった印象だ。
作品の位置づけ
「Mozek」は、Progres 2の歩みの中で、70年代的な大作志向から80年代的な整理された音像へ移る途中の記録と見てよさそうだ。バンド名を何度か変えながら続いてきた歴史の中で、1984年のこの作品は、継続と更新の両方を示す一枚になっている。
代表曲として特に広く知られる単独ヒットがある作品というよりは、アルバム全体でバンドの現在地を示すタイプだ。チェコスロヴァキアのロック史をたどるうえで、Progres 2が80年代にどう鳴っていたかを知る手がかりになる盤だと言える。
トラックリスト
- A1 – Inzerát (4:40)
- A2 – Neznámý Génius (4:50)
- A3 – V Útulku Mudrců (6:16)
- A4 – Co Je Život I (3:47)
- A5 – Co Je Život II (3:36)
- B1 – Pod Generátorem (4:35)
- B2 – Radost A Štěstí (2:53)
- B3 – Čistý Štít U Firmy Mít (5:13)
- B4 – Vzpoura Otroků – Počítačů (2:40)
- B5 – X.A.Z. (2:22)
- B6 – Kdo Je Tam? (4:00)