The Wild Flowers – Sometime Soon (1988)
The Wild Flowers『Sometime Soon』について
The Wild Flowersは、1983年にイングランドのウルヴァーハンプトンで結成されたポスト・パンク/インディー・ロック・バンドだ。1988年に出た『Sometime Soon』は、その初出年の作品として位置づけられる1枚で、同時代のUKインディーやニューウェーブ、ゴス寄りの感触を持つバンドの流れの中にある作品として見てよさそうだ。
メンバーにはDavid Fisher、Peter Waldron、David Atherton、Neal Cook、David Newtonの名前が並ぶ。バンドは1997年に解散しており、この時期の音源は、活動期の中でも1980年代後半のまとまった姿を伝えるものになっている。
作品の印象
『Sometime Soon』は、電子的な質感とロックの骨格が同居するタイプの作品だ。ギター主体のインディー・ロックだけで押し切るというより、リズムや音色の置き方に当時のニューウェーブ的な整理された感触がある。そこにゴス・ロック由来の陰影が重なることで、1980年代後半のUKバンドらしい輪郭が出ている。
実際に聴くと、演奏の密度よりも曲の配置や響きの作り方に耳が向く盤だ。音数を詰め込みすぎず、冷たさと推進力のバランスを取っているように聴こえる。インディー・ロックとしての素朴さと、当時のシンセやエフェクト感を持つ音作りが、作品全体の性格を決めている印象。
同時代の文脈
この時期のUKでは、ポスト・パンク以降の流れを引き継ぎながら、インディー・ロック、ニューウェーブ、ゴス・ロックが互いに重なっていく動きがあった。The Wild Flowersもその中に入るバンドで、派手なヒットチャートの文脈というより、ローカルなシーンやオルタナティブ寄りの聴かれ方に近い。
比較対象としては、同時代のUKインディー勢や、ニューウェーブの整ったビート感を持つバンド、あるいはゴス寄りの陰影を含むバンドが思い浮かぶ。とはいえ、The Wild Flowersは単純にどれかへ寄せた音ではなく、複数の要素をまとめたタイプの作品として受け取れる。
アーティストにとっての位置づけ
1983年結成のバンドにとって、1988年は活動の中盤にあたる時期だ。『Sometime Soon』は、その時点での音楽性を確認しやすい作品といえる。のちの解散まで続く流れの中で、バンドの輪郭が比較的はっきり見える時期の記録でもある。
リリース情報
- アーティスト: The Wild Flowers
- タイトル: Sometime Soon
- オリジナル・リリース年: 1988年
- リリース国: UK
- 盤のリリース年: 1988年
- 仕様: プリント入りインナー付き
- ジャンル: Electronic, Rock
- スタイル: Alternative Rock, New Wave, Goth Rock, Indie Rock
まとめ
『Sometime Soon』は、1988年のUKインディー/オルタナティブの空気をそのまま切り取ったような作品だ。電子的な手触り、ロックの推進力、ニューウェーブやゴスの陰影が同じ盤面に収まっていて、The Wild Flowersというバンドの立ち位置を確認しやすい。
派手さよりも、時代の音の組み合わせとバンドの輪郭を追う楽しさがある1枚。
トラックリスト
- A1 – Take Me For A Ride
- A2 – Broken Chains
- A3 – Apple Creek
- A4 – The Welcome Son
- A5 – That Ain’t True
- B1 – Head Of Nothing
- B2 – Set Me Alight
- B3 – Don’t Know Where I’m Going
- B4 – Is This The Place
- B5 – Melon Patch
- B6 – Last Train To Nowhere