Matt Monro – The Best Of Matt Monro (1973)
Matt Monro『The Best Of Matt Monro』について
Matt Monroは、1960年代から1970年代にかけて活躍したイングランド出身の男性歌手である。いわゆるジャズ・ポップ、あるいはイージーリスニング寄りの歌唱で知られ、端正な発声とまっすぐなメロディの運びが持ち味の人だ。この『The Best Of Matt Monro』は、その代表的な録音をまとめたベスト盤として位置づけられる作品で、1973年にオリジナルが登場し、日本盤は1979年にリリースされている。
Matt Monroは、英国のチャートでも米国のチャートでも複数のヒットを残している。中でも1964年の「Walk Away」は、アメリカではBillboard Hot 100で23位、Adult Contemporaryで5位、イギリスでは4位を記録した代表曲として知られる。また、1960年の「Portrait of My Love」も英国で3位を記録している。こうした楽曲を軸にしたベスト盤という点で、彼の歌手像を短い時間で追いやすい内容になっている。
作品の位置づけ
1973年時点でまとめられたベスト盤なので、Matt Monroのキャリアの中でも、1960年代の主要なヒットや持ち味を整理して聴ける一枚といえる。映画主題歌やスタンダードを丁寧に歌うタイプの男性ボーカルとして、同時代の英国歌手の中では、Matt Monroはより直線的で、癖を抑えた歌唱で知られていた。そのため、同じくボーカル主体のポップ・ジャズ系の聴き手には、Frank SinatraやAndy Williams、Nat King Cole系の流れと並べて語られることもある。
日本盤としての楽しみ方
この盤は日本で1979年に出たもので、オリジナルの1973年盤よりも後年の流通盤になる。日本盤ベストとして手に取る場合、当時の国内向けコンピレーションとして、Matt Monroの代表曲をまとまって聴ける点に意味がある。シングル曲中心の構成であれば、彼の声の輪郭やフレージングの運びが分かりやすく、アルバム単位の作品とは少し違った入口になっている。
代表曲について
Matt Monroを語るうえで外せないのが「Walk Away」と「Portrait of My Love」だろう。「Walk Away」は、落ち着いたテンポの中で感情を押しつけずに歌い切るタイプの楽曲で、彼の歌い方の特徴がよく出ている。「Portrait of My Love」は、より早い時期の代表曲で、英国での存在感を示した1曲として重要だ。ベスト盤では、こうした曲を通して、派手な技巧よりも歌そのものの説得力で聴かせるタイプのシンガーであることが見えてくる。
まとめ
『The Best Of Matt Monro』は、Matt Monroの代表的なヒットや歌唱スタイルをコンパクトに押さえたベスト盤である。ジャズとポップの間を行き来しながら、穏やかで明瞭なボーカルを前面に出す彼の持ち味を、そのまま確認しやすい編集盤という印象だ。1973年のオリジナル版を土台にしつつ、日本では1979年盤として流通した一枚として、彼のキャリアを振り返る入口になっている。
トラックリスト
- A1 – From Russia With Love (2:34)
- A2 – Sunrise, Sunset (2:56)
- A3 – Born Free (2:46)
- A4 – I Will Wait For You (2:50)
- A5 – Wednesday’s Child (2:36)
- A6 – Love Is A Many Splendored Thing (2:47)
- A7 – Charada (4:06)
- B1 – The Music Played (3:16)
- B2 – Walk Away (3:05)
- B3 – (They Long To Be) Close To You (3:04)
- B4 – Georgia On My Mind (4:31)
- B5 – Merci Cheri (2:50)
- B6 – Stardust (2:22)
- B7 – For Mama (2:53)