Cactus – ‘Ot ‘N’ Sweaty (1972)
Cactus『’Ot ‘N’ Sweaty』について
Cactusの『’Ot ‘N’ Sweaty』は、1972年に登場した作品で、バンドのライブとスタジオ録音をひとつにまとめた内容になっている。USハードロック/ブルースロック・バンドとして知られるCactusの、活動初期の勢いがそのまま出た時期のアルバムだ。
この作品では、ライブの熱量とスタジオでのまとまりが同居している。Side Oneは1972年4月3日、プエルトリコのMar Y Sol Festivalでのライヴ録音。Side TwoはニューヨークのMedia Sound、Electric Lady Studios、Atlantic Recording Studios、Advantage Soundでの録音をもとに構成されている。
作品の位置づけ
Cactusは1969年に結成され、1972年までの活動期にいくつかのアルバムを残している。この『’Ot ‘N’ Sweaty』は、その初期活動期の終盤に出た一作で、バンドのライヴ面とレコーディング面の両方を見せる内容になっている。スタジオ作に比べると、演奏の生々しさや会場の空気が前に出るタイプのレコードだ。
メンバーにはCarmine Appice、Tim Bogert、Rusty Day、Duane Hitchingsらが関わっている。Cactusは後年、ハードロック史の中で語られることが多いが、この時期の演奏は、より直接的なリズム感とブルース由来のフレーズが前面に出ている印象がある。
収録内容と聴きどころ
この盤は、ライブ録音とスタジオ録音の切り替わりがはっきりしている。Side Oneのライヴは、演奏の勢いと観客の空気感がそのまま残る構成。Wally Heider Remote Unitによる録音で、フェスティバル会場の大きなスケール感が伝わる。
Side Twoでは、Media SoundやElectric Lady Studiosでの録音曲が並び、ライヴ面とは違う整理された音像が聴ける。さらにAtlantic Recording StudiosやAdvantage Soundでの追加録音、Electric Lady Studiosでのリミックスも行われており、荒さだけで押すのではなく、音の輪郭を整えた作りになっている。
曲ごとの細かな印象は、ライブ曲でのドラムとベースの推進力、スタジオ曲でのギターとヴォーカルの密度に出やすい。Cactusらしい、直線的なロックのノリが中心の作品だ。
同時代の文脈
1972年前後のアメリカン・ハードロックには、演奏の長さや音量だけでなく、ブルースの語法をどう残すかが重要な要素としてあった。Cactusもその流れの中で、より硬質なロックの側に立ちながら、ルーツ感を保ったバンドとして見られることが多い。Deep PurpleやGrand Funk Railroadのような同時代の重量感のあるロックと並べて語られることもあるが、Cactusはより土臭い演奏のまとまりが特徴として挙げられやすい。
オリジナル盤とこの盤の情報
今回の盤はヨーロッパ盤で、ジャケットはグロッシーなゲートフォールド仕様、白いポリライナー付きの内袋。背面右下にはデボス加工のWarnerロゴが入っている。ラベル表記ではATCO RECORDSのクレジットがあり、ジャケットには1972年の著作権表記が見える。ドイツ製で、GEMA/BIEMの表記がある点もヨーロッパ流通盤らしいポイントだ。
カタログ番号は複数あり、ラベルには「ATC 50013」、スパインには「50 013 B」、スリーヴには「50 013」、裏面には「7011」が併記されている。こうした表記の違いも、再発盤や流通用の仕様を示す要素になっている。
まとめ
『’Ot ‘N’ Sweaty』は、Cactusのライブの熱量とスタジオでの硬さを一枚に収めたアルバムだ。Mar Y Sol Festivalでの演奏を含む構成が、バンドの当時の勢いをそのまま伝えている。1972年という時期のアメリカン・ハードロックの空気を、かなりストレートに感じられる作品として位置づけられる。
トラックリスト
- A1 – Swim (4:40)
- A2 – Bad Mother Boogie (4:55)
- A3 – Our Lil Rock-N-Roll Thing (6:25)
- B1 – Bad Stuff (3:08)
- B2 – Bringing Me Down (5:27)
- B3 – Bedroom Mazurka (4:33)
- B4 – Telling You (5:10)
- B5 – Underneath The Arches (0:30)