David Kilgour & The Heavy Eights – Bobbie’s A Girl (2019)
David Kilgour & The Heavy Eights『Bobbie’s A Girl』について
『Bobbie’s A Girl』は、ニュージーランドのミュージシャン、David KilgourがThe Heavy Eightsを従えて2019年に発表したアルバムだ。リリース国もニュージーランドで、紫色のヴァイナル盤として出ている。録音、ミックス、マスタリングは2015年から2018年にかけて行われた。
David Kilgourは、ニュージーランドのロック史の中で長く活動を続けてきた人物で、The Heavy Eightsとの組み合わせでは、バンドとしてのまとまりを保ちながらも、彼自身の作曲やギターの感触が前に出る構図になっている。ロックを基盤にしつつ、サイケデリック・ロックとフォーク・ロックの要素が見える一枚だ。
作品の輪郭
このアルバムは、David Kilgourのソングライティングを軸に、Alan Haig、Tony de Raad、Tane Tokona、Thomas Bellを含む編成で形になっている。演奏の輪郭は比較的はっきりしていて、ギター、リズム、歌が同じ画面の中で並ぶタイプの作品に見える。派手な装飾で押すというより、曲の流れとバンドの呼吸で聴かせる作りだ。
2015年から2018年までの長い期間をかけて仕上げられている点も、この作品の性格を示している。短期間で勢いよく固めたアルバムというより、時間をかけて音像や曲順を整えた印象がある。
音の印象
David Kilgourの作品は、ニュージーランドのギターロックやアンダーグラウンド・ポップの文脈で語られることが多い。The Heavy Eightsとの共演でも、その系譜は見えやすい。歪みを強く押し出す場面より、ギターのフレーズの重なりや、歌の置き方で引っぱるタイプのサウンドに近い。
サイケデリック・ロック的な感触は、音の揺れや反復の中に出やすく、フォーク・ロック的な面は、曲そのものの骨格や語り口に表れているような作品だ。ニュージーランドの同時代のインディー/ギターロックと比べても、過度に現代的な加工へ寄せず、演奏の手触りを残した作りが特徴になっている。
盤の仕様
- 2019年リリースのニュージーランド盤
- 紫色のヴァイナル仕様
- フル・アルバムのダウンロードカード付き
- ランアウトはエッチング
同年に出た盤としては、作品の初出時点の仕様を反映したものと見てよさそうだ。カラー盤とダウンロードカード付きという点からも、アナログとデジタルの両方で楽しむ前提のリリースになっている。
位置づけ
David Kilgourにとっては、長く続くソロ/バンド活動の中で、近年のバンド編成によるアルバムの一つという位置づけになる。個人名義の作家性を保ちながら、The Heavy Eightsという演奏集団の色も入った作品だ。ニュージーランドのロックが持つ、内省とギター・バンド感の両方が見えやすい一枚として捉えられる。
曲単位の代表性やヒット曲に触れるよりも、アルバム全体の流れで聴くタイプの作品だと言えそうだ。ロック、サイケデリック・ロック、フォーク・ロックの交点に置かれた、David Kilgourらしいギター・アルバムという印象でまとまっている。
トラックリスト
- A1 – Entrance
- A2 – Smoke You Right Out Of Here
- A3 – Crawler
- A4 – Threads
- A5 – Coming In From Nowhere Now
- B1 – Spotlight
- B2 – Swan Loop
- B3 – If You Were Here And I Was There
- B4 – Looks Like I’m Running Out
- B5 – Ngapara