Yes – Yes (1969)

Yes『Yes』について

イングランドのロックバンド、Yesのデビュー・スタジオ・アルバム。オリジナルは1969年7月25日リリースで、プログレッシブ・ロックの初期を形づくる作品のひとつとして位置づけられている。アート・ロック、プログ・ロックの流れの中で、後年の大作志向につながる入口のような一枚。

作品の輪郭

バンド結成は1968年夏。その後、イギリス各地で精力的にライヴを重ね、オリジナル曲とカヴァーを織り交ぜたセットで経験を積んでいく。1969年3月にAtlanticと契約し、ロンドンのAdvision StudioとTrident Studioで録音されたのがこのアルバム。のちのYesを思わせる構成力の片鱗が見える一方で、まだデビュー作らしい直線的な勢いも残る内容だ。

サウンドの特徴

リズムはタイトで、ベースとドラムの推進力が前に出る場面が多い。ギターとオルガンが重なっていくアレンジ、細かく動くフレーズ、パートごとの切り替えの早さが印象に残る。のちの超大作に比べると、曲の骨格は比較的コンパクトで、60年代末のロックらしい手触りもある。サイケデリック・ロックやブルース・ロックの要素と、プログレッシブな展開志向が同居する作品。

バンドにとっての位置づけ

Yesにとっては最初のアルバムであり、後のシンフォニックな方向性へ進む前段階の記録でもある。すでに演奏の緊張感や構成の工夫は見えていて、単なるデビュー作というより、バンドの出発点を示す一枚として捉えやすい。

同時代の文脈

1969年という時期を考えると、イギリスのロックが拡張を続けていた頃の空気がよく出ている。長尺化していくロック、組曲的な構成、演奏技術の前面化といった流れの中で、Yesは後のGenesisやKing Crimson、ELPなどと並べて語られることの多い存在だが、この時点ではまだ独自の色を探っている段階にある。

収録曲とシングル

この作品からはシングルも出ていて、アルバムの外側にも当時のバンドの動きが見える。代表曲として強く定着した後年の楽曲群とは少し距離があるものの、初期Yesの輪郭を知るうえでは重要な位置にある。

盤について

ここでの盤は1972年リリースの日本盤。オリジナルの1969年作としての内容を、日本で流通した時期の盤でたどる形になる。初期Yesの出発点を、国内盤であらためて確認できる一枚。

トラックリスト

  • A1 Beyond And Before
  • A2 I See You
  • A3 Yesterday And Today
  • A4 Looking Around
  • B1 Harold Land
  • B2 Every Little Thing
  • B3 Sweetness
  • B4 Survival

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2026.05.25