Hawkwind – Levitation (1980)
Hawkwind『Levitation』について
Hawkwindの『Levitation』は、1980年に発表されたアルバムだ。UKのスペースロックを代表するバンドとして知られる彼らの中でも、ヘヴィな推進力と宇宙的なイメージが前面に出た作品として位置づけられている。バンドは1969年結成で、サイケデリック・ロックを土台にしながら、ハードロックやメタル寄りの手触りも取り込んできた集団。その流れの中で見ると、本作もHawkwindらしさがかなりはっきり出た一枚といえる。
バンドの流れの中での位置づけ
Hawkwindは、Dave Brockを中心にメンバーの入れ替わりが激しいことで知られるが、その変化そのものがサウンドの推進力にもなってきたバンドだ。『Levitation』の時期も例外ではなく、Nik Turner、Harvey Bainbridge、Simon House、Huw Lloyd-Langton、Tim Blake、Ginger Baker、Robert Calvertといった名前が並ぶ。演奏の輪郭がはっきりした人物が多く、バンドの持つスペースロックの感触に、よりロック・バンドらしい厚みが加わっている印象になる。
同時代のUKロックで見ると、単に宇宙的なイメージを追うだけでなく、リフの強さやリズムの押し出しで聴かせる点に特徴がある。比較対象としては、初期のPink Floydや、より重心の低いハードロック/ヘヴィロックの文脈が思い浮かぶが、HawkwindはそこにSF的な詞世界とライヴ感の強い展開を持ち込んでいる。
1987年盤について
ここで扱うのは1987年のUK盤、Castle Classicsからの再発盤だ。クレジットには「(P) 1980 Original Sound Recording By Bronze Records Ltd」とあり、作品自体は1980年作として扱われる。つまり1987年盤はオリジナル発表後の再発で、レーベルや製造情報が異なる版になる。
再発盤として見ると、当時の流通に合わせてCastle Communications系の体裁になっている点が目につく。オリジナル盤の時代背景をそのまま持ちながら、80年代後半のUK盤として手に取られた一枚、という位置づけだ。
サウンドと内容の印象
『Levitation』は、Hawkwindの持つ反復的なドライブ感が分かりやすい作品だ。ギター、ベース、ドラムが前へ前へと押していく場面が多く、そこにキーボードや電子的な響きが重なることで、一直線のロックだけでは終わらない作りになっている。ライブでの高揚感をスタジオに持ち込んだような、あのバンドならではの手触りがある。
Robert Calvertが関わっている点も重要だ。彼の存在によって、単なるインスト中心のスペースロックではなく、言葉やイメージが曲の推進力になる場面が生まれる。Hawkwindの楽曲は、演奏の勢いだけでなく、語り口や構成の癖も含めて印象を残すことが多いが、本作もその系譜にある。
作品の聴きどころ
- Hawkwindらしい反復リフと推進力
- 電子音やキーボードが作る広がり
- メンバー構成による厚いアンサンブル
- SF的なイメージとロックの直進性の同居
代表曲について
Hawkwindの代表曲としては、バンド全体では「Silver Machine」がまず知られているが、『Levitation』はそのシングル中心のイメージとは少し違い、アルバム全体の流れで聴くタイプの作品だ。曲ごとの印象よりも、バンドの推進力や音像のまとまりで記憶に残る場面が多い。
まとめ
『Levitation』は、Hawkwindが長年続けてきたスペースロックの方法論を、1980年時点の形で示したアルバムだ。UKのロック史の中で見ると、サイケデリックな感覚、ハードな演奏、SF的な世界観をつなぐ存在としてのHawkwindが、かなり分かりやすく表れた作品といえる。1987年のCastle Classics盤は、その1980年作をUK盤として再提示した再発盤で、オリジナルの記録を別の形で手に取れる一枚になっている。
トラックリスト
- A1 – Levitation
- A2 – Motor Way City
- A3 – Psychosis
- A4 – World Of Tiers
- B1 – Prelude
- B2 – Who’s Gonna Win The War
- B3 – Space Chase
- B4 – The 5th Second Of Forever
- B5 – Dust Of Time