Luna – Luna (1981)
Luna『Luna』(1981)について
イタリアのロック・シーンに近い感触を持つ、電子楽器とギターを軸にしたプログレッシブ・ロック作品が、1981年の日本盤として出ている。アーティスト名とアルバム名が同じ『Luna』で、クレジット上は Joe Amoruso、Dario Franco、Danilo Rustici、Sabatino Romano の4人編成。ジャンル表記は Electronic、Rock、スタイルは Space Rock、Prog Rock となっている。
作品の位置づけ
1981年という時期は、プログレッシブ・ロックの第一期がひと区切りついたあとで、電子音やシンセサイザーを取り込んだ作品が各地で続いていた時代。その流れの中で、この『Luna』も、硬質なロックの手触りと電子的な処理を同居させた一枚として捉えやすい。イタリア発のプログレ文脈で語られることが多いタイプの作品で、同時代の欧州ロックの空気をまとったアルバムといえる。
メンバー名に Danilo Rustici が見えることからも、単なる歌もの中心ではなく、演奏の組み立てを重視した作品であることがうかがえる。Joe Amoruso の参加もあり、鍵盤やシンセの存在感が前に出る構成が想像しやすい。
日本盤の仕様
この盤は日本でのリリースで、帯やインサートの情報も含めて当時の国内流通仕様になっている。付属物として bilingual lyrics insert が同梱されており、英語と日本語の対訳付き歌詞インサートで聴きやすさを補っている点が特徴。
- Front obi に European ⑥ Rock Collection 2200 のロゴ
- Rear obi に European Rock Collection 2200 Part VI の表記
- シリーズ内で8枚のアルバムが並ぶ構成
このあたりは、当時の日本盤らしい作りで、作品そのものに加えてシリーズ物としてのまとまりも感じさせる。
音の印象
実際に聴くと、ロックのバンド感を土台にしながら、シンセやキーボードが前面に出る場面があり、スペース・ロック寄りの広がりを持つ。リズム隊が単に伴奏に回るというより、曲の推進力そのものを作っていくタイプで、フレーズの積み重ねで展開していく場面が目立つ。派手なヒット曲で押すというより、曲ごとの構成や音色の切り替えで聴かせるアルバムという受け止め方になりやすい。
メロディはイタリアン・プログレに通じる流れを感じさせつつ、電子音の処理が入ることで、より宇宙的な質感を持たせている。ギターが前に出る部分ではロック色が強まり、鍵盤が広がる部分ではシンフォニックな印象が出る、その行き来がこの作品の要所になっている。
同時代との関係
1970年代のイタリアン・プログレ、たとえば Premiata Forneria Marconi や Banco del Mutuo Soccorso のような大きな流れを踏まえつつ、1980年前後の電子化した音作りへ寄った作品として見やすい。スペース・ロックという表記も、単なる硬派なプログレではなく、音響の広がりや浮遊感を重視した聴かせ方を示している。
日本盤の欧州ロック・コレクションに組み込まれていることからも、当時の国内で「欧州の進行形ロック」として受け止められていたことがうかがえる。派手なチャートヒットを狙う作品というより、アルバム単位で聴くタイプの一枚。
まとめ
『Luna』は、1981年の時点でのロックと電子音の接点を示すアルバム。バンド演奏の骨格を保ちながら、シンセや鍵盤で空間を広げる作りがあり、イタリア系プログレの流れを感じさせる内容になっている。日本盤は対訳歌詞付きで、当時の欧州ロック紹介盤としての性格もはっきりしている一枚。
トラックリスト
- A1 – Sulla Luna
- A2 – L’Isola
- A3 – Lou Jean
- A4 – In Concerto
- B1 – Firebird
- B2 – Serenade
- B3 – Un Seme Strano
- B4 – Come Va?