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Jethro Tull – War Child (1974)

Jethro Tull『War Child』について

『War Child』は、Jethro Tullが1974年に発表した7作目のスタジオ・アルバムだ。英国のロック・バンドとして知られる彼らの中でも、フルートを前面に出した演奏と、イアン・アンダーソンの歌い回しがはっきり出ている時期の作品として位置づけられる。

この時期のJethro Tullは、ブルース・ロックを土台にしながら、フォーク、クラシック、ジャズ、アート・ロックの要素を取り込みつつ活動していた。『War Child』もその流れの中にあり、ロック・アルバムとしてまとまっていながら、曲ごとの色合いはかなり変化がある。

作品の背景

もともと『War Child』は映画のサウンドトラックとして構想されていたが、その企画は実現しなかった。その後、ダブル・アルバムとして想定されていた素材が、最終的に10曲入りの単体アルバムとして再構成された。のちのCD再発盤では、当初のセッションから追加曲が収録されている。

こうした経緯のためか、アルバム全体には曲のつながり方よりも、個々の楽曲の輪郭を立てた作りが目立つ。ストレートなロック曲もあれば、管弦楽的な響きを思わせるアレンジを持つ曲もある。Jethro Tullらしい構成力が出た一枚という印象だ。

聴きどころ

代表曲としてまず挙がるのは「Bungle in the Jungle」だろう。1974年当時のJethro Tullを広く知らしめた曲の一つで、後年までライヴで取り上げられることも多い。リフの分かりやすさと、アンダーソンの歌、バンドの推進力がまとまった曲だ。

そのほかにも、題名の表記ゆれがある「Warchild」「Queen and Country」「SeaLion」など、ジャケットやレーベルで表記が異なる曲名が見られるのも、この盤ならではの細かな特徴だ。

実際に聴くと、派手に押し切るタイプのアルバムではなく、曲ごとの切り替えがはっきりしている。フルートが前に出る場面と、ギター主体で進む場面の差が分かりやすく、70年代中期のJethro Tullの編成感をつかみやすい内容だ。

同時代の文脈

1974年のブリティッシュ・ロックは、プログレッシブ・ロックが成熟期に入っていた時期でもある。Jethro Tullは、YesやGenesisのようなシンフォニックな方向とも、ハード・ロック寄りのバンドとも距離を取りながら、独自の立ち位置を保っていた。

『War Child』は、その中で技巧の見せ場を前面に出しつつ、楽曲単位では比較的聴きやすい形に収めた作品として見られることが多い。プログレッシブ・ロックの枠にありながら、ロック・バンドとしてのまとまりも感じるアルバムだ。

この日本盤について

この日本盤は1974年リリースの初出盤で、マット仕上げのジャケットにオレンジ色の帯が付く仕様だ。英語歌詞入りの内袋に加えて、日本語と英語のトラック表記、曲間のタイム、和文ライナーノーツ、日本語歌詞を収めた2ページの別紙インサートが付属する。

表記面では、スパインが「WAR CHILD」、レーベルが「WarChild」となっており、曲名表記にも細かな違いがある。たとえばA1は背表紙で「WarChild」、内袋・インサート・レーベルでは「WARCHILD」となっている。A2は「Queen and Country」と「QUEEN & COUNTRY」が混在し、A5は「SeaLion」と「SEALION」が使い分けられている。

このあたりは、日本盤らしい細部の違いとして面白い部分だ。音そのものだけでなく、当時の国内盤の作りや表記も含めて眺めたくなる一枚である。

まとめ

『War Child』は、Jethro Tullの1974年作として、映画企画の流れを引きずりながらも、最終的にはロック・アルバムとしてまとめ上げられた作品だ。代表曲「Bungle in the Jungle」を含みつつ、曲ごとの表情の違いがはっきりした構成になっている。英国プログレの文脈の中で、Jethro Tullらしさを確認しやすいタイトルの一つといえる。

トラックリスト

  • A1 – War Child (4:35)
  • A2 – Queen And Country (3:02)
  • A3 – Ladies (3:16)
  • A4 – Back-Door Angels (5:33)
  • A5 – Sea Lion (3:35)
  • B1 – Skating Away On The Thin Ice Of The New Day (3:56)
  • B2 – Bungle In The Jungle (3:37)
  • B3 – Only Solitaire (1:28)
  • B4 – The Third Hoorah (4:49)
  • B5 – Two Fingers (5:09)

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2026.08.16
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